みんなのシネマレビュー |
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1521. スパイ・ゲーム(2001) トニースコットがけっこう好きなので期待して見たが、う~ん。冒頭の脱出失敗シーンはかなり良かった。シーンの頭の、場所と時間を伝える画面もかっこいい。でもストーリーに無理がある。してやったり!という爽快感が味わえれば良かったんですが、CIAともあろう組織でいくらなんでも・・・ねぇ。[映画館(字幕)] 6点(2003-04-03 12:26:17) 1522. ダークナイト ライジング 前作のレビューで予言したとおりの作品。まだ言うか!まだしゃべるか!それを!って映画。呆れるのを通り越して感心する。漫画で止まってる画(画だから当然動かない)に長々と説明セリフの大きなフキダシがあるのと同じで延々しゃべっとる。画が動くことで映画になるってのにそこには向かわないみたい、ノーランさんは。今回の悪者ベイルが予告編のほうがはるかに怖かったのは予告編ではしゃべらなかったからに他ならない。まあ、そもそも怖がらせようとも思っとらんのだろうが。後半のクライマックスたるクロスカッティングをここもまさに漫画のように時間を引き延ばし(あるいは戻り)ながらドラマに終始することで全く盛り上がらないものに仕上げているのもおそらくは意図的なものなのだろう。映画的な高揚感よりもドラマを重視しているのだ。ラストに観客が見たいだろう画を用意してくれているのはなかなかに良かったのだが、『ボーン・アルティメイタム』のそれと比べるとやっぱりここも冗長だったかな。良かったのは前作は暗すぎてよくわからなかったバイクのドリフト時のタイヤの動きがかっこよかったのとバイクに乗ったキャットウーマンのお尻がキュートだったこと。[映画館(字幕)] 5点(2012-08-17 16:14:44)(良:1票) 1523. 美しい夏キリシマ 最初のほうでいきなり萎えたのが照明。屋根からぶらさがる電球や部屋の電気スタンドといった魅力的な光源を無視したライティングが気に入らない。と思って見てたら途中からいい感じになってきた。昼間の太陽の光の加減がすごくいい。夜の人工的な光がダメってことだったのだろうか。この照明ひとつでずいぶん印象も変わるのにもったいない。会話の切れ目のカッティングが面白かった。「戦争」をまじめに描くとなるとどうしても色々なエピソードが必要で、それゆえにどうしても散漫になってしまい、さらには退屈になってくる。この映画はその退屈さを小田エリカの純真な輝きでもってなんとか乗り越えようとし、大方成功しているように思う。[DVD(邦画)] 5点(2011-12-20 15:24:54) 1524. 鯨神 いったい何を目指したのか。お話は文芸作品で新藤兼人の脚本はそれなりに文芸色を打ち出しているようにも思えるが田中徳三監督は主役そっちのけで勝新の野蛮な立ち振る舞いをカメラに収めようとしているふうで文芸作品というよりもアクション映画のノリ。そこに伊福部昭の音楽と巨大鯨という怪獣映画の組み合わせ。なんともチグハグな作品だ。クライマックスの死闘とその後の主人公の神々しいモノローグシーンの繋がらなさがチグハグの最たる部分。アクションと怪獣と田中徳三の相性はけして悪くはないから新藤兼人に書かせたのが間違いなのだろう。あるいは監督と音楽を変えるか。[映画館(邦画)] 5点(2011-12-15 16:35:12) 1525. 村の写真集 極めて個人的な好みで申し訳ないがどうも父親と息子の親子関係を真面目にリアルにそれでいて感動的に描かれるともうそれだけで受け入れ難い。私自身の親子関係が影響してるんだろうけどこればっかりは。前半のギクシャクした親子関係はそれなりに良かったし、そのギクシャクを中和する明らかにまわりとは色合いが違う中国人の彼女の存在がかなり映画を面白くさせているとは思うんだけど、後半、ストーリー的には納得できるんだけどやっぱ親父って凄いって息子が思うような展開があって息子は素直にそのストーリーに添ってゆくってのがどうも・・。息子が写真撮ると被写体の村人たちがぐずぐず言うのとかわざとらしいし。親父と息子の力量の差なんて「写真の笑顔」一発でいいじゃん。それから藤竜也は味があったが味がありすぎて一村民としては存在感がありすぎるような気もした。藤のこの味を活かすなら風景を撮るより、小津の映画みたいな虚構性に富んだ会話劇で見せたほうが面白いと思う。いや、極めて個人的な好みの問題ですよ。生々しい父と息子のドラマは苦手です。[DVD(邦画)] 5点(2011-12-07 16:18:41) 1526. カンゾー先生 麻生久美子のお尻しか印象に残ってない。というかお尻が眩しすぎて他が消えちゃったのか。全編に漂う喜劇調はいかにも今村監督らしい。けして軽やかではなく、むしろ苦いドラマを内包するのもまた今村調といえるのだろう。この作品においては喜劇調がすこぶる快調で苦いドラマがしつこいと感じた。長いとも感じた。実際長い。エピソードが豊富に過ぎる。[DVD(字幕)] 5点(2011-12-02 13:30:37) 1527. 十兵衛暗殺剣 柳生は確かに将軍の犬だったかもしれないし新陰流は剣術である前に兵法だったのかもしれないが、少なくとも柳生十兵衛三厳は優れた剣士として知られているのだし、テレビや小説によって強固となった「政治よりも剣」という豪放なイメージもあるわけで、それなのにこの展開はどうなのよ。殿の前で勝負をしなかったのはなんらかの理由があるのだと信じて見てた私はいつまでたってもその理由が語られないことにイライラし、もしや逃げてるのではあるまいなと憤り、逃げてたのかよと呆れかえるのであった。そもそも敵方の描き方もいただけない。最強の敵であることは前半ではっきりとした。ならば最強同士で勝負するだけで面白いのになぜに海賊ならぬ湖賊を使って悪どい戦術を使うのか。いや、敵キャラとしてはその悪辣は悪くはないのだが、ならば剣術で十兵衛より勝っているような前半の展開が邪魔。やはり僅差で十兵衛が強いのであって前半の勝負の躊躇いにはしっかりとした理由がなくちゃならん。ま、私の勝手な十兵衛像を理由にけなすのもなんだが。[映画館(邦画)] 5点(2011-11-21 14:00:21) 1528. 潮騒(1975) 百恵ちゃんが脱いでる!!少女だけど大人顔の山口百恵なので『伊豆の踊り子』よりもキャラ的には合ってるかとは思うんだけどまさか脱いでるとは思わなかった。もちろん大事なところは映らないんだけど。海女さんたちの乳の見せ合いで「処女の乳」を皆に見られる百恵ちゃん。もちろん映らないんだけど。想像しちまったぜ。ここまでくるともうアイドル映画じゃないな。かといって主演二人があまりに正しい人間。あまりに清く美しい。やっぱアイドル映画か。ちょいエロストーリーを爽やかに改変するその手腕は評価されてもよいと思う。屋内から外に出たときに違和感あり。繋がってない。たぶん屋内シーンの照明のせい。[DVD(邦画)] 5点(2011-11-18 15:28:42) 1529. 自転車吐息 あ、詩の世界だ。と思った。ということは苦手ってことだ。きっとそっち方面の感性に乏しいのでしょう。でも監督のイメージを映像化しているわけだけど、好き嫌いは置いといて、なかなかにビビッとくるものがあるのも確か。かっこいいと思ってやってたことが映像化されることでそのかっこ悪さが露呈する。言葉ではなく映像だとこんなにも青臭いのか、と。これって映画の欠点なのかもしれない。その欠点を利用して青臭い青春の一コマを見せ付けている。イメージの映像化といえば「透明ランナー」の出現なんてもろにイメージの映像化だ。イメージを可視化できるのが映画の利点。または欠点。[DVD(邦画)] 5点(2011-11-17 14:32:05)(良:1票) 1530. 岳-ガク- 絶景ですな。その絶景をバックに闊歩する小栗旬。山のことなら任しとけ!な頼れる男っぷりをこの絶景が後押しする。実際絶景をいかに収めるかという部分ではそうとうに熟考されてると思う。クライミングシーンの迫力もカメラの位置取りに負うところが大きい。ドラマ自体の安っぽさもカバーしている。しかし三歩、もとい一歩山から下りるとその安っぽさが顔を出す。下界は説明じみたセリフと感動を煽るセリフで満たされている。最たるは佐々木蔵之介。この人、表情の演技もかなりくどい。[映画館(邦画)] 5点(2011-11-14 14:19:33) 1531. ゼロの焦点(1961) この内容で95分は凄いなとは思うんだけどナレーションで手早く説明することで達成できた数字なので手放しで褒めるわけにはいかない。とは言うものの原作ありの邦画サスペンスは大抵ナレーション過多が当たり前で、よほど原作に縛られない自由な環境を与えないかぎりはしょうがないのかなとも思う。列車、音楽、愛情のもつれ、崖で顚末がわかる、と完璧に後の火曜サスペンスあたりに受け継がれた鉄板アイテムを堪能してください。ロケーションも時代を反映していて楽しめます。[DVD(邦画)] 5点(2011-11-09 15:33:47) 1532. コクリコ坂から 説明不足と言われている点については全く文句はない。べつに「海」が何故「メル」かなんてどうでもいい。「海」は友達から「メル」と呼ばれている。それでいいじゃん。でもそういったところとは全く別の部分で不満がある。どうにものれないのだ。まるで『千と千尋の神隠し』の湯屋のような魅惑的な内部構造を持つカルチェラタン自体はいいのだが、そこが初めて映し出されたときも、掃除中も、お披露目時も、全然心躍らないのだ。