みんなのシネマレビュー |
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1421. グラン・トリノ 《ネタバレ》 良い映画というのはわかるのですが、ゆっくり淡々とした流れの前半が正直退屈。アクションやサスペンスを期待しているわけではありませんが、ドラマならではの面白みがもう少しほしい。 また、序盤は可愛げのない孫達や、そんな子供に育てた息子夫婦に若干いらいら。それに、後半への布石とは言え、若い神父に対するウォルトの態度がなかなかひどい。なんか不愉快な気持ちにばかりさせられます。 タオ一家との交流が始まってからは、しだいに温かい空気になっていきます。タオやスーとのふれあいによって、ウォルトの冷え切った心が少しずつほぐれていく様子は、ありふれているけど微笑ましい。 その一方で、偏屈で偏見のかたまりだったウォルトが、隣人と打ち解けていく『これ』といったエピソードが足りない気はします。おばあさんの荷物を拾ってあげるタオや、親しげに話しかけてくるスーだからこそ打ち解けられたのかもしれないが、やはり説得力に欠ける気がしました。 ラストの終わり方は意外でしたね。ドラマとしての深みが出ます。余韻も生まれます。それまでのストーリーとのバランスだってとれている気がします。ただですね、時代劇をいっぱい見て育った世代としては、「てめえら、いい加減にしやがれ。皆殺しじゃー。おらー。」ってな感じで、とにかくケタ違いの強さを見せ付けて悪党どもを粉々にして欲しかったのが正直な気持ち。周りからどんな批判を受けよーと、『目には目を』ってわかりやすいケリのつけ方が好きなんです。 つまりは、この作品は『娯楽』ではない、だから性に合わない、ということですね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-24 04:25:53)《改行有》 1422. ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 真面目でおかたい社会派サスペンスドラマ。実話ベースらしく、淡々と物語は進んでいきます。 緊張感あるプロットと画作り。そしてニコラス・ケイジが主演。更にはブリジット・モイナハン、ジャレッド・レト、イアン・ホルム、イーサン・ホークと脇を固める役者の存在感もすごい。それぞれがエヴァ、ウィタリー、シメオン、バレンタインとして重要な役割を担っていて、物語に『厚み』『深み』があります。 旧ソ連の叔父さんとの闇取引。国際警察の執拗な追跡とガサ入れ。アフリカのとある独裁国家との駆け引き。そのどれもがある種のユーモアと潜在的な恐怖をないまぜにした独特の緊張感で描かれます。はっきり言って映画の完成度はかなり高いと言えるでしょう。 ただ、肝心なのは、私が『武器の密輸』になじみもなければ興味もないので、あまり物語りに入り込めなかったことです。もっと言うなら、『ちょっと今そんな気分じゃなかった。』ってゆーね・・・。それに後味が悪い映画ってのはどーにも好きになれませんでして。ホラー映画の後味の悪さってのは平気なんですが、こーゆードラマっぽいやつの後味の悪さってなんか残るんですよね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-26 12:06:57)《改行有》 1423. アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 「ずっと怒っていないと死んじゃう」という予備知識だけあって、以前から気になっていた作品。思いの外自分の中で期待値が上がっていたのか、見た感想は『なんか普通。』。怒っちゃいるんだけど、思っていたほどには怒っていない。むしろ相手のほうがすんげー怒っています。だから、せっかくの設定、アイデアがそれほどうまく機能していない気がします。 また、アドレナリンを出す方法は、『怒り』以外にもいくつかあるようで、それもちょっとルールがあいまい。ルールが曖昧すぎるせいで、いまいち映画の世界に入り込めません。それに、つなぎとつなぎが雑なので、雰囲気で無理矢理状況を理解しなければならないシーンもあります。ちょっと作りが粗い。 冒頭からノンストップでいきなり本題に入り、スピード感あふれるノリとアクションにも関わらず、後半のエレベーターのシーンではあくびが出ちゃう始末。やっぱりあくびが出ちゃうようじゃアクション映画としてどうなん、ってことになります。バカになりきれないバカ映画は凡作。