みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194

1661.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 私の場合は、映画を最初に観たのは随分昔で、かなり後になってから原作小説を読んだのですが。いやあビックリしました、面白いの何の、この小説(笑)。映画の方は、どっちかとうとドキュメンタリータッチの抑えた表現で、劇中で実際に背景に聞こえてくるBGM以外、音楽も無し。原作小説も、ノンフィクション小説風(現実の事件の関係者に取材し、そこにフィクションが織り交ぜられる)ですけれども、後半の盛り上げ方がとにかくスゴい。一気に広がる捜査網と、それを掻い潜ってターゲットに迫るジャッカル。追うルベルの焦り。ジャッカルの暗殺失敗からルベルとの対決に至る場面なんて、映画の方が実際の時間の流れに忠実なところがあって、小説の方がむしろ映画的とも言える、一瞬時間が止まったような緊張感あふれる筆致なんですね。こういう、原作と映画化作品との、不思議なアプローチの差異が、意外性があって面白いところ。映画の方が小説よりも一見地味なんですけれども、これは、映画でも小説と同様に煽るような描写に走ってしまうと、オーバーになってかえってシラケかねない、ってこともあるだろうし、それだけじゃなく、つまり映画が単に地味路線なのではなくって、映画ならではの緊張感がここにはあります。冒頭の暗殺未遂からOAS幹部の処刑に至る、畳み掛けるようなスピーディーな描写。中盤はジャッカルの行動と捜査側の様子がじっくり描かれますが、各エピソードが(特にジャッカルの行動にまつわる部分が)、あと数秒ないしあとワンカットあるのが普通かな、というタイミングで切れて、次のエピソードへ移行していき、小説とは異なる形でのテンションが維持されています。そしてクライマックスのパレードの場面、集まった群衆の光景と軍楽隊の音楽とが、もうどうにも引き返せない、どうにも止められない焦燥感に繋がって、小説とは異なる形での盛り上がりを見せます。実際、今回久しぶりに観て、というかかなり記憶が薄れていたので初見のつもりで観ていたのですが、それでもこのクライマックスシーンは強い印象が残っていて、懐かしき興奮を再び味わうことができました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-03 10:32:32)(良:1票)

1662.  燃えよドラゴン 金もかかってないし出来もよくない作品、と思いつつ、何度も観ちゃう作品、70年代なら例えばこの『燃えよドラゴン』、80年代なら『コマンドー』とか。ま、いろいろありますわな。この作品、ブルース・リー作品の中でも、代表作と言ってよいのでしょうけど、作品自体はそれなりにデタラメで、それなりにワケがわからない。まずそもそも、ブルース・リーが本作において主人公扱いなのかどうか、まあ一応主人公だとして、このヒト、道を極め悟りを開いた仙人のような人かと思いきや、これ見よがしにトンボ返りしてみせたり(顔が写って無いのでリー本人ではなくスタントマンなのか、としたらさらにこのシーンの意味がワカラナイ)、復讐に燃えた悲壮な表情を浮かべたかと思いきや、明るいチャラけたところも見せたり。戦いの前、しなやかな構えのポーズを見せたかと思えば、イザ格闘が始まると奇妙な堅苦しい動き、視線もアサッテの方向で、こんな挙動不審な格闘シーン、ブルース・リーならではでしょう。そしてカッコいいんだか何なんだか、例の怪鳥音。そういったよくわからない一切合切が集まって、結局「ブルース・リーのあらゆる魅力、あらゆる表情が詰め込まれた、最高の逸品」になってしまったのが、本作という訳で、まあある種、映画史の脇道に燦然と輝く奇跡のような作品でもあります。そうそう、勿論ブルース・リーだけが本作の魅力じゃない、サモ・ハンがいる、ジャッキーも(どこかに)いる、そして何より、香港のシュワルツェネッガーことヤン・スエがいる(Gメン’75!)。鏡の部屋での戦いもワクワクするし、最後にポツンと残されたハンの義手、これはもはや、ひとつの哲学でしょう(笑)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-30 22:55:36)

1663.  インポッシブル 《ネタバレ》 題材が題材ですから、そりゃま「面白おかしいスペクタクル」として撮るっちゅう訳にもいかないんでしょうが、だからと言って、とりあえずリアルです、とりあえず実話です、ってなアプローチだけで、よいもんなんでしょうか。この時、津波に襲われた人にとって、それは突然のものであったから、映画でも前触れなく津波が襲いかかる。主人公の知らないところで津波が発生し、知らないうちにそれが迫りくる様子を我々だけに見せる、という見せ方もありえた(というよりその方が一般的か)と思うのですが、そしてそういう「演出」を通してこそ、災害の残酷さや人間の無力さが浮かび上がると思うのですが。で、その後も、混乱をただ混乱として描こうとする、なぜならこれは真実の物語であり、実際にこの主人公はこの時、混乱の中に置かれたのだから。そして、ケガの描写も、現場の描写も、医療の描写も、きっととことんリアルに仕上げたのでしょう。あとは登場人物たちの顔のクローズアップの連続。その結果どうなったかと言えば、多かれ少なかれ、“家庭用ビデオで撮ったみたいな”雰囲気が漂うことになっちゃう。実際の出来事を実際に目撃したように描く、ってんだったら、「津波の実際の映像」を前にしたときには、本作はどうやったって、負け、でしょう。再現に過ぎないのだから。いや、ホントに再現に徹している訳じゃなく、勿論、ここには演出があり、良さそうなシーンを入れようともしています。長男が、離れ離れの親子を再会させる場面なんか、いかにも良さげだし、主人公家族が再会を果たす直前のあたりなんか明らかに演出を伴うサスペンス。こういう、無難なことは、するのよね。なーんか、胡散臭い。ってそりゃ言われまっせ。で、結局、物語はといえば、主人公一家の個人的レベルの冒険物語に終始してしまい、(最後に少し飛行機からの災害地の俯瞰が登場するとは言え)未曾有の災害の圧倒的規模そのものがもたらす恐怖や絶望といったようなものも、残念ながらあまり感じることができませんでした。こういうのも主人公一家の視点に限定した「リアルさ」の一環なんですかね・・・。[DVD(字幕)] 5点(2014-10-30 00:02:56)

1664.  ダンディー少佐 アパッチ族の襲撃そのものは描かれず、死屍累々たる大虐殺の後が映しだされる映画冒頭、ここからすでに、何やらタマラナイいかがわしさが漂っております。このいかがわしさは、流血を伴う終盤の戦闘シーンなどにも見られる訳ですが。ただ、こういう残酷描写をもって、本作をワイルドバンチの前哨戦みたいに捉えることは(当然ながら)できません。何せ、映画後半、っていうのは勿論ヘストンがケガするところからですが、とにかく変です。奇妙に断片的で、迷走しちゃってます。プロデューサーの意向で作品が短縮されてしまった、というのがこのワケのわからなさの原因なのか?いやいや原因はそれだけじゃなくって、本当にコレ、「決してまとまることのない」作品として作られたんじゃなかろうか。実際、このあたりのエピソードは無い方が自然、つまりプロデューサーはもっと短縮しちゃってもよかったくらい。なのに、親切なのかイジワルなのか、本作の奇妙さを充分に堪能できるようには仕上げてくれております。正直、ペキンパーが本作で何をやりたかったのかはわからないし、ジェームズ・コバーンに何をさせたかったのかは特にわからないのですが(笑)、とにかくこの主人公のダンディー少佐以上に我を通そうとしたんじゃかなろうか。ダンディー少佐、自分では何だか大したことしてないんだけど(そしてどっちかというとオイシイところはリチャード・ハリスが持っていくんだけど)、それでも存在感がある。そして本作の存在感というのもまた、そういう種類のものかな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-28 00:09:12)

