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プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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161.  ビーチ・バム まじめに不真面目 《ネタバレ》 かつて一冊だけ出した詩集が大成功を収め、天才の名をほしいままにした詩人ムーンドッグ。だが、それ以降は酒とドラッグと女に溺れ、新著も出せぬまま無駄に時間だけが過ぎていった。それでも本人は来る日も来る日もパーティー三昧、毎日酒浸りで娼婦たちと面白おかしく暮らし、生活費は資産家の妻に頼りっぱなしという自由気儘な日々を過ごしている。そんなある日、妻が交通事故であっさりと帰らぬ人になるのだった。遺された遺産は、彼が新しく本を出さなければ相続させないという妻の遺言により、彼の手に渡ることはなかった。新作を書かなければ明日にも無一文になってしまう――。窮地に陥ったムーンドッグは、娘の助言もあり、ひとまずアルコール依存症のリハビリ施設に入ることを決意するのだったが……。フロリダののどかな港町を舞台に、社会のルールに捉われず自由に生きる放蕩の詩人の破天荒な日常をコミカルに描いたヒューマン・ドラマ。この作品の評価のポイントとなるのは、主人公であるこの詩人を「社会の既成概念や倫理観に縛られることなく自由に生きることを選んだ反骨の詩人」と捉えるか、それとも「全ての社会的責任から逃げた、どうしようもない社会不適格者」と捉えるかで大きく変わってくるのでしょうね。残念ながら自分は後者でした。もうとにかくこのマシュー・マコノヒー演じる主人公が、身近にいたら絶対関わりたくない人間ナンバー1で、観ていて不快感しか湧いてきません。仕事もせずに朝から晩まで酒浸り、フロリダの港をふらふらと歩き回って、気が向くととにかく女とやりまくり、肝心の生活費は妻に頼りっ切りで結婚を控えた娘のことなど自分には関係ないとばかりに麻薬にふける。これで太宰治のように文学史に残る傑作を書いていれば受け入れられるのですが、こいつ、新作を書く気なんてさらさらなし。いまだ過去の栄光にすがるだけというこの主人公に過剰移入なんて一切できませんって!それにリハビリ施設から逃げ出した後にやってることは、もはや明らかな犯罪です。警察、早く捕まえろっつーの!悲愴感を一切出さず、ほのぼのとした雰囲気を最後まで貫き通したのは新しいといえば新しいですけど、自分はそういったわけでさっぱり楽しめませんでした。編集の仕方や音楽の使い方などにはそこそこセンスを感じたし、マシュー・マコノヒーの肩の力が抜けた演技などは観ていて心地良い部分もあったので、5点。[DVD(字幕)] 5点(2022-08-12 03:42:07)

162.  RUN/ラン 《ネタバレ》 生まれつき病弱で車椅子が手放せない女子高生、クロエ。毎日様々な種類の薬を服用し、たびたび喘息の発作にも悩まされる彼女は、周りの介助がなければ生活することもままならなかった。そんな彼女を献身的に支えるのは、これまで女手一つで育ててきた母親、ダイアン。クロエは、過剰なまでの愛情で自分を支えるそんな母とずっと郊外の一軒家で暮らしてきた。ところが、大学進学を機に一人暮らしを始めたいというクロエの言葉を境に母親の態度が徐々に変化し始める。次第に不信感を募らせたクロエは、母親の目を盗んで毎日飲まされる薬の正体を探り始めるのだった。そのうちの一つである緑色のカプセル、それはなんと犬用の筋弛緩剤だった――。「お母さんは私をどうしようというの?」。底知れぬ恐怖を感じたクロエは、たった一人で母親の手から逃れようとするのだが……。自らを徹底的に管理しようとする母親とその手を逃れ自由を求めてもがく娘の葛藤を終始不穏に描いたサスペンス・スリラー。とにかく脚本に捻りがなさすぎ!こんな単純で時間も90分に満たない短い作品なのに、途中の引き伸ばし感が半端なく最後まで観るのがかなり苦痛でした。舞台もほぼこの一軒家の中だけ、登場人物もほぼこの親子だけというこの設定で90分持たそうと思うとだいぶ高度な演出力が必要になると思うのですが、正直そんなもの皆無。ひたすら地味で凡庸な展開と地味で凡庸な映像と地味で凡庸なキャラクターのてんこ盛り。脚本にも突っ込みどころ満載です。途中、捕まえた娘を母親が家に監禁するのですが、わざわざそこに娘の出生の秘密が書かれた新聞の切り抜きを保管してるというバカっぷり。いや、何のために自分が不利になるだけのそんなもん残しとくねん!後味が悪いだけでさして面白くもない最後のオチに至ってはもはや怒りすら湧いてきちゃいました。監督は、パソコンのモニター上の映像だけで最後まで展開する『search/サーチ』を撮ったアニーシュ・チャガンティ。前作で見せた、あの技ありなアイデアと練られた脚本の力はいったいどこへいったのでしょう。正直、観るだけ時間の無駄の凡作としか僕には思えませんでした。[DVD(字幕)] 3点(2022-08-12 03:03:41)

163.  ベイビーティース 《ネタバレ》 難病を患い過酷な闘病生活を送る16歳の少女と孤独な不良少年の青春の日々を瑞々しく描いたラブストーリー。監督が、長編デビュー作となる本作で幾つもの賞を受賞したということで今回鑑賞してみました。とにかくこの監督のセンスの良さに尽きると思います。ほとんど音楽も使わず映像も終始ブレブレな手持ち撮影、そして登場人物もごく限られているのに最後まで観客の心を捉えて離さないこの品の良いセンスは大変グッド。それぞれのエピソードを小さな章のように見せる演出や等身大の登場人物たちが織りなす繊細な心理描写もなかなかに素晴らしい。ただ、本作の評価の分かれ目となりそうなのが、この余りにもベタすぎる脚本でしょう。これまで何百本と撮られてきた難病ものラブストーリーをなぞっただけで、正直、捻りがなさすぎる。最後もお涙頂戴の悲恋で終わってしまいます。抜群にセンスの良い映像だとか、抒情性溢れる語り口など、この監督の才能は確かだと思うので次作に期待ってところですね。[DVD(字幕)] 6点(2022-08-11 02:11:57)

164.  クライシス(2021) 《ネタバレ》 近年アメリカで社会問題となっている、極めて依存性の強い鎮痛剤オピオイドをテーマにした社会派サスペンス。ゲイリー・オールドマンとアーミー・ハマー共演ということで今回鑑賞してみました。物語は、製薬会社からの依頼で臨床試験に臨みつつも新薬の致命的な欠陥を見つけてしまう大学教授と麻薬組織の壊滅を目論む囮捜査官、そして薬によって大切な一人息子を失くしてしまった母親を相互に描いてゆきます。つまりは、群像劇。利益優先の製薬会社から事実を隠蔽するように求められた大学教授の葛藤や、麻薬組織に潜り込んだ捜査官のいつばれるか分からない緊迫感などはそれぞれよく描けていたと思います。ただ、この三つの物語が有機的に絡み合っておらず、最後まで何ともちぐはぐな印象になってしまうのが本作の弱点。麻薬捜査官と息子を失くした母親の物語は一応最後の方でリンクしますが、大学教授の話は最後まで残りの二つと完全に切り離されています。それに大学教授のエピソード以外は、オピオイド関係ないような気がするんですけど……。きっと元はこのインサイダー告発者となる大学教授のお話だけがあって、でもそれだけじゃ地味だということで後になってこの二つのエピソードを足したんでしょうね。それならそれでもっと脚本を練るべきだったのでは。群像劇としても社会派サスペンスとしても何とも中途半端なお話でございました。[DVD(字幕)] 5点(2022-08-09 04:59:06)

165.  THE INFORMER 三秒間の死角 《ネタバレ》 自由と引き換えにFBIの潜入捜査官となった元犯罪者の男が、様々な組織の思惑と陰謀により再び刑務所へと舞い戻ってしまうというお話。全編を覆うひりひりするような緊張感はなかなかのものだったし、ロザムンド・パイクやクライヴ・オーウェンといったベテラン勢の熱演は見応えありました。特に、犯罪組織とFBI双方に嵌められ、刑務所で孤立無援となってしまう主人公の焦燥感は息が詰まるほど。ただ、それに対して脚本がいまいち。話が無駄にややこしいうえに、後半になるにつれどんどんとサスペンスが盛り下がってゆくというのが映画として致命的。主人公が最後にどうしてそんな行動を取ったかもよく分かんないし、なぜ、最後の最後でクライヴ・オーウェンが捕まったのかも意味不明。ストーリーの見せ方をもっと考えてほしかった。残念![DVD(字幕)] 4点(2022-08-09 04:55:21)(良:1票)

166.  ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 《ネタバレ》 悪をもって悪を征す!あの死をも恐れぬ〝超極悪部隊〟が帰って来た!様々なヒーローたちによって刑務所にぶち込まれた、イカレ頭の極悪人たちを寄せ集めて作られた、その名も「決死部隊(スーサイド・スクワッド)」。今回彼らが送り込まれたのは、政情不安に揺れる南米の小さな島国。ここで良からぬことを企んでいる反米政権の野望を阻止せよというのが今回の任務だ。娘のために依頼を引き受けた武器のプロフェッショナル、ブラッドスポート。正義のためなら殺人も辞さない孤高のヒーロー、ピースメイカー。凶悪な人喰いサメ人間であるキングシャーク、ナナウエ。世界中のネズミを自由に操ることが出来るラットマスター、クレオ。全身から七色の水玉を発射できるポルカドットマン、アブナー。そして、次に何をするか全く予想が出来ない危険なギャルビッチ、ハーレイ・クイン。数々の困難を乗り越え、島の中枢へと辿り着いた彼らは、あるマッドサイエンティストの危険な研究に巻き込まれてゆく……。映画としてはポンコツだったものの、ハーレイクインという凄まじくキャラ立ちしたクソビッチ(失礼!)なアンチヒロインを生み出したエンタメ映画の続編。さして期待はしていなかったのですが、世間の評判がすこぶる良かったので今回鑑賞。うん、前評判通りめちゃくちゃ面白かったです!!全くもって華のないメンバーが登場する冒頭、「大丈夫かいな…」という不安も束の間、あっさり彼らが全滅するシーンから掴みはバッチリ。特に手足を取り外せるだけが能力のTDKと変なイタチ男が泳げなくて死ぬところはもう爆笑。そこから本家の主人公が登場してからは怒涛の展開。最後まで息つく暇もないほど楽しませてもらいました~。特に槍を持ったハーレイクインが花びらを巻き散らしながら男どもを薙ぎ倒してゆくところは、最近観た映画の中でも屈指の名シーン。『キックアス』のヒットガールに匹敵するほどで、もうこのシーンだけでご飯何杯でもいけます。そんな彼女に他のキャラが負けているかと言えば全くそんなこともなく、誰もが如何なく自らのキャラを発揮させているのも見事!特に出オチかと思われたキングシャークが、最後まで見ると一番かわいく思えてくるから不思議です。ネズミ女も何気に可愛いし、一番地味な水玉男もその妄想世界で楽しませてくれます(オカンいっぱい!笑)。監督は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を撮ったジェームズ・ガン。なるほど、この全てのