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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1421.  バンド・ワゴン(1953) 19世紀生まれのフレッド・アステアは、当時50歳を過ぎていて、超人的なダンスとはいかないけれど、それでもターンのキレなどにはさすがと思わされます。比較的長回しで撮られているドラマの部分には、持ち前のスマートな身のこなしと飄々とした表情で応え、一方、ミュージカルの部分は、歌やダンスの腕前を披露しつつ、さらには終盤の舞台公演ダイジェストシーンなどは賑やかなカット割りも加わっての躍動感。 いずれにしても、ここでアステア演じる主人公トニー・ハンターもまた、すでに過去の人となったミュージカル俳優。新作舞台に起用されるも、ファウストを元にしたというヘンテコリンなミュージカルは大コケ。しかしトニーを中心に新しく組み直した公演は大ヒットして、めでたしめでたし。という訳で、他愛ないオハナシというよりも、そもそもオハナシなんてロクに無くって、実際のアステアという俳優と、彼が演じる主人公と、主人公の演じるミュージカルが、互いにシンクロし合う。オハナシなどそっちのけで、何かにつけて歌とダンスを無理にでも押し込み、なかなかに贅沢な趣向です。で、結局は何といっても、やっぱりアステアだよね、ミュージカルだよね、これぞ、エンターテイメントだよね、と。 って言っても、まださほどミュージカル映画を懐かしがる時代でもなかったとは思うのですが、でも実際、こういう軽いノリの作品は作りづらくなっていっちゃう。それを嘆くのではなく、あくまで陽気に往年のエンターテイメントを楽しみ、ときには「楽しい」って何だろう、エンターテイメントって何だろう、ってなことを考えてみるのもよろしいかと。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-04-24 09:02:28)《改行有》

1422.  リンカーン リンカーン大統領が登場する映画と言って思い出すのは、リンカーン/秘密の書、では勿論無くって、アイアン・ホースあたりでしょうか。とは言ってもこの作品ではあくまで物語の背景に存在する人物としての登場で、見事な多層性を持った映画だったのですが、さて一方、ズバリ、リンカーン大統領を中心に据え『リンカーン』と題された、本作。こちらも、リンカーンと家族との関係(さらには戦死した息子)を描いたり、アクの強いスティーブンス議員をトミー・リー・ジョーンズが存在感たっぷりに演じたり、といったあたりに多層性を出そうとしてはいるんでしょうけれども、伝記映画でも何でもなく特定の時期と特定の場所に物語を限定し、いかんせん、禁欲的すぎるというか。ご存知リンカーンを、リンカーンらしく描けたら、それでよし、みたいな感じがあって、あとは時代の雰囲気やら、光の描写やら、まるで要所以外の点で埋め合わせをしようとするかのような。 切断された大量の足、戦場に横たわる数々の死体、といったスピルバーグらしい「コワさ」も入れてはくるけれど、戦闘自体の描写はいたって少なく、このあたりもかなり抑制的です。 肝心のリンカーン本人の描写も、軽口叩いたり、駆け引きしたりはするけれど、そして時に厳しい口調にもなって見せるけれど、総じて人間らしいドラマに欠いていて、ここが一番物足りない。信念の人ではあるけれど、決断の人でなければ、なかなかドラマになりにくいのかもね。 「リンカーン像」というものに縛られた苦しさ。さらには晩年の一時期にのみフォーカスしたことによる制限。これらを乗り越えられなかった憾みの残る作品となってしまったかな、と。もっとも、リンカーンという人を生涯にわたって描こうとしたら、いろいろとボロも出るのでしょうが・・・。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-04-23 16:42:13)《改行有》