1665.  ターミネーター2 《ネタバレ》 まー要するに「考え過ぎ」というヤツですね。一作目よりも強く一作目よりも不死身の敵役を設定しようという意図が見え透いてしまった時点で、何をやっても驚きは半減、グダグダにならざるを得ない。ついに敵をヤッツケたと見せて、どうせまた復活するんでしょ、とか観客に思われちゃ、立つ瀬がありません。倒しようの無い敵を倒しても、八百長にしか見えなくなっちゃうし……とかいうのは、初めて観た時の感想であって、今となってはそれも、御愛嬌。本作、そりゃ悪いところもあれば、いいところだってある。別の場所にも書いたけど、シュワ型ターミネーターのポンコツぶり、銃の効かない相手に対しひたすら銃で対抗することしか知らない愚直さは、なかなか捨てがたい魅力があります(その代わり、1作目で築いたイメージは犠牲になってしまったけど)。あと、1作目には、「夜」のイメージが強くって、シュワ型ターミネーターの登場するシーンのすべてが夜という訳じゃないけれど、とにかくこの「夜」のイメージがシュワ型ターミネーターの不気味さに繋がっておりました。そしてこの2作目にも確かに、作品自体には「夜」のイメージが引き継がれています。サラ・コナーの病院からの逃走場面しかり、ヘリとのチェイスシーンしかり。その一方で、今回のシュワ型は悪役ではない訳ですから、「夜」のイメージから敢えて引き離すように、砂漠の陽光の下に引きずり出されもします。これも悪くないと思います。ただ、今回のT-1000には、1作目のシュワ型ほど強いイメージを持たせられなかったのが、とにかく本作の一番弱いところ。我々が驚き魅了されるのは、液体金属ターミネーター・T-1000を描写するCGの威力ではあっても、T-1000の存在の不気味さそのものに対してじゃない。例えばトレーラーとバイクのチェイスの後、T-1000が液体金属状態の姿を我々に曝すあの場面、あれは「液体金属とはこういうものだ」とか「どこかの誰かみたいにトレーラーが爆発しただけで情けない骨組み姿にはなったりはいたしません」とかいうことの“説明”でしかなくって……あまりにおおっぴら過ぎ、あまりに健康的過ぎ。もうちょっとT-1000の不気味さを感じさせる演出がなかったのか、と思っちゃう。T-1000は絶対、損してます。[映画館(字幕)] 7点(2014-10-24 21:11:32)

1666.  ひばり捕物帖 折鶴駕篭 美空ひばりが例によって一人二役、いや正しくは「一人二役」役というべきかな、男装姿と女装姿を披露。とくればもう、唄に踊りに剣劇に、娯楽満載のお祭り映画を想像する訳ですが、そしてまたおそらくは元々、そういう企画だったんじゃないかと思われる訳ですが、、、そうは問屋が卸さない。何しろ、工藤栄一監督。美空ひばり映画なのに、唄や踊りは控えめで、後の集団抗争時代劇の萌芽がそこかしこ。クーデターを計画する由比正雪とその一味は、テロリスト集団のように描かれ、冒頭から様々な怪事件が連続して発生、これじゃなかなか落ち着いて唄ったり踊ったりしてる場合じゃない。そして、クライマックスではもう、集団抗争劇の“萌芽”どころか、まさにそのもの。我らが十四郎サマが大暴走、ひばり映画にあるまじき、悲壮感あふれる一大死闘を繰り広げちゃいます。TPOをわきまえず、ここまでやるか、十四郎サマ。と言う訳で、ひばりファンには「ちょっと、これ、違うんじゃないの~」と言われるかも知れませんが、全国の隠れ十四郎ファン(隠れる必要があるのか?)にとっては、まことにタマラない作品となっております。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-22 22:26:46)

1667.  ゴジラ×メカゴジラ 例によって、1954年の第一作以外の作品は「無かったこと」になってます。しかし「無かったこと」になっているのは、本作に登場する人々にとって、であり、我々にとってはむしろ、第一作以降の諸作を観ていることが前提になっている、とも言えます。何しろ、ゴジラがどう強くどう怖いのか、といったことは特に描かれず、「ゴジラくらいみんな知ってるよね」とばかり、ゴジラが当たり前のように登場します。こういう省略が、本作においてゴジラがイマイチ「目立たなくなっちゃってる」原因でもありましょう。もうひとつの原因が、力点がメカゴジラの方に行っちゃってて「ホラ今回のメカゴジラはカッチョいいでしょう」という作品になっちゃってる、ということにもありますが。ただ、こういう割り切りのお陰で、前作『大怪獣総攻撃』で大仰になってしまった路線が、昭和ゴジラの軽いテイストに戻り、気楽に楽しめる作品にもなってます(いや勿論、大仰でも結構だし、本作は「戻り過ぎ」というハナシもありますが)。メカゴジラ「3式機龍」をカッチョよく仕上げた割には、ゴジラとの戦いは、取っ組み合いやらジャイアントスイングやら、プロレス系の懐かしき昭和のノリ。残念ながら、いまさら何でこんな昭和テイストなことをやりたいのか、(“釈由美子”など他の部分とのアンバランスもあり)正直、よくわからないんですけれども。機龍が異常をきたすエピソードなどはなかなか新機軸で、「対」でも「vs」でもなくこりゃ確かに「×」だわい、と思わせるものがあるのですが、その後まったくエピソードが伸びないのが困ったもの(この設定、ホントに必要なのか?)。と言う訳で、イマドキ風のメカゴジラに、昭和風の怪獣対決を登場させたところで、だいたいやいたいことは終わっちゃった、というような作品でした。そうそう、第一作ゴジラ以降は無視されている代わり、過去、別の怪獣には日本が襲われたことになってるのが、これまた昭和な味付けといいますか。モスラとか、サンダとかね。いやガイラか。いややっぱりサンダかな(⇒ガイラです)。[CS・衛星(邦画)] 4点(2014-10-21 00:10:30)(良:1票)

1668.  七年目の浮気 いや、ものすごーーーく普通で平均的なオッサンのオハナシだと思います、ハイ。妄想の内容も頻度も、まったく標準的と言ってよろしいかと。ただ、それをわざわざ映画にするのか、と(笑)。グラマー女性を前に悶々とし続けるオッサンの姿を主演男優(誰か知らんけど)が乗りに乗って演じまくり、一方のグラマー女性を演じるマリリン・モンロー、これはもう演じているのやら何なのやら、少々壊れかけていて、このアンバランスな危うさが、本作の特徴と言えるかも。実際、他に特徴を挙げようにもあまり見せ場のようなものが無くって、ビリー・ワイルダー監督はこの映画で我々に何を見せたかったのやら。単に自分がモンローのスカートをまくってみたかっただけなんじゃないのかしらん。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-19 17:27:29)

1669.  トップ・ハット タップダンスは観てる分にはカッコいいけれど、階下の人はうるさくってたまったもんじゃない、ということを指摘した画期的な映画。ってなことはどうでもいいんですけれども、ダンスの横の動きに対して、さらにこうやって上下方向をも結びつけちゃうのが、カメラの威力。それにしてもこのダンスの素晴らしさ、ストーリーの方は他愛の無いものだけど、イヤ何、世に言う名作オペラだって、物語だけ取りだしたら、大したオハナシじゃなかったりする訳で。様々なシチュエーションで繰り広げられるダンスの数々、観ててひたすら楽しく、あっと言う間に時間が過ぎ去っちゃう。お見事。[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-10-15 22:01:56)(良:2票)

1670.  弁天小僧 弁天小僧の雷蔵に、遠山の金さんの勝新。ふたり揃っていれずみブラザーズってのがまず楽しい。そんでもって、弁天小僧は、義賊って訳でもなく、どうしようもないチンピラで、女性を助けたのかと思いきやいきなり手籠にしようとするとんでもない奴。しかしあれこれ悪事を働こうとしても結局は「弱きを助け強きを挫く」ってな感じで、人助けの方向に走ってしまう。浜松屋恐喝のくだりを歌舞伎舞台として描くのも、サービスという面もあるだかも知れないけれど、ひとつには弁天小僧の悪事あまり生々しく描かず、オブラートで包んで憎めないものにしようという演出上の工夫にも思われます。クライマックスは、弁天小僧の出自の物語と、弁天小僧が愛する女性との物語が重なり、さらにそこに、夜の町を駆け巡る無数の御用提灯が畳み掛けてくる。これほど盛り上がる映画もなかなかあるもんじゃありません。[CS・衛星(邦画)] 9点(2014-10-14 13:26:32)

1671.  ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど 《ネタバレ》 かつて日曜洋画劇場に一番ハマってた中高生の頃に放送されてたのを懐かしく思い出しますが、あくまで個人的な思い出であって、映画そのものに特に惹かれた訳でもないんですけどね。どっちかというと変な映画、なもんで、印象には残ってます。本作のせいで「だからハリソン・フォードにラブロマンスは似合わないんだ」みたいなことを言われちゃうのですけれども、いえいえ、ハリソン・フォードは必ずしも悪くないと思います、武骨で不器用、それ故の一途さと哀感は、しっかり感じさせてくれました。それを言うならむしろ「ピーター・ハイアムズにラブロマンスを撮らせるな」でしょう。脚本もハイアムズで、この脚本がまず変。第2次大戦下、米軍のハロラン中尉がと街角で出会った女性と唐突に恋に落ちる、まーこれが本当に唐突過ぎ。我々はまったくついていけません。しかし彼女は人妻、禁断の恋。しかも映画後半で、ハロランは偶然にも彼女の夫(演じるはクリストファー・プラマー、確かにH・フォードとは対照的)の特殊任務をサポートする事になり、2人でドイツ軍内部へと潜入。この夫ってのが頭でっかち実務サッパリのダメ親父、ハロランの助け無しでは任務遂行などとても無理。当然、ハロランは彼を助けるか、あるいはこの機会に亡き者として妻を奪うか、苦悩することに……ならないんだ、これが(笑)。ここからはアッケラカンと普通にアクション映画になってしまう。彼が愛する女性の夫である事実をハロランが知るのも完全に後回し。クライマックスの橋のシーンは、一応、ハロランがその苦渋の決断を迫られる見せ場になっているのだけど、どうやら、クリプラ演じる夫が再三、意外に謙虚な発言をしていたので、すでに「こいつはいい奴だ」との結論に至っていたらしい。ふたりの間に芽生えた友情などこれっぽっちも描いていないのに? こういう安直さが、どうにもイタダケナイなあ、と。ついでに言うと、どうして橋の下にあるのは「川」じゃなくって「泥」なんだろうか、見映えしないなあ。とさらにダメ押しのケチをつけてしまうのでした。そうそう、あと、娘の役でパッツィ・ケンジットが出てたのが、今回観た意外な発見でした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-10-14 12:38:43)

1672.  カールじいさんの空飛ぶ家 この映画、たまらないほど面白くって、本当によく出来ていて、こうも出来すぎていると、観てから日が経つにつれ、ちょっと腹立ってくるというか、何かケチのひとつもつけたい気持ちになってくるんですが、いやいやここは、最初のあの感激を大事にしようではないか、と。素晴らしいです。面白いです。家が飛ぶんです。そりゃわかってるってか。家が飛んで冒険の旅に出るファンタジー。と思いきや必ずしもそううまくはいかない。空を飛ぶ自由どころか、途中からカールじいさんはむしろ、家に体を縛り付け、不自由極まりない。うまく飛ばなくなった家は、しかし、古い昔の思い出(家財道具)を捨て去ることにより、再び空に舞い上がり、自由を手に入れ新しい旅が始まる、というのが本作のキモ。勿論、思い出をただ乱暴に捨て去るのではなく、亡き妻との大事な思い出(椅子)は、そっと丁寧に置いて行く優しさが、ホロリときます。たとえ直接には願いが叶わず冒険の目的地には達し得なかったとしても、何らかの形でそれが実現する、ってオチもいい。作中に登場するアイテムがモチーフとして繰り返し使用される物語運びも上手い。上手過ぎて、やっぱり腹立ってきた(笑)。とにかく、一種の寓話ですけれども、作品が理屈っぽくならないのは、やはり奇想天外な映像の魅力ですね。家を吊り上げる大量の風船は壮観だし、擬人化された犬たちのやりとりも楽しいし。 ※初めて「自分の子供に勧められて」観た映画です。[地上波(吹替)] 9点(2014-10-09 22:45:44)

1673.  リーサル・ウェポン4 そもそも我らがリー・リンチェイが、こんなオトボケ2人組に倒されるだなんて、実にふざけた話だわい。というくらいにしか思ってなかったこの第4作。でも先日BSで放送してたのを久しぶりに観て(とは言っても一番の目玉である冒頭のアクションを全面カットした、なかなか大胆な放送でしたが)、これはこれでちょっとした感慨も。危険な香りの第1作、ドギツいショック描写の第2作に対し、3作目からはめっきりリーサルなウェポンではなくなってしまったリッグス。すっかりコミカルなバディムービーといった感じですが、それでもメル・ギブソン、アクション俳優らしくキレのいいところは見せてくれました。ところがこの第4作。敵役にカンフー俳優を配し、肉弾アクションを見せてくれるのかと思いきや、本作のメル・ギブソン、中盤の屋上追跡シーンなど、ドタドタと実にブサイクな走り方を、敢えてやっている(『マッドマックス』のあの妻の元に駈け寄る素晴らしい走り方と何と違うことか)。で、ボクシングの練習でもすっかり息が上がり、オレも歳だなあ、と。要するに、もう引退を視野に入れたような作品な訳ですな。悪役のテンションの高さに引き換え、主役コンビのいかにもチンタラしたヤル気のなさ、ってのが、本作のユニークなところであります。ただ。それがアクション映画として、面白いのかよ、と言われれば、正直、はなはだ疑問なのです。そして本作は、最後にはファミリー映画と化してしまい、なんとも残念。これでまだ第5作製作の話もあったようですが、立ち消えになって正解だったか。あるいはまたさらに別のジジイ世界が開かれるところだったのか。[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-10-08 21:00:35)

1674.  ダラス ビル・ヒコックのお話かと思いきや、ゲイリー・クーパーはヒコック役ではなくって、お尋ね者の役(ヒコック役はよくわからんオジサン)。しかもクーパーは登場早々、ヒコックに射殺されてしまう? という驚きの映画開始ですが、心配ご無用、これはただの死んだふり。彼のチャッカリした面を印象付けたところで、物語は、目から鼻へ抜けるような主人公と、新任保安官との珍道中、となります。この保安官ってのが何とも頼りなく、よってこの二人からなるコンビがなかなかに面白い。クーパーはちゃっかり自分が保安官の顔をし、ホントの保安官は助手扱い。なにせ頼りないんだから、仕方がない。で、以下、彼らが悪徳一味と対決する展開は、まあお約束みたいなもんで、これはこれで楽しい。そしてさらにそこに、このコンビと保安官の許婚との三角関係を絡めてきたのが本作のミソと言えばミソ、な訳ですけれども、ただ、ラストがねえ……この三角関係の顛末、そんなんでいのか~! と文句のひとつも言いたくなる、身もふたも無い(ある意味意表をついた)ラストでして、これは、ヒーローたるクーパーがヒーローの資格を失った瞬間、逆に頼りない男の方がヒーローとなる瞬間(あるいはヒーローとなりえた瞬間)なのですけれども、この新ヒーローの方にスポットライトを当て切れない、何とも気のきかない映画です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-08 00:04:46)

1675.  忍びの者 霧隠才蔵 『忍びの者』シリーズがリニューアルし、主人公が石川五右衛門から霧隠才蔵へとチェンジ。とは言っても主演はもちろん市川雷蔵。大阪冬の陣から夏の陣が舞台で、大砲がドカンドカンと炸裂しまくる派手な戦闘シーンが目を引きますが、あまりに豪快なので、もしかしたら旧作の流用フィルムかも知れませんが、観てるコチラも憶えちゃいないので問題ナシ(流用じゃなかったら、スミマセン)。今回の雷蔵さん、幸村家臣の他の忍者たちを演じる大映脇役オールスターズ(?)に混じり、あくまで真田十勇士のひとりという役どころ。もうちょっと活躍して欲しい気がしないでないですが、それでも見せ場はたくさん。敵にとっ捕まるやら、しまいには死んじゃう(?)やら。いずれにしても、忍術妖術の類は登場せず、あくまで、耐える者としての忍者、厳しい掟のもとに生きる(そして死んでいく)忍者の姿が本作でも描かれていて、虚無感を漂わせた娯楽作品となっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-02 22:50:08)

1676.  パニック・トレイン この映画、褒めたくないんです。と言ってもつまらない訳ではなくって、その逆、私は大いに楽しんだのです。しかしこの作品、決して派手な作品ではなく、どっちかというと低予算、いわゆる掘り出し物の類です。登場人物も少ないし、舞台も限られているし。なので、あまり期待を持たせるようなことは書きたくなくって。まちがっても何やら娯楽超大作であるかのような期待をもって観てしまうと、それはそれは失望するんじゃないかと思うのです(でも、DVDのパッケージを見ると、何だか派手そうに見えるわなあ)。えーと、まず断わっておくと、登場人物がとても少ないので「パニック」は起こりません、ハイ。とある父親と息子が乗った列車、夜がふけるに従って乗客も減ってゆき、ま、減り過ぎるくらい減っちゃうのですが(笑)、そのわずかな乗客を乗せた(しかもちょっとクセのあるヤツも交じってる)列車に異変が起こる。停車駅に止まらない。車掌も行方不明。何が起こったのか、この先どうなるのか。という訳で、事態がつかめないまま引っ張っていくサスペンスのうまさが、本作の見所。いいえ、この先意外な展開が待ってるなんていう変な期待をもってはいけません。「先」を期待するのではなく、「今」のサスペンスを楽しむ。何が起きているのかわからない不安、その気持ちをひたすら、開かないドアにぶつけ続ける焦燥感。映画終盤が近づくにつれ、何だか過去のアノ映画やらコノ映画を彷彿とさせたりして、その辺りからも色々ケチがつきそうな気もしますが、そういう失望するかしないかの危ういバランスも含め(笑)、この不安定感こそ、サスペンス。さあ、どうです、面白くなさそうでしょ。では、作品の方をぜひご覧くださいませ。[DVD(字幕)] 8点(2014-09-30 23:19:29)(良:1票)

1677.  天井桟敷の人々 第一幕、第二幕の二部構成。第一幕は登場人物が一通り出そろったところで終わり、という感じ。幕間の6年間に登場人物たちはそれぞれの道を歩み、第二幕で再び皮肉な再会を果たす。ドラマについては全体的に、ややセリフ過多な印象もありますが(ただし説明セリフに堕することはない)、劇中劇として繰り広げられるパントマイム劇が、それと好対照をなしていて、無言の舞台に引き込まれます。と同時に、セリフ劇にこだわるフレデリックと、パントマイマーのバチストとの対比もそこにはあります。飛び入りのように獅子の着グルミで舞台に立ったフレデリック、おそらくは肉体で客を沸かせる才能の持ち主でもあろうけれど、本人はセリフにこだわり、陳腐な詩を口ずさみ、後に別の劇団でシェイクスピア俳優として成功するけれど、その舞台はなんだかさらに陳腐。その一方、肉体で演じることに関しては雄弁だけど(パントマイムによる目撃証言!)それ以外はひたすら不器用なバチストの存在は、さらに純化されていき、それは周りにも影響を与えていく。映画冒頭の雑踏シーンが圧巻ですが、その雑踏から生まれ出てきたような登場人物たちが、映画を通じてその存在感を明らかにし、互いに複雑な関係で結ばれ、そしてラストでは、その雑踏によって引き裂かれていく。いやはやすごいラストシーンです。……映画中盤、ドラマを断ち切ってしまうような「省略」があり、もう少し描いて欲しかった部分もあるのですが……。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-27 09:32:32)(良:1票)

1678.  ゴースト・エージェント/R.I.P.D. 街で時々、美人とサエない男のカップル、ってのを見かけます。アレ不思議だったんですけど、そういうことだったんですね。正体はジェフ・ブリッジスかも知れないってことなんですね。さて、オバケ警官のオバケ退治、という作品なのですけれども。ナンセンスな設定を連発して、そりゃまあデタラメでバカバカしい方が確かに楽しいんですけれども、そういうのも「頃合い」ってものがあって、本作のナンセンスはいささか過剰。やや作為的なものを感じさせ、要するに「考え過ぎ」ってヤツですね。で、アホな設定をブチまけ、映画を散らかしてそのまま終わっちゃう感じですが、一応、その散らかり具合に釣り合うだけのハチャメチャなスペクタクルをクライマックスに持ってきているので、とりあえずよくわからん妙な満足感はあります。ただ、登場するオバケにあまり魅力がなくって(ただのデブだったりするし)、その点はゴーストバスターズの楽しさに遠く及ばないですね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-09-21 08:11:49)

1679.  メーベルの結婚生活 前半、メーベルに大男が言いより、夫(チャップリン)がこれにくってかかる。さらには大男の妻も現れて四角関係の騒動に。後半、頼りない夫に業を煮やし、ボクシング練習用の起き上がりこぼし人形を購入したメーベル。そこに酔っぱらって帰宅したチャップリン、人形を見て、また妻に男が言いよっていると勘違い、人形相手に戦いを挑んでまた一騒動、というだけの、短い作品、でも楽しい作品。チャップリンが結婚しているという設定なのに、格好は勿論、あの放浪紳士のいでたち。グータラで嫉妬深く、しかしこの格好なので憎めない。後半の人形との死闘(?)が見所でしょうけれども、その前に、夫の不甲斐なさを嘆くメーベルが、夫の仕草のマネをしてそれを表現する。え、このシーンってもしかして、史上初の「チャップリンのモノマネ」なのでしょうか。[CS・衛星(吹替)] 8点(2014-09-15 16:42:17)

1680.  新少林寺 このタイトルに、懐かしきユエ・ハイ師。これだけで大満足というヒトもいれば、「だからどうした」というヒトもいるでしょう。少林寺を弾圧する立場であったアンディ・ラウが、部下の裏切りのために、愛娘も地位も失い追われる身となって、少林寺に出家する。さてここで、苦しい特訓の日々が描かれれば、懐かしき少林寺映画、ということになるのでしょうが、戦争スペクタクルに突入してしまうのが、今ドキの映画ってところでしょうか。確かに迫力はありますけれど、全体的に大味でおおざっぱな感じは拭えません。国内の弾圧、争いだった物語が、終盤で「外国からの理不尽な攻撃」にすり替えられるのも、なーんか中国共産党の歴史観を反映しているような。「文化大革命の弾圧を描いた少林寺映画」を作る自由が訪れるのは、いつの日か。[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-09-15 16:18:51)

030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53619.33%
663116.30%
7122131.55%
888522.87%
93749.66%
101012.61%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS