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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1701.  人間の証明 ニューヨークから、鄙びた秘境のような温泉地まで、一本の映画にどれだけの光景を盛り込みうるか。さらには時代も過去と現在を行き来したりして、このハチャメチャな構成こそ、角川映画らしさ。え、物語の中にあまりに偶然が多いって? いいんです、そうでもしなきゃ、こんな物語、まとまる訳ないじゃないですか。さらには、まがりなりにもニューヨークでカーチェイスらしきものを撮ってしまう、この心意気。いやぁまさに、角川映画、ですねえ(時代は、「ニューヨークへ行きたいか~」のアメリカ横断ウルトラクイズが始まった頃ですから…)。もっとも、全般的に、アメリカのシーンはあまりうまく撮れていないといいますか、なーんか変なのですけれども。そしてこんなエキセントリックな映画は、やっぱり松田優作でないと、つとまりません(普通の演技では、最後まで持ちません)。ところで、麦わら帽子が飛ぶシーン、あまりに見事に飛びまくってるもんで、これはもしや帽子ではなくアダムスキー型のUFOではないか、と……。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-08-04 22:55:14)

1702.  L.A.大捜査線/狼たちの街 公開時にはまるでカーチェイスを売りにした作品のような紹介のされ方をしていたような記憶があるのですが、まあ確かにフレンチ・コネクションにかこつける(か、さもなくばエクソシストにかこつけるか)しか、配給元としては仕方がなかったのかな、と。なにせ、何ともクセのある、暗いオハナシ。ラストなんてまるで、松本清張作品のような、やりきれなさが残ります。だもんで、分かりやすい宣伝としては、カーチェイス凄いです、ってことになるのでしょうが、クラッシュシーンを連発する荒唐無稽なものではなく、基調はあくまで、リアリズム。主人公の車が反対車線を突っ走る場面が見所ですが、その車線には、撮影のために大量の自動車が配置されていて、そこをフレンチ・コネクションさながらに車載カメラが突っ切っていく。リアルさと誇張とがうまく噛み合って迫真のチェイスシーンになっているのは、丹念な撮影の賜物でしょう。さて物語はというと、これもフレンチ・コネクションみたいにハミ出し刑事が主人公(同じくカーアクションを備えるとともに、「2」みたいに走って追跡する場面もある)、しかしこちらは、橋からバンジージャンプするシーンにも象徴されるように、いささか無謀にハミ出し過ぎる刑事のオハナシで、事態がどんどん取り返しのつかない方向へ行ってしまう(なので観ててスカッとするような刑事アクション路線という訳にはいかず、暗い方向に)。さすがにこの主人公、「狂気」を感じさせるところまではいかないのが、作品としてよかったのかどうか、というところですが、あくまで一本気に突っ走る姿は、やはり印象的で、熱演といってよいでしょう。主人公とその相棒が話す場面はしばしば、切り返しをあまり用いず、一連の動作からの流れとともにワンカットで描写されたりしますが、そういったところがいかにも、行動のヒト、という感じ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-03 22:53:18)

1703.  47RONIN 《ネタバレ》 いや、そんなに悪くないと思うんだけどなあ(なのにどうしてこうなっちゃったんだろう)、という作品。基本テイストはかつての香港製妖怪映画。忠臣蔵を下敷きにしつつもどんどんイマジネーションを膨らませ、「こんな忠臣蔵もありえたか」とうならせてくれればそれで良かったものを、ハチャメチャな割には妙に「これはあくまで忠臣蔵なんです」と念を押そうとする。それが余計。どう見ても架空の世界が舞台なのに、「忠臣蔵だから」という短絡的な理由だけで、わざわざ日本の俳優をかき集めるのは、労力のかけ方が間違ってるし(とは言えアメリカ映画に真田サンが出てると何となくうれしい私は、ミーハーなのだけど)、無理矢理「忠臣蔵」に話を戻そうとするラストの切腹は、蛇足としか言いようがない。忠臣蔵からせっかく飛び立ったオハナシを、どうしてこうも小さくまとめようとするんだろうか。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-07-31 22:34:15)(良:1票)

1704.  マンボーグ サイボーグならぬ“マンボーグ”ってのが、どうしても“マンドロイド”(『エリミネーターズ』参照)を思い出させてしまうんですけれども。そして実際、風貌も似てなくもないしなあ。周辺キャラのごった煮感(カンフー野郎やらパンク兄妹やら)も、類似性を感じさせます。別名、ヤな予感。しかし、DVDでは本編の前に、『Fantasy Beyond』という短編人形アニメが入っていて、これがあまりにも素晴らしく泣かせるもんで、ヤな予感どころか、期待が高まってしまう(その前に入っていたフェイク予告編については、特に触れないことにする)。で、実際、この『マンボーグ』。アホらしいと言えばアホらしく、チープと言えばチープだけど、そのアホらしさもチープさも忘れさせるほど、実に見事なSF映画。映画を作る情熱が、そのまま感動のストライクゾーンに飛び込んでくる。いやあ、本当にイイもの、見させていただきました。[DVD(字幕)] 9点(2014-07-31 21:44:26)

1705.  南極物語(1983) 昔むかし、その昔、TV番組「題名のない音楽会」で司会のマユズミ御大が、本作の音楽を評し、こんな単調な音楽でヴァンゲリスは莫大な報酬を得たんだ、ってな事をおっしゃっていて、確かこの時のオチは、“それに比べ自分が薄謝で作曲した日テレスポーツのテーマ曲は未だに使われている”ってな事だったかと(ちょっと記憶あやふや)。お怒りごっとも、でもこんな雄大な映像がつけられちゃ、大抵の音楽は感動的に聴こえるってなもんです(?)。と言う訳で、とにもかくにも、雄大な自然。『八甲田山』まではいかないにしても、それに次ぐような、ド根性ロケ映画です。南極に置いて行かれた犬たちのサバイバル物語で、犬たちは次々に命を落として行っちゃうけれど、決して暗い内容ではなく、むしろ目を引くのは、大雪原を走る活き活きとした犬の姿、その生命力。それに比べると、日本に帰った人間たちのドラマ部分の、何とも不自由なことよ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-24 23:17:31)

1706.  ウインドトーカーズ ニコラス・ケイジ演じる主人公は、かつて部下を失い、心も体も「壊れかけた」男。これを強調するように、耳の負傷が何度も何度もカメラに捉えられます。一方、日本軍にまだ破られていない暗号を駆使するナバホ族出身の通信兵。こちらは若く溌剌としていて、主人公と対照的。この二人の交流が描かれる訳ですが、通信兵の方は、いわば暗号通信のための「道具」に過ぎない面を持っている。というところで、若き通信兵とつかず離れず、ヨレヨレでダメダメで何やら訳アリの過去を持ってそうな影を見せるのが、ニコラス・ケイジの持ち味。突然妙なニホンゴを使って見せるのが、いかにも訳アリ感を感じさせますな。・・・というあたりまでは、結構なのですが、・・・本作、どうもピンと来ないのです。敵である日本兵との戦いの描写、爆発をひたすら炎で表現するのは安いアクション映画でアリガチですが、ここまで徹底すると確かに壮観、ただしその戦いにあまりドラマが無い。で、その結果どうなるかというと、主人公と通信兵の間に亀裂が入った時、ジョン・ウーは「待ってました」とばかり、そこに「男と男の対決」を描こうとするんですね。しかし本当に二人が対決するようなオハナシには脚本が書かれていないので、一瞬の場違いな盛り上がり、に終わってしまう。結局、背景に追いやられてしまう日本兵こそ哀れ。妙な作品でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-07-23 23:48:37)(良:1票)

