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プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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141.  仁義 《ネタバレ》 この映画はえらく無口ですが、男たちは皆えらく格好良いです。ということはつまり映画として成功しているのだと思います。襲撃シーンのあの静寂さは素晴らしく、空気がピリピリに張り詰めていますし、特にイヴ・モンタンが狙撃する瞬間などはその頂点に達しており見応えがあります(モンタンが爬虫類の幻覚まで見えるほど危険な状態ということを他二人はおそらく知っていないので、彼が銃を手にした瞬間、一番ドッキリしたのは観客のはずである)。  そして寡黙だからこそラストの〝仁義だ〟のたった一言がズシンと胸に響くのです。 …ただ、アラン・ドロンの髭はやっぱり無い方が良いと思います。[DVD(字幕)] 9点(2009-11-27 18:28:44)《改行有》

142.  チャンプ(1931) 《ネタバレ》 泥酔した父親の服を脱がし寝かしつける息子、すぐにトラブってしまう父親と常に味方してくれる息子という図式は親子関係がすっかり逆転しています。しかし、馬を取り戻し喜ぶ息子の姿を見るや安堵し力尽きるチャンプは、やっぱりどうして親であり父親としての意地を見せてくれるので胸にグッときてしまいます。逞しそうな母ちゃんのもとで暮らす方が幸せだろうけど、父ちゃんだって強いんだゾ…という感じです。  そのボクシングシーンはコマ落としで早回しをしているだけでスピード感だけしかなく面白味には欠けますが、必死に応援するあの少年の健気さとか、それまでのチャンプの車を降りる鈍重な動きなどを見ると、もはや勝利なんて夢のまた夢と思わせておいての頑張りですから、ついつい行方を見守りたくなってしまいます。  もう物語そのものは完全無欠のメロドラマなのですが(お涙ねらいならディング少年は存在自体が反則に近い)、少年が母親に抱かれ控え室から遠のいて行くラストが父子の決別を際立たせており、分かっていても目頭の温度が上昇してしまうのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-11-13 18:51:40)《改行有》

143.  エンゼル・ハート 《ネタバレ》 主人公が探偵で、フラッシュバックがあり、悪夢的で、暗い世界で夜の舗道が雨に濡れている…これはフィルム・ノワールなんだと思って見ていたら、最後にお茶目な格好のデ・ニーロが登場し、そんなオチかよっ!と思わずツッコみたくなるような結末ではあったのですが・・・最初からオカルトと知って見ていれば落胆することもなかったでしょう。というのも謎に向かって行く過程はなかなか巧みで面白くできています。何度も反復し出てくる格子の影や、ゆるやかに回転する換気扇のプロペラなどが不安感をこれでもかと煽っていますし、ミッキー・ロークは男の色気があり魅力的ですし、女たちもエロティック(わざわざ露出する必要はどこにもないと思いますが)でドキドキさせてくれます。 心臓オチと分かってみれば、鼓動音やミッキー・ロークがしばしば鏡を見るといった仕草も伏線として活きていますし、怪しげでスリルいっぱいの世界が確立されていると思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-04 18:07:10)

144.  探偵事務所23 くたばれ悪党ども 《ネタバレ》 鈴木清順監督の作品の中では特に宍戸錠さんが出演しているものが好きで、その中でも本作が一番のお気に入りなのですが、いつだって独特な感覚が冴え渡り唸らされてしまう清順作品としては極めてオーソドックスな色合いです。 しかしながら凡人の筆者としては本作ぐらいの調子の方が単純に楽しめますし、それぞれの場面も木目細かく、冒頭のヤクザの抗争シーンからしてもう面白くて仕方ありません。どこかの物置のCMのごとく車に過剰に溢れるヤクザたちの喧騒が良いですし、錠さんとサリーが歌い踊る場面なんてホントご機嫌で最高です。もちろんそんなダサいところも見せながら一人巧みに立ち回る錠さんがとにかく格好良いですし、どこか寂しげに凛としたヒロインの笹森さんの美しさも光っております。それに脱出方法としてマシンガンで地面に穴を開けてしまうってのは凄いじゃないですか![DVD(邦画)] 9点(2009-10-23 18:39:54)

145.  戦場を駈ける男 《ネタバレ》 最初の飛行機が迎撃される時はドイツ軍が黒い影となっていて不気味に描かれていますし、製作年や内容からして一見プロパガンダ映画のようなのですが、そこはウォルシュ監督、顔が出るとドイツ軍も何だか親しみが湧いてきて、逃亡が開始されればだんだんコメディ調になり単純に素晴らしい娯楽活劇として走り出します。このぐらい思いっきりやられると戦争映画というよりも戦争ごっこ映画といった感じで少年気分でワクワクしてきます。クライマックスのカーチェイスからラストに到るまでのアクションやテンポの良さなどは、現代でも充分に有効なばかりか今なお抜きん出ているとすら思います。 しかもワクワクばかりではなく、ムードメーカーのオヤジが撃たれて屋根から落ちてゆく様などは胸にグッと迫ってくるもので、様々な要所をしっかりおさえたサービス精神旺盛な作品となっています。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-10-19 18:11:56)

146.  壮烈第七騎兵隊 《ネタバレ》 カスター将軍についてほとんど何も知らないのですが〝悪名高き〟という印象を持っていたので、このヒーロー然とした姿はおそらくかなり美化されており、自伝的な部分は嘘っぱちもいいところだと思います。…がしかし、虚構の映画としての部分は見事な出来栄えです。  カスターを演じるエロール・フリンは根っからの陽性なので勝手放題しても憎めず、そのヤンチャっぷりに好意を抱きたくなってしまいますし、妻となるオリヴィア・デ・ハヴィランドもとても美しく撮られています。 また特に後半部分が素晴らしく、自分を酒で陥れた相手に酒でお返しをくれてやるカスターの鬼気迫る姿や、リトル・ビッグ・ホーンでの戦闘シーンの凄さは圧倒的です。  でも、やはり記憶に残るのはカスター夫妻の別れのシーンです。最後の戦が致命的なものになるとお互いに悟っており、カスターは形見として時計を残し夫人は日記を綴っている、その時を告げるラッパの合図で感動的な別れの口付けをすると、カスターは覚悟が決まり振り返りもせず出陣し、見送る夫人をとらえたカメラが引いていき彼女がパタリとくずれ倒れる姿をとらえている…歴史的事実など知らなくともこの美しいシーンを見れば、もう二度と二人の幸せな時間は訪れないのだと察せられ、目頭が熱くなってきてしまうのです。[DVD(字幕)] 8点(2009-10-13 18:23:28)(良:2票) 《改行有》

147.  影なき男(1934) 《ネタバレ》 発明品を作っている?ワイナントの影から始まる冒頭部分からしてサスペンスに富んでいますし、懐中電灯の光が頼りの真っ暗な研究所のシーンもスリリングですし、謎解きシーンの人物の見せ方も上手いです。しかし、そんなミステリー部分よりもちょくちょく見せる仲睦まじい夫婦の描写が素敵です。本編とは何の関係もないのですが、小突き合い戯れるところとか、奥さんがお酒をグラスについで渡そうとすると夫はボトルの方をとって飲んでしまうとか、クリスマスプレゼントを交換し射的しているところとか、そういう何気ない夫婦のシーンが実に魅力的ですし、しかもこんだけじゃれておいといて命の危険がある時は本気で心配し、渾身のキスシーンとくるのですから当てられてしまいます。 また、夫婦の子供代わりである犬のアスタの存在も面白くて、愛らしくも夫婦の言うことを全く聞かないところが良いですし、ラストに目を隠す見事な仕草もお洒落じゃないですか。[DVD(字幕)] 9点(2009-09-28 18:46:58)

148.  リクルート 《ネタバレ》 〝これはテストなのか現実なのか〟というのがこの映画の焦点になっていて、最大の見せ場は拷問のところで、幾度となく試された後に観客もコリン・ファレルと一緒に現実か否か疑ってかかることになるのですが…どうもあまり面白くありません。ファレルの動きはなかなか機敏で見栄えがするのですがしっかり見せてくれませんし、バークの怪しいキャラクターはほぼパチーノが演じることによるところが大きく、ファレルの父親の謎やバークとの擬似親子的な部分は途中で放棄してしまったような感じで描写不足です。またラストのファレルとパチーノの対決シーンも〝スパルタカス〟の仕掛けだけで乗り切ってしまい、あの建物の中での攻防シーンはお粗末だと思います。[映画館(字幕)] 5点(2009-09-25 18:19:19)