1423.  サンクタム こういうのを実話だと言い張るのは、川口浩探検隊くらいのもんでしょう。    それはともかく、途中まではどうも違和感というか、事件や対立がとってつけたように起こる妙なオハナシだと思って観てたのですが、要らない登場人物(?)が退場していくと、ちゃんと父と息子の物語に収束していったではないですか。実は何となくいいオハナシだったりします。 というか、オハナシがどうこう言うより、洞窟の洞窟らしさ、壁面の艶めかしい色気がよく出ておりました。一歩間違えば大怪我や死に繋がる危険と隣り合わせの色気。怪我したら痛そうだなあ、という感じ。そしてそこからの脱出劇、それはまるで、胎児がこの世に生まれ出るかのような。 明かりの乏しい洞窟内の描写を、あまり暗くし過ぎないように、それなりに見やすいようにしてくれている親切設計、もうちょっと光と影を効果的に演出してくれたら、とも思いますが・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-18 21:21:09)《改行有》

1424.  人斬り 司馬遼太郎の「人斬り以蔵」に基づくとは言っても、あくまで「参考文献」としてクレジットされており、確かに基となっている短編小説に対して、エピソードが大きく膨らまされております。岡田以蔵と田中新兵衛との関係など、なかなか巧みな描かれ方でして、この田中新兵衛を三島由紀夫が演じているというのが、見てて多少疲れるところではあるのですが(改めて、プロの役者って凄いんだなあ、と思っちゃう)、演技のぎこちなさが、ちょっとした不気味さにもつながっていて、同じ「人斬り著名人」でありながら、以蔵を演じる勝新の人間臭さと好対照になっております。さらに、切腹を演じた本人が後に実生活でも切腹しちゃったってのが、何だか因縁めいてもいるのですが。 その人間臭い以蔵も、冒頭の吉田東洋殺害場面では相当に変態的。土砂降りの雨音が執拗に続く中、これまた執拗に人が殺されていく場面が描かれて、それを見ながら以蔵の顔は恍惚としていく。アブナイアブナイ。 という訳で、刀を振り回すシーン、人を斬るシーン、ノリノリでイッちゃってて、迫力あります。一方、粗暴なれどあくまで人間臭い以蔵に対し、幕末という時代の方がさらにイッちゃってて、結局はその運命に振り回される。坂本竜馬が石原裕次郎で、いかにも都会人っぽいのがどうなのよ、という気もする一方で、この狂ったような時代における一服の清涼剤のような存在にもなってたりします。 走る勝新、斬る勝新、彼の躍動感が、作品の魅力です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-04-17 10:30:13)《改行有》

1425.  007/スカイフォール 冒頭だけ見ると「007! ボンド死す」ってな感じで、このエピソードにおけるMとボンドの関係が、ラストにも繋がるんですが、まあそれならそれで、物語が寄り道し過ぎ、要するに2時間半近いってのが長過ぎなんでしょう。かなりボヤけた印象。 そもそも007シリーズってのがそれなりにおバカなシリーズであって、例えばムーンレイカーなんてのはそれはもうヒドイ内容な訳ですが、アッと驚くとんでもないスタントシーンをスタントマンに演じてもらいつつ、ロジャー・ムーアはあくまで涼しげなスケベ顔でキメてみせる事に徹していて(と言う程何もしてない訳でも無さそうですが)、これもひとつのやり方ではあったかな、と。もちろんそれと同じ事をまたやって欲しいとは言わないし、あんなおバカな事も今更なかなか出来ないだろうし。ということで、ダニエル・クレイグによる肉体派ボンドの登場と相成る訳ですが、自分でアクションをこなし、かつ自分でボンドらしくキメてみせるには、それなりに工夫も必要でしょう。 冒頭のアクションで、パワーショベルから飛び降りてキメてみせる、そこでクールな表情をカメラがバッチリ捉えていたならば、このシーン、さらにキマってたのでは。 映画全体に、雰囲気はあれど、そのままズルズルと弛緩してしまう印象。ラストの一軒家での戦いも、結局最後まで画面を暗くしただけに終わってしまって。 もしも、ここぞという場面でキメきれない理由のひとつが、「動けるボンド」のせいであるなら皮肉です。ダニエル・クレイグは何度も全速力で走って見せ、それは実に綺麗な走り方なんですけど、なかなか高揚感に結び付けられないまま、ああまた走ってるんだ、と。 硬派な007映画も結構ですが、真面目過ぎなのかも知れません。このボヤけた印象を、もう少し引き締めて欲しい。[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-04-17 08:44:07)(良:1票) 《改行有》

1426.  必殺! 主水死す 期待せず観始めて、予想外の面白さに驚く作品もあれば、そうでない作品もあって、そういうのは期待通りと言うのかどうなのか。 タイトルがすでに物語のネタバレになってて、露骨に企画モノっぽく、それをわざわざ観てわざわざ貶すのも何だか申し訳ない。 なので、褒めるとすると、そうそう、時代劇のロケ撮影もだんだん難しくなってきている中、おっこれは一体どこで撮影したんだろう、と思わせるロケーションが、楽しいですね(一部、妙な合成映像もありますが)。 あと、藤田まこと・三田村邦彦・中条きよしという、仕事人ビッグ3(?)を拝めただけでなく、東ちづるのいなせなカッコよさも目を引きます(これで殺陣が上手かったら・・・)。 それにしても、津川雅彦の役どころ、どうしてあんな妖怪キャラにしちゃったんですかね。全然、主水の好敵手という感じじゃなく、タイトルが示す「主水死す」というクライマックスに向けて盛りあがりません。それに、過去の呪縛というものが、ここにはあるはずなのに、そしてクライマックスに向け強まって行って欲しいのに、あまりに希薄では。 なんか、もったいない。[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-04-13 23:26:54)《改行有》

1427.  トラック野郎 一番星北へ帰る 新沼謙治はいい人オーラ出しまくってるし、黒沢年雄はキャラ立ちまくってるし(その英語交じりのセリフ、あんた地獄組のボスか?)、田中邦衛に至っては『コンボイ』のボーグナインの生霊が乗り移ってます。という、素晴らしき登場人物たちが脇を固めつつ、何かと事件が起こり、事件が起こればまたそこに、地域ならではのさまざまな風物が織り込まれる。そのテンポのよさ。 そんでもって、メインとなるのは、桃さんと、ある母子との交流。桃さんがいかにも朴訥としていて、それがかえって泣かせるではないですか。失恋した桃さんが最後に挑む大仕事、彼の表情たるや、桃さんここで死んじゃう気なんじゃないかと。まさかね。でもいつになくカーチェイスも激しいような。 というわけで、珠玉の一本です。[CS・衛星(邦画)] 9点(2016-04-13 22:36:39)《改行有》

1428.  山猫は眠らない3 決別の照準 もはや若くもなく、肝心の右手人差し指に障がいを負ってしまった、スナイパーの孤独。を描くようにみせて、実はサッパリ描いておらず、おバカアクションに走ってしまったのが、潔いというか何というか。雰囲気だけは多少、あるんですけれども、あまり見栄えがしない。それより、物語を支える重要なテーマになりえたであろう手の障がいまで、ラストの敵との対決におけるネタにしてしまうというのは、実に大した割り切りですなあ。 まさに肩の凝らなすぎる作品、予想外の見応えの無さに、ちょっと驚きました。それでもトム・ベレンジャーは、何だか不思議にノッてるような気がする・・・。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-04-11 23:07:03)《改行有》

1429.  ヨーク軍曹 何かこう、見ててハラ立ってきますね、こういうヒト(笑)。もとはチンピラだったのが、信仰に目覚めてイイ人になったら、周りとの関係もヤタラとうまくいくようになる。不本意にも戦場に送られてしまったと思ったら、今度は(自らの信仰にアッサリ折り合いをつけ)敵を殺しまくり捕虜にしまくり、もう大活躍。 しかも、顔がゲイリー・クーパーですからね(笑)。こういうヒトにはホント、かないません。 という、主人公が主人公なら、周りもいい人過ぎるやろ、というオハナシなんですが(脚本にジョン・ヒューストンが名を連ねてますが・・・?)、山あり谷ありの人生、そのターニングポイントを実に印象的に描いていて、波乱万丈、確かにこれは面白い。くそ~。 あえて難を言えば、ゲイリー・クーパーがこの主人公を演じると、最初からいささか分別臭いのと、あと最後のまとめ方はコレまとまり過ぎでしょ、ってなところでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-11 20:57:58)《改行有》

1430.  アーロと少年 《ネタバレ》 この映画の作者はもしかして、人間がペットを飼うことに反対なんだろうか、と何だか心配になってくるんです。人間の役をよりによって恐竜にさせ、ペットの役をよりによって人間に置き換える。「人間とペットの友情」なら「フン」と思う人だって、人間っぽいヤツ(恐竜アーロ)と人間そのもの(少年スポット)との関係なら、誰しもこれを飼う飼われるの関係ではなく友情として捉えられるでしょう、ということでしょうかね。しかもいくら友情があるにせよ、その「人間」を、仲間のもとに帰してやるのが、自然であろう、という結末・・・。そりゃまあ私も、子供が何か生き物を捕まえて来たら、「逃がしてあげたら?」とかよく言いますけれども(笑)。 しかしこの最後の別れ、やむをえない別れというよりもむしろ、アーロが自ら選んだ別れであるところが、ミソなんでしょうね。地面に描いた輪も、だからこそ生きてくるし、独り立ちできるようになったアーロの成長の証でもある訳で。 中盤の冒険を通じてアーロが成長する、というのはお約束というか定番、しかし、荒唐無稽な設定の割に物語はあまり波乱万丈という感じではなく、やや大人しいオハナシかな、という印象もありますが。 CGとも実写ともほとんど判別不可能な自然の描写、これは見どころのひとつと言ってよいでしょう。[映画館(吹替)] 7点(2016-04-10 21:03:08)《改行有》

1431.  カリフォルニア・ダウン これは、父と娘の関係がうまく描けなかった作品の一例でしょう。というか、このいかにも中途半端な人間関係は、作品を盛り上げるのに大した貢献をしておらず、およそ余計なだけ。 離婚して他の男性と新しい生活に入ろうとしている元妻、そして娘。なーんだかお互いに気を使って、ぬるーい関係。それとは別に何やら暗い過去があるらしいのだけど、それにしてもヌル過ぎて、作品を通じヨリを戻していく過程ってのが、およそ無いに等しい。まあ、この主人公の筋肉男ロック様に、影のある役は似合わないから、この程度の踏み込みでよいのかも知れませんが。 しかしその新しい夫というヒトが、娘から嫌われるためだけに登場するのもよいとしても、あからさまに「アイツは私を見捨てて逃げた!」ってのも、どうなんでしょ。要するに、この娘は「父たるもの、私を助けて当然」だと、ここで宣言してしまう。あるいは、父のおかげでレスキューについて妙に詳しいらしく、ここにもヘンな父親礼賛の姿勢のレールが引かれてしまってる。この設定だって、もうちょっと「イザという時」に出し惜しみするなりしていれば、もう少し盛り上がったのでは、という気も・・・。 で、主人公はムキムキにも関わらず、基本的には肉体よりも乗り物を駆使して、家族の救出に向かう。中盤、他人のピストルを奪う場面もあったのに、それを後で使う訳でもなく、比較的すべてが順調。この大災害にどれだけ多くの人々が巻き込まれたか、という「人数のスペクタル感」を削ぎ落してまでも(これ自体、寂しいものはあるけど)、主人公の個人的な枠内に作品を限定して、そこに熱いなり冷たいなり狭いなり、あるいは怖いなり、個人に関わる描写をこれといって盛り込めなかったのは、これはさすがに、イタイでしょう。CGは確かに見事ですが、ちと虚しい。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2016-04-10 10:35:56)《改行有》

1432.  人生の特等席 エイミー・アダムスが実にステキな娘を演じていて、そりゃまあ私もイーストウッドほどの歳でもなければ、こんな大きな娘もまだいないけれど、つい娘を見るような気持ちで彼女を見てしまう。 キャリアウーマン(これももう死語かも知れませんが)の彼女は、弁護士としてバリバリと第一線で活躍しようとしている。そんな彼女が、野球のスカウトとして、どこやらの田舎に来ている父親のもとにやってくるのですが、パリッとキメた彼女の姿格好は、この田舎では、ちと浮いている。そんな姿が、「精一杯背伸びしようとして無理をしている、我が娘」という感じも出してます。一方、対照的に後半のラフな格好は、何か自分を取り戻したような。 この父親にしてこの娘、つまり野球バカなところがあって、いくら何でも(他のプロのスカウトマンを差し置いて)野球に詳しすぎるんでないかい、というような設定なのですが、それがまったくイヤミになっておらず、むしろユーモアとして大いに楽しめるのは、父と娘が、一種のライバル関係でもあるから。 そういう意味では、彼氏との関係もこれまた野球バカのライバル関係。この楽しい緊張感が、心地いいですね。そして、スカウトのエピソードも含めて、物語がうまく収束していくのも楽しくって。 監督のロバート・ロレンツは、プロデューサーや助監督としてイーストウッドを支えてきた、イーストウッド一家ともいうべき人のようで、このガンコそうなオヤジを起用しつつ(イーストウッドの恩返しみたいなところもあるのかも知れませんが)、かつガンコで影のあるイメージを借用しつつ、うまく脇をサポートしてもらってあくまで明るい作品に仕上げております。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-10 09:17:07)《改行有》

1433.  女番長ブルース 牝蜂の逆襲 アテネ団なる不良少女のグループのリーダー・レイコが主人公。このアテネ団にはアテネ憲法なる鉄の掟があって、要するに、男って何さ!ってな感じなんですけれども、一方でレイコは、ホクシン会なる不良グループのリーダー・次郎と、いささか微妙な男女関係にあるんですな。さらにこのホクシン会の上部には、アキモト組という暴力団がある。またさらに、アテネ団にいらぬチョッカイをかけてきた単車軍団の連中も絡んできて。その四者の関係に、さらにアテネ軍団の内部のリーダー争いを発端としたキャットファイトがあったり、アキモト組に帰ってきた天地茂アニキのエピソードがあったり(天地茂の眉間のシワがスゴイ)、もう、内容はかなりグチャグチャですね。 ただでも錯綜した内容なのに、スキさえあれば、物語に関係あったり無かったりりするエロシーンがヤミクモに挿入される(エッチしながらのバイクレース、もうワケがわかりません)。だからますますグチャグチャなんですが。 なのに、最後まで観たら、エピソードが互いにちゃんと連関を持ってて、見事にまとまっていってます。グチャグチャはグチャグチャなんですけどね。でも何だかまとまってる。まさに魔法のような。 結局、エロと暴力とバカバカしさで彩られた、「みなさんが観たいものを羅列してみました」という作品なんですが、それでも物語は(やや込み入り過ぎているほど)構成の妙を見せている。しかもラストには(とってつけたように)虚無感を伴った余韻をも残すのだから、オソロシイ。 ただ、強い女性を描くと見せかけて、実は女性の弱さを描いているところがあるのは、いささか男性目線の作品と言えるのかも知れませんが。[DVD(邦画)] 7点(2016-04-06 21:21:19)《改行有》

1434.  仮面/ペルソナ いかにもヘビーな音楽が、「この映画、難解だよ~」って、言ってますね。  何もだからって身構えることはなくって、例えば、「ああ、この映画は、観ながらストーリーを追う必要はないんだな」、とか。  でもやっぱりわかりにくいのは、主に二人の女性しか出てこないんだけど、この二人にあまり特徴的な差がなくって、最初観たとき、ちと混乱しました。ストーリー追わずに画面に集中、とか言いながら、この程度かよ、自分は。ま、髪の長い短いあたりを目印にして、かろうじて区別する。  いや、混乱する理由はもうひとつあって、片方の女性は精神的な病で静養中の患者、もう片方の女性は看護婦、という立場なのに、看護婦の方がしきりに過去を語る。どっちがカウンセリング受けているんやら。  いや、実際、この映画は、この二人を融合するように、いやむしろ一人の人物を分裂させたように描いているみたい。なーんてことは、本作についてもうアチコチにアレコレ書かれているので、そちらを読んでください。私にはよくわかりません。 ただ、ラストが近づくにつれ、二人のやりとりは、血をすするやらシバキ倒すやら、愛憎のイメージそのものと化していきます。んで、終盤はセリフがなくなり、よそよそしい空気の中、二人それぞれの姿が描かれる。 なんだかこれが、「映画の中へ帰っていく」というイメージ。では本作は、映画から飛び出してきた世界だったのか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-04 21:04:00)《改行有》

1435.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 これは、宮崎駿監督がニュー・シネマ・パラダイス(特に完全版の方)を作ったらこうなっちゃうよ、という作品でしょうかね。 向うが映画への愛なら、こちらは空への憧れ、いや、空を飛ぶ飛行機の「美しさ」への憧れ。それも、この作品の主人公たる二郎さん、トト君よりもかなりタチが悪い。トト君の場合、ベースとして幼少期以来の映画への愛があったとしても、そこにアルフレードさんとの交流があり、少女エレナとの恋愛がある。だけどこの二郎さん、基本的に飛行機のことしか頭にない。それでも女性には優しかったりして、それも別に打算がある訳じゃなく本当に優しくって、それでもやっぱり飛行機のことばかり考えている、こういうヒトが一番、罪作り。 終盤で、病の奥さんが最後に布団をかけてくれたことにも気づいていない。この場面で、奥さんが寝顔から眼鏡をはずすのが印象的でした。そういや作品自体も、子供時代の二郎さんが眠って夢を見ている場面から始まったんでしたっけ。このヒト、何かとよく寝てる。そして飛行機の夢ばかり見てる。 何よりこの二郎さん、最後にはすべてを失いながら、まるで後悔も反省もしている気配がない。ニュー・シネマ・パラダイスより、はるかにはるかに重症です。 これが宮崎駿というヒトの一面なんだろうなあ、と。ホントに怖いヒト、その怖さが、他人を感動させる。 という自覚症状に向き合い、それを描ききった、総決算のような作品、なんですかね、これは。[DVD(邦画)] 9点(2016-04-04 19:13:59)(良:1票) 《改行有》

1436.  カオス(2005) 《ネタバレ》 深夜放送をほとんど手違いで録画してしまったのを、一応は観とこうか、と観てみたらこれが面白かったりするから、映画は怖い。 結構、丁寧に伏線を散りばめながらオハナシが作られているもんで、かえって、ジェイソン・ステイサムが爆死したあたりで真相がほぼ予想できちゃったりもするのですが(そうなると、予想が当たって欲しい気持ちと外れて欲しい気持ちが、ざっと6対4くらい)、だからって作品がつまらなくなるワケじゃない。よくできたミステリは再読に耐える、とも言われる通り、やっぱり、「それをどう描くか」に作品の魅力がかかってる。意外な真相に驚かされたミステリに対して感じるのは、心地よい敗北感。しかし、真相が予想できてなお、その心地よい敗北感を感じることだって、あるんです。 伏線はうまく張られているし(真相への手がかりという意味に限らず)、それに、登場人物が主役も脇役もいい顔してます。ジェイソン・ステイサムの意志が強そうでいてどこか影のある顔、ウェズリー・スナイプスのふてぶてしい存在感のある顔。ライアン・フィリップは修羅場を潜り抜け顔に傷を作ってだんだんいい顔になっていき、後半、作品の中心に収まっていく。その他の警察の人々も、イイ感じにストーリーに絡んで。ただ、女性刑事を演じてたジャスティン・ワデルという女優さん、とてもカッコよくて綺麗な方なのですが、それだけに何となく、このヒトだけこの物語の中で収まりが悪い気もするのですが。 それにしてもカオス理論って、そんなんだっけか?[地上波(吹替)] 7点(2016-04-03 12:17:39)(良:2票) 《改行有》

