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プロフィール
コメント数 1383
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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161.  ドント・ブリーズ2 《ネタバレ》 あの「ドント・ブリーズ」の続編。主役は前作と同じく盲目の退役軍人。という予備知識のみで観始めたので正直混乱しました。フェニックスって誰?8歳ぐらい?もしかして前作で生き延びたロッキーの娘?一緒に街を出た妹じゃないし。あれ?逃げた時にはロッキー妊娠してた?この時点で頭の中は想像と妄想で一杯に。 更に、え?薬物密造所の火災から逃げ出した少女?本当の母親と父親?もしかして、これって「ドント・ブリーズ3」で「2」は見逃してる?話が進んでも混乱は収まらず、かえって錯乱してしまいました。 そして、改めてじっくりと考えて漸く理解。続編と言いつつもノーマン以外は全く別モノだったのですね。ん?彼の愛犬シャドー?前作では犬の名前は出なかったと思いますので犬種が同じだったとしても定かではありません。前作とは殆ど関係ない。けれども明らかに続編として成立。主人公のみが共通するシリーズものとも解し難い。異色の続編ですね。前作で大金掴んで逃げおおせたロッキーを、ノーマンが追いかけて行って復讐しようとするストーリーだと勝手に思い込んでた訳です。 で、肝心のレビューはと言うと、一言で言えば面白かったです。主人公が実は極悪人ということを忘れさせてくれる爽快感さえありました。敵側がいきなり罪のない女性を殺害する所からとんでもない極悪人ぶり発揮で、少女を取り返す目的に至っては前代未聞のクソ野郎ぶりを見せてくれたから尚更ですね。それを皆殺しにするノーマンは最早ヒーローです。過去のあるヒーロー。ダークヒーローですね。無敵じゃないところもいいです。そこそこ酷く負傷してますし。 ただ、前作はノーマン(作中では名前は出てなかったような?)が盲目であるが故の仕掛けが様々あり、ある程度彼の超人ぶりにも説得力がありました。が、本作では観ている者に予め彼の超人的な能力が刷り込まれていると言うか前提になってしまっている感があって、前作未見の方には視覚障害故の弱みみたいなものが感じにくかったと思います。 そんなこともあって、あくまでも前作を観てから鑑賞という条件付で7点献上します。個人的には、前作程ではないにしても大いに楽しめました。[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-12 22:23:23)《改行有》

162.  PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星(TVM) 《ネタバレ》 一見すると(既視感は脇に置いておくとして)ビジュアル的にはかなり頑張って作られていると思います。 海水温の上昇でプランクトンが死滅し、捕食する魚類が激減、結果海の食物連鎖の頂点に立つサメはエサ不足から人間を襲うようになる。氷河が全て融けて地球上の98%が海水に覆われるのかどうかは諸説ありそうですが、一応理に適っているかのように感じさせてくれます。サメたちのビジュアルも過去のサメ映画と比較して遜色はないと思います。使い回し感も然程感じることなく鑑賞できます。 つまりお膳立てはまずまずということです。が、そこはやはり低予算作品ならではの弱みと言いますか、じっくり見て行くといろいろ思い至ってしまいます。 深い海の上を泳いでいるはずなのに、どう見ても浅瀬で四つん這いになって泳ぐふりしているのがマル分かりだったり、カットの始まり部分で台詞の語り出しに微妙な間があったり、要は演出上の粗と言いましょうか。それでOK出すなよ、みたいな。 他にも脚本の問題なのかそもそものプロットの問題なのか、リーダーの博士が自己主張が強烈で人の話に全然耳を貸さない独裁者で感情移入出来なかったりとか、ロケットでCO2の削減装置?を打ち上げてたった半年で完全に水没してた自由の女神が上半身出すほど海面が下がるか?とか、そもそも世界観が狭過ぎて、いくら地球全体が水で覆われてるとは言えアメリカ以外の研究施設だって残ってるだろうに他との調整なしにたった1基しかないロケット打ち上げるか?しかもサメ電源で、とか。気になる点は多々あります。 そして、サメ映画としてのメインであるところの母ザメの正体がイマイチ不明瞭です。突然変異なんでしょうけれど、そこは「ありき」で話が進んで行きます。いきなり進化はないだろうに。 予想外の設定で驚かせてくれるある意味見応えのある作品ですが、あまりに緊張感が薄くシリアスなのかコメディなのかどういうスタンスをもって臨むべきか迷ってしまう作品。でも、結構好きなので甘めの6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2023-09-11 11:23:49)《改行有》

163.  グッド・ナース 《ネタバレ》 実話ベースの作品は、悲惨な話程、実話であることの恐ろしさが先んじてしまい映画としての素晴らしさが隠れてしまうことが多いように感じていますが、本作に関しては一切そんなことは感じませんでした。 まず、エディ・レッドメインとジェシカ・チャステインの演技が素晴らしい。鬼気迫る不気味さを時折り見せるエディが心底恐い。エディへの感情と正義心の間で揺れ動くジェシカが演じる儚くも力強い母親もまた素晴らしい。脇を固める俳優陣もそれぞれに味わい深いのですが、主演の二人が突出していると感じました。 そして物語そのもの。これが実話?被害者数の多さの異常さもさることながら、そこまで被害が拡大したことの背景にある病院の裏の顔 が恐ろしい。決して大昔の話ではなく、しかも世界をリードする先進国家での事件。実に恐ろしいことです。 更には、結局は明らかに出来なかった犯人の動機。作品では「誰も僕を止めなかったから」と呟きますが、それは作り手の病院批判であって、チャーリーの本質はそこにはないように思えます。類似の事件は我が国でも起きていますが、共通するものがあるのだとすれば、より一層身近な恐怖を感じざるを得ないところです。 比較的淡々と進む物語。2時間という尺は長過ぎるとも感じますが、ある意味未解決の実話を描くにはまだ足りないとも思えてしまう深い闇の物語でした。[インターネット(字幕)] 8点(2023-09-09 15:00:23)《改行有》

164.  隔たる世界の2人 《ネタバレ》 タイムループで理不尽な死を繰り返すというアイディア自体は決して珍しいものではありませんが、未だ様々な事件を通じて明らかになっている人種差別という社会問題を、ショートフィルムという形態の中でストレートに纏め上げた製作者の手腕は素晴らしいと思います。 物語の中心となっている二人の登場人物のキャラは明確に解り易く描かれています。「黒人=善、白人=悪」ですね。ただし、キャラ設定は解り易いのですが、白人警官の立ち位置が少々わかりにくいです。この警官は状況を理解しているのか?タイムループに嵌ってしまったのは主人公だけなのか? そうではないようですね。二人とも自らの状況を理解しているようです。しかも、白人警官の方が先んじている。或いは制御している、何も知らずに嵌ってしまったのは黒人青年だけのように見えます。 タイムループは手段であってテーマではないのでしょうからそこに拘っても意味がないようにも思えますが、基本的にSF作品ということを考えるに、尺の不足があるにせよもう少し整理した方が良いのではないかと思えました。 とは言え、スリリングに楽しめた佳作に7点献上します。[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-07 21:16:03)《改行有》

165.  トロール 《ネタバレ》 ノルウェー発、お子様向け怪獣映画とでも言うべき作品ですね。 怪物の登場は人間の自然に対する不敬に起因するもので、ゴジラを始めとする怪獣映画の王道的着想。怪獣は無闇矢鱈と暴虐の限りを尽くす訳ではなく優しさの一面も持ち合わせているというキングコングを始めとしたコレまた善玉的怪獣の王道的キャラ。 軍隊が登場して小型核爆弾的ミサイル発射にあたって首相は自国民の多大な死亡フラグに興味示さずあっさり意思決定しちゃうとか、無駄に狂暴な政府高官が首相を飛び越えてミサイル発射しようとした挙句、女性職員にぶん殴られて降参だとか、古生物学者が自らの役割立場乗り越えて活躍しちゃうとか、首相補佐官が小ネタ連発してスベリまくってるとか、早い話が主役の怪獣以上に全てが荒唐無稽。 つまりは、(ノルウェーの)子どもたちにとって、もしも童話でお馴染みの妖精が巨大化して怪獣になったら的なスゴさを良く出来たVFXで楽しめ、よくよく考えるとかなり悲しい物語なのに痛みや悲しさは殆ど表現されてなくてトラウマになったりすることもなく、親たちも殺し合いの惨さや戦争の悲惨さを感じ取ることもないだろうと子どもたちに安心して見せることが出来て等々、お子様向けとしては良いんじゃないですか?といった作品だと思いました。 そんな視点から、そりゃ―ないだろの連発の相当粗のある脚本と演出ではあるものの、それは脇に置いての5点献上とします。[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-02 23:57:16)《改行有》

166.  シャークネード エクストリーム・ミッション<TVM> 《ネタバレ》 オープニングの銃口越しにサッとチェーンソーを構える正装の男、それを見た瞬間、三作目に至ってついに製作者は本シリーズをコメディと位置付けたことを知り(いや今までだってコメディだったかも知れないけれど)、爽快な気分のまま一気に鑑賞。 理不尽さ、荒唐無稽さに磨きをかけ、全てにパワーアップ本作は、有無を言わせず無防備に楽しませてくれる(ただし限られた観客を)快作でした。 例を挙げればキリがないほどのお笑いネタの連発。三作目となっても未だ台詞もアクションも冴えないヒーローとヒロイン。(サブの方のヒロインはチョット良い感じに進化したかも)そして極めつけの宇宙サメとの格闘&サメに入って大気圏突入しての帰還。更には、なぜか月面着陸してる親父。 あぁ面白い。ひさびさに大笑いした。続編製作意欲丸出しのエンディングも含め、大満足でした。ただし、今回もあまりに人が死に過ぎなので1点だけ減点します。(散々笑っておいて道徳心もないのですが)[インターネット(字幕)] 9点(2023-08-30 15:16:17)(良:1票) 《改行有》

167.  カエル女 《ネタバレ》 既視感は否めないし相当チープではあるものの、プロット自体は決して悪くはないように思えましたが、マッドサイエンティストが究極の生命体の開発に執心した過程で生み出された感染症による怪物出現?いや、もしかしたら罹患すると怪物に変身してしまう謎の感染症の治療薬を開発していたマッドサイエンティストの暴走?その辺が良く解らないのが一番の問題でしょうか。 低予算作品ならではの悲しさと言うか、怪物の造形(古の「アマゾンの半魚人」を思い出します)に相当ボリュームを割いた結果、大道具小道具その他諸々はチープそのもの。結構グロ描写が多いのですが、モロに作り物のグロさなので恐さや不快感には繋がらないです。カエルの解剖だけは本物?だとするとカエルが不憫です。 何故かコメディ要素を入れてしまったというのもどうなんでしょうか?義父の雇った元警官の私立探偵の行動と言動は悉くスベリます。挙句最後にはお約束的に犠牲者に。ヒロインや義父の台詞にも場違いと言うか見当外れなものが多々登場します。 結果、あーだこーだ文句言いながら観るには良いかも知れませんが、中途半端感を相当感じてしまい限りなく2点に近い3点献上です。 それにしても何故満月の夜にカエル(どう見てもカエルに見えませんが)に変身?どこかの国にそんな伝説あるのでしょうか?謎です。 そして邦題。ヒロインが可哀そうかも的な命名ですが、何故か惹かれる邦題です。ちなみに、原題は何で「The Movie」なのか良く解りませんでした。TVMにいろいろある「Bad Blood」のどれかと関係あるのでしょうか?[インターネット(字幕)] 3点(2023-08-28 11:40:17)《改行有》

168.  なかよくなれたらいいな 《ネタバレ》 シンプルに言ってしまえば、所謂「地縛霊」が同じような淋しさに満ちた心を持つ人間を惹き込み、やがて異界へと連れ去ってしまう。そして悪霊は、次なる獲物を待ち構える。といった伝統的あるいは都市伝説的幽霊譚と言って良いかと思います。 謎めいた隣人の訪問を契機として繰り広げられる異様な関係性と、そもそもヒロインを包み込んでいた虚飾に満ちた人間関係が絡み合い、過去と現在を色調を変えて行きつ戻りつさせる演出は、個人的には好むところです。 特に、冒頭から提示される、同じ相手を見ているのに香奈美と圭介では見ている対象が異なるという部分には大いに興味を惹かれました。が、その部分の謎解き的な内容は特に示されなかった?のが少々残念。そのこと自体は本作の主たるテーマではない?のでしょうから仕方のないところだとは思いますが。 ただ、個人的にはそのことは一人ひとりの人間の本質的な思念・概念を語る上で重要なファクターとの思いがあり、掘り下げてくれればより興味深く観賞出来たかなと思っています。 有名邦画ホラーと一線を画すとまでは言いませんが、インディー系の作品ならではの魅力を感じ、7点献上します。[インターネット(邦画)] 7点(2023-08-28 11:04:28)《改行有》

169.  さがす 《ネタバレ》 「岬の兄妹」は未見なので先入観ゼロでの片山慎三監督作品鑑賞でした。 父子の愛情と連続殺人の異常心理を巧みに組み合わせ、ミステリ―風味のサスペンスに仕上げた本作、見事です。 智の行動や言動は終始リアルで、佐藤二朗氏の不安定に揺れ動きつつも次第に確信的に行動するようになっていく演技は、恰もドキュメンタリーの如く感じさせられてしまう様な真に迫る名演ですね。 娘役の伊東蒼さんもまたしかり。父の姿を追う行動や言動は些か芝居じみた部分も感じられなくはないのですが、それは脚本や演出の問題であって、演じ切っている彼女自身は見事としか言いようがないところです。特にラストの卓球シーンは、一人の薄幸の中学生が地に足の着いた一人の人間に成長していく姿を感じさせてくれます。 山内役の清水尋也さんも存在感が強烈です。序盤のシーンで作業員のひとりが彼の眼から受ける危険なイメージについて話していますが、まさにその通りに感情の消え失せたガラス玉のような眼をした演技に、思わず本作のモチーフであろう座間市の事件の犯人を想起してしまいました。 脇を固める俳優さん一人ひとりの演技も含め、鬼気迫る優れた演技が本作のテーマを観る者に叩きつけて来るような緊迫した2時間でした。 ただ、父子の愛に関しては十分に語ってくれているものの、モチーフとなっているであろう事件と同様、主犯者の(非)人間性については特に深く掘り下げられることはなく、メインテーマではないのかも知れませんが、この狂気とは一体何であったのかをもう少し語って欲しかった、というのが正直なところです。 そのあたりに不完全燃焼感が残り、1点減点させていただきました。[インターネット(邦画)] 9点(2023-08-27 22:30:41)(良:1票) 《改行有》

170.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 原作は未読なのでシンプルに本作のみの感想です。 ひさびさに大いに笑えたアクションコメディ。と言っても大笑いではなく、全編通じてクスリとさせてくれるお洒落なコメディ。コテコテのアメリカン・コメディではないところがいいですね。 伏線回収だらけというのもまた愉快。なるほどと思わせてくれる過去の出来事とのリンクがあるかと思えば、小物を使って見え見えの無理やり感ある回収もあったり、矢鱈と多い回収ぶりですが回収の仕方も逐一工夫されてて飽きない。 一昔前の外国人目線による日本人のキャラや街の風景とかも、今更そりゃないだろというレベルで確信犯的に持ち込んでるところが楽しいです。挿入曲もまたしかり。 監督の日本愛なのか?それともブラピの日本愛なのか?ちょっと歪と言うか歪んだ愛かも知れませんが愛されるということは嬉しいものです。ラストの大事故を筆頭に只管荒唐無稽で非現実的な作品ですが、だからこそ手放しで楽しむべき作品でしょう。 作り手からの愛されてる感とラストを締める真田広之の存在感に+1点の8点献上します。 (蛇足)どう考えても「ブレット」じゃないでしょ「バレット」でしょ。映画とは関係ありませんがGibsonの「DOVE」を昔は「ドブ」と呼んでましたけれど、今では「ダブ」か「ダヴ」が普通だなぁということを思い出したりしました。邦題を命名した方が作品内の日本観を反映して懐古的にローマ字読みにしたのであれば、それはそれで深くて有りかも。[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-25 00:11:34)《改行有》

171.  ファーザー 《ネタバレ》 認知症という疾病を身近に感じているか否かによって受け止め方が大きく異なる作品だとは思います。 確かに、認知症を発症していながら奇跡的に寛解した人でもない限り、本作に表現されている世界が認知症患者の見ている世界、感じている世界そのものであるとは確信も明言も出来ないでしょう。否、仮に寛解した人であっても罹患当時の記憶はないかも知れないですね。これは、あくまでも第三者が感じている認知症の世界を視覚化した作品だと思います。 しかし、その表現力が素晴らしいと思います。私自身、認知症患者が身近に居る経験をしていたし、現在進行形でもあります。患者と言っても一括りに出来ないことは言うまでもありませんが、まさに本作に表現されている世界が、主観的な推測に過ぎないにせよ現実にも感じ取れます。 また、アンソニーの一人称視点だけで構成せず絶妙に他の登場人物の一人称視点か絡み合うところも素晴らしい。原作の戯曲は未見なので、作品そのものの素晴らしさなのか、それを咀嚼し昇華させた本作のスタッフが素晴らしいのか判断できませんが、作品全体の構成に隙がなく、1時間半余りの作品にも関わらず重厚な大作を観終わった後のような充実感がありました。 自らの問題、家族の問題、友人の問題として観るのも良し、全く縁のない世界として観るもよし、優れた映像作品と思いました。とりわけアンソニー・ホプキンスさんのこの名演をもってすれば、満点献上は当然と思えた次第です。[インターネット(字幕)] 10点(2023-08-23 13:40:23)(良:1票) 《改行有》

172.  ビースト 《ネタバレ》 狂暴な野生動物と人間との闘いを描いたアクション系エンタメ作品として観れば、優れたCG、スリルとサスペンス、そして家族愛を描いた良作のように思えます。実際、ほぼノンストップで楽しめはしました。 けれども個人的には何とも後味の悪さが残りました。群れを非道な密猟者に殺され生き残った雄ライオンを「悪の意志を持った存在」のように描き過ぎのように思えてなりません。 確かに、トバッチリを食っていきなり皆殺しにされてしまった集落の人たちは気の毒としか言いようがありませんが、(現実問題としてライオンの思考に人間的な悲しみの感情があるかどうかは判りませんが)ライオンの方にも悲しみや悲壮感を込めて欲しかったところです。 集落での惨状を目撃した直後の混乱した状況だとしても、一丁のライフルのみ携えて単独でライオンを追う姿は、冷静なプロの保護官もしくは動物学者とは思えません。単に殺すためにライオンを追うハンターとしてしか映らないです。 全体を通じて危機管理の薄さが目立つ演出。主人公の父娘たちは素人だから仕方ないにしても、それでも常識的にその行動は違うだろ?みたいな場面が多過ぎました。思えば、父娘の会話にも今一つな台詞が多く、家族愛をテーマとしたドラマとしてもスッキリはしないところです。脚本の問題なのでしょうか? 一見お子様向け、ファミリー向けの1本のようでいて、実は違うなと思えてしまう1本でした。 (追記) 今日、数多くの放牧中の牛を襲い指名手配犯のように追われていた北海道の1頭のヒグマが、ついに殺処分されたことをニュースで知りました。密猟者に襲われたライオンとは全く違う状況であるにしても、人間と野生動物の共存・共生は難し過ぎるとつくづく思いました。そんな観点で観るべき作品ではないのかなぁ?[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-22 10:44:08)《改行有》

173.  アンチ・ライフ 《ネタバレ》 公開当時の「アルマゲドンから22年、ブルース・ウィリス再び宇宙へ」なんつうコピーが頭に残っていて、え?あのハリーが主役なの?などという疑問と混乱が脳内を巡ってしまいました。んな訳ないですよね?私が浅はかでした。 「地球」と「人類滅亡の危機」そしてブルースさん以外、「アルマゲドン」とは縁もユカリもない本作。何とも既視感に満ち溢れた作品でした。 未知のウィルスによる人類滅亡の危機、別天地となる惑星への選ばれし人々の移住計画、船内で乗員が冬眠中に起きる異常事態、謎の寄生生物による人体と精神の乗っ取り、寄生された人間は狂暴で死なない、そして英雄的殉職者によって主人公と恋人が脱出、辿り着いた安住の地には新たなる脅威と恐怖。などなど。 それぞれにコレはあの作品、アレはあの作品と、既視感の原因がアッサリ判明。つまり、オリジナリティが感じられないのです。 元ネタ的な類似作を知らなければ、否、知っていても、決して面白くない駄作とは断じられないと思います。結構楽しませていただきました。されど高評価していいものかどうか?やはりもう少しオリジナリティが欲しかった。金属さえも溶かしてしまう超強力洗剤とそれを原料とした密造酒だけでは何とも淋しい限りです。 如何にも続編ありみたいなエンディングですけれど、今のところ予定は聞きません。でも、あのエンディングで続編を作ったら、またしてもアノ作品みたくなりそうなのでシリーズ化は望みません。そんな感じの微妙な5点献上です。[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-21 10:50:00)《改行有》

174.  Z Bull ゼット・ブル 《ネタバレ》 ひさびさに観た荒唐無稽のアメリカンコメディ。好きですね~、こういう作品。あまりにストレートな原題に較べ、ダジャレ的にひとひねりした邦題も良いです。 細かく書き連ねるとキリがないので省略しますが、グロも含めたベタなギャグの連発が楽しい。爆笑シーンは意外と少なめですけれど、微笑・苦笑は中だるみなく続きます。いくら正当防衛?と雖も少々殺し過ぎのような気もしますが…。 ただし、道徳観や倫理観を持ち出すとダメですね。冒頭の企業宣伝カットからして短いけれど結構キツイ。そのまま反戦とか社会風刺的な笑いで攻めて来るのかなと思いきや、そうでもないような?まぁ全編通じてその香りは続くのですが、メインテーマかというよりもあくまでも背景に過ぎないような。兵器産業や銃社会への批判として見ることも出来るのですが、その線で真向勝負しているとも思えず…。 真剣に観る作品ではありませんし、観る人を大いに選ぶ作品ですが、個人的には十分楽しませていただきましたので甘めの7点献上です。[インターネット(字幕)] 7点(2023-08-18 11:11:12)《改行有》

175.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 1971年にTV放映された「仮面ライダー」をリアルタイムで夢中になって観ていた身としては、いきなりショッカーの戦闘員たちを返り血を浴びながら殺害していくライダーに一瞬引いてしまいました。この作品は、元祖TVシリーズにはなかった暴力的リアリティを追求していくのか?と。 しかし、観続けて行くと、特にリアリティの追求ということでもなく、カット割りや演出、登場人物の台詞回し等々、寧ろ元祖版を丁寧にトレースしているように思えて来て、当時を知る世代にとっては懐かしき昭和の時代を髣髴とさせてくれる作品でした。 併せて、子供向けとして制作された元祖版では少々抑え気味だった、ヒーローの背負った悲しみ・苦しみといった物語の重要な背景部分にも光を当て、今や中年を越え老齢の域に一歩踏み入ったリアルタイム世代にとっては、別の意味でも堪らなくノスタルジックな作品です。 それだけに、ショッカー戦闘員殺害シーンでの流血や、ラスボスとの最終決戦シーンでのライダー流血シーンが必要だったのかどうかは微妙に思えます。 また、次々に怪人が登場する前半~中盤は、スピード感はあるものの今ひとつ綺麗に流れていないように思え、一話完結モノを繋ぎ合わせたようなイメージでした。原作に忠実にするためには尺の都合もあって仕方なかったのかも知れませんが、ルリ子の遺言以降の流れが一気に加速し厚みを増すのに対して、何かもたつきのようなものを感じてしまいました。 仮面ライダー1号・2号はリアルタイムで観たものの、その後はすっかりご無沙汰してしまい、次に観たのは「仮面ノリダー」だったという浜辺美波ちゃんファンの自分にとっては大いに楽しめる作品でしたが、平成以降のファンを始め1号・2号の時代に何かしらの思い入れがない人にとっては全く楽しめない作品でしょう。観る人を選びますね。なので5点献上に留めます。[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-17 00:31:59)(良:1票) 《改行有》

176.  きさらぎ駅 《ネタバレ》 元ネタの都市伝説は、どちらかと言えばオリジナリティに欠けるもので、と言うかそもそも都市伝説と呼ばれる寓話の数々は古くからの怪談話や妖怪話を時代に合わせてアレンジしているものが殆どなので、都市伝説の実写化にオリジナリティを求めるとすればアレンジ部分ではないかと思う訳です。 本作は展開を2周させるというアレンジに、1回目はゲーム感覚のPOVとブルー基調の色彩設定で記憶の中の夢のような世界感を、2回目は昼間の明るいカットを多用しヒロインの実体験としてのリアルタイムなイメージを加え、シンプルな元ネタに厚みを持たせることに成功していると思います。 ただ、エンドロール後のエピソードで明かされる事件性は必要だったのかどうか?一人の教員が、自校の生徒であることさえも認識していなかった一人の女子高生の救出のため、初対面の女子大生を半ば生贄にするような所業に走れるものかどうか?てか、これが初めてではない?あるいはここが出発点?種明かし的な面白さになっていることは否定しませんが、なにかしっくりと来ないモヤモヤ感が残りました。[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-14 15:55:06)《改行有》

177.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 不気味なオープニングで観客の方向感覚を少々狂わせておきながら、いきなりの白昼堂々粗暴空き巣犯のカス3人組登場。冒頭シーンの印象は薄れて観客は一気にカス憎しへと。 そのカスが単なる金持ち狙いから弱者狙いにシフト。観客は益々カスどもに嫌悪感。そして強盗実行。こんなカスだからいきなり番犬を殺してしまうかとヒヤヒヤしたけれどカスにそんな度胸なし。だからって、これ決して動物に優しい訳じゃない。無知なカスがどうせ人間用だろう眠剤使って即眠させてるんだから下手すりゃワンちゃん即死。やっぱカス。 そして侵入。昼間の空き巣同様の横暴ぶりに観客の怒りは増長するばかり。亡き娘の思い出のビデオを流しながら眠る盲目の老人に観客の思いは高まる。さあ早く目覚めてカスどもを始末してしまえ! まずは一人。良し!躊躇は要らない!さあ次はどっちだ。一見可哀そうな生い立ちのカス女か?知的で優し気に見えるカス坊ちゃんか?追い詰めろ追い詰めろ頑張れ爺ちゃん! ところが、あれ?地下室に誰かいるよ?厳重にロックして大金隠してるんじゃないの?何隠してるの?ここで観客啞然。ちょっと待って爺ちゃん!あんた悲劇の独居老人じゃなかったの? と、このペースで書くと駄文長文が際限なくなってしまいます。自粛。 見事に感情をコントロールされてしまいました。全く感情移入も同情も出来ない素人強盗団。悲劇の極みだったはずの退役軍人の極悪ぶり。登場人物に共通する倫理観の破綻と自らの行為の根拠なき正当化。それでもまだ老人援護の気持ちがわずかに残っていたのに「レイプはしない」というまたしても浅はかな自己正当化を耳にして揺らぐ観客。 細かな点では皆さんのご指摘もあるように粗さのある脚本や設定ですが、この大筋の部分の感情のコントロール(勿論この程度ではコントロールされないという方も多いとは思いますが)が本作の最大の醍醐味ですね。 いろんな意味で諸手を挙げて称賛は出来ないものの、サスペンスホラーの佳作として8点献上です。 ワンちゃん、助かったかな?きっと現場周辺を捜索した警察に保護してもらえただろうな。 (追記:蛇足です) この爺ちゃんは戦争で負傷して失明してしまった訳で、その後10年以上は経過しているだろうとは思えるものの、嗅覚や聴覚が失った視覚を補って余りあるほどには研ぎ澄まされてはいないと思うのです、が、靴の匂いで複数犯であることを察知する程度には鋭い訳で、室内に自分以外の者が居れば匂いで分かるでしょうね。香水の文化のある国の人たちだけに尚更。だからすぐ横をすり抜けたりすれば匂いで判りますって。それから、あんな静かな空間だったら、ひそひそ話だって聞こえますって。ドントブリーズという割には、その辺りの本筋とは関係ないのかも知れない程度の部分の演出が雑に思えました。その辺無視した方がスリリングで良いのかも知れませんが。[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-14 15:06:48)(良:1票) 《改行有》

178.  スレンダーマン 奴を見たら、終わり 《ネタバレ》 あまりにお馬鹿な4人に感情移入不能。と言っても、そうじゃなきゃ物語が先に進まないので仕方ないところですね。そして、お約束通りにどんどんと墓穴を掘っていく展開。 もう少し無理なく自然体でお馬鹿が出来ないものか?と一旦感じ始めてしまうと、脚本と言うか演出と言うか、有名都市伝説の映画化にあたってのアレンジがあっさりし過ぎていること(殆ど元ネタ)に面白味を見出せず、一つひとつの場面を観れば丁寧におどろおどろしく描いているように思える割には全く恐さのない(予測可能な)作品でした。 都市伝説の映画化、難しいですね。[インターネット(字幕)] 4点(2023-08-14 00:20:45)《改行有》

179.  ゾンビネーター 《ネタバレ》 ストーリー的には典型的なゾンビもの。ある町でゾンビが大量発生。その町を偶然訪れていた若者たちが襲われ逃げ惑う。そして、一行は、まさに絶体絶命に。しかし、そこに現れた謎の男。無口で愛想もイマイチだけれど戦闘能力は高そう。 そうです、彼こそがゾンビネーター。ゾンビたちをバッタバッタとやっつける様はさながらターミネーター。原題も邦題も「ゾンビネーター」である所以が漸くここで明らかになります。 DVDのジャケットを見て頂ければお判りのとおり、衣装(所謂コスプレ)と言い、ショットガンを担いだ立ち姿と言い、まさにターミネーターを髣髴とさせる雰囲気です。ちなみにジャケット(ポスター?)の中には、本編にまるで登場しない半分機械仕掛けの頭部のアップがデザインされているものがありますが、それはいくらなんでも酷過ぎです。それを見てしまったら、ゾンビネーターとはゾンビの群れの中にあって人間に味方する救世主ゾンビ?みたく勘違いしてしまいます。と言うか、その方が面白かったような気もしますが。 低予算の作品のようですが、ビジュアル的には結構頑張って仕上げてます。それだけに、タイトルとコスプレ衣装だけで戦ってしまわず、何か本作ならではといったアイディアが欲しかったところです。 ちなみに、ゾンビネーター役のジョセフ・アヴィエルさんは筋骨隆々のムキムキボディなのに、とうとう一度もその肉体を披露されませんでした。せっかくのキャスティングなのに何故?[インターネット(字幕)] 3点(2023-08-14 00:03:56)《改行有》

180.  グリーンランド -地球最後の2日間- 《ネタバレ》 問題を抱えた夫婦。愛くるしく賢く、しかし病弱な一人息子。突如襲い来る天変地異。必死に生き延びようとする家族に次々と襲い来る試練。そんな中、深まる家族愛。そして奇跡的に窮地を脱しハッピーエンドへ。デザスター作品の王道を行くような流れですね。 とは言え、一部の特権階級が生き延びようとし一般市民は置き去りにされる中、数々の苦難を奇跡的に乗り越え尊い犠牲を払いながらも主人公たちが生き延びる、みたいな単純に主人公ありき、何でもありの展開ではなく、本人が意図することなく政府に選抜された、いわば選ばれし人々である主人公家族が、思いもよらずふるい落とされ、それでも諦めず這い上がり生き延びるという展開に、地味ながら若干の目新しさを感じました。 ただし、基本はやはり王道の流れ。ハッピーエンドに持って行くには当然ですね。主人公は多少痛い目に遭おうと死んじゃあいけません。最悪でも妻子だけは助からなきゃ。こんな大災害を現実的に描き切ったら人類絶滅、地球壊滅、主人公家族どころか誰一人生き残れません。それじゃあエンタメ作品にはならないわけで、悲観的になるばかりで面白くも何ともないです。だから、これで良いのです。 敢えて不満を言わせていただければ、ラストシーンは不要な気がします。たった9ヶ月で太陽の恵みが大地に降り注ぎ、生き残った鳥たちが空で囀る?そりゃやり過ぎでしょう。だいたいからして、本当の苦難はこれから。復興には何世紀もかかるでしょうし、結局は復興ならず次の数ヶ月で人類絶滅、の可能性の方が大きいかも知れない。シェルターの扉が閉まり、地響きと轟音の中で場面が暗転し、静かなBGMを背景にエンドロールが流れる。後はご想像にお任せします。そんな終わり方の方が良かったような気がしてなりません。 全体的には見応え十分な作品だとは思いますが、ラストシーンで1点マイナスです。[インターネット(字幕)] 6点(2023-08-09 23:19:58)《改行有》

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