凡作ながらも味があってちょいちょい面白くて、悪くはないんですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-10 13:43:03)(良:1票) 《改行有》 1424. ゾンビ自衛隊 《ネタバレ》 B級感満載の映像。安っぽい演出。緊張感の無い音楽。棒読みのセリフ。どれをとっても『ザ・B級』。キング・オブ・B級。いや、もうC級くらいかも。 ですがこの作品、おっと思わせるようなゴア描写や、迫真の演技があったりします。確かに、自衛隊の隊長の演技はそーとーひどい。けど主役を演じた渡瀬やメガネ君の演技はなかなか良かったと思います。 また、要所要所でジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』へのオマージュを感じるようなシーンもたくさん。ゾンビ作品への愛を感じます。 よってこの作品、安っぽいうえにハチャメチャながらも、いたって真剣に作られているので、妙に見応えのある作品になってます。 真っ二つにされる宇宙人。ぺらぺらしゃべる青年将校ゾンビとの一騎打ち。ラストのUFO大襲来に富士山の噴火と、確かに苦笑と失笑もたくさんある。だけどその一方で、クソB級と捨てきれない愛すべきB級ゾンビ映画に仕上がっているのは間違いありません。 最後に個人的な好みを言うと、『奥歯スイッチを入れてからの友里』はもう少し強くても良かったんじゃないかな。[DVD(邦画)] 6点(2017-12-04 01:45:05)(良:1票) 《改行有》 1425. サマータイムマシン・ブルース 《ネタバレ》 タイムマシンを使って一日前に戻るドタバタコメディ。 タイムトラベルもドタバタコメディもやや苦手。それでも手に取った理由は、ここでの評価が高かったからです。それに、好きな俳優さん達が出ているというのも理由のひとつ。 で、見た感想は、一言で言うと、飽きはしないけれど映画的な面白さが足りません。伏線を回収してすっきり、という感覚も弱い。 たった2日間の出来事。せめて、過去に戻ることの必然性がもう少し強調されていれば良かったかもしれません。どちらかというと、タイムマシンは舞台設定の一つにすぎず、散りばめてある小ネタを楽しむような作品みたいです。『ハリキリスタジアム』とか、『ヴィダルサスーン』とか。 つまらなくはないし、悪くはないのですが、観終わった後の満足感は低いです。[DVD(邦画)] 6点(2017-11-30 14:35:13)《改行有》 1426. 告発のとき 《ネタバレ》 こーゆーマジメな作品にこんなことを言うのは間違っているのかもしれませんが、映画としてのパンチに欠けます。 『無許可離隊した息子』『そんなわけないと探し出す父』『死体で発見される息子』『非協力的な軍警察』『タイトル「告発のとき」』だからてっきり軍の不祥事を明るみに出そうとした息子が暗殺されて、それを麻薬組織の仕業に見せかけた、陰謀系サスペンスだと思い込んじゃったわけです。実際は全然違って、『戦争帰りの兵士達。心を病んだ結果の成り行き殺人』でありました。もちろんそれはそれで良いのですが、もったいぶったミステリーの結果としては、いささか物足りないです。。。ただ、少しずつ真相が明らかになる戦争ドラマとして見ると、見応えのある作品です。後味は決して良くありませんが。 『子供をはねたことに苦悩する青年』が『捕虜を面白半分で拷問する狂人』に変わってしまう。だからあだ名を『ドク』と名づけ揶揄する友人達もやはり狂人。『戦争帰りの夫に怯える妻の相談を適当にあしらった結果、殺されてしまう妻』のエピソードがスパイスとして効いている。『今回はたまたま自分が刺した。翌日だったら刺されていたのは自分のほうだったかもしれない。』『イラクは異常だった。でも今はイラクに戻りたい。』などなど、心が壊れてしまった戦友たちの言葉が痛々しい。息子だけでなく、心を病んでしまった兵士はこんなにもたくさんいるという現実。ですがその伝え方があまりにも淡々としすぎているため、心に響いてこないんです。 超シリアスなお話も良いんですが、多少の脚色、演出は必要だと思いました。 息子や若い兵士たちの心からの救難信号を息子たちに代わって上げる逆さの星条旗。これ以上ないラストですね。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-28 04:27:16)(良:1票) 《改行有》 1427. 妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 評価が低かったのであまり期待していなかったのですが、序盤から中盤にかけてはかなり面白いです。 