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プロフィール
コメント数 1383
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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141.  ジェイコブス・ラダー(2019) 《ネタバレ》 1990年の作品の強烈なイメージを思い起こしつつ鑑賞。一言で言えば、リメイクと言いつつも似て非なる作品と感じました。 ジェイコブの妄想で始まり、不可思議な出来事が続くうちに観ている者は何が本当か分からなくなって来ます。実態なのか妄想なのか、不確かな状況で登場するアイザック。ジェイコブの記憶の中では死んだはずのジェイコブ。初めのうちはジェイコブの妄想なのかと疑いたくなります。ところが物語が進むうちに次第次第と存在感を増し、ついには脆弱な存在へと転じてしまったジェイコブを凌駕する存在感に。 このあたりの兄弟の姿や言動の移ろいは丁寧に的確に表現されていると思います。勿論、妻のサマンサの存在も見逃せません。アイザックの戦友として登場するものの実はジェイコブの戦友であったポールも重要なキーマン。他にも、決して多くない登場人物の殆ど全てがこの物語にとって欠かすことの出来ない存在になっています。 どこからどこまでがジェイコブの妄想なのか?オリジナル版と同じ解釈で良いのか?全てが彼の妄想と考えて良いのだと思いつつも、最後まで不安な気持ち(ある意味希望的観測)にかられながら鑑賞しました。 実に謎めいていて魅力的なリメイクに8点献上します。[インターネット(字幕)] 8点(2022-11-22 09:37:50)《改行有》

142.  フロッグ 《ネタバレ》 ネット上であらすじを読んで、これはホラーだろうななどと思いつつ観始めました。 刑事の自宅で起きる怪現象。これは誰かが、いや何かが潜んでいるな。そのうち姿を現して修羅場となるのかな。けれども、それが少年誘拐事件とどう繋がるんだろう? ところが、妻の不倫相手の乱入→負傷→死亡によって、思わぬ方向に事態は進展。あれあれ?誘拐事件どころじゃない!その顛末、どうするつもり? そして突然、ここから先はPOVかよ?みたいにハンディカメラの画像に転換して物語は振り出しに。作品後半は種明かし編となっていて、視点も新たな登場人物に変更。種明かしが始まります。 見事な構成ですね。多少は力技もありはしますが(例えば少女が犯人に撃たれるくだりでは前半と後半では時間の同期が出来ていないように感じるとか、母親が息子のベッドの下を覗き込んだ時、中身付きのカエルのお面を二度見までしているのに人が被っていることを認識できない、とか)、前半の不可解な部分をひとつひとつ回収して行く流れはなかなかにユニークで、観る者は前半のホラーテイスト溢れる展開が、実は一人の青年の仕業だったと解るように丁寧に描かれています。そして、最後の最後に実はその青年の復讐譚だったことに気付くのです。そもそもその家を選んだのは彼だったわけで、始めから狙っていた訳ですね。 複雑な構成を破綻させることなく完成させたためか、物語としての深味にはいま一つ欠けるようには感じますが、観る者に予測を許さない見事なエンターテインメント作品だと思います。 ちなみに、邦題より原題の方が謎めいていて好きです。だいたいからして、カエルのお面が可愛くなさ過ぎて到底カエルに見えないし。[インターネット(字幕)] 8点(2022-11-22 00:06:20)《改行有》