149.  潜行者 《ネタバレ》 登場人物はそれぞれ個性的で強烈ですし、意外な犯人の意外な落下シーンは巧みで〝アッ〟と言わせてくれます。・・・しかし、ボギーは整形後の顔という設定なので始まってしばらくの間は彼の顔を映せず、多くの場面を彼の主観映像で見せるという試みがなされており、画面に彼の腕がにゅっと出てきたりするのですが…この部分がえらく退屈で早いとこボギーを出せよと思ってしまいます。  そして、最後にボギーが逃げ切ってバコールと再会してしまうのも明かに嘘っぽく見えます(夢オチかと思った)。それは逃走劇をもっとしっかり見せてほしいとか、物語的に不自然に見えるとか様々な問題もありますが、何よりバコールとの別れのシーンが問題なのです。というのもあの別れのシーン自体は胸に迫ってくるように素晴らしいのですが、迫り過ぎていて完全に今生の別れに見えてしまい再会はありえないと思わせるものなのです。[DVD(字幕)] 6点(2009-09-15 18:36:32)《改行有》

150.  カサブランカ 《ネタバレ》 最初の方のボギーの酒場の見せ方など、あまり上手い具合にいっていない部分があると思っていたのですが、バーグマンの登場で一変します。彼女は個人的に趣味ではないですし、このキャラクターの心情は男の私には良く分からんのですが、そんな問題を差し引いても多額のお釣りがくるぐらい本作では魅力的に見えます。 例えばボギーと予期せぬ再会を果たし目がウルウルしてくるところとか、夜中に酒場に訪ねて来てドアを開けると光が彼女を照らし出すところとか、こういった綺麗に撮ろうという配慮がなされているからこそ二股状態の曖昧なキャラクターにもかかわらずバーグマンが完全無欠のヒロインになっているのだと思います。 そんな彼女を見送るボギーも格好良くて、キザったらしくて聞いているこっちまで赤面してしまうような台詞をサラリと言ってのけてしまうところがボギーならではでしょう。  それからピアノ弾きが歌う「As Time Goes By」は言わずもがなですが、国家を歌い合うシーンもパワフルです。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-11 18:52:01)(良:1票) 《改行有》

151.  サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの対決はアクションを伴うものではなく会話劇で、しかも面と向かわずになされるのですが、その攻防の緊張感が何とも凄く、むしろ二人が顔を会わせて直接対決が開始されるあたりからの方がつまらなくなります。しかもこの会話の内容というのは知的攻防戦と言う程でもないのに、ピリピリの状況にしてしまっているあたりがトニー・スコット監督の手腕でしょう。デンゼルとトラボルタ以外の人物は基本的に呑気で軽口をたたいているのですが、そのイイカゲンなシーンを挿むことによって二人の対決と地下鉄内の緊迫感をより高めていますし、いささか乱暴な見せ方ではあるものの時間を絶えず提示することによって圧迫感を生み出しています。  それから最後に市長の車の申し出を断り地下鉄で帰宅するシーンのデンゼルの晴れやかな表情が素晴らしく、感動的ですらあります。地下鉄の人間模様を巧みにちょこちょこ見せながらも深入りせず、これを106分でまとめあげてしまったスピード感も良い。[映画館(字幕)] 8点(2009-09-07 18:30:10)《改行有》

152.  グッド・バッド・ウィアード 《ネタバレ》 かなりイイカゲンなところがありますが、この〝追いかけっこ〟はなかなかどうして楽しいです。主演3人の初登場シーンも工夫されていますし(この列車強盗のシーンが一番良く出来ている)、途中のチョン・ウソンが上空から撃ちまくるガンファイトも見せ場となっていますし、最後の全員集合の追いかけっこなどもスケールがあってパワーがあります(「マッドマックス2」を想起させる)。ただドラマ部分は弱く、地図の場所に何が隠されているかとかソン・ガンホの正体とか謎めいた部分は、むしろ最後までネタバレしない方が良いように思えます。  主演3人についてはイ・ビョンホンもチョン・ウソンも確かにカッコイイですが良い奴も悪い奴も型通りで(特にビョンホンの悪役は見せ場に乏しい)、鈍重そうでありながら実に軽快に動き回り折り畳み式オペラグラスで笑いをとる型破りなガンホが美味しい所をかっさらってエスケープして行くのは、当然と言えば当然です。[映画館(字幕)] 7点(2009-09-04 18:25:23)《改行有》

153.  あの夏、いちばん静かな海。 《ネタバレ》 主人公は耳が聞こえないですが、これは耳の聞こえない者の物語ではないようです。つまり言葉なんてのは、さして重要ではなく排除しても差し支えないものであるから、主人公から台詞を奪うために、あえて耳を聞こえなくしたのではないかと思います。実際、ほとんどの台詞が無意味でしょうもないもので、例えば、バスで距離がひらいた恋人二人が歩いて再会するシーンだけで台詞など無くとも充分に物語っているのです。  さらに、ラストの楽しい思い出のようなシーンの数々は作中では省かれてしまっています。強面の河原さぶさんがトロフィーを手にし嬉しそうに酒を飲む姿などは感動的で、普通なら本編に挿し込んで簡単にお涙頂戴モンにしそうなものですが、そんなことはせず、ただただ黙々と歩き移動する姿を映し続けていて、それでも胸に響いてしまうところが凄いです。 ・・・と言っておきながら、私のお気に入りのシーンは思い出の方に近い、彼女がサーフボードの後ろを持ってあげるところだったりします。サーフボードが持ち上がり二人が顔を合わせニッコリと笑うのが微笑ましいですし、それを後で男のコンビで笑いとして使ってしまうのも良いですね。  それから、これは海の映画なんですが海そのものよりもビーチの方が魅力的に見えます。[DVD(邦画)] 9点(2009-08-28 18:38:00)(良:1票) 《改行有》

154.  ウィンチェスター銃'73(1950) 《ネタバレ》 父親の敵を討とうと追って行く間に、当人たちのあずかり知らぬ所でウィンチェスター銃が人から人へと渡っていく様が巧みで面白いですし、カードを不器用に扱いながらポーカーで儲ける銃商人や、騎兵隊隊長、スティーブといった僅しか登場しない人物たちまでもが魅力的です(誰もがビビるワイアット・アープは少々温和すぎますが;)。  しかしこれは何と言っても銃撃シーンが素晴らしいです。度々、高・低の構図を使い、相当な距離があるにもかかわらず射撃する者の姿と射撃される者の姿を一つの画面に収めてしまっているところが凄く、何だか妙に気分が高揚してきます。ラストの銃撃戦にしても、私の残念なTV画面で見ると豆粒のように小さいのですが、しっかりと高い所から撃つ姿を映し出しているのです。そんな中でもお気に入りは、リンがダッチにウィンチェスター銃を奪われる場面で、それに気付いた相棒が階下から射撃しガラスがパシャンと割れるのを二階の室内から見せるシーンで、あれはワン・ショットで起こる諸々の出来事をまさにワン・ショットで捉えています。こういうのを見せられますと、距離のある銃撃戦を撮らせたらアンソニー・マン監督の右に出る者はいないだろうと断言したくなります。[DVD(字幕)] 9点(2009-08-26 18:15:59)(良:2票) 《改行有》

155.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 この痛いまでに青春を感じずにはいられない映画は、どうしたって前半の反復部分が好きですね。学校の屋上とか喫茶店とか中華屋とかカツアゲとか…繰り返しというのは青春の一つの要素だと思います。毎日毎日、同じ時刻に同じ仲間と同じ場所で同じことをする。後半、社会に飛び出し、それぞれが挫折していく姿も哀しいのですが、ほとんど反復しなくなっていくことが、より一層に青春の終り告げているようであり寂しさを感じさせます。だからこそラストの校庭がもの凄く効いていて胸にグッサリと突き刺さります。あの自転車に二人乗りなんぞはまさに青春であって、(交通法の問題とか別にして私道にしたって)大の男になってしまったらチャリンコ二人乗りはもう出来ないのです。[DVD(邦画)] 9点(2009-08-14 18:40:20)(良:4票)

156.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 手ぶれ映像でいかにも実録風に淡々とした演出で見せてくれるのですが、やはりこういうのは映画として面白味がないと思ってしまいます。例えば、病気の仲間が射殺されてしまうシーンの緊張感の無さはどうでしょう。主人公にああいう形で目撃させているところを見ると、サスペンスの面を全く放棄している訳でもなさそうなので上手くいってないんじゃないかと。  ただ、ラストにもっと無惨にくたびれた同胞が現われるシーンはアッと言わせてくれます。それまで収容所外の世界をほとんど映していないので、どうしたって己の命が一番大事で、仲間の命を危険に晒す正義の人・ブルガーは身勝手に見えますが、壁が崩されたあの瞬間にまさに狭い世界から解放されブルガーの行動にも納得がいくのです。[DVD(字幕)] 6点(2009-08-07 18:36:01)《改行有》

157.  影武者 《ネタバレ》 長篠の合戦シーンで、討ち死にしていく様を一切映さずに省略するのは良いのですが、他ではあまりお目にかからない、非常に印象的な馬がのた打ち回っている悲惨な光景が、くどいくらいで冗長に感じられます。もちろん無敵の騎馬隊が敗れ、武田家の滅亡を意味し、影武者が単騎突入をかける重要なシーンであるとは思うのですが、あのシーンを長々と見せるのはどうかと思ってしまいます。  それから、細かいところで目に付くところもあります。例えば戦場で砂埃が舞い旗がこれでもかとパタパタとひらめく風の演出はとても良いのですが、そのバックの木々がぜんぜん動いていなかったり、はたまた冒頭のシーンでの燭台の影は本来なら消すべきなんじゃないかとか…なんか揚げ足取りのようですが、このスケール壮大な黒澤映画だからこそ細部が余計に気になってしまいます。  それと、やっぱりどうして役者さんだと思います。仲代さんも凄いのですがこの役には不向きに見えますし、予定では勝新だったらしいですが、それが実現していてもこの3時間にも及ぶ超大作の風向きまでは変えられなかったような気がします。それが可能だったのは三船敏郎だけだったろうと。黒澤監督作品を立て続けに見ることができる今、ミフネ不在の黒澤映画を見る度に黒澤には三船が必須だったのだとすら思えるのです(また三船も最高なのは黒澤映画においてである)。[ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-03 18:37:19)《改行有》

158.  ピストルオペラ 何だかよく分からないシーンもあるのですが、痛快なまでに単純な物語を見失うほどでもありませんので、それぞれの部分部分でも楽しいですし、何よりこの映画は露出度が低いにもかかわらず、とてもエロティックで官能的です。 D・W・グリフィス監督は「映画とは女と拳銃」と言ったそうですが、まさにこれは〝女と拳銃〟で出来た映画であります。とても気に入りました!・・・「具体的にどこが良いの?」と問われれば上手いこと説明できず「ちゅーちゅーたこかいな」と答えてしまいそうですが、とにもかくにも気に入ったのです。[DVD(邦画)] 9点(2009-07-28 18:27:30)

159.  暗黒街の弾痕(1937) 《ネタバレ》 最初の再会シーンで鉄格子ごしにキスをするのですが、これは如何なる障壁も二人の間を裂けないことを思わせるもので、その後も度々、確認するようにキスするのが逆説的に今後の悲劇的な顛末を予見させ、どこか悲しい心持ちになります。 またサスペンスとしても素晴らしく、運送屋の雇い主を殴った直後に土砂降りの銀行へとカットが変わり、車から不気味な目が覗き、ガスマスクを被る犯人の顔は分からない…。観客をミスリードしていく巧みさがそこにはあります。運命の分かれ道となる刑務所のシーンもモヤモヤとかかる霧が視界不良の退っ引きならぬ状況を見事に表しており不安感を募らせています。 ・・・ただ一つ、二人の逃避行の時間経過の感じさせ方が希薄で、どうしても赤ちゃんの誕生が唐突な感じを受けます(「ベイビーって呼んでるの」というシーンは凄く良いのですが)。例えば、浅はかな考えで物を言えば、輪転機を回すだけで全然違ったと思うのです。まぁそんな安っぽいことしたらあの雰囲気には合わず世界観ブチ壊しかもしれませんが。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-21 18:36:19)(良:1票) 《改行有》

160.  スターリングラード(2001) 《ネタバレ》 孤高でストイックなイメージの狙撃手同士の対決というのは個人的にツボですし、それぞれが異国人を英語で演じながらもジュード・ロウの男前っぷりとエド・ハリスの軍服の似合いっぷりが良い味を出していますし(戦時中とはいえレイチェル・ワイズはもっと綺麗にとは思いますが)、列車を降りると戦禍が広がっている導入の仕方や、ジュードが狙撃の腕前を見せるシーンは圧倒的だと思います(あの場面は死体も凄い)。・・・しかし、肝心要のジュードとエドの狙撃対決が全く面白くないのです。それはもう二人の位置関係の見せ方の乏しさに原因があります。凄腕のスナイパー同士ですから思っているよりお互いウ~ンっと距離が離れているのかもしれないですし、一発撃てば居場所がバレてしまうので発砲チャンスが限られているという難しさがあるのかもしれませんが、例えばアンソニー・マン監督の「裸の拍車」における狙撃シーンなどと見比べてしまうと、もっと頑張ってほしいと思ってしまうのです。 ついでに位置関係の話で言えば、両陣営に顔を出す少年の出入りも描写が希薄で、よく分からず不調になっています。[DVD(字幕)] 6点(2009-07-14 18:18:13)

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