子供向けながらもホラーテイストが感じられる雰囲気と音楽。特に神木君演じるタダシが大天狗の山に初めて行くときの緊張感はなかなか。更にはタダシが妖怪たちから驚かされるシークエンスは、子供っぽくもエンターテイメント性抜群で楽しい。モンスターや妖怪、CGによる演出が好きな私にとって、大好きな展開です。 で、『そんなに悪くないじゃん。面白いじゃん。』って見ていたのですが、後半~終盤にかけて、なるほどと思いましたね。最も盛り上がるべき最終決戦まで前半と同じか、それ以下のゆるいノリでは、そりゃあ盛り上がりませんな。 また、せっかく東京という大都市を舞台にしたのに、タダシや佐田以外の人間の存在が全く感じられないのも痛いです。 タダシのお姉さんや大天狗などがどうなったのかも全然出てきません。映画というか、物語としてのレベルが後半になっていくほど下がっていくわけですから、世間様から厳しい評価を受けるのも納得です。 『妖怪+マシーン』でターミネーターの出来損ないみたいなやつができるっていうアイデア、ビジュアル、まさに『日本漫画』っぽくて好きです。それだけに、妖怪たちとのバトルがほとんど描かれなかったのが残念。 クライマックスも、妖怪たちはお祭り騒ぎに終始するものですから、やたらシリアスモードのタダシ君たちのほうが茶番に見えてしまうのが悲しい。 極めつけはラスト。タダシ君が大人になってからのエピソードは蛇足の極み。いろんな意味で脱力するだけで、絶対要らないシーンです。[DVD(邦画)] 6点(2017-11-19 15:25:48)《改行有》 1428. マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 え?実話?みたいな終わり方なんですが、実際はどうなんでしょう。実話だとしたら、釈然としないあの終わり方にも一応の納得はできるというものですが。 それにしても前半がだるい。クリーシーとピタの心の交流や絆を描くために必要だというのはわかります。とは言え、尺に頼りすぎ。限られた時間のなかを、作り手側の工夫や演出で、共感させてほしいものです。 中盤、ピタがさらわれてからが、かなり面白いです。次から次へと悪党を芋づる式に釣り上げていく様子は痛快。復讐の仕方も徹底していて良い。クリーシーの怒りが伝わってきます。ただし、ピタが生きていたとなると、多少話は変わってくるかもしれません。もちろん誘拐に加担した人々は、ピタが生きていたとしても、ピタを救い出すために殺されちゃうのは致し方ないのでなんとも思いません。ただ父親はどうでしょう。確かに悪いことに加担したかもしれませんが、その動機は『借金まみれの家庭を守るため』というもの。せっかくピタが生きて帰れても、父親が死んでいたんじゃピタがかわいそうですよ。 それに、クリーシーの過去にいったい何があったのか、さんざんもったいつけておいて結局教えてはくれないのですね。過去のエピソードを明かしてくれないと、どれだけクリーシーがピタによって魂の救済をされたのかが伝わっきません。それってこの映画のいっちばん大事な部分だと思うんですけどねぇ。 と、ゆーわけで、気になる部分がなきにしもあらず。更にはラストがしっくりこなかった。ということで、やや辛口評価です。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-08 01:41:52)《改行有》 1429. ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 復讐劇のストーリーとしては、悪くないと思います。 銃乱射の責任をすべて銃器メーカーに押し付けようとするスタートに疑問を感じていましたが、オチを知って納得です。 過去に別件の銃乱射事件で姉を亡くした妹。恋人を奪われた彼氏。更には被害にあった町が銃器メーカーを相手に集団訴訟を起こすが、敗訴。町は破産。その悲劇の根源となっているのが、銃器メーカーと、フィッチの違法な陪審員操作。だとすれば、その両者を完膚なきまでに叩きのめすストーリーに、本来であれば溜飲を下げ、この上ないカタルシスを感じることでしょう。ですが実際はそこまでの感情は湧きません。 原因の一つとして、前置きがちょっと長すぎたかもしれないです。もったいつけすぎと言っても良い。ニックが陪審員になるまで、結構な尺をとっています。更には情報過多な割りに、物語が進んでいる感じがしないので、疲れます。もちろん、前半部分が大事であることは間違いありません。要は『テンポ』と『バランス』の問題だと思います。 もう一つの要因は、『原告側を勝訴に導く』という肝心の部分に、これといった工夫が全然なされなかったこと。フィッチに買収されている陪審員の失言を引っ張り出すなんてやり方が、うまくいったから良かったようなものの、これでは不確定要素が多すぎて敗訴になっていた可能性だってあります。 よって、『法廷』を舞台とした人間ドラマとしては面白いと思いますが、『法廷もの』、『知的サスペンス』としては、長い割りに物足りない。消化不良です。 ただし、ストーリーと人物配置を理解したうえでもう一回見たら、評価が変わるかもしれません。2回目見たほうが面白いんじゃないかな。もう見ないけど。[DVD(字幕)] 6点(2017-11-04 10:25:16)(良:1票) 《改行有》 1430. ディセント 《ネタバレ》 いろんな意味で怖い作品。イギリス映画ならではの陰湿な雰囲気が映画のテイストに合っている気がします。 ただのモンスターパニックかと思っていたのですが、ちょっと違いますね。平常時ではお互いを気遣いあう仲良し6人組み。それが非常事態では自分を優先し、それぞれが勝手な行動に出てしまう、そういう危うさも描いています。 中盤までは、結構ダラダラ。やや退屈。洞窟が崩落して退路を断たれたあたりから緊迫感が急上昇。更に正体不明のモンスターが現れてからストーリーが加速して面白くなります。 マイナスポイントその1。仕方がないことですが、舞台が洞窟なので、基本画面が暗く見づらい。今何が起こっているのかわかりづらい。 マイナスポイントその2。『怖がらせる』というよりかは、『驚かせる』演出を多用しているのがちょっと気に入らない。突然大きな音を出せば誰だってビックリします。ホラー映画の常套手段として否定はしませんが、それに頼り切った演出はどうかと思います。 個人的に面白かったのは、ジュノやサラの女ランボー化ですね。ちょっと強すぎる気もしますが、二人が覚醒してモンスター相手に互角以上の戦いを繰り広げるのはちょっと爽快です。 で、個人的にはこーゆーテイストの映画って、『あと少しで脱出できる。』ってわかっていたほうが、よりハラハラできると思うんです。この作品にはそれがありませんね。あまりにも八方塞がりな状況すぎて、『希望的観測からくる緊張感』といったものを感じられなくて残念です。[DVD(字幕)] 6点(2017-10-23 14:03:26)(良:2票) 《改行有》 1431. ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 映像に迫力があります。音楽も良い。見応えがあります。 アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンやベインのビジュアルが好きです。また、新しく登場する戦闘機がしびれます。バットマンシリーズは『メカ』や『武器』、とりわけ『乗り物』で楽しませてくれますね。 バットマンだってヒーローものにはちがいありません。圧倒的なパワーを見せてくれるパフォーマンスは、やはり興奮するものです。 ストーリーはどうでしょう。個人的には、はっきり言って面白くありません。なにしろ防戦一方。状況は悪くなるばかり。バットマンに頼れる味方が少ない。前作のような『チーム感』に欠ける。キャットウーマンには騙されるし。ベインにぼこぼこにされるし。アルフレッドは出て行くし。破産するし。この作品を見ると、前作までのバットマンをとりまく環境の暖かさがいかに大切だったかがよくわかります。 それに、この内容で160分というのはあまりにも長い。 前作では、そのエンターテイメント性の高さから、長さを全く感じませんでした。それは、面白かったのと同時に、映画を完成させるのに必要な尺の長さだったからだと思うのです。 今作の脚本で、本当にこの尺の長さは必要だったのでしょうか。 描きたいものを詰め込むだけなら、誰でもできると思うんですよね。無駄をけずり、必要なものを残し、限られた時間の中で見せようと試行錯誤された映画が好きですね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-30 14:54:16)(良:3票) 《改行有》 1432. 下妻物語 《ネタバレ》 ときどき『思い込み』が暴走するクセがある自分。『幼妻』『美人妻』などは聞いた事があるが、『下妻』とはいったい・・・?エロティックコメディ?いや、でも主演は深田恭子だし。まさかね・・・。って、まさかの『地名』かよ! とゆー勘違いで始まった下妻物語。『内容が全然ないよう』の前半が個人的に結構きついです。桃子、桃子の父、母、イチゴ、出てくる人が変な人ばっか。マンガ原作・・・。知らんかった。だからこんなコテコテのキャラになっちゃうわけですね。現実感がないわけです。 中盤以降はストーリーが意味を帯び始めるので、ちょっと面白くなりますね。桃子が刺繍の才能を認められる話。イチゴがチームを抜ける話。そして桃子とイチゴ、社会から阻害された二人が友情を育むメインストーリー。どれも悪くないと思います。特にヤンキー漫画全盛期を生きてきた世代にとっては、こーゆーノリって理屈抜きに面白いんじゃないでしょうか。 生きてきた環境、趣味嗜好、価値観、そのすべてが全然違う二人。共通点は『二人には友達がいない』ということだけ。そんな二人が少しずつ友情を育んでいく様子は、確かに心地よいものがあります。 桃子とイチゴ。自分の生き方、ポリシーを貫くブレない姿勢が、次第にかっこよく見えます。確かに、こーゆー人達は、大衆に迎合しない。だから、友人もできづらい。でも、友人がいないことと孤立していることは、厳密に言うと違うと思います。桃子やイチゴみたいなタイプは、本人達が気付いていないだけで、実は周りの人達からは一目置かれていたりするから面白い。それをわかりやすくドラマ化してくれたような作品ですね。 個人的には、凄く良い面と、全く好みに合わない面を併せ持つ本作。映画として凄く面白いかと問われれば微妙。人に勧めるには、ちょっとクセが強すぎる作品です。 [DVD(邦画)] 6点(2017-09-22 06:54:02)(良:1票) 《改行有》 1433. スウィングガールズ 《ネタバレ》 おそらく偏差値40くらいの私立高校の物語。中盤以降は盛り上がるのですが、序盤がちょっとついていけませんね。 コメディタッチな作品。目くじらたてるもんじゃない。それはわかっているんですけどね。こーゆー青春ものって、若者特有のまぶしさが欲しいです。『勉強は苦手だけど、○○に情熱をかけている』みたいな。ところが序盤、友子をはじめとしてこの女子高生たちには何もない。だらだらと日々を過ごし、頑張る人達の足をひっぱって生きている。さぼることばっかり考えている。不良よりも、こーゆー人種のほうがよっぽど嫌いです。 また、友子たちのバンドが上手くいき始めるやいなや、便乗するその他大勢の女子高生たち。『ウォーターボーイズ』のときと同じで、この厚顔無恥な振る舞いが嫌いです。しかも簡単に楽器の演奏をこなしちゃう非現実ぶり。青春ならではの、努力、葛藤、ひたむきさ、そういったものが感じられません。 中盤以降は、そーゆー面も見えるのですが、なんかいまいち共感できない。いかんせん序盤に彼女たちの悪い部分を見せすぎなんじゃないだろーか。コメディですから、笑ってすませば良いのかもしれませんが、『ここで笑うんだろーな』ってとこでは全然笑えません。イノシシ退治に尺を使うなら、もっと熱い練習シーンや、音楽に目覚める説得力のある動機を描いてほしかったです。 ただ、そういったことをきれいさっぱり無視する。そして中盤以降はスウィングガールズたちの幸運ぶりを楽しむ。そうすれば、ラストのハッピーエンドまでそれなりに楽しいです。無心になることが条件です。 まあ不思議なもんで、くそつまんないと思いながら我慢して見ていたはずなのに、気付けばいつの間にか楽しい気持ちに。説得力はなくともスウィングガールズの楽しそうな雰囲気に、脳が考えるのをやめてしまったのかもしれませんね。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2017-09-19 12:20:17)(良:2票) 《改行有》 1434. タッチ(2005) 《ネタバレ》 原作を読んだことがないので、映画のみの感想です。とは言え、なにしろ自分が子供のとき流行りまくっていたアニメなので、大まかなあらすじは知っていたりするのですが。 結論を先に申し上げると、映画としてそんなに悪くはありません。かと言って、とりたててほめるべきところもありません。青春映画として、可も無く不可もなく、なんですよねー。 最初のうちは3人の関係を微笑ましく見ていたのですが、和也が死んでから、登場人物にどんどん魅力がなくなっていく不思議。特に達也。ボクシングでも野球でも、試合に負けるたびに投げ出しちゃう自分勝手ぶり。南は南で、部活をやめてしまう気持ちはわからんくもないのですが、南不在のまま決勝戦にいっちゃうのにちょっとびっくり。更には両親。和也のときは応援に行ったのに、達也のときは応援に行かないのですね。マンガがそうなっているのなら仕方ありませんが、どうも後半、誰にも共感できません。 一番盛り上がってほしい後半の爽快感には難ありですが、全体的には手堅くまとまっている青春映画だと思います。[DVD(邦画)] 6点(2017-09-12 03:51:02)(良:1票) 《改行有》 1435. デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~ 《ネタバレ》 前作のような荒唐無稽さはなくなり、普通のバイオレンスアクションへ。 スポールディング、オーティス、ベイビーの3人の逃避行が中心のストーリー。そしてそれを追いかける復讐保安官。この保安官の復讐劇がメインの物語なので、もはやホラーとは言い難く、前作とはテイストが全然違います。もはや別物作品と言っても過言ではないくらい。 ただ逃避行中、この3人の犠牲になる家族。このエピソードだけは前作同様の『狂気』を感じられて、サスペンス色の強い仕上がりに。この惨劇が無ければ、凄く物足りない作品になったのは間違いないでしょう。 今回は復讐を誓った保安官が拘留中のマザー・ファイアフライを刺し殺したり、殺し屋を雇ったりとやりたい放題。『毒を以って毒を制す』というのが好きな私にとっては、なかなか見応えのある展開。保安官がクギ打ち機みたいなやつで、被害者の写真を3人に打ち付けていくとこは爽快。もっとやれやれと思っていたのですが、ここがどうやらピーク。後は失速。今まで殺人一家がしてきたことを考えれば、追い込み方が全然足りないです。 よって、全編通してそれなりの見応えはあるのですが、前作のようなイメージを期待して見ると、肩透かしをくらうかもしれません。 正直、どこに焦点をあてて見たら良いのかもよくわからない作品。ジャンル不透明な映画です。[DVD(字幕)] 6点(2017-09-02 16:16:44)《改行有》 1436. バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 はじめての『バットマン』。思っていたより、しっかりと作りこんだストーリー。 液状の『神経ガス』みたいなものを、水道管へ。⇒『水を気化する装置』を使い、神経ガスを町中に散布。 なんだか回りくどい。凝りすぎ。ピンとこない。ストーリーが作りこんであっても、それが面白さにつながっていないのでは意味がないですね。 黒幕も、『チル』⇒『ファルコーニ』⇒『クレイン』⇒『デュガード』へと次々と変わるため、感情移入しづらいです。バットマンことウェインの行動原理は、『両親の敵』というのが根底にあるのだから、次々と倒すべき対象を変えてしまうというのは逆効果だと思います。 アクションシーンはアップが多く、わかりづらい。今作を見るにあたって、やはりアクションシーンを一番期待していたわけです。それだけに、何が起こっているのかわかりづらいアクションの連続にはがっかりです。 ウェインが少しずつバットマンになっていくその過程は面白いです。アルフレッドとウェイン、それにルシウス(モーガン・フリーマン)との関係は良かったですね。 全体的には面白い作品だろうとは思うのですが、正直期待を超える出来ではなかったです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-09-01 16:19:12)《改行有》 1437. マーダー・ライド・ショー 《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』みたいなのを想像していたのですが、終盤はお化け屋敷状態。「誰?」っていうのが次から次に出てくる出てくる。更にはB級ホラーならではの、『理由』『説明』『動機』というものは一切ありません。強いて言うなら、欲望のおもむくままにやりたいことをやる人達、というところです。ノリと勢いでつっぱしる映画。個人的には嫌いではありません。 スプラッタ描写はたいしたことないですね。ただイカレタ家族の狂気というものはよく描かれていたと思います。 B級ホラーにはこーゆーテイストを求める気持ちが少なからずあります。つまり、私にとってのB級映画のある意味完成形とも言える作品。ただこの作品では被害者側の反撃というものが一切ありません。もちろん作品によってはなくても良いのですが、この作品には欲しいところ。