143.  フィラデルフィア 《ネタバレ》 とある契機でこの度鑑賞しました。既に製作後約30年経過している豪華キャスティングのオスカー受賞作品ながら未見でした。 法廷劇のスタイルを採っていますが、純粋に社会派ヒューマンストーリーですね。謂れなき差別と偏見の齎す害悪を訴えつつも、当時の一般大衆の基本的な捉え方を少々無遠慮に挿し込んで来る。その自然体によって逆にテーマが強調されます。 正直なところ法廷劇としての面白さはあまり感じませんでした。原告側と被告側の法廷での厳しく辛辣な闘いは勿論見応え十分なのですが、びっくりするような大どんでん返しや予測不能な展開というものは用意されておらず、激しい心理戦が交わされることもあまりありません。ある意味、実に穏やかな法廷劇だと思います。 陪審員が激論を戦わせ、大逆転で原告勝訴といった展開とも異なるような。評決の末、只管穏やかに主人公たちは勝利を手にします。要は法廷劇としての魅せ場に拘った作品ではないということだと思います。 今でこそ「多様性」をキーワードにLGBTQなどの単語が日々マスコミから流れて来ますが、つい最近まで人生や愛について語られる際には(少なくとも我が国では)タブー視されていたと思います。人権としてそのような内容を語る動き自体は、この作品の製作よりも随分と昔からあったとは記憶していますが、なかなか一般化しないそういった問題への意識がこの作品を通じて強く後押しされたという部分で存在意義は大きいと思います。 そして、豪華キャストの作品にありがちな作品が出演者に負けてしまいそうな感じは一切しませんが、特に主演の二人の強烈な存在感がこの作品をS級にしていることは間違いありません。キャスティングが本作をものの見事に名作に昇華させたという一面はあると思います。 パーティ後のオペラのシーン。トムさんの心に染み入るような独白とデンゼルさんの表情のみの微細な感情表現に感涙しました。[インターネット(字幕)] 8点(2022-11-21 15:14:56)(良:1票) 《改行有》

144.  ハリケーンアワー 《ネタバレ》 大規模自然災害で孤立。最愛の妻は出産中に急死。人工呼吸器が必要な早産で生まれた赤ちゃん。停電、食料と薬剤の枯渇、発電機の操作のために休憩はおろか一睡もできない。救助隊が来ないどころか殺気立った暴徒が乱入…。 我が子と二人、そんな八方塞がりの状況に放り込まれてしまったら、誰だって父親の自覚どころじゃない。混乱あるのみ。さりとて娘の命は何としても守り抜かねばならない。頭を巡らせ極限まで身体を酷使し、只管発電機のハンドルを回し続ける。保育器の中の娘に語り掛け、思い出の中の妻に語り掛け、人間らしさを失うことなく、それどころか命に代えても娘を守り抜く父親の姿へと一歩ずつ歩んで行く。 老朽化した機器の充電能力の低さ故の時間的制限による繰り返しで、展開が次第に単調になってしまうのかと思いきや、迷い込んで来た救助犬との交流でホッと一息つくことが出来たり、救助隊ならぬ暴徒の襲来を躊躇うことなく撃破する主人公の逞しさに胸をなでおろしたり、短めの尺の中にも変化に富んだ展開で一気に物語は進みます。 そして、身も心もボロボロとなりながらも出生後48時間が過ぎ人工呼吸器が不要となった我が子の姿に安心し、力尽きた主人公が崩れ落ちた時、救助隊の到着によって娘ともどもストレッチャーで運ばれて行く時の父娘の眩しいばかりの姿。(しかも、件の救助犬の働きによって救助隊が呼び寄せられるなんて泣かせる。実はシャーロックの生死を心配してました) 感動的でした。一言で言えばソリッドシチュエーションパニックサスペンス(一言でもないか)なのでしょうけれど、それはあくまでも手段というか設定であって、若き父親の成長を描くストレートなヒューマンドラマとして受け取りました。 ポール・ウォーカーさんの遺作となってしまった本作。アクション中心の作品ばかりではなく、様々なジャンルの作品にもっと出演して欲しかったと思わずにはいられない佳作でした。 追記:DVDのジャケットは勘弁してください。劇中グロック持ってるのは暴漢だけですから。[インターネット(字幕)] 8点(2022-11-20 00:30:36)(良:1票) 《改行有》

145.  ザ・マミー(2017) 《ネタバレ》 全編を彩るモノクロと見紛う様な暗い色調。登場人物の表情に差す暗い影。実際にヒロインに見えているのかいないのか、ある時は彼女を追うように、またある時は彼女を導くかのように縦横無尽に走る血の筋と蝙蝠のような小さな生き物。そして、壁から動き出す絵や縫いぐるみのトラ。 主要な画面の殆どを個性豊かな子どもたちだけで演じていて、劣悪な環境・状況の中、明るく逞しく生きている姿が等身大にリアルに描かれています。 舞台は揃った、あとは肝心のストーリーをどう展開していくか?といったところですね。 比較的短い尺の中、描き切れていない部分(例えば母娘の暮らしぶりや少年とギャングとの関係性など)もあるように思えますが、逆にあまり丁寧に描いてしまって長尺になるのもいかがかな?とも思えます。個人的には適度に省かれていた方がファンタジー的には良かったのかなと。 ラスト、細やかな幸せを奪った憎きギャングを母の元に連れて来た愛娘に、一人でも生きていける強い子になったねとの思いを告げるかのように、大きくなったらあげると約束していた鳥のブレスレットが母の手首からエストレヤの手首に飛び立ちます。 救いようのないような暗く悲しい物語に一筋の光を与え、扉を開けた少女の行く先には緑に輝く草原が広がる。ホラー転じてヒューマンドラマとしての締めくくりは美しいものでした。 ちなみに、邦題は少々ホラーを意識し過ぎているかのように思え、ストレートに母親を持ち出さなくてもいいように思えます。さりとてスペイン語の原題は少々分かりづらく、少々思わせぶりな感はありますが英題が一番しっくりと来ました。[インターネット(字幕)] 8点(2022-11-17 11:08:54)《改行有》

146.  タイム・ダイレイション 死のベッド 《ネタバレ》 冒頭、過去の忌まわしい歴史が語られる。そして怨念に溢れた木材から製作されるベッド。 ここまで観ていた段階では、まさかタイムパラドックス的な要素を含んだ作品とは思えず、サブスクサイトの違う作品にアクセスしてしまったかと思いました。 (ここから激しくネタバレです) が、ここから一気に現代に。秘密クラブの一室に件のベッドは設置してあり、既に犠牲者まで出ていたという設定。更には呪いのベッドと言えども使用した人間を無差別に死に至らしめるのではなく、過去に罪のある人間のみ殺すと言うある意味勧善懲悪的な呪い。更に更に、二人の関係者が2時間の時を超えて交信して運命を変えてしまうと言うSFチックな展開。更に更に更に、酔いどれた担当刑事が暗い過去を変えたいがあまりに強引に自らの運命を変えてしまうヒューマンドラマ的展開。そして、ラストは件のベッドが新たな主のもとへ旅立っていくという続編ありですか?的展開。 コンパクトな尺の中に何と贅沢に盛り込んだものか。けれども大きく破綻することなく物語は進みます。そのあたりは脚本の妙と言うべきかも知れません。 監督さんは元々は撮影畑の方のようですね。ビジュアル的には細かな部分に拘りが感じられました。もう一度観たならばいろいろと気付く点もありそうです。 ちょっと?な点も少なからずありますが、予想以上に満足できた具沢山ホラーに8点献上です。[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-24 09:58:00)《改行有》

147.  タイムリーパー ~未来の記憶~ 《ネタバレ》 時間は1本の線のようなもの。1次元であろうと2次元であろうと3次元であろうと、決して途切れることなく繋がっていて、だからこそ、タイムパラドックスでさえも予め用意されている未来であり、未来は変えることは出来ないのではなく変わってしまった未来も既に確定していることに過ぎない。つまりは全ては変えることの出来ない運命なのだ。 ジェームズが母の事故死以来確信していたことは、きっとそんな感じなのかなと思います。そういう意味では原題の「VOLITION」(意思、意思による選択)の方が良いと思えます。「タイムリープ」はテーマではなくあくまでも手段なのではないかと。 「タイムトラベル」ものが物理の法則に則ったものであるとすれば、「タイムリーパー」という邦題が冠せられたこの作品は、哲学的な概念に則ったものだと思います。あくまでも個々人の思念におけるお話。そう考えれば、薬剤の注射で生身の人間の姿が消えることについても特に違和感は感じませんし、寧ろ「あり」だと思います。 ひさびさに時間の概念やタイムパラドックスについて考えさせられる作品に出逢いました。主人公は自らの死の意味することを理解して死んでいったのでしょうか?それとも薄れゆく意識の中で、やはり運命として受け止めたのでしょうか?個人的には運命は変えられるのだと理解して死んでいったと思いたいところです。[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-13 11:02:12)《改行有》