1707.  ポケモン・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシー さてポケモンの何たるかをさっぱりわかっていない私なのですが、要するに、モンスターボールとやらにポケモンを入れておいて、いざと言う時には呼びだして敵と戦う、という、設定としてはハクション大魔王方式らしい。ハクション大魔王にはどこかサラリーマンの悲哀のようなものが感じられたけれど、ポケモンにはそういうものは無くって(実際、ポケモンがサラリーマンの悲哀を背負ってたらヤだなあ、とも思うけれど)、ポケモントレーナーのサトシ君の命令を受けて喜び勇んで戦うのですね。それにしてもサトシ君、どうしてここまで前向きなのか、すべての発言がとにかく前向き。危機が迫れば「ここはオレに任せろ!」と飛び出し、いや戦うのはあくまでポケモンなんですが、その自信、どこから来るのか。「ピカチュウ、10万ボルトだ!」って、そばにいるキミが一番危ないと思うんだが。で、コキ使われるポケモンたち、その中で、モンスターボールに入れられることなくなぜか優遇されているピカチュウ。体制迎合許すまじ、被支配階層よ立ち上がれ。とか何とかいうことには勿論私は興味ないんですけれどもね、ただまあ、サトシ君のあまりの調子良さには、なかなかついていけなかったりもするのです。で、本作なのですが(前置き長過ぎ)、内容的には、アンパンマン映画によく出てくるタイプの能天気お姫様ポケモン“ディアンシー”が登場し(着飾ったディアンシーが「本当にお姫様みたい」とチヤホヤされるシーンがあるけれど、もともと本当にお姫様であるディアンシーに対しこういう言い方するのは、「所詮ポケモンのくせに」という差別の表れであろう)、彼女は色んな連中に狙われることに。しかしクライマックスには何故か、誰がどう見てもシシガミ様に見える“ゼルネアス”が登場した上に、“イベルタル”による破壊が始まる、という、突然「もののけ姫」路線。とは言っても、もののけ姫ほどブッ飛んでいないので、いかにも「ほどほど」な印象、わかり易くって安心感はあるけれど物足りない。全編にわたって、何かとCGを駆使し、映画版らしい豪華さを出そうという狙いかも知れないけれど、どこか機械的。と、ケチつけてばかりも何ですので、良かったと思うところを挙げておくと、登場人物たちがそれぞれ日常に帰っていくラスト、これは何となく良かったですねえ。[映画館(邦画)] 5点(2014-07-23 22:27:42)

1708.  スウィッチ インターネットを発端にした巻き込まれ型サスペンスってのは、難しい。そもそもネットってのが基本的にウサン臭い訳で、“巻き込まれ型”というよりも、“不注意な私を巻き込んでください型”。オレオレ詐欺をサスペンス映画でとりあげるようなもんです。勿論、作り手もわかってるんでしょう、巻き込まれ型の不条理モノと思わせておきながら、「実は」とばかりに、因縁話っぽい路線を絡めて意表を突こうとしてくる。そこがそれなりに面白くもあるけれど、変にまとめ過ぎようとしてる印象が先行して、さほど意表を突けていない気も。で、そこもきっと作り手はわかってるんでしょう、中盤では、これでもかとかなりしつこい追跡シーンを展開してみせて、アクション路線も準備。ここはさすがに盛り上がるでしょ、と。そんな訳で、はい、サービス満点な映画でした。元サッカー選手が演じる刑事さんが、もうひとつ存在感を示せず、まあその曖昧さがイイといえばイイんですけれども、とにもかくにも、主人公の肝っ玉母さん、このヒトの存在が、本作一番のサービスでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-20 09:16:57)(良:1票)

1709.  日本海大海戦 日露戦争の開戦から、旅順港封鎖作戦、黄海開戦、旅順攻略を経て、東郷大将率いる連合艦隊とロシア第二・第三太平洋艦隊(いわゆるバルチック艦隊)とが激突した日本海海戦までを、まあ言って見れば再現ドラマを交えたドキュメンタリー番組みたいに語っていきます。日本海海戦を描いた記録文学としては吉村昭「海の史劇」などが圧倒的な描写でその戦況を描き切ってますけれども、この小説が書かれたのよりも、本作の製作の方が先。精巧なミニチュア撮影を駆使しての迫力ある映像に、矢島正明さんの説得力ありまくりのナレーション、そりゃ盛り上がろうってもんです。表向きは、明るく勇ましくいささか素朴な音楽にも見られるように「我らが日本海軍!」というイケイケムードですが、一方で、未曾有の大航海を成し遂げた末に敗れ去ったロジェストベンスキー中将の悲劇なども描いていたり。とまあ、ドキュメンタリー番組を観る気持ちで見たら、確かに面白いのですけれども、経緯を語る、ということに力点を置いている分、焦点が定まらないというか、淡々と先へ進め過ぎるというか。例えば「船が沈んでいくこと」そのものの持つドラマを、もうちょっと描けなかったものか、とも思います。あと、海戦はミニチュアを交えてダイナミックに描く半面、陸戦はどうも迫力が出しにくい。ある程度エキストラを集めて撮影してるんですけれども、広大な荒野を舞台にしては、どうしても、こじんまりした印象になってしまいますが、極力、遠方にも人を配置して撮影しているのは、限られた人数でスケール感を出す工夫なのでしょう。でももう少し頭数が欲しい…。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-17 23:02:54)

1710.  ジャッキー・コーガン チンピラ強盗のグダグダなお話と、超然としたようでいて実は常識人臭いところのある殺し屋のグダグダなお話が、グダグダと続き、そこにブッシュ大統領とオバマ大統領の演説が再三にわたって、伴奏のように流される。こういう社会の底辺で繰り広げられているどうしようもないオハナシが、大統領演説の中で語られるアメリカ社会とリンクしたり、あるいはそこで語られる理想とのギャップが浮き彫りになったりと、要するにそういう事なんだろうと思いつつも、これが実に鬱陶しい。さすがにしつこ過ぎる大統領演説、伴奏というより、これじゃあ、解説、ですわな。という訳でグダグダなお話を理屈で固めてしまうのがまず浮いてるし、さらにはそれを「これって一応“スタイリッシュ”だよね???」という映像でご機嫌伺いするのが、さらに鬱陶しくって。リンチを、殺戮を、いかにも意味ありげに華麗に描いてみせて、要するにコレって、『タクシードライバー』とかタランティーノ作品とかへの郷愁に寄りかかっただけ、なんだろうか。もし、リーマンショック前にこんな作品を作っていたなら、別の意味で凄かったかも知れないけれど。[DVD(字幕)] 3点(2014-07-13 11:18:30)

1711.  夕陽に立つ保安官 これぞまさにパロディらしいパロディ映画。ギャグ映画というのとはちょっと違うので、単純に大笑いしたい、という方には、あるいはご不満が残るかも知れませんが。この映画、表面的にはあくまで正統派西部劇を踏襲していて、ゴールドラッシュに沸く西部の町にやってきた流れ者のヒーローが華麗なガン捌きで悪党どもを懲らしめる、というオハナシ。クライマックスの決闘シーンまで、基本的な西部劇の流れがちゃんと楽しめますが、その一方で、肝心なところがデタラメ。墓穴から黄金が見つかって大騒動となる幕開けから、派手な割にオフビートな決闘シーンまで(さらにはお話の顛末まで)、いちいちズレてます。飄々とするにも程がある主人公に、冴えないにも程がある相棒。悪役たちも何だか憎めないい。ヒロインは手に負えない。これであと、もうちょっと丁寧に撮られていたら良かったんですが、パロディを楽しむには最適な一本でしょう。逆に、間違っても「西部劇を観るのは本作が初めて」なんて事だけは、無いように…。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-13 08:34:50)

1712.  軍用列車 列車もののアクション映画と思わせて、まさかまさかのミステリー仕立て。え~チャールズ・ブロンソン主演でミステリーだなんてそんなバカな。いえいえ、ミステリーではありません、あくまでミステリー仕立て。雪原をひた走る軍用列車で、次々に起こる殺人事件。って言っても、事件が起こるたびに大騒ぎになって聴き込みとアリバイ調査、なーんていう展開ではなく、結構、淡々としています。しまいにゃ後部列車が何者かによって切り離され、暴走の末に崖から転落、という大量殺戮。こうなってくるともう、フーダニットとか何とか言ってる場合ではなく、どんどんアクション風味が強くなってきます。で、ここで、ブロンソンが何やら人目を忍んで黙々とアヤシゲな行動に出る。一体彼は何をしようとしているのか、そもそも彼は何者なのか、というサスペンス、背景がわからなければわからない程、彼の行動そのものが見せ場になる訳で、まさにブロンソンの真骨頂。もちろんアクション指数もどんどん上昇し、ダイナマイトを使ったクライマックスへ。というなかなかに魅力的な作品ではあるのですが、やっぱりこれ、ミステリーとしてはどうなんだろうか、ブロンソン主演ってどうなんだろうか。と言う訳で、あくまでミステリー“仕立て”の作品なのです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-05 13:09:27)

1713.  チャップリンの失恋 《ネタバレ》 代表作の一本に数えられる作品なんでしょうけれど、その理由はともかくとして、実際、観てて楽しい作品です。まずは当然ながら、パントマイム。主人公は例の、ボロっちくもシャレた格好の放浪者。道を歩けば車にハネられそうになる、哀れで滑稽なその姿、しかし妙に身なりに気をつかう彼の仕草がまた、滑稽であると同時に、何だか彼のアイデンティティを強く主張しているようでもあります。で、次に、チャップリンの表情。これがまた、ただのドタバタだけではない味わいを作品にもたらしています。弁当を盗まれ、腹立ち紛れにその辺の雑草を食べる時の表情。美人に助けを求められ、ガゼン活き活きと張り切る時の表情。第3には、ストーリーの無茶苦茶さ。やっぱりコレ、あくまでドタバタなんです。泥棒に狙われた美人を助け、家に誘われ、で、なぜかそこで働かされちゃう主人公、脈絡なくどこまでも転がっていくストーリーが新しいシチュエーションをもたらし、ギャグを呼ぶ。まあ、冒頭の泥棒が再登場したりもするのですが、基本的にムチャクチャです。で、ムチャクチャながらも物語は主人公と美人チャンとの恋愛へと移行し、ナルホドこれなら美人はゲットするし定職はゲットするし万々歳、と言う訳ですが、アッサリ、あまりにアッサリ、彼女のフィアンセが登場して、主人公は去っていく。チャップリンは表情豊かにこの映画の物語を引っ張ってきましたが、ラストシーンは、例の「立ち去っていく後姿」で締めくくられます。でも、ションボリしているばかりじゃない、途中で歩みを速め、颯爽とした姿に切り替わったところで映画が終わる、その印象的なことといったら。[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-06-30 23:58:56)

1714.  フリック・ストーリー 凶悪犯ビュイッソンを追うボルニッシュ刑事の姿を描いた作品、とくればいかにも典型的な刑事モノを想像しますが、実際に観て受ける印象は、ちょっと異質。犯人側と刑事側がほぼ均等に描かれていて、とは言っても『ダーティハリー』で映画の視点がハリー側になったりスコルピオ側になったりしたのがストーリー上の要請(要するになるべく盛り上がる描き方をしたらそうなった)だったのに対し、本作では、両者を並行して描くことそのものを主眼においています。で、ボルニッシュ刑事はあくまで常識人で、普通の人間らしく様々な感情を持ちつつもそれを抑制している。演ずるアラン・ドロンも比較的抑え気味で、どちらかというと彼を取り巻く人々との関係を主体的に描きながら、ボルニッシュ刑事自身の苦悩をジワリと表現してます。その一方で、ジャン=ルイ・トランティニャン演じるビュイッソンの、トンデモない冷酷さ。この男、殺人鬼としかいいようのない容赦の無さで、しかもただの無謀な乱暴者という訳ではなく、独自の行動規範と冷静さを持った男、要するに社会一般通念から見れば、規格外の怪物。身近にこんなヤツがいたら困りますが、映画として見れば、カッコいいのはボルニッシュよりもビュイッソン。そんな常識人と非常識人が対決するクライマックス、地味だけどシビレます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-30 23:05:40)