このプロットでやられっぱなしというのは、欲求不満がたまるものです。 それにしてもやたらと画質やカラーの違う画を入れてきていましたが、これは個人的には好きじゃないです。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-27 16:02:29)《改行有》 1438. 僕のピアノコンチェルト 《ネタバレ》 IQめっちゃ高くて、ピアノがめっちゃひけて、自分が天才すぎることを悩む少年の物語。 気に入らないことがあると、両親を家からしめだすなど、小さい頃からやりたい放題。 そんなこともあってか、正直主人公ヴィトスには共感できない部分が少なからずあります。その一方で、そこに人間味を感じもします。 プロットは面白いのですが、山場がないので、平坦なイメージが強い作品。 『親も医者もだまして、頭が悪くなったフリをする。』というのは面白いのですが、そこにたいそうな理由や目的意識がないため、いまいち盛り上がりに欠けます。むしろ中盤からは父親が会社で窮地に追い込まれていって、そちらのほうが見応えがあるくらいです。 また、両親が苦しんでいるのに、本人は才能と金を無駄遣いしてじいちゃんと遊んでいる様子が気に入りません。 もちろん、最後は両親を助けてあげるし、ピアノの先生のとこにも行くし、これ以上無いハッピーエンドではあるので、後味はいたって爽やかに仕上がっております。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-25 08:50:36)《改行有》 1439. バイオハザード ディジェネレーション 《ネタバレ》 大きく二つに分かれたプロット。『空港パニック』の前半。『VS.Gウィルス』の後半。 はっきり言って、前半だけなら8点。それくらい、パニックもの、サバイバルホラーとしてよくできています。こーゆーオーソドックスな脱出劇が、なんだかんだ言って一番燃えるわけです。 そこから、後半戦に突入する前の、中休みなんか中だるみなんか、よくわからんワンクッションあり。その分後半戦、盛り上がって欲しかったのですが、残念ながらいまいち。まあ後半戦のほうが、関係者のみのバトルとなって、よりバイオっぽくはあるのですが。これはゲームではなくて映画ですからね。パニック要素は少ない。純粋な脱出劇というわけでもない。よって緊張感には欠けちゃいます。 その分、『黒幕』やら『陰謀』やらのサスペンスストーリーで勝負しようとしているわけですが、これがいかんせん面白くない。しかもわかりにくい。『レオンが何をやろうとしているのか。』『クレアが何をやろうとしているのか。』いまいち判然としていないのです。前半に比べると、後半は状況描写が不親切。作り手サイドの自己満足臭漂う映像集となっています。 つまり、前半はまだ映画として見られるのですが、後半はゲームの挿入動画を並べただけのような印象なんですよね。惜しい。 ただ、バイオシリーズ初期の大ファンとしては、『2』のメインキャラクター達で構成される本作は、それだけで感慨深いというか、素直に嬉しいのも事実。ファン必見の内容と言えるかもしれません。ですが、逆にファン以外の人が見たら、ますます微妙なんじゃないかなぁ、コレ。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-07-24 07:30:11)(良:1票) 《改行有》 1440. 運命じゃない人 《ネタバレ》 1つのストーリーを複数の視点から捉える面白い構成。 宮田君がマンションに戻ってくるたび、実はいろんな人が入れ替わり立ち代わり家に潜んでいたってのは面白いです。 こーゆー作品にしては、ストーリーが複雑すぎず、すっきりまとめられていたのも良かったと思います。これだけ時間が行ったり来たりしていても、全く混乱せずに見られたのは、作り手が見る側を意識している証拠だと思います。 キャラも非常にたっていて、『良い人すぎる宮田くん』『友達思いの探偵』『せこい組長』など、面白い人物が多い。 倉田あゆみはともかく、それ以外の人物は皆善良さがあって、後味も悪くありません。 ラストで会社の先輩が訪ねてくるシーンを重ねたことで、『たった一夜の出来事』を印象づけるやり方も上手いと思います。 映画としての面白さはまあまあ。個人的には、物足りなさが残る作品です。[DVD(邦画)] 6点(2017-07-17 13:15:19)(良:1票) 《改行有》
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