148.  クロール -凶暴領域- 《ネタバレ》 思いがけない佳作に思わず高評価です。 予備知識なしでの鑑賞だったので、縁の下でワニが出た時には正直ビックリ。でも、そりゃそうだね。増水している川岸の家、しかもフロリダ。そりゃワニ大量発生も止む無し。 ワニの使い方が上手い。ワニの横顔が通過していくあたりは「ジュラシックパーク」で見たティラノやラプトル的な恐ろしさ。声もたてず足音もたてずに移動しているところがやたら怖い。ヒロインに嚙みついてローリングするなんて相当現実味がある。 確かに都合が良すぎる展開や演出はあるけれど、その一方でヒロインの行動や言動、感情の動きはやたらと現実味に溢れている。 都合よすぎる展開と、都合が悪すぎる(現実的な)展開のバランスが素晴らしい!じっくり見入ってしまいました。[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-09 20:19:00)(良:1票) 《改行有》

149.  チャッピー 《ネタバレ》 ロボット警官を題材にした他の有名作のような暗く陰惨とも言えるような世界観ではなく、犯罪や犯罪者を描きつつも明るくカラッとした雰囲気を感じさせ、演出的にもコメディ要素を随所に散らばせることで、クライムサスペンス的内容でありながらヒューマンストーリーに仕立て上げられていますね。 よくよく考えれば元々ロボットであるチャッピーは別として、人間であるディオンとヨ―ランディは非業の死を遂げているのですから、その精神がこの世に形を変えて残ったとしても果たしてそれが幸せなのかどうかは難しいところだと思います。と言うか、それがこの作品の最大のテーマなのかなと。 肉体が死して後も脳だけが生き続けるとか、霊として現世に影響を残し続けるとか、様々な表現をもって描かれてきた死後の世界の在り方のひとつ。製作者の意図はそこではないかも知れませんが、個人的には痛快なSFアクションを楽しんだ後に、ふとそんなことを考えさせられた作品でした。[インターネット(字幕)] 8点(2022-10-01 10:29:01)《改行有》

150.  ザ・ゲスト 《ネタバレ》 コンパクトに纏まったサスペンスの良作だと思います。 冒頭、題名よろしく訪れる謎の男。どう考えても怪しいけれど、愛息を失った母親にとっては息子代わりの存在感を放つ礼儀正しい彼を引き留めずにいられない。お約束どおり他の家族は彼への拒絶感を否めないながらも、彼の鋭い洞察力と的確な発言と行動に心を揺さぶられ、次第に心を開いていく。 いいですね。ここで予測されるのは、彼がサイコキラーで、こうやって家族に取り入った上で突如豹変し皆殺しにする、という展開ですが、この作品は違うんですね。まさかの軍が絡んだ秘密実験の被験者にして無敵の殺人兵器だったとは。意外でした。 前半部分の好青年にして無敵っぷり。後半に入ってからの無感情な殺人兵器っぷり。スピーディな展開なだけに若干説明不足に感じないこともありませんが、よく考えればキチンと辻褄が合っている。脚本の妙とでも言いましょうか。 唯一難を言うならば、そしてそこが一番の問題なんですが、それは彼が生き残ったこと。足の銃創は動脈を外れた貫通銃創、肩の銃創も急所を外している、背中の刺し傷もしかり、けれど流石に胸の傷はヤバいでしょ。何より、無敵の殺人兵器がド素人の女の子と男の子に背後を取られる訳ないし。そして息を引き取ったように見えたのは窮地を脱するために身に着けさせられた演技力?更に瀕死の状態で遺体を処理し消防士を襲い着替える?そしてこの後、どうやって脱出して傷を癒す?その後の生きる目的は? ちょっと終盤にご都合主義が過ぎたかな?と。 とは言え、サスペンスフルでスピーディなエンタテイメントであることは間違いないです。そしてダン・スティーブンスさんカッコ良過ぎ。甘めの8点献上します。[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-12 10:19:50)《改行有》

151.  マリグナント 狂暴な悪夢 《ネタバレ》 (書き出しから結末に繋がるネタバレです) 幼少期の恐怖体験等を元にした物語は、多くは多重人格を題材にしていると思いますが、本作は特異な双生児の在り方をプロットにしており、新鮮なホラーとして楽しめました。 後頭部、あるいは体の顔以外の部位に顔面や口があるという造形は、我が国の妖怪変化や海外の都市伝説、あるいは過去の作品に見受けられはしますが、本作のアイディアは類似点は感じるものの独自の視点で掘り下げてアレンジしていて、オリジナリティたっぷりに魅せてくれます。 次々に登場する関連性のはっきりしないエピソードたちは、中盤あたりから伏線回収のような形で収束して行き、途切れないスピーディな展開とともに流石ワン監督といった魅力に溢れています。 純粋にホラーと言うよりも、サスペンス、あるいはアクション作品として大いに見応えを感じ、楽しめました。 個人的には、刑事が単独行動で怪物のような犯人を先の見えない地下迷宮で追跡するところや、ヒロインの妹が単独行動で廃墟となった郊外の病院の地下室に入り込んで資料を捜すなどというような、いわば「ホラーあるある」的展開に少々不満を感じましたが、映像・音楽・アクション等々、どこをとっても見事な出来栄えと思います。 ガブリエルが幼少時から超人的なパワーを備えていたこと、それどころか警察署を全滅させられるほどの戦闘能力を身につけていること、電力や電波を思いのままに操れること、マディソンの身体をガブリエルが凶行に利用していたとすると瞬間移動しているとしか思えないような時間的な矛盾を感じてしまうこと等々、気になることは多々ありますが、それもこれも優れたエンターテインメントならではと思えば、野暮は言っちゃいけないですよね。 物語はヒロインが本当に大切な家族とは何かということに気付くところで終わりますが、脳をコントロールされていたとは言え大量殺人についての責任は免れないでしょう。それでも、人生で最高の幸せに辿り着けたということは、ヒロインにだけフォーカスすればある意味でハッピーエンドなのでしょうね。[インターネット(字幕)] 8点(2022-08-17 11:12:46)(良:1票) 《改行有》

152.  HK/変態仮面 《ネタバレ》 随分と前にCSで放送していたのを録画。古い録画を整理していたらたまたま発見。時間があったので観てしまいました。「観た」のではなく「観てしまった」のです。 これは禁断の作品でした。お下品なコメディというと欧米、特にアメリカ映画が本家と思っていて、邦画のお下品コメディというと概ね昔懐かしいロマンポルノではないかと信じていました。(実際、ロマンポルノには傑作下ネタコメディがあると思います) ところが、こんなにもメジャーな役者さんを使い(しかも皆さん体当たり演技、いや素の演技?いやいや素だと演技じゃないか)、欧米作品でも滅多に観れないような超ストレートで包み隠さない下ネタの数々。恐れ入りました。 原作漫画は未読ですが、皆さんのレビューを読むと原作を忠実に、あるいは原作を超えて仕上がっているようですね。変態に関する主人公の苦悩や偽変態仮面とのイデオロギー対決のあたりは深味さえ感じます。単なるお下品コメディと切って捨てられない作品と思います。 ところどころ雑な作りが気にはなりますが、キャスティングの妙(その後の各役者さんたちの御活躍を思えば尚更)、脚本の妙、演出の妙等々、邦画お下品コメディ、下ネタコメディの可能性を感じさせてくれた1本でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-08-09 13:45:30)(良:2票) 《改行有》

153.  タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら 《ネタバレ》 何だか口煩いおねーさんと同行のカメラマンが事件現場に潜んでいた謎の男にアッサリ片付けられてしまう。そして、その3日前…という語り出しと、本編突入後にいきなり死亡フラグ乱立の悪ノリ大学生グループのクルマが、脇から突然現れた不気味な男たちが乗るピックアップに抜かれて行くあたりの雰囲気は「これってコメディ?」という感じ。 ところが直後には、実は不気味に見えた二人は良い人オーラ大放出の凸凹コンビで、学生グループのリーダー格の方が実はアブナイっぽいというあたりを早々に種明かし。 基本コメディなんですから、この種明かしタイミングは正解だと思います。コミュニケーションの不成立から誤解が誤解を生むことの恐さという結構真面目な軸を中心に据えて、次から次へと誤解と先入観の深みにハマって、あるいは自らの自発的行動ではないままに無意味に死んでいく若者たちをブラックユーモアを添えて描いていく。 何にしても命の扱いが軽い。いくらなんでも可哀そうと思えなくもない死に方も続出。ところが観ていてそのあたりに違和感を感じない、と言うか普通に笑えてしまう。学生グループには感情移入出来ないからですね。と言うか、逆に主人公側に思いっ切り感情移入してしまうからかも知れないです。 ハッピーエンドもいいですね。普通に考えたら二人がアッサリ無罪放免になる訳ないし、アリーの抱えたトラウマは尋常じゃないはず。更にはチャド生きてるし。でも、そんなもの全部お構いなしにハッピーエンド。あくまでもこれはコメディ。ホラーじゃありませんから、という〆ですね。 ちなみに邦題の副題。「史上最悪の〇〇」みたいな定型パターンってありますけど、この作品の場合には特に必要ないような気が…。確かにツイてないと言われればツイてないのですが、ツイてないが故の展開でもないような気がします。[インターネット(字幕)] 8点(2022-08-03 00:37:34)(良:1票) 《改行有》

154.  YUMMY ヤミー 《ネタバレ》 まず、爆乳に悩むが故に乳房縮小手術を恋人同伴で郊外の専門病院に向かう(正確に言えば恋人にクルマで送らせた?)ヒロイン、という馬鹿馬鹿しい設定からして尋常ではない。しかも、二人に付き添うヒロインの母親がヒロインを凌駕するほどの爆乳で更に美容整形に依存しているという設定でダメ押し。とんでもないゾンビ映画です。更に、何というタイトルのネーミングセンス?!このセンスにドハマりしてしまいました。 そして、確かにコメディなんですが、コメディ的表現は概ねブラックユーモア。膝を叩いて大爆笑というよりも只管苦笑に次ぐ苦笑。かなり見る者を選ぶ作品ですね。一般的な視点で観れば相当に趣味は悪いと言わざるを得ません。 ただし、ゾンビ映画としての基本を押さえた生真面目と言っても良いような作り込みは、決してゾンビ映画先進国とは言えないベルギー映画界への期待を膨らませてくれます。 結局全員死亡フラグという衝撃のラスト?には、妙に安心させられてしまいました。これで良かったんだ、みたいに。その原因は、そこに至るまでに登場人物一人ひとりのキャラを十分に刷り込まれてしまった証しなのかも知れません。 静かに転がるエンゲージリングが、虚しくアーティスティックで印象的でした。[インターネット(字幕)] 8点(2022-08-01 22:48:14)(良:1票) 《改行有》

155.  ウィリーズ・ワンダーランド 《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞。オープニングロールから一瞬目を離した隙に「主演ニコラス・ケイジ」を見落としてしまい、結構物語が進むまで「よく似た俳優を起用したもんだ」的に理解してしまいました。サングラスに髭面、台詞はほぼ皆無。なかなか御本人だということに確信が持てなかった訳で、ニコラスファンの皆様御免なさい。 で、肝心の作品内容ですが、賛否両論があるのも解るような気がします。そもそもホラーなのかコメディなのか、カテゴリだけでも意見が分かれそうです。 冒頭からニコラスさん演じる謎のドライバー(ツーリスト?)がパークに閉じ込められるまでは悪魔系ホラーかなと思えるのですが、彼の極めて真面目に極めて丁寧に清掃をする姿で何となく可笑しみが感じられ始め、呪われたアニマルロボットをあっさりぶっ壊すキレっぷりに笑いが漏れ、彼が大量に所持するエナジードリンクを定時に飲み干す姿で大笑い。その段階で、これってコメディ?と思うに至ります。 そして、その段階でこの作品がニコラスさんありきの作品なんだなと、改めて知る訳で、彼がクールに謎めいて登場すれば何やら不穏な雰囲気、カードやATMが使えないことに文句ひとつ言わず清掃を請け負うところで何者?という疑問、ロボットをタコ殴りして破壊しつつ規則正しく栄養ドリンク飲みながらピンボールに熱中するイカレっぷりに妙に納得。 死亡フラグを掲げて登場する若者たちはともかくとして、惨事からの生き残りの少女リヴや強面の女性保安官ルンドなど、曲者系の脇役などお構いなしにニコラス劇場が展開します。 という訳で、理屈抜きにハマってしまいました。面白いです。個人的に大いにツボだったので8点献上します。[インターネット(字幕)] 8点(2022-07-25 12:09:02)(良:1票) 《改行有》

156.  ピーターラビット 《ネタバレ》 ピーターラビットの物語と基本設定は同じだけれど、キャラクター設定やストーリーは児童書である原作からだいぶ飛躍してると言うか、デフォルメしてるというか、実に洋画のコメディらしいアレンジと演出ですね。基本、擬人化されたウサギが最上位にあって人間や他の動物はそれ以下。小ネタも効いてます。アニメ版がほぼ原作を踏襲していたことを考えれば、やっぱりハリウッドだな、と言ったところか。こういう作品、こういうコメディ、好みです。 それにしても、技術革新には脱帽するばかり。ピーターたちが実に自然に実写の世界に溶け込んでますね。まさに命を与えられているといった一挙手一投足。動物たちの自然な動きや表情に釘付けになり、あっという間にクライマックスを迎えてしまいました。 CGキャラが活躍する作品に、また新たな記念碑的作品が登場しましたね。[インターネット(字幕)] 8点(2022-04-18 00:34:03)《改行有》

157.  スペースバンパイア 《ネタバレ》 公開当時は何故か鑑賞しなかった作品。その後も、やたらと「全裸の美女作品」的なイメージが強く、積極的には観ようとして来なかった作品でした。が、たまたまヴァンパイア作品をいろいろ当っていたところ、今回CSで放映されたのを機に初鑑賞に至りました。 結論から言えば大満足。ヘンリー・マンシーニさんの重厚なテーマで始まるオープニングから惹き込まれ、切れ目のないストーリー展開、当時としてはハイレベルな特撮技術、宇宙船や謎の構造物のデザイン、ゾンビ化した群衆のシーンなどの様々な革新的アイディア等々、今にしてみればB級感は否めませんが、制作年代を考えれば優れたスペースオペラの大作として楽しむことが出来ました。 以下、いくつか感想を羅列します。 謎の巨大宇宙船に調査隊が乗り込んでいく場面は、隊員が「懐かしい感じがする」と言っているようにどことなく産道を思わせるデザイン、とすれば男女3体が眠っていた空間は子宮のイメージと思え、そんな風に考えれば巨大宇宙船のデザインにはどこか「2001年宇宙の旅」へのオマージュなのかなといった印象を受けました。 そもそもストーリーよりもこの作品を有名にしてしまった全裸の美女は、特に後姿を見ると思いの外グラマラス。このエイリアンのキャラからすればスレンダーな美女の方が合っていたような気がしますが、見た男を虜にするという意味では少なからず母性を感じさせる体型で正解だったのかも知れませんね。 今時だったら、3体のエイリアンのうち女性タイプだけが吸精鬼的行動を取るというのはないかも知れません。調査隊の女性隊長が男性型エイリアンの虜になる展開もありでしょうし、両方同時進行もありでしょう。 ちなみに、全裸シーンのボカシはこの作品については不要ですね。少なくとも性的な意味合いでの全裸ではないわけで、地球人について事前に研究した結果、潜入するための仮の姿としてカプセル内で合成されたのでしょうから当然全裸なのだと思います。この辺りが映倫さんの画一的な取り扱いのなせるところでしょうか? 原題が「スペースバンパイア」だから仕方ありませんが、劇中字幕でも翻訳されているように、ここで登場するエイリアンは「吸血鬼」ならぬ「吸精鬼」ですね。英題の「Lifeforce」(生命力?精気?)の方がタイトルとして勝っているように思われます。 精気を吸い取られて死んだ者が、2時間で精気を求めて復活して暴れまくるというのは面白いですね。殺さずに精気を残し、精神だけ乗っ取るというのもユニークなアイディアだと思います。 ロンドンの阿鼻叫喚のシーンは、年代を考えれば画期的なシーンですね。ただ、何故群衆がゾンビ化しているのかについての説明ゼロは、少しばかりいただけないかと。 少々長くなりましたので感想はこの程度にしますが、SF作品には様々なスタイルがある訳で、科学的な物語、哲学的な物語、文学的な物語等々、いろいろある中でこの作品のように荒唐無稽さが先行する作品があっても、それはそれで映画の楽しさが広がる一助となるに違いありません。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-04-08 13:43:59)(良:1票) 《改行有》

158.  THE BATMAN-ザ・バットマン- 《ネタバレ》 幼き日に馴染んだTV版のバットマンのイメージが頭に染み付いているので、映画化される度に画面全体に漂うダークなイメージに戸惑ってしまうのですが、今作でも同様に始めは違和感を感じてしまいました。が、3時間の長尺にも関わらず、全く長さを感じることなく作品世界に没入。過去を引き摺り終始陰鬱な表情を浮かべるブルース青年/バットマン。両親を殺害した「悪」への復讐心と怒りをエネルギーに、日々暗闇に巣食う悪と戦い続ける。確かに強い。様々な特殊装備を身に着け、どんな相手にも立ち向かっていく。けれども、その姿は単に無敵のスーパーヒーローと言う訳ではなく、殴られもするし撃たれもする。スーツを脱げば満身創痍。それでも戦う姿に今までにない人間味を感じました。事件を追ううちに両親の死の真相にも迫り、一度は復讐心が萎えもするけれど、更に核心に迫る中で真実を知り、犯人の犯行に至る心理を知り、彼の心のどこかで欠けていた本当の意味での正義心が芽生えていく。言ってみれば、スーパーヒーローここに誕生!といった物語として受け止めました。脇を固めるゴードン警部補、アルフレッド、そしてキャットウーマンも、それぞれに適役。新シリーズの第二弾が今から待ち遠しいです。[映画館(字幕)] 8点(2022-03-17 15:48:40)

159.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 7年もの歳月をかけて(元の短編作品の分を入れれば11年?)殆ど独りで、しかも独学で製作した作品というだけで既に感動的であって高評価を禁じ得ないのですが、それではある意味本質的な評価と言えないような気がして製作者に失礼だとも思うので、そのことは脇に置いてレビューします。 地球や人類の未来を描いたSF作品は既に星の数ほど語られていて、ここで描かれる世界観についても今まで見たことも聞いたこともないオリジナリティ溢れるもの、とは言い切れないところです。とは言え、決して多くを語ることなくその世界観をビジュアル化している感性と技術には並外れた才覚を感じます。凄いとしか言い様がない。凄みとも言える、徹底したリアリティ追求の姿勢を感じます。 正直なところ、序盤は緻密で迫力ある映像に圧倒されつつも、個人的な好みの問題で世界観に若干引いてしまった部分もありましたが、物語が進むにつれ次第次第に作品世界に惹き込まれ、徐々に密度を増していく表現力・空気感に否応なく感情移入していってしまいました。気が付けば、クレイモデルのストップモーションアニメであることや、そのスケール感までも見失ってしまうほど作品にのめり込んでいる自分が居ました。 本作の段階では、ストップモーションアニメとしてのビジュアル面の凄さにばかり目が行きがちですし、主人公はロマンと冒険を求めて地下世界に飛び込んでいく若者といった設定で、必要以上にその精神世界にまでは踏み込んでいない様に思えます。エンディングからも当然製作されると思えてしまう後日談の中で、主人公が地上では当たり前だった命の永続性が地下では必ずしも成立しないことに気付き、徐々に生命の在り方や価値観に目覚めていく姿が描かれていき、より深みのあるファンタジーとなるのかなと期待しています。[インターネット(字幕)] 8点(2022-02-21 22:01:40)(良:1票) 《改行有》

160.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 強烈な風刺劇ですね。タブーと禁句の地雷を潜り抜け、よくぞ製作&上映出来たものだと思います。主演のオリバー・マスッチさんは、ヒトラー役のリアリティを追及するために抜擢された舞台俳優さんということですが、顔立ち風貌と言うより、語り口と存在感がまるで本物かと思わせるぐらいの完成度じゃないでしょうか。現代の問題点や政治の望ましい在り方を訴える彼の言葉の数々には、気を抜くと頭から信じて支持派になってしまいそうな説得力を感じます。作り手は、決してヒトラーの存在と主張を肯定していないであろうにも関わらず、あたかも彼の主義主張を世界に向けて肯定的に発信しているかのような錯覚に陥ります。それも、すべて脚本の妙と主演俳優の力量に依るものだと思います。これはコメディ?いや単純に笑えるものではないですね。劇中のヒトラーの言葉と、彼に関わる周囲の人々の振る舞いとその変化を通じて、現代社会が解決すべき問題点について投げかけている優れた風刺劇と受け止めました。[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-25 23:32:41)(良:2票)

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