1715.  西部悪人伝 しばしば「007」になぞらえられたりするマカロニ作品ですが、「ルパン三世」を思い起こさせたりもします(札束舞うラストシーンなんか特に)。なにせ、主人公サバタを演じているのが、悪人ヅラのリー・ヴァン・クリーフで、ここでも眼光鋭い寡黙なイメージはそれなりに維持しているものの、どっちかというと悪人というよりはイタズラ小僧みたいな表情でもって、変テコなギミックを駆使しながら悪に立ち向かう。基本的にイイ人です。あと、「変テコなギミック」がポテンシャルとして充実しているマカロニ界において、本作のそれは、まだ小粒な印象(カバンに仕込んだ銃、グリップにも銃口が仕込まれた拳銃、等)。一番イカしてるのは、主人公とライバル(の割りにはイマイチ強いのか弱いのかわからない)のキャラである“バンジョー”が持つ、銃が仕込まれたバンジョー(とりあえず、バン銃(ジュー)とでも呼んでおきましょうか)ですね。で、また本作の「ルパン三世」的な所以に話を戻しますと、二人の助っ人の存在。次元役の“カリンチャ”は、ヒゲが生えてるだけが共通点で、薄汚いデブ男、しかしナイフ投げの腕は一流(彼の方で一方的にサバタに付きまとっているだけなんですけれど、サバタも満更でもないように彼と付き合ってるあたり、サバタの人の良さが感じられますな)。そしてゴエモン役の“野良猫”は、飛んで跳ねて胸のすくアクロバットを繰り広げる、頼もしい男。で、サバタと二人の助っ人(この共闘がイマイチ噛み合っているような噛み合ってないようなところがあるものの)が、マモーのような粘着質のステンゲル率いる悪党軍団と死闘を繰り広げます。小粒なギミックだけじゃなくって、ダイナマイトを使った派手な戦闘も、ちゃんとご用意。さらにはその両者の戦いに“バンジョー”も絡んできて。あと銭形警部がいれば完璧なんですが、そこな大目に見ていただくとして、ハチャメチャさと支離滅裂さ、このマカロニの基本的な二大ツボを押さえた、良くも悪くもお手本のような作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-29 08:48:39)

1716.  裏切りのサーカス ストーリーがわかりづらいのはとりあえずいいとしても(いや、困るんだけど、まあ「物語がワカル」ことが映画を楽しむ必須条件でもないので)、本作、物語がなかなか「動かない」ってのが、もうちょっと何とかならんもんでしょうか。推進力の乏しさ。一方でそれを補うのは、ひとつには入念に描写された各シーンの印象深さであり、またひとつには、抑制されつつもそれぞれの存在を主張する俳優たちの表情であり。大のオトナたちが繰り広げる命がけのスパイごっこ、それを静かにかつ残酷に描きだした作品です。その点では大いに見ごたえあります。しかし、ゲイリー・オールドマン、抑制した演技とは言え、それが何だか“抑えたフリを演技した演技”とでも言いますか、いかにも「実はワタクシ曲者なんです」とアピールしている感じがして、うーむこれでいいんだろうか、とやや違和感が。そうそう、あと、冒頭タイトルが出るタイミングの悪さも違和感ありました(この「いまさらタイトル出すなよ」という間の悪さも、推進力を損なってる一因じゃなかろうか)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-24 00:02:31)

1717.  ラルジャン どういうカットを組み合わせるか・何をどう配置しどう動かしどう撮るか・あるいは撮らずに省略するか。等々。映画作る側はそりゃあ神経使うんでしょうけれど、それがあまりにリキ入ってると、観てて疲れる場合もありますわな。本作なんかもずいぶん「作りこまれた」印象がありますが、それが作為として気になることなく、むしろ我々を圧倒して映画に引き込んでいくのは、その各シーンがまるで、非情なる運命の歩みを刻々と刻んでいくように、我々に迫ってくるから。まさに目が離せない映画(もっとも、目が離せる映画ってのが存在するのかどうか知りませんけれども)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-06-23 17:16:30)

1718.  天国の門 《ネタバレ》 3時間半を超えるディレクターズカット版、初めて観ました。今までこの作品については、クライマックスの戦闘シーンがグチャグチャな印象で、これはきっとカットされまくった短縮版を観ているからなんだろう、くらいに思ってたのですが……そういう問題じゃなかったようです、今回もしっかりカオス状態でした。だからこその途轍もない迫力、でもあるのですが。映画の元になっているのは、西部開拓時代の“ジョンソン郡戦争”事件、史実に忠実な部分と(相当な)創作の部分があるようですが、それはともかく、この歴史のうねりの中で、二人の男(ジム、ネイト)と一人の女(エラ)の関係がじっくりと描かれます。脇を固めるジェフ・ブリッジスやジョン・ハートも忘れ難いけれど、さらにその脇を固めるのが無数のエキストラ。冒頭の卒業式シーンから、とにかく画面内にたくさんの人々を配置し、このあたりにも「製作費使い過ぎました」感が溢れているのですが(笑)、大規模なセットと無数の人々が、時代の空気を醸し出していて、主人公たちの個人的なドラマを取り囲む時代の空気が、郷愁をもって描かれています。懐かしく、かつ取り戻すことのできない時代の流れ。移民たちを狙う傭兵の群れの登場により、不穏な空気が兆してくる。クリス・クリストファーソン演じる保安官ジムの方が、移民たちの立場に近い、いわばヒーロー役であるハズのところ、彼の腰は意外に重く、視線はイザベル・ユペール演じるエラへと傾きがち。むしろ微妙な立場にいたクリストファー・ウォーケン演じるネイトの方が、決然と矢面に立ち、壮絶な最期を遂げる。戦いの場に赴くジム、そして唐突でカオス状態の凄まじい戦闘シーンへ。最後、騎兵隊が現れて戦いを止めた時には最早、死体の山が築かれており、今頃来ても遅いんだよ、やっぱり見て見ぬふりってのが一番イケナイよね、という展開ではあるのですが、そもそも主人公自身もまた、戦いの場に「遅れて」やってきた身である、という皮肉。そして悲劇の連鎖もまた簡単には止めることができない、もう昔には戻れない、とうことの残酷さ。この長尺版、確かにものすごーく長いですが、それにも充分見合うだけの重みと衝撃力のある、クライマックスと結末です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-06-23 13:58:25)