1437.  小さな巨人 「小さな巨人」と言えば、そりゃオロナミンCだろうとか、いやいやミクロマンだろうとか、はたまたグラン浜田だろうとか、色々あるワケですが、忘れちゃいけない、ダスティン・ホフマン。 その彼が、歴史の生き証人として、自分の波乱の人生を語るのですがその内容たるや、なんとも都合よくさまざまな事件や人物に遭遇し、いささか荒唐無稽なのですが、まさにそこに虚構の持つ面白さがあります。そもそも西部劇なんていうのが、すでにこの世に存在しなくなった過去の世界を描く、虚構そのものなんだし、そういう虚構の世界に、真実が宿っていたりもする訳です。 で、この作品の主人公。先住民の仲間になったり、ガンマンになったり、兵士になったり、さまざまな立場に身をおきながら、アメリカの歴史のあちこちにチャッカリ登場する。さらには、出会いがあり、別れがあれば、これまた容易に再会がある。そんな偶然あるかよ、というような再会を当たり前のように繰り返すのは、まさに「虚構」ならではのご都合主義、しかしこの主人公の男にかかってしまうと要するに、アメリカの歴史も広大な土地も、自分の庭みたいなもんなんでしょうな。 で、この超越的な、しかし小さな男は、さまざまな立場に身を置くが故にはっきりした居場所をもたず、いやアメリカそのものが自分の居場所である、というのが彼の立場なんでしょう、だからこそ、大地に根差した生活を送る先住民の立場に比較的近く、また彼の目を通して描かれるこの作品は、白人社会へ批判的な視点を持つことになりますが、それでも何とも言えないおおらかさが作品を貫いていて、大きな魅力となっています。 もし現在の視点で本作を観るならば、(作中でわずかなセリフでしか語られなかった)黒人の歴史ももうちょっと織り込んでほしい、ということになっちゃうのかも知れませんが・・・。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-04-03 11:25:56)《改行有》

1438.  ハミングバード 《ネタバレ》 そりゃあジェイソン・ステイサム主演で多少のアクションは見せてくれるけれど、これはもうアクション映画というよりはラブロマンスでしょう、それもトコトン不器用な男とトコトン不器用な女の、不器用極まるが故になんとも愛おしい恋愛。男には居場所がない、彼のアフガンにおける過去ゆえ、法律的にも、精神的にも、居場所が無い。そんな彼が見つけた唯一の居場所。それは他人の留守中のアパートであり、裏社会であり、報われることのない「修道女への恋」だったりする。そして修道女の方も、彼女の過去ゆえ、望む望まぬに関わらず、今のこの立場に身を置くしかない。男の愛情表現が、少しタイガーマスクの伊達直人なんかも思い起こさせたりして。 男はある少女のため、復讐に立ち上がろうとする。しかしその復讐という行為は、彼の過去の傷そのものでもあるんですな。 女には修道女としての毎日しかない。彼女にとっての唯一の非日常は、憧れのバレリーナ。そのバレリーナもついに引退を迎えている。 そんな女と、そんな男の、地味~な恋愛。だけど、こんな恋愛にこそ、ハラハラさせられるもんです。 男にとっての「復讐」、女にとっての「バレリーナの引退公演」は、それぞれにとっての過去の総決算でもあるんでしょう。その大事な夜を、二人はそれぞれに過ごし、そして出会う。その出会いは一見、なんということもないんだけど、彼らの前を公演を終えたバレリーナが去っていったとき(女がバレリーナではなく男と並んでいることを選んだとき)、ああ、きっとこれでよかったんだろう、と。 ハッピーエンドというのではないけれど(むしろ一見、真逆だけど)、なんだか少し安堵感を感じさせる、ラストでした。 いい映画でした。[DVD(字幕)] 8点(2016-04-02 18:20:30)(良:1票) 《改行有》

1439.  マクベイン かつてベトナム戦争での勇者であったオッサンたちが(とは言え冒頭のベトナム戦争のシーンからすでにオッサンなのですが)、今度はコロンビアにおける革命のために集結し立ち上がる。さすがは巨匠グリッケンハウス、などと我々を感心させることなど全く無いこのテキトーさが、まさにグリッケンハウスらしさ。さすがです(笑)。 いやホントに適当で、今となってはまるでフツーのオッサンたちが集まったかと思うと、唐突にヤクの売人を襲撃し始め(革命に参加するための資金集めらしい)、と思ったら唐突に出発準備が整って、コロンビアへと出発している。実に無駄のない展開。無駄以外にもいろいろ欠落しているような気もしますが。 派手だけど安そうなアクションが満載。どのように派手でどのように安そうなのかは観てのお楽しみ。ですが、いずれにしてもこの緊張感の無さ、これだけ緊張感無く戦えるのだから、このオッサンたち、最強だな、とは思います。 安そうなアクションとは言え、要所要所では、落下シーンなどでアクロバットなスタントが光る。やっぱり、さすがはグリッケンハウス、なのでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-30 20:58:13)《改行有》

1440.  第三の男 この映画音楽と、シュトラウス2世の「ウィーンの森の物語」が無かったら、ツィターなんていう楽器、名前も知らなかったかもね。で、久しぶりに『第三の男』を観て、この音楽を聴くと、つい口ずさみたくなり、何となくビールが飲みたくなってくる。でもこの音楽が何のビールのCMで流れていたのかは忘れたので、とりあえず両方を合わせて「第三のビール」を飲むことにする。何のこっちゃ。いや、好きですよ、ヱビスビール。 本作、内容的にはミステリー。友人ハリーからの手紙を受けてウィーンにやってきた作家ホリー(この名前が似ている点も、後の展開で描かれる三角関係にうまく織り込まれる)、しかし到着早々、ハリーが事故死したことを告げられる。だが、何やら曰くのありそうなヒトから無さそうなヒトまで、様々な登場人物が、その事故のウラに何かありそうなニオイを漂わせる。事故の現場にいたという3人の男、うち2人は判明しているが、では3番目の男は誰なのか。 前半に提示される謎に対して、その謎解き自体は比較的アッサリと行われますが、作品のもう一つの見どころはウィーンの街における追跡劇で、後半における大きな見せ場ともなっています。作品自体がウィーンの名所案内(表も裏も)みたいな要素もあって、表がプラーター公園なら、裏は下水道といったところか。さらに時代を反映して戦争による破壊の跡も残っていたりして。そういうちょっと迷宮じみた夜のウィーンに、追うものと追われるものの影が交錯する。 この映画、画面が頻繁に傾けられて、これも不安で落ち着かない感じを醸し出してます。いや実際、あまり頻繁にカメラ傾け過ぎなのかも知れませんけれど(笑)、ふとしたとき(ハリーが、「ある男」を追いかけて、見失った瞬間など)、傾いていない画面がかえってどこか、取りつく島のない感じを出していたりも。 という訳で、やっぱり面白いですねえ、この映画。オーソン・ウェルズの斜め前向きのワルそうな表情も、有名なラストシーンも、いいんですけど、最高の名演は、あのネコちゃんということで。[CS・衛星(字幕)] 10点(2016-03-27 08:47:25)《改行有》

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