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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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121.  ディープエンド・オブ・オーシャン 《ネタバレ》 3人の可愛い子供たちに恵まれ、現在子育て真っ最中の専業主婦ベス。手のかかることも多いが、優しい夫にも助けられ幸せいっぱいの充実した毎日を送っていた。そんな彼女をある日、悲劇が襲う。子供たちを連れて高校の同窓会に出席した際、ちょっと目を離したすきに3歳になる次男ベンが迷子となってしまったのだ。当初はすぐに見つかると思っていたベスだったが、何処をどう捜してもベンの姿は見つからない。友人たちの助けでテレビでの公開捜査に踏み切るも何の手がかりも得られることなく、時間だけが空しく過ぎてゆく。罪悪感と喪失感からふとした瞬間に半狂乱となるベス。次第に険悪となってゆく家族。失踪から1年が過ぎたころ、ベスは残された子供たちのため気持ちに区切りをつけることを決意するのだった――。9年後、成長した長男や長女とともに穏やかな日々を過ごしていたベス。それでもベンのことを1日たりとも忘れたことはなかった。そんなある日、ベスはたまたま近所の少年を目にした瞬間、雷に打たれたような衝撃を受けるのだった。その男の子は自分が思い描いていた成長したベンと瓜二つだったのだ。果たして彼は本当に9年前にいなくなった我が子なのか?警察とともに少年のことを調べ始めたベスはやがて衝撃の事実に辿り着く……。失踪した我が子を巡って人生を翻弄される母親の苦悩を描いたヒューマン・ドラマ。非常に丁寧に描かれた作品で、冒頭から流れるように続く子供失踪までの過程にまず惹き込まれました。その後、3歳の子供がいなくなってからの母親の苦悩はとてもリアルで、ミシェル・ファイファーの抑えた熱演の力もあり、見ていて痛々しいくらい。夫や残された長男の苦しみなども抜かりなく描かれており、この監督の演出力の高さは相当なもの。特に、自分のせいで弟が居なくなってしまったと自らを責める一方、弟一辺倒で自分を二の次にする母親に反発する長男の哀しみはダイレクトに伝わってきました。ただ、これはきっと意図してのことだと思うのですが、良くも悪くも軽いんですよね、この作品。心に重くのしかかってきそうなシーンもそうなる直前くらいにすぐ別の場面へと移行する。最後まで流れるようにテンポよく進んでゆく。きっとそれがこの作品の美点だと思うのですが、自分はもう少し魂を震わすような圧倒的な現実を見せつけるような物語が好みですかね。それは失踪したかもしれない次男が9年後近所で見つかるシーンで顕著になります。真相はネタバレになるので避けますが、いや、さすがに偶然が過ぎるんじゃないですか。そこの部分もちょっと引っかかってしまって、僕はどうにも物語に入り込めず。途中からほとんど出てこなくなる妹の存在も気になりました。と言ったわけで完成度は確かに高いとは思うのですが、好みの問題もあり自分はそこまで嵌まれませんでした。[DVD(字幕)] 6点(2023-01-19 07:30:22)

122.  ナラタージュ 《ネタバレ》 演劇部に所属する真面目な女子高生が、顧問だった教師への片思いに何年も悩まされる姿を描いたラブストーリー。自分、原作者である島本理生さんはデビュー当時からの大ファンでして、若い女性の恋心を瑞々しい文体で描写するその繊細な世界に魅了されておりました。で、当時「島本理生が新境地を拓いた新たなる代表作」と宣伝されていた本作、もちろん期待して読んだんですが……、その余りにもそれまでの作風と違う内容に大いに落胆させられた記憶があります。だってこれ、「思わせぶりなキザ教師にひたすら振り回される根暗女子」の話としか思えず、その最後までウジウジクヨクヨした後ろ向きな内容に読めば読むほどげんなりさせられちゃいました。でもたまたまネットの観放題にこの映画化作品があったので今回鑑賞してみました。だって監督によって、まったく違う内容になることもあるしね。んで観終わった感想は……、やっぱり「思わせぶりなキザ教師にひたすら振り回される根暗女子の話」でした(笑)。こんな可愛い女子高生に迫られてるのに手を出すでもきっぱり振るでもなくただただ思わせぶりな態度を取る葉山先生は男として理解できないし、そんな身勝手な男に何年も片思いを寄せるこの主人公も意味不明だし、彼女に想いを寄せる同級生の男も愛情表現がひたすら気持ち悪いし、僕が「ムリ!!」と思った要素がここまで揃ってるというのはある意味、原作に忠実な映画化だったんじゃないでしょうか。こればっかりはもう生理的な好みの問題なので如何ともしがたいですね。あと、僕の大好きな名作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をメンヘラ女子のバイブルみたいな雑な扱いするんじゃねー!!と、好みの問題で自分的には低評価となりましたが、それでも映像はキレイだったのと音楽の使い方も品があって心地良かったので、総評としては5点ってところですかね。ちなみに自分はこの『ナラタージュ』という本が嫌いなだけで島本理生さんは今でも好きですよ。特に『七緒のために』という作品は傑作なので機会があれば是非読んでみてください。[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-10 18:05:09)

123.  ナイブズ・アウト:グラスオニオン 《ネタバレ》 そこは数多くの謎が隠された、〝グラス・オニオン(ガラスの玉ねぎ)〟の島――。独創的なアイデアで巨万の富を築き上げたIT企業CEO、マイルズ・ブロン。稀代のミステリー好きでもある彼は、恒例となっているあるゲームを今年も開催するのだった。それは、風光明媚なギリシャにある孤島に参加者を集め、彼のシナリオに沿ったミステリーゲームを行い誰が先に真相を突き止めるか競うというもの。マイルズからの招待状を手に、さっそく意気揚々とその絶海の孤島へとやって来た古い友人たち。再選を狙うアメリカの州知事、天才の名をほしいままにする科学者、影響力絶大の人気ユーチューバーカップル、世界中に工場を持つアパレル会社社長とその秘書、そして彼とは長い裁判闘争を続けていたはずの共同創始者……。そこに何故か、招待していないはずの孤高の名探偵ブノワ・ブランまで顔を揃えている。不審に思いながらもいつも通りミステリーゲームの開催を宣言するマイルズ。だが、その直後マイルズが計画していたものとは違う、本物の殺人事件が発生するのだった。慌てふためく参加者たち。果たして誰が何の目的で事件を起こしたのか?誰もが疑心暗鬼に陥る中、やがて第二の殺人が起きてしまう……。風変りな名探偵ブノワ・ブランが再び難事件へと挑む人気ミステリーシリーズ第2弾。前作以上に豪華キャストを揃えて制作された本作、これが前作以上に面白い極上のエンタメ作品に仕上がっておりました!!様々な仕掛けが施された「招待状」を参加者たちが悪戦苦闘しながら開封する冒頭部で、もう掴みはバッチリ。そこからギリシャのグラス・オニオンへと舞台を移してからは最後まで怒涛の展開で、ホント息つく暇もありません。存分にお金をかけたであろうゴージャスな映像とそれぞれに思惑を抱えた癖の強いキャラクターたちが織りなす腹の探り合い、そして二転三転するテンポのいい脚本…。観客にとにかく楽しんでもらおうという監督の思いが伝わってきて大変グッド。全編に散りばめられた上質のユーモアも素晴らしい。主催者のエドワード・ノートンが自信満々に前口上を述べた後、ダニエル・グレイグ演じる名探偵がすんなり謎解きするシーンで思わずにんまり。エドワード・ノートンの苦々しい顔がもうサイコーでした。ジェレミー・レナーの激辛ソースとか普通に笑っちゃったし。肝心のミステリーも散りばめられた伏線が全て後半に回収されるという手際の良さでなかなか考えられてますなぁ。まさか途中でお話が事件前夜にまで戻るとは予想外でしたが、それも全然不自然には感じず。最後のモナ・リザの扱いなんてかなり不謹慎だけど、爽快感は抜群!いやー、潔いまでにエンタメに拘ったサイコーに楽しい作品でした。続編、期待して待ってます!![インターネット(字幕)] 8点(2023-01-09 06:20:06)

124.  バルド、偽りの記録と一握りの真実 《ネタバレ》 政情不安に揺れるメキシコを舞台に、アイデンティティの危機に直面したある一人のジャーナリストをマジックリアリズム風に描いたシュルレアリスム劇。監督は、メキシコを代表する映画作家アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。アカデミー賞を受賞したものの、世評では賛否分かれる『バードマン』が自分はけっこう好きだったので今回鑑賞してみました。正直、あかん映画でしたよね、これ。とにかくずっと意味不明でしかも2時間40分もあったので、最後まで観るのがかなり苦痛でした。しかも映像が終始小汚いうえに全体的にいまいちセンスも感じられず、もう何を楽しんでいいのやら。監督はきっと、デビッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』のような作品を撮りたかったんでしょうけど、出来上がったものは比べるべくもない酷い代物でした。『バードマン』が好きだっただけに、残念!![インターネット(字幕)] 4点(2023-01-05 09:35:39)

125.  ロスト・ドーター 《ネタバレ》 風光明媚な海辺のリゾート地へとバカンスにやって来た、中年女性レダ。たった一人、レンタカーに質素な荷物だけを手にやって来た彼女は、さっそく浜辺に建つホテルへとチェックインする。昼は見渡す限りの海岸線を臨みながら海水浴を楽しみ、夜は現地のグルメとお酒に舌鼓を打つ。最高のバカンスになるはずだった。ところが彼女の表情は何処か浮かない。それは、同じ日にやって来た家族連れの旅行客のうちの一人、幼い娘を育てる若い母親を目にしてからますます酷くなってゆく。何故ならレダは過去、深刻な育児ノイローゼに陥り、2人の幼い娘に取り返しのつかない哀しい想いをさせてしまったから――。物語は、そんな哀愁漂う中年女性の現代の旅行風景と彼女が若いころ、辛い子育てに追い詰められてゆく回想シーンを交互に描いてゆきます。そんな自責の念に苦しむ母親役には、『女王陛下のお気に入り』での怪演が記憶に新しいオリビア・コールマン。正直、ものすごく辛気臭いお話でしたね、これ。別に僕はそーゆー辛気臭いお話が嫌いと言う訳ではないのですが、この作品のそれはちょっと僕の好みとは合わなかったです。とにかくこの主人公の過去のことをいつまでも引きずり、ひたすらウジウジクヨクヨしている余りに後ろ向きな態度が全く好きになれません。いや、気持ちは分かるんだけど、もうちょっと前向きになろうとか新しい世界に踏み出そうとか今は疎遠になっている娘と真剣に向き合ってみようとか、そういう応援したくなる要素がこれっぽっちもないんですよね、彼女。ひたすら嫌味なおばはん。そのわりには、現地の若い男と食事に行ったり、エド・ハリス演じるホテルの管理人に気のあるそぶりを見せたりする。正直、自分はかなりお近づきになりたくないタイプの人でした。2人の幼い娘を捨てて違う男の元へ逃げたという過去の罪悪感に苦しむのも、「そりゃそーなるわ!!」って感じで全く同情できません。そう言うわけで自分はさっぱり嵌まれませんでした。オリビア・コールマンの哀愁漂う演技に+1点。[インターネット(字幕)] 5点(2023-01-01 07:06:53)

126.  ハリガン氏の電話 《ネタバレ》 アメリカ、メイン州のとある寂れた地方都市。母を失くし、父親と慎ましく暮らす少年クレイグはある日、近所の豪邸で独りで暮らす今は引退した大富豪ジョン・ハリガン氏からあるアルバイトを持ちかけられる。それは週3日、彼の豪邸で目が悪い氏に代わって本を読み聞かせること。少しでも生活の足しにしようと、クレイグはすぐにその提案を受け入れるのだった。『チャタレイ夫人の恋人』『闇の奥』『罪と罰』。世界の様々な名作を読み聞かせる時給5ドルのバイトはそれから何年も続き、これまで休んだのはたった1回だけ。クレイグは、偏屈で傲慢、現役時代は商売敵や部下を徹底的にやり込んだというハリガン氏のことを嫌いではなく、本を読むことも楽しみの一つとなっていた。そして高校生となった彼は、これまでの恩を返そうと一台のアイフォンを買い、彼にプレゼントする。情報は新聞で充分と言い張っていたハリガン氏に、クレイグは丁寧に使い方を教えてあげるのだった。だが、それからすぐハリガン氏は急な病でこの世を去ってしまう――。突然のことに、哀しみに打ちひしがれるクレイグ。最後のお別れの日、クレイグは彼にプレゼントしたアイフォンを密かに棺桶へとしのばせるのだった。そのまま埋葬されるハリガン氏。ところが数日後、彼の携帯に有り得ないメッセージが表示される。なんとハリガン氏からメールが届けられたというのだ。いったいこれはどういうことなのか?不審に思いながらも、クレイグは彼とのメールのやり取りを重ね……。スティーブン・キングの短編小説を元にしたという本作、監督がヒューマン・ドラマの佳品を多く手掛けてきたジョン・リー・ハンコックということで今回鑑賞してみました。冒頭から丁寧に描かれる、この孤独な老人と素直で純朴な少年とのドラマにすぐ惹き込まれました。冷酷に厳しく当たるのでもなく、過度に干渉するでもない、この2人の友情がなんとも心地良いですね。朗読に選ばれる本のチョイスもいいセンスしてるし、前半は一人の少年の成長物語として非常に良く出来ている。ただ、問題は後半部分。ハリガン氏が亡くなってから、急にミステリー的な要素が増え、さらには死者からのメッセージというホラー要素まで加わります。この唐突な急展開はかなり問題で、明らかに物語のバランスが崩れてしまってます。挙句、ここまで引っ張っておきながら、最後のオチがかなり投げっぱなしのまま終わるのはいかがなものか。てっきり僕は、主人公が最後に棺桶に入れた携帯をあの怪しい庭師が盗っていて、メールのやり取りも殺人もきっとあいつが陰でやっていたんだと踏んでました。でもそれだと遺言書の文言や墓の中から聞こえてきた着信音だとかの説明がつかないから、きっとラストで驚きの種明かしが待ってるんだろうなと思っていたのに、これではとんだ肩透かし。前半はすこぶる良かっただけに、なんとも勿体ない作品でありました。[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-27 05:55:56)

127.  ギレルモ・デル・トロのピノッキオ 《ネタバレ》 命を宿した木彫りの人形の大冒険を描いたイタリア児童文学の名作『ピノッキオ』。アニメや実写などこれまで何度も映像化されてきたこの名作を今回クレイアニメという手法で映画化。しかも監督はなんとギレルモ・デル・トロ!これは観ないわけにはいきますまい。早速インターネットで鑑賞してみました。そんな僕の期待を裏切らない、素晴らしい出来の作品でした!とにかく圧倒的に手間暇かけたであろう映像が凄い。見た目はちゃんと手作りの人形なのにここまですべらかに動くんですから、いったいどれだけの時間をかけたのやらと気が遠くなりますなぁ。ゼペット爺さんに造られたという主人公の造形も思いっ切り木彫り感が残っているリアルな質感で、可愛すぎず気持ち悪すぎずという絶妙の匙加減でした。嘘をついたときに伸びるハナも思いっ切り普通の樹木なのも拘りが感じられて良い。当時のムッソリーニ政権がもたらしたファシズムの暗い影をテーマとした物語も深みがあって非常に良かったです。声優陣も豪華で、特にコオロギのクリケット氏を演じたユアン・マクレガーが声だけなのに彼と分かるほどの存在感が凄い。最後の歌声なんて聞き惚れてしまいました。ウサギたちが働く死者の国もユーモラスで大変グッド。僕の大好きな『パンズ・ラビリンス』を髣髴させる、この何処か暗い世界観がとにかくツボでした。うん、なかなか面白かったです。8点!![インターネット(字幕)] 8点(2022-12-27 04:52:38)(良:1票)

128.  ラビリンス/魔王の迷宮 《ネタバレ》 ゴブリンの王にさらわれた弟を救い出すため、異世界を旅する少女を描いた冒険ファンタジー。パペットや合成を駆使した特撮映像は今見てもそんなに違和感ないですが、やはり時代を感じさせますなぁ~。それでも小人たちの表情豊かな演技はワクワクさせられちゃいますね。まるで生きているみたいなリアルさで、CGがない時代にここまで造り込めたのは凄い。この独創的な世界観はけっこう好みでした。ゴブリン王を演じたデビッド・ボウイもやっぱカッコいい!!とはいえ、さすがに中身がなさ過ぎますかね、これ。始まり方もフワフワしてたし、中盤の展開もフワフワしてたし、終わり方も結局夢オチ?みたいでフワフワしてたし……。全体的にすっごいフワフワした映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2022-12-27 04:11:15)

129.  ビッグバグ 《ネタバレ》 時は2045年。人類は、高度に発達した科学技術とAIにより自ら思考し行動するロボットに頼り切った生活を送っていた。全ての家事をこなすお手伝いロボと豪華な一軒家で暮らす中年女性アリスもそんな一人。ある日、彼女の家に偶然6人の人々がやってくる。アリスと親密なお付き合いをしているテレビプロデューサー、彼に無理やり連れてこられた息子、今は新しい妻と新婚ほやほやなアリスのかつての夫、その妻、彼らが新婚旅行に行く間この家で過ごすことになっているアリスの娘、そして迷い込んだ飼い犬を捜しにたまたまやって来たお隣のおばさん――。表面上は和気藹々と過ごしていた彼らに、突然悲劇が訪れる。なんと急に家のロックが掛かり、開かなくなってしまったのだ。どうにかしてドアを開けようとするも、AIに全てコントロールされたセキュリティは住民にはどうにも出来ない。しばらくすると彼らは衝撃の事実を知ることになるのだった。量産型人型ロボット「ヨニクス」が反旗を翻し、なんと人類を奴隷にしようと言うのだ。果たして、家の中に閉じ込められたそんな7人とロボットたちの運命は?近未来を舞台に、ある一軒家に閉じ込められた人々の右往左往をスラップスティックに描いたブラック・コメディ。監督は、『アメリ』や『天才スピヴェット』で有名なジャン・ピエール・ジュネ。僕の大好きな監督の最新作ということで、今回期待して鑑賞してみました。そんな僕の期待を全く裏切らない、素晴らしい出来の作品でしたね、これ。正直、この映画に中身などこれっぽっちもありません。ただひたすら監督の悪ふざけ一歩手前のドタバタを延々見せられるだけ。なのに、最後までワクワクしながら観ていられたのは、ひとえにこの監督の遊び心溢れるセンスのなせる技なんでしょう。とにかくオシャレ!お手伝いロボをはじめとするアンドロイドたちのキュートさなんて、もう最高でした。このお手伝いロボが人間の見栄や嫉妬や愛情をいちいち数値化して驚くところとか最高に皮肉が効いていて大変グッド。他にもアインシュタイン型ロボやレトロなお掃除ロボもみな魅力的で、自分もこんな家に住みたいなんて思っちゃいました(たぶん3日で限界迎えそうだけど笑)。対する人間たちも全く負けておりません。性欲持て余し気味の奥様カップルに意識高い系の元夫夫婦、そして思春期拗らせティーンエイジャー。特に死んだ犬のクローンを何匹も飼ってる隣の家のヒステリー気味マダムとか、鬱陶しいのに妙に憎めないところなんてまさにジュネって感じですね。後半のヨニクスがやってきてからのドタバタも終始センス爆発で最高に面白かったです。最後のオチはいかにもB級SF映画って感じのキレの良さで思わず拍手。ポップなセンスと底意地の悪さだけでこんな愛すべき佳品を撮れちゃうジュネ監督はやっぱり凄い!うん、何処までもついていきます~~。[インターネット(字幕)] 8点(2022-12-22 08:37:50)

130.  MINAMATA ミナマタ 《ネタバレ》 水俣病。それは1970年代、高度成長に邁進する日本を震撼させた公害事件。地元経済を牛耳る大企業チッソが長年、水俣の海に垂れ流し続けた水銀が原因だった。発病すると手足の痙攣や言語障害を引き起こし、酷いものになると全身麻痺に陥り、一生介護なしでは生きられなくなる。だが、チッソはこの事実を隠蔽し、被害者に僅かばかりの慰謝料を払い幕引きを図ろうとしていた。そのことを偶然知った、もはや酒浸りで世間から忘れられた写真家ユージン・スミス。家賃を滞納するまでに追い込まれた彼は日本へと取材に訪れる。当初は金のために引き受けた仕事だったが、被害に苦しむ当事者たちの声に耳を傾けるうち彼の心情にもいつしか変化が訪れて……。実際にあった公害事件をテーマに、一人のアメリカ人写真家の目を通して地方都市で苦難の日々を過ごす社会的弱者たちを描いたヒューマン・ドラマ。主人公である酒浸りの落ちぶれた写真家を演じ、制作も務めたのはハリウッドの人気俳優ジョニー・デップ。とにかく彼の嵌まりっぷりが凄い。もはやハリウッドスターとは到底思えないほどの華のなさ!何もかもを諦めたアル中の偏屈男をリアルに演じていて、彼のそのナチュラルな演技?にまず惹き込まれる。そんな彼が金のために訪れた熊本の水俣市。辺境の漁村を覆う重苦しい鬱屈とした空気、夢も希望もなくただ障害を抱えた身内を介護することに追われる人々。スミスがカメラを向けても皆、すぐに顔を隠したがる。まるで自分たちが社会の恥ずべき部分だと言わんばかりに……。対して大企業チッソのお偉方はビルの広い部屋の高級ソファでふんぞり返っている――。水俣病と言えば、かつて読んだ石牟礼道子の『苦海浄土』でその悲惨な現状に衝撃を受けたのだが、ここにはそれが映像として極めて忠実に再現されている。素晴らしいとしか言いようがない。それだけでも今回の映画化には意義があった。のちにアメリカのタイム誌の表紙を飾り世界に衝撃を与えた、一枚の親子の写真には胸が切り裂かれそうになる。それに対するチッソ社の非人道的振る舞い。もはや怒りを通り越して無力感さえ抱いてしまいそうだ。こんなことは二度と起こしてはいけない。ただ、事実を基にしているために仕方ない部分もあると思うのだが、ストーリーに若干分かりづらい部分がチラホラ。事実とは言え、主人公と女性通訳との恋愛も取ってつけたような印象が否めない。ここら辺をもっと丁寧に描いて欲しかった。とは言え、社会の片隅で声にならない悲鳴をあげている人々の想いに耳を澄ませようというこの監督の姿勢。素直に称賛に値する。日本人としては、間違いなく観るべき作品の一つと言っていい。[DVD(字幕)] 7点(2022-12-22 07:05:17)