1719.  エリジウム 空を見上げるとそこにはエリジウム(昔の子供向け科学絵本に載ってそうな、これぞ「宇宙ステーション」という形をしています)。そこに見えるのに、たどり着けない場所、その憧れを感じさせる描写が、いいですね。一方で、エリジウムの側からは、地表の人間の姿が手に取るように監視されてしまう。こうして見ると当然にして、エリジウムが米国で地球が第三世界各国、ってな感じになる訳で、おお、アパルトヘイト批判に続いて今度は(殆どお約束のように)米国批判ですか、と。それはそれで別に悪いとは言いませんけれども、この映画、ピンと来ない部分があって、それはつまりあの、エリジウムへの密航者のエピソードが描かれる中盤の場面なのですが。このシーンによって、「地球の人間がエリジウムに行きたい理由=病気が治せる」というのがわかるのですけれども、このシーンを我々に見せてしまったせいで、後半、エリジウムへ主人公がやってくる場面のインパクトが薄れてしまった気がします。前半で密航者の「エリジウム行き」を見せるのであれば、それは後半の主人公の「エリジウム行き」と韻を踏む形でその先に待ち受けるかも知れぬ悲劇を連想させるものであれば、納得なのですが、どうもこの密航のエピソードが、単なる設定の説明になっちゃってるように思えて。むしろいっそこんなエピソードは削除し、エリジウム内の描写自体を前半は最低限にとどめ、後半の主人公のエリジウム行きにおいて、その未知の世界であるエリジウムに主人公と我々がともに踏み込んでいく、という流れの方が、ワクワクしたんじゃないのかなあ、と。それとも、あくまでエリジウム=米国だから、すなわち映画の観客もまたエリジウム側の立場、という前提だから、エリジウム内の描写を控えめにする必要なし、ということなんでしょうか…。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-06-17 23:31:38)

1720.  刑事マディガン リチャード・ウィドマーク演じる主人公のマディガン刑事。コワモテでまるでギャングのように見える風貌、時には手荒なことも辞さないけれど、「ハミ出し刑事」モノの作品に出てくるような常人離れしたヒーローではなくって、あくまで人間臭い存在。騒動の発端である、拳銃を奪われる顛末も何だか情けないし、しばしば言動にヒトのよさがにじみ出る。何にせよ、悪人に拳銃を奪われてしまったのは彼にとって災難なワケですが、彼に限らず、登場する人それぞれ、何だかうまくいってない。彼の上官として登場するヘンリー・フォンダ、『ワーロック』の頃からすでにウィドマークの手の届かない存在である彼も、色々と問題を抱えている(こちらも善人とも悪人とも言い難く、人間臭い)。この二人の物語がそれぞれ並行して語られていく中で、思わぬところで二人がバッタリ顔を合わせる、いや別にココで喧嘩が始まる訳でも何でもなく、どうという展開にもならないのだけど、ドキリとするシーンです。というワケで、倦怠感を伴う人間臭いドラマの果てに、突如、すべてをナギ払うような銃撃戦のクライマックスがやってくる。このインパクトが凄いんだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-17 22:52:02)

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