みんなのシネマレビュー |
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1401. 新・猿の惑星 SF映画好きにとって「猿の惑星」という映画はやっぱり特別だと思う。 第一作の有名すぎるラストシーンはもちろん映画史に残る名シーンだ。駄作と酷評されがちな第二作も、少々破綻気味だけれど、ラストシーンの衝撃そのものは第一作にも劣らないものでとても印象深い。 少々強引だろうがこじつけだろうが、「科学的空想」の概念をもって貫き通す様こそが、SFの面白さであり醍醐味だろう。 映画的な善し悪しの前に、そういうSF的概念をしっかり貫いていることが、この映画シリーズの素晴らしさだと思う。 「続・猿の惑星」で爆発した地球からすんでのところで逃げ出した(らしい)チンパンジー種族の猿たちが、今度は過去の地球に降り立つ。 どうしてそうなるっ!と端から突っ込みたくもなりそうなものだが、チャールトン・ヘストンが過去の地球からやってきたのだから、その逆も当然ありだろうと当たり前のような強引なストーリー設定がまず良い。 一作目とまったく逆の構図で“未来人”の猿たちの様子を描くユニークさ、そしてそこから派生していく彼らの過酷な運命がテンポよくドラマティッックに描かれていく。 何より素晴らしいのは、猿たちが未来からやってきたことにより、地球が"猿の惑星”へと化した起源が生じるというパラドックスへと繋げていくこと。 そしてそのことにいち早く気づいた政府の科学者が、猿たちの存在を抹殺しようと画策する「汚れ役」として描かれることが興味深い。 最終的にはまるで悪役のように猿たちと相討って殺されてしまうわけだが、彼の言動は立場上つくづく正しく、「いずれ、いずれと言って何もしようとしない!」と人類が抱える問題に対して警鐘を鳴らす様、この映画がもっとも伝えるべきテーマだったように思う。 さて、また別の「創世」を描いた最新作公開も控えているので、この際旧シリーズ全作を観てみようと思う。[DVD(字幕)] 7点(2003-12-22 17:28:45)《改行有》 1402. クローン フィリップ・K・ディックの原作らしい秀逸なSFサスペンスが味わい深い映画だった。下手に大作ぶらずにB級的ではあるが、サスペンスフルに徹した雰囲気が非常に緊張感を高めたと思う。ラストにおける怒涛のどんでん返しには大満足だった。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-21 17:33:37) 1403. グランド・ホテル タイトルがそのままその後の映画制作における手法の名前になっていることでも顕著なように、この手の映画の教科書的な完成度の高さが楽しめた。当時の世相を反映したそれぞれのキャラクターのドラマが秀逸。7点(2003-12-21 13:39:10) 1404. 渚のシンドバッド なかなか日本では踏み込めない題材を真摯に描くことで秀逸な青春映画に昇華させていると思う。深く複雑に思い悩む少年たちの等身大の姿に心うたれる。若い浜崎あゆみの瑞々しい演技も印象的だった。[ビデオ(邦画)] 7点(2003-12-21 13:26:22) 1405. マーシャル・ロー(1998) 妙に公開が足踏みされていたのでもっと完成度の低い映画なのかと思っていたが、なかなか説得力のある作品に仕上がっていたと思う。意図せずに9・11の直後に観たのだけれど、あの衝撃を髣髴とさせる展開が非常にリアルだった。骨太い迫力のある映画だと思う。この監督が「ラスト・サムライ」を撮ったのも納得できる。 7点(2003-12-20 13:54:09) 1406. 彼女を見ればわかること それぞれの女性たちの微妙な精神をとても丁寧に描き連ねた秀作だった。オムニバス的な個々のストーリーがさりげなく絡み合った構造が完成度の高さを助長する。「アリーmy Love」のキャリスタ・フロックハートが難しい役どころを好演している。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-20 13:50:37) 1407. インビジブル(2000) 透明人間になることで人間性も薄れ凶暴になるという設定が非常にB級的で題材の質に合っていた。この悪趣味なノリの良さはポール・バーホーベンならではだと思う。CGのクオリティも高く、透明になりながらもその怪物性を演じて見せたケビン・ベーコンが見事。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-20 13:24:46) 1408. PLANET OF THE APES/猿の惑星 みなさん評価が低くその理由も分からないではないけど、個人的には非常に楽しい映画だと感じた。「猿の惑星」という絶対的な名作のリメイクである以上、それと比較されるのは仕方なく、当然ながらオリジナルを越える映画ではないと思うが、娯楽映画としての条件はそつなくクリアーしていると思う。7点(2003-12-20 13:05:37) 1409. 陽はまた昇る(2002) 家電メーカー各社の技術競争というものが今の日本の発展を促してきたと言って過言ではないと思う。まさにドキュメントである当時のエネルギーそのままに映し出される技術者たちの熱い奮闘が胸に迫ってくる。極力抑えた演出と、熱情的な演技、手ぶれ映像による効果的な撮影が徹底的なリアリティを醸し出し、決して派手さはないが臨場感を感じた。この映画の鑑賞直後にニュースで薄型テレビの開発競争の特集がされていて、今作の時代から流れ続ける情熱が感慨深かった。ただひとつ悔やまれるのは、この映画をDVDで観てしまったことだ。意味はないが、やはりVHSで観るべきだったと思う。[DVD(邦画)] 7点(2003-12-20 02:29:19)(良:1票) 1410. お葬式 お葬式なんて誰もが経験するものだけれど、にもかかわらず非日常的であることは確かで、それを映画にしてしまう伊丹監督の着眼点と観察力には感服する。今作を見ると、非常に不謹慎ではあるが、お葬式というものに本質的な興味がわく。7点(2003-12-18 17:23:31)(良:1票) 1411. チャイナ・シンドローム 原発事故とか核爆発というものは、本当に今この瞬間に何の前触れもなく起こり得る絶対恐怖なので、この作品が描くストーリーは非常に怖い。映画的な派手さはないが、秀逸な説得力と問題意識を打ち出す秀作だと思う。7点(2003-12-18 17:20:28) 1412. 刑事物語2 りんごの詩 中学生の時にこのシリーズを初めて観た時から、吉田拓郎の「唇をかみして」がカラオケの隠れ十八番となった。 いわゆる「名作」なんて呼称が相応しい映画では決してないけれど、このプログラムピクチャーの娯楽性を愛してやまない人は少なくないだろう。 特筆すべきは、何と言っても「武田鉄矢」という“表現者”の存在性に尽きる。 彼自身が生み出した「片山元」というキャラクターは、あまりに不格好で、あまりに滑稽で、あまりに不器用。キャラクター性そのもののみを捉えたならば、少々作りすぎな印象さえ受ける。 おそらく、このキャラクターを武田鉄矢以外が演じたならば、失笑を禁じ得ないものになっただろう。武田鉄矢が、武田鉄矢自身を投影して生み出し自ら演じてみせたからこそ、「片山元」というキャラクターは成立しているのだと思う。 演技者として決して巧い俳優だとは思わない。あざとくて、泥臭い演技に眉をひそめることも多々ある。 ただし、武田鉄矢の存在感は、武田鉄矢にしか出せない。 それは、彼が“表現者”として唯一無二の存在であることの証だろう。[CS・衛星(邦画)] 7点(2003-12-18 17:10:21)《改行有》 1413. ガールファイト この映画の成功の要因は何をおいても主演ミシェル・ロドリゲスに尽きる。熱情ほとばしる獣のような眼光で圧倒し、一転、女性らしいとてもキュートな表情を見せる。この魅惑的とも言えるギャップに私は魅了されずにはいられない。今作で女優としての類まれなる個性を見せ付けた彼女は、この後「バイオ・ハザード」「S.W.A.T.」でもその魅力を爆発させている。今作自体、非常に面白い映画であることは間違いないが、それ以上にミシェル・ロドリゲスという女優を発掘した功績は大きい。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-18 16:41:44) 1414. シンデレラ(1950) 思ったよりもあっさりとした内容ではあったけど、あまりにも有名なファンタジーシーンには純粋に楽しめる。クラシカルな風合いのアニメーションが非常に味わい深く、ディズニーの歴史を感じる。7点(2003-12-17 22:23:06) 1415. スモーク(1995) 淡々と描かれるオムニバス的な群像劇が味わい深い。ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハートらの抑えた演技が印象に残る。特に最期のエピソードでハーヴェイ・カイテルが語るシーンには派手さはないが、非常に濃厚な感慨深さを感じる。7点(2003-12-17 13:58:57) 1416. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド 前作に引き続きまさに娯楽映画の真髄と言える完成度の高さに単純に楽しめる。娯楽映画というだけで馬鹿にする人も多いが、娯楽性こそ映画の根本であり決して安易に捉えられるものではないのだ。こういうクオリティの高い娯楽映画こそ重宝されるべきだ![映画館(字幕)] 7点(2003-12-17 13:53:17)(良:1票) 1417. ひき逃げファミリー 深夜放送で放映されていたので途中で寝てしまうことを覚悟で寝床で見始めたら結局最後まで観てしまった。きわめて強引ではあるけども、家族の絆をひき逃げの後始末によって再築していく展開は非常に興味を引いた。確かにリアルに考えるととても笑えるものではないんだけれど、ブラックユーモアに満ちた演出に思わず笑ってしまう。とことん破錠したラストの顛末ももはや見事。7点(2003-12-16 21:49:56) 1418. アメリカン・サイコ 主演のクリスチャン・ベールも含めて映画世界全体に漂う不気味なまでの清潔感がこの映画の精神的な歪みを象徴しているようで良かった。全体的なテンポの悪さは感じるが、ラストの顛末も含めて非常に作りこまれたサイコサスペンスであったと思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-16 21:44:30) 1419. ツィゴイネルワイゼン 映画監督を語る時に、その監督独自の世界観~などということはよく言うものだけれど、鈴木清順のそれほど独自性に溢れたものはないのではないか。世の多くの映画監督がそれぞれの世界観たるものを表現しているが、やはり多かれ少なかれ何かのマネである部分があることは否定できないはずだ。しかし鈴木清順は違う。彼の映画世界はそういうレベルではない。誰のマネでもないし、誰も正面きってマネできるものではない。もちろんそれが面白いか面白くないかは観る者の感性しだいであり、何が正しいということはないが、まずはその絶大なオリジナリティだけでも見る価値はある。[ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-16 21:06:22) 1420. サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 「心の中のことが周りの人間に伝わってしまう」という主人公の設定は、非常に斬新で映画的な葛藤にふさわしかったと思う。細部の描写に荒さは目立つが、全体的に興味深い展開は非常に楽しめた。個人的には主人公のおばあちゃんが亡くなるシーンで涙が溢れた。7点(2003-12-16 19:38:37)
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