131.  ウェンデルとワイルド 《ネタバレ》 両親を事故で亡くした13歳の不良少女カットと、地獄界の落ちこぼれ悪魔ウェンデルとワイルドの死者の国を巡る大冒険を独創的なタッチで描いたクレイ・アニメーション。僕のこよなく愛する『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』『コララインとボタンの魔女』のヘンリー・セリック監督の最新作ということで今回期待して鑑賞。冒頭、けっこうグロテスクな世界なのに何故かコミカルな地獄シーンで掴みはバッチリ。悪の親玉が作った叫びの遊園地でひたすらいたぶられる死者たち。電気ウナギにビリビリさせられたりジェットコースターで吹っ飛ばされたりと、地獄だから仕方ないんですけどひたすら死者たちがいたぶられ続けます。いやー、良いですねぇ、この唯一無二の世界観。子供向け?のアニメなのに、現実世界でバンバン人が死にまくるのもこの監督ならでは。中にはゴルフクラブで殴り殺された挙句、池に放り込まれる人もいます。それを温かみのあるクレイアニメで描く、というこの違和感が今回も心地良かったです。緑の髪に破れた制服、厚底ブーツを穿いて常に目玉ラジカセでガンガンにパンクを響かせて歩くという主人公カットもすこぶる魅力的。トラブルメイカーで自分のことしか考えていない2人組悪魔ウェンデルとワイルドも何処か憎めない魅力があるとこもナイス!彼らが織りなす大冒険には最後までワクワクが止まらなかったです。虫をぐちゃっと潰したり蘇った死者たちの腕が取れたりウジ虫が這いまわっていたりと細かな描写がグロいとこも個人的にツボでした。もちろんクレイアニメとしてのクオリティがすこぶる高いのも高評価。ストーリーが若干ごちゃごちゃしてていまいち分かりにくいところもありましたが、自分は最後まで楽しめました。[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-19 08:38:19)

132.  家をめぐる3つの物語 《ネタバレ》 人が生きていくうえで絶対に欠かせないもの、それは「家」。今住んでいる家はもちろん、過去に住んだ家もこれから住むことになるだろう家も必ず人々の記憶に深く刻まれることになるだろう。もちろん、その家に一緒に住んでいた家族や友人の思い出とともに――。これはそんな「家」にまつわる、ある三つの物語。第一話『内側で聞こえて紡がれるウソ』。家族の反対を押し切り、駆け落ち同然でで一緒になったとある夫婦。2人の可愛い子供には恵まれたものの、現実は厳しく、もはや潰れかけの古い家で貧しい暮らしを余儀なくされていた。そんな折、ある怪しい男が訪ねてくる。彼曰く、「裕福な建築家があなた方に無償で家を差し上げると申しております」。不審に思いながらも提案を受け入れた家族。早速引っ越してみると、そこはにわかには信じがたいほどの豪邸だった。当初の懸念も忘れて何不自由ない生活を満喫する家族だったが、次第に言いようのない違和感を抱き始め……。恐らくフェルトで作ったであろうキャラクターの造形が見事。子供の頃に遊んだ人形のようにぬくもりを感じさせるそんなキャラクターと反対に、紡がれる物語が恐ろしく不気味なのが良かった。このなんとも言えない違和感が最後まで良い意味で気持ち悪い。ただお話としてはありがちなもので、もう一捻りあればなお良かったと思う。第二話『敗北の心理にたどり着けない』。自らの持ち家をイノベーションして高値で売り払おうとしているとあるオーナー。銀行から多額の資金を借り入れ、家具や内装も一級品を揃えあと少しで完成するところまで辿り着く。ところが脈ありな客たちを招いて内覧会を開こうとしていた矢先、様々なトラブルに見舞われるようになる。謎の虫が大量発生したり、家電が正常に動かなかったり。さらには内覧会に招いた怪しい客が様々な理由をつけて居座ってしまい……。スマホやDIYと言った現代的で洗練されたアイテムを駆使しながら、演じているキャラクターがどれもリアルなネズミだというのが皮肉が効いていて大変グッド。人間なんて、どれだけ見た目を着飾っても一皮剝けばみな動物なんだよというシニカルなテーマがユーモラスに描かれる。特に最後、ネズミに戻ってしまった人々が小奇麗だった家をどんどん汚してゆくところが最高にグロテスクでとても良かった。リアルな虫が一斉に踊るダンスシーンは、虫嫌いな人はトラウマになるかも。お話としては、こちらもごく普通。第三話『もう一度耳を傾けて太陽を目指して』。大地がほとんど水没してしまった未来。数少ない残された土地でアパートを経営する大家の女性が、様々な訳アリ住民に悩まされる姿をコミカルに描く。最後は何処か希望を持たせる物語で締めたかったのだろうが、いまいちパンチに欠ける印象。猫というキャラクター造形も別段新鮮味を感じなかった。ただヒステリー気味な主人公と何処かイカレタ住民との嚙み合わない会話劇はシュールで良かった。それぞれに独創的なセンスを感じさせるそんなストップモーション・アニメ。お話としてはありがちなものばかりだったが、三者三様のこの唯一無二の世界観はどれも好みで普通に楽しめました。[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-12 07:23:44)

133.  クライ・マッチョ 《ネタバレ》 彼の名は、マイク・マイロ。かつて超一流のロデオ・スターとして一世を風靡したものの、落馬事故をきっかけに引退を余儀なくされた哀しい男だ。以来、酒に溺れて生活は荒廃、家族も次々と離れていき、今や一人切りの孤独な老後を過ごしている。そんな侘しい生活を送っていた彼の元にある日、かつて自分の雇い主だった牧場主が訪ねてくる。「今からメキシコに向かい、元妻のところで暮らしている俺の息子を連れ戻してくれないか?」――。藪から棒にそう告げる牧場主。詳しく話を聞いてみると、13歳の息子は実の母親から虐待を受けていて今すぐにでも連れ戻しに行きたいが、自分がメキシコへと入国すれば逮捕されるらしい。かつてどん底だった自分を救ってくれた恩もあり、マイクは仕方なく依頼を引き受けることに。使い込んだオンボロ車でメキシコ国境を越えたマイク。教えてもらった地で、彼はすぐにスラムで違法な闘鶏賭博に入れ込む息子ラフォと出会う。突然の提案に当初は反発していたラフォだったが、元カウボーイだというマイクの人柄にほだされ、新天地アメリカへと向かうことを決意するのだった。たった一人の相棒である鶏のマッチョとともに……。落ちぶれたロデオスターと孤独な少年、そして一匹の鶏との逃避行を終始淡々と見つめたロードムービー。齢90になる、もはやハリウッドの生ける伝説クリント・イーストウッドの最新作ということで今回鑑賞。これまでの長いキャリアに裏打ちされたであろう熟達の演出はもはや世界遺産クラス。無駄を削ぎ落したシンプルな脚本、ちょっとした登場人物に至るまでちゃんと個性豊かに描き分ける巧みな演出、警察やギャングに追われながら国境を目指す2人の緊迫感溢れる逃走劇。どれもこれも安定の面白さで、最後まで楽しんで観ることが出来ました。メキシコの雄大な大自然の映像も終始美しく、のどかなメキシコの田舎町という雰囲気も渋い。ただ、最大の問題はキャスティング。やはり90歳を過ぎたイーストウッドが主演というのは無理があったのでは。もう歩くのがやっと、話すだけで息が乱れているのが丸わかりで、さすがに見ていて痛々しい。彼がギャングと喧嘩しようとしたり暴れ馬に乗ろうとしたり人妻と一戦交えようとしたりと現役バリバリなことをしようとするところは、違う意味でハラハラさせられちゃいました。特に近年、高齢ドライバーの事故が社会問題となっている日本の感覚で観ると、やはり彼が一人で運転するシーンは普通に観れませんね。とは言え、映画というファンタジーとして観れば、人生の深い哀歓を感じさせる渋味に満ちた本作、長年育ててきたヌカ床で作った漬物をじっくり味わうような気持ちで鑑賞してみるのも良いだろう。[DVD(字幕)] 6点(2022-12-05 07:46:36)

134.  ゾンビーワールドへようこそ 《ネタバレ》 子供の頃に入隊したボースカウトを未だに続けている高校生、ベンとカーター。2人の大親友でスカウトが生きがいのオギーの手前、今すぐ辞めたいとはとても言い出しづらくもはや惰性で続けていた。そんなある日、2人はクラスのイケてる女子に今夜開催される秘密のパーティーへのお誘いを受けるのだった。しかもそこにはヤリ〇ンで有名な女の子もたくさん出席するらしい。「これで俺たちも童貞卒業だ!!」。降ってわいた事態に思わず浮足立つ2人。でも、今夜は前々から約束していたオギーとのキャンプの日。考えた末に彼らは、オギーが寝静まった夜中にキャンプを抜け出し、パーティー会場へと向かう計画を立てる。だが、彼らは知らなかった。同じ頃、近くのバイオ研究所から大量のゾンビが逃げ出し、付近の住民に手当たり次第襲い掛かっていることを――。偶然知り合ったストリップバーのセクシーなお姉さんとともにゾンビが支配する町を脱出しようとする2人。ところがパーティーにはカーターのお姉ちゃんも出席していた。事態を知ったオギーとも合流した彼らは、ボーイスカウトで身に着けた様々な技術を駆使し、パーティー会場へと向かうのだが……。冴えないボーイスカウト3人組が大量のゾンビどもと戦う姿をコミカルに描いたサバイバル・アクション。とにかく面白かったです、これ!!冒頭のいかにも殺され要員のアホアホな清掃員がゾンビに喰われるシーンから掴みはバッチリ。続いて登場する主人公3人組のいかにも童貞というイモ臭い感じがもうサイコーでした。奥手な主人公とおっぱいのことしか頭にない友達とのおバカな会話も終始ニヤニヤが止まらなかったです。そして襲ってくる大量のゾンビたちとの死闘!どれもお約束のベタなものばかりでしたが、どれも見せ方が凝ってるので最後まで飽きさせない。ゾンビに囲まれているのに巨乳ゾンビのおっぱいは一応揉んどくあいつとか、トランポリンでおじさんゾンビのあれを命綱にしちゃう主人公とか、スカウトの隊長の家でトイレを借りる太っちょのあいつがトイレットペーパーを重ねて置いて使うとか、細かいネタがいちいち面白い。あと、好きな女の子の部屋でパーティー会場を記した日記を捜すシーン。女の子の下着がたくさん入った引き出しに動揺して思わず閉めちゃう主人公なんていかにも童貞ぽくて大変グッド(しかも結局日記はこの中にあったし!笑)。白いタンクトップにホットパンツというお約束な格好のおねーさんがお色気ムンムンなのもポイント高い。彼らが最後、ホームセンターで拵えたお手製武器でゾンビの巣窟へと乗り込むシーンは、ベタですけどやぱ最高にテンション上がっちゃいました!この3人のなんだかんだ仲間思いなとこもよいね~。うん、なかなか面白かった!8点![DVD(字幕)] 8点(2022-11-28 06:33:58)(良:1票)

135.  グッド・ナース 《ネタバレ》 彼は本当にいい看護師だった――。ニュージャージーの総合病院で働き始めたエイミーは、女手一つで幼い子供を育てるシングルマザー。自身も心臓の疾患を抱え、経済的な余裕もない彼女は無理をして勤務を続けていた。そんなある日、新たに採用された看護師チャーリーが彼女の同僚として配属される。患者のことを最優先にした勤務態度と真面目な性格、何よりきめ細やかなサポートにエイミーはすぐに彼に親近感を抱くようになるのだった。休日には自宅に招き、娘も含めた家族ぐるみでチャーリーと親しくなってゆくエイミー。自身の病気のことや彼が離婚し子供と離れ離れに暮らしていること、2人はそんなプライベートのことまで話せる間柄になってゆく。そんな折、2人が働く部署である患者が突然死する。容態が安定している中での不意の出来事。病院が調査した結果、ある不穏な事実が明らかとなるのだった。亡くなった患者には大量のインスリンが投与されていた――。いったい誰が患者を故意に死なせたのか。警察の殺人課刑事が捜査に乗り出す中、エイミーはチャーリーのある不審な行動を目にしてしまう……。病院を転々とするある看護士が、行く先々で患者に劇薬を投与し何十人も殺害していたという衝撃的な実話を元に描いたサスペンス・ドラマ。そんなにわかには信じがたい事実を元にしているだけあって、この全体に漲る緊張感はなかなかのものでした。何処かデビッド・フィンチャーを髣髴とさせるしっとりとした映像がこの陰鬱とした物語をより重厚なものへと昇華させている。生活に追われるシングルマザーを演じたジェシカ・チャスティンの抑制の効いた演技もリアリティ抜群。信じていた友人の本当の姿を知って徐々に追い詰められてゆく主人公を淡々と演じていて、観ているこちらまで息苦しくさせるほどでした。対する、殺人容疑を掛けられる同僚看護師役のエディ・レッドメイン。得体のしれない彼の存在感もなんとも不気味で、この二人の静かな腹の探り合いは最後まで気が抜けません。特に娘たちが彼に懐いてしまっているのが観ていて辛い。果たして彼はなぜにこんな冷酷無比な犯行を起こしてしまったのか――。最後まではっきりとした答えを提示しないのも人間心理の深淵を垣間見るようで、なんとも言えない後味を残してくれます。ただ、作品として全体的に冗長な面も否めません。事実を元にしている分、結論は分かっているのでさすがにこのお話で2時間超えは長い。明らかに無駄なシーンや長すぎる場面がちらほら。もう少しコンパクトに纏めてくれたらより完成度の高い作品になっていたであろうに。惜しい。[インターネット(字幕)] 7点(2022-11-24 07:02:00)(良:1票)

136.  マトリックス レザレクションズ 《ネタバレ》 その革新的な映像でかつて一世を風靡したSFシリーズの約20年振りとなる続編。第1作目を観たときにその超絶カッコいいアクションにかなり衝撃を受けた自分としては、いまさら感を感じつつも今回鑑賞。まぁアカン映画でしたよね、これ。とにかくストーリーがさっぱり分からない。第1作目で何とか成立していたかなり無理やりな設定。2作目、3作目と回を重ねるたびにどんどん破綻していったそれが今回で壊滅しちゃった印象ですかね。最後まで独りよがりでとにかく強引の一言。これで肝心のアクションシーンのキレが良かったらいいんですけど、それも明らかにクオリティが下がってます。最後のカーチェイスなんて下手なゾンビ映画みたいで違和感ありまくり。キアヌ・リーヴスも体力的に仕方ないのかもしれませんがずっと手をかざしてあとはCGまかせって、さすがにちょっとアカンのちゃいまっか。ちゅうわけでかつてのファンの義務感で観ましたが、正直作らん方が良かったなぁという感想しか残りませんでした。[DVD(字幕)] 4点(2022-11-18 09:07:35)(良:1票)

137.  ドント・ルック・アップ 《ネタバレ》 人類は、あと6ヶ月と14日後に滅亡する――。地方大学で教鞭をとる冴えない天文学者ランドール・ミンディ。ある日、教え子のケイトとともに天体観測をしていた彼は、未知の巨大な彗星を発見する。意気揚々と軌道計算を行った彼はその結果に愕然とするのだった。なんとこの彗星は確実に地球へと向かっているのだ。しかもこの大きさの星が衝突すれば、人類は滅亡をまぬかれない。すぐさま政府と連絡を取り、大統領と面会したミンディ教授はことの重大性を訴える。だが、次の中間選挙と閣僚のスキャンダル対応にしか興味がない大統領は真面目に聞こうとしない。朝のテレビ番組に出演したり、大手紙のインタビューを受けるも、日々の生活に追われる市民は彼の訴えなどへらへらと受け流すばかり。そればかりか、彼の愚直なまでの真剣さが逆に笑いの種となり、次第にネット上で人気を博すように。そこに若者に絶大な人気を誇るカリスマ歌手や彗星に内蔵する希少な鉱物を狙うIT企業のCEOなどが絡み、事態はますます複雑に。そんな中、ミンディ教授自身もテレビで知り合った美人キャスターと不倫の関係になってしまう。そうこうしているうちにも地球を壊滅させる彗星は着実に近づいてくる……。これまで難解な社会問題を分かりやすい目線で見つめてきたアダム・マッケイ監督が、地球滅亡までの狂騒の日々を豪華キャストを揃えて描くディザスター・ドラマ。いやー、久しぶりに来ましたね。こういう、笑えないのに笑えちゃうシニカルなネタ満載のブラック・コメディ。登場人物誰もが余りに愚かすぎてもはや笑うしかないような気分で笑っちゃったのは、キューブリックの『博士の異常な愛情』以来なんじゃないかしら。とにかくアホばっかり。アリアナ・グランデ演じる?頭の悪いカリスマ歌手が、「空を見上げて、みんなもうすぐ死ぬの。でも、本当の愛は死なない」と切々と歌い上げるコンサートシーンなんて、バカバカしすぎて思わず爆笑。抜群に歌が巧い分、この内容のない歌がより心に響きますねぇ(笑)。何より大統領を演じたメリル・ストリープ!よく引き受けたなと思うほど、うざったい正義感を振りかざす嫌なおばはんをのびのびと演じていて?素晴らしかったです。金儲けにしか興味がない、いかにも偏屈なIT企業社長も良い味出してましたし。とはいえ肝心の内容の方はよく考えられている分、すこぶる怖い。保身や自己の利益にしか興味がないセレブ、SNSで身勝手な言動に熱狂する市民、暴動や略奪、乱交に走る人々……。ここまで人間は愚かではない!と言い切れないところが、この監督の巧いところ。いや、この監督って相当性格悪いですね(悪口)。それは最後の最後まで徹底していて、新たなエデンへと降り立った男女がみんな素っ裸のおじさんおばさんばかりというのも皮肉が効いていて最高でした。余りにシニカルなため、かなり人を選ぶと思いますが自分は最高に楽しめました。[インターネット(字幕)] 9点(2022-11-18 08:34:27)

138.  天気の子 《ネタバレ》 わしみたいなおっさんには、これの良さが分かりまへんわーー。[地上波(邦画)] 4点(2022-11-13 06:18:27)

139.  コンティニュー 《ネタバレ》 何度も何度も同じ日を繰り返し、毎回何人もの殺し屋たちに執拗に狙われる元凄腕海兵隊員を描いたタイムループ・アクション。最近流行りのいわゆるループ物なのですが、本作はその中でも基本に忠実な仕様で撮られております。とにかく目覚めては戦って殺されて、また目覚めては戦って殺されての繰り返し……。本当にそれだけです(笑)。でも、自分は『ダークソウル』のような死にゲーが大好きなので、本作もそこそこ楽しんで観ることが出来ました。スタート直後に襲ってくるザコ敵の攻撃をまずかわし、落ちてるアイテムでその次の敵を殺して、道路を通るトラックにタイミングを合わせて窓から飛び降り、そのまま車を奪って……と、ちょっとずつ攻略ルートを見極めて先に進めてゆくとことか、いかにも死にゲーっぽくて大変グッド。銃で撃たれたり車に轢かれたり爆弾で吹っ飛ばされたり刀で首を刎ねられたりと、その殺され方がどれもバラエティに富んでるのもポイント高い。途中の中ボス(女忍者・観音)が主人公を殺すたびに同じキメ台詞を繰り返すとか、死にゲーあるある過ぎて思わず笑っちゃいましたわ。まあそれだけの映画なんで、途中からお話がグダグダになっちゃうのはご愛敬。また、主人公役の俳優さんがいまいちキャラに合ってないようにも感じてしまいました。ここはライアン・レイノルズみたいなもっとアホっぽい人(失礼!)をキャスティングして欲しかったですね。ナオミ・ワッツとラスボスのメル・ギブソンという何気に豪華な役者陣はぼちぼち嵌まってましたけど。最後も投げっぱなしの酷いオチでしたが、アクションシーンも終始キレがあったし殺し屋たちもみなキャラ立ちしていたし、暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめると思います。[DVD(字幕)] 6点(2022-11-04 09:39:43)

140.  キャンディマン(2021) 《ネタバレ》 鏡に向かってその名を5回唱えると〝やつ〟が現れる――。左手に美味しそうなキャンディを掲げ、何も知らない子供たちをおびき寄せると右手に隠した鋭い鉤爪で次々と血祭りにあげるという、恐ろしいキャンディマン。長らく都市伝説だと思われていたそんな恐るべき殺人鬼に執拗に狙われる人々の恐怖を描いたクラシックホラーのリメイク。カルト映画として名高いオリジナルの方は未見。だからなのか、非常に分かりづらい作品でしたね、これ。とにかくストーリーがさっぱり分からない。結局キャンディマンって何だったの?なぜに主人公であるあの黒人アーティストを執拗に襲うの?途中で急に出てくる女子高生はなぜにキャンディマンを呼び出して殺されるの?伏線も説明も何もないまま、ただお話だけが強引に展開してゆくので観客は最後まで置いてけぼり状態。この監督って、実は映画の基本となるお話の語り方が恐ろしく下手な人なんじゃないかしら。長年差別され不遇の境遇に追いやられてきた黒人たちという社会問題をテーマとして扱い、単なるホラーとしては終わらせないという監督の意気込みはわかるのだけど……。身も蓋もないことを言ってしまえば、映画として単純につまらない。肝心のホラー描写も変に現代アートのような見せ方をするもんだから、はなについてちっとも怖くないですし。差別や貧困といった社会問題を広く世間に訴えたいのなら、まず面白い映画を作ってこそだと僕は思います。[DVD(字幕)] 4点(2022-11-02 09:01:21)

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