いちいち父と比べられるのもかなわんだろうけど、どうしてもその見せ方になんらかの違いがあるとしか思えない。差し込む光の中に埃がキラキラしてるところなんて細やかなこともしてるんだけど。 自転車の滑走はたしかにスピード感があった。おおっと一瞬目を見張った。でもそこに『崖の上のポニョ』の海の上を走るポニョのような躍動感はない。背後の絵が猛スピードで動いているだけで顔に風が当たっているようにも見えない。顔といえば学生たちの平面的な顔。最初は時代設定からして、ちばてつやの「ハリスの旋風」あたりのバンカラ漫画へのオマージュなのかと思ったんだけど、海の顔も少しうつむくと途端に平面的になっている。ということは技術的な問題なのかなと。それともどこに拘るかという問題か。そういった部分でもいちいちくじかれた作品でした。[映画館(邦画)] 5点(2011-11-04 15:11:44)(良:2票) 1533. 愛の予感 《ネタバレ》 一人娘が殺されたらしい。その後、被害者の父親と加害者の母親が逃避先の北海道で出会いそこで何かが生まれる、といった内容。ただ生きているだけの規則的な日常を繰り返し見せ、その規則的なリズムが狂ってゆく様を見せてゆくことでその心情を露呈させる。セリフを排除し、ひたすら画面だけで語る手法が絶賛され見事ロカルノで金豹賞(グランプリ)を獲得。なのだが、たしかに画面だけで語っているのは認めるがそこに想像力を働かせる余地を残していない。画面があまりにもわかりやすく語りすぎているのだ。単調さと変化が大袈裟であざとくすら感じた。音を印象的に響かせているのは良かった。あと、終わり方だけは想像力を膨らませてくれるものであった。[映画館(邦画)] 5点(2011-10-17 13:11:09) 1534. 化石の森(1936) やたらとセリフが多いなと思ったら舞台劇の映画化でした。セットまるわかりの風景だし、構図も舞台劇の見せ方に近い構図のようです。主演のレスリー・ハワードと悪役ハンフリー・ボガートは舞台でも同じ役を演じていたそうです。この役を皮切りにボガートが映画俳優として輝きだすわけだけども、なんとなくわかるような気がします。アップになったときの面構えは完全に主役を食ってました。凄みがある。顔がものを言うとはこのことで、当然その効用は舞台劇よりも映画でこそ活かされる。そういう意味では意図せずかもしれないが、舞台劇にはない映画ならではのものがここにはあったと言える。暗闇の銃撃戦もまた舞台劇では味わうことのない迫力があっただろうし、時間が止まったかのような大写しにされるキスシーンも映画ならではと言える。それでもおそらくは舞台劇と然程変わらぬだろうセリフの量がこの作品を映画から遠ざけている。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-12 14:03:13) 1535. 私の中のあなた 対立する二つの意見があってもどちらかが正しくどちらかが間違っているというわけではない。それぞれに納得し得る言い分がある。ニック・カサヴェテスはいつもそこを丁寧に描く。けして誰かを悪者になんかしない。こういう描き方ってもう古い。古いけども、こういう優しさというか甘さは嫌いじゃない。ただ、この作品は物語自体が涙に溢れているので余計に甘っちょろくなっちゃってる。テーマに則した緊張がない。死の恐怖がない。親子のドロドロがない。ないないづくしで平坦。演技はみんな最高。そこだけで見られる映画になってる。もちろんその演技を引き出した監督の功。[DVD(字幕)] 5点(2011-09-27 11:42:24) 1536. スカイライン-征服- 《ネタバレ》 序盤のドラマがいらん。そのドラマが後に活きてくるわけでなし、ドラマ自体がおもろいわけでなし。というかかなりつまらん。なんとなくゾンビ映画『ザ・ホード 死霊の大群』を思い出したんだけど、こっちは序盤のドラマがその後の展開にも影響するし、なにより序盤のドラマ部分が面白い。で、ようやく本題突入で、光を見ると吸い寄せられるってアイディアがなかなかいいのだが、そこから楽しくならない。要するに光を見ちゃいけないって部分での広がりがない。じゃあ、どうすんだろ、と思って見てたら立てこもることになった。お、頭脳戦か。ありがちだけどやっと映画が始まるなと思ったら、すぐに立てこもりやめて外に飛び出しちゃう。面白かったのはF22(?)戦闘機のドッグファイト。ほとんど航空ショーなみの絶技でドラマチックに戦う米軍機をあくまで市井の人の視点に拘って見せる。なんか笑えた。終わりに近づきいよいよ楽しくなるかな、と思ったら突如終わった。実際、ヒーロー誕生で終わるわけだからまさにこれからってところで終わるわけで、「狙い」なんだろうかね。「前フリ」を一本の作品にしたものです。[映画館(字幕)] 5点(2011-09-22 15:48:09) 1537. 主婦マリーがしたこと 《ネタバレ》 シャブロルの映画で初めて見たのがこれ。かなり前だ。正直、イマイチだと思った。去年シャブロルが亡くなったことで追悼の意もあるのか最近になってシャブロルの映画がたくさん上映されるようになったがこれがどいつもこいつも面白い。なので見直そうと思ったんだけど近所のレンタル店に置いてませんでした。残念。ナチス占領下のフランスで戦地から帰ってきた夫の無職状態、それでも子供二人を育てなければならない状況、堕胎が違法という女性困難の時代等を鑑みても主人公の行動は肯定すべきものとしては描かれていない。どちらかというと悪女として描かれていたはず。女性のための堕胎ではなく金のための堕胎。生活のための金ではなく歓楽のための金。だから「彼女に罰を」と思って見てたら死刑という結末に唖然となったのを覚えている。結局のところ、女が欲望のままに罪を繰り返す犯罪映画で、その根源に戦争があったという描き方なら良かったのだが、犯罪映画である以上に国家の犠牲者としての側面がクローズアップされすぎていて私にとっては面白くなりそうで面白くならないってことになってる。一般的には傑作ということのようです。[ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-29 14:45:06)(良:1票) 1538. 自虐の詩 『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』といったテレビ作品では冴えまくっていたジャンプカットがようやく映画においてもそれなりの効果を発揮できるようになったのは、この作品が極めてテレビに近いからということだったりするのかもしれないが、基本的にはコメディパートにしか使っていないことを考えれば、テレビで通用した武器を映画で使う場合のコツを掴んだということなのかもしれない。ということで久々に堤幸彦らしさを垣間見たような気がした。が、せっかくの宮城・気仙沼と大阪・新世界という魅力的な場所を活かせないというのは決定的にダメだと思う。気仙沼は熊本さんと丘の上で仲直りする直前あたりに見えた海の見える背景が良かったぐらい(ここは震災後の今見ればまた別の感慨もあるかもしれない)。新世界にいたってはあまりに漫画チック。徹底的に漫画チックならソレもまた良しなんだけど、どうもそのあたりが中途半端。[DVD(邦画)] 5点(2011-08-02 15:24:10) 1539. どぶ 新藤兼人は脚本した作品には楽しい作品が多々あるのにどうして本人が監督も兼ねちゃうとこう真面目くさいものになっちゃうのか。66年『本能』なんかは社会派としての厳しさをユニークな作風の中にうまく描いていてけっこう好きなんだけど、この作品のようにひたすらシリアスで来られるときつい。乙羽信子の衝撃のアホ顔は最初この映画の中できつさを和ませるユニーク担当なのかと思ったが、どうしてどうして、より一層のきつさを出すためのものだった。この人の作風に美人は不要なのかもしれないが映画なんだからもうちょっとなんとかならんか。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-08-01 14:13:02) 1540. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 終盤は圧巻。なんでもありのスーパーカスカベ隊。そのぶっ飛び具合自体も気持ちいいが、何よりもこれが「映画の世界」の中だからこその「自由」という設定が嬉しい。しかしこの天晴れな終盤以前が「自由」とは裏腹な実に閉塞的なものとなっている。だからこその終盤の開放感痛快感ともいえるんだけど、それにしたって長いよ、つまらん時間帯が。ギャグも精彩を欠く。登場人物たちの行動規範がいまいちはっきりしないのもいただけない。「映画を完成させたい」のではなく「春日部に帰りたい」のだろうけど、日々春日部を忘れてゆく中でなぜそれほど帰ることに拘ろうとするのか。そこに明確な理由が欲しい。なんのために戦うのか。すてきなおねいさんがこっちにいないからでもいい。そこを常に起点としてお話が進まなきゃ。あと『荒野の七人』のメンバーが同じ声優と共に出てくるのはいいけど、もうちょっと活躍してもらわんと一部の大人に向けたただのサービスカットで終わっちゃってる。[DVD(邦画)] 5点(2011-07-22 15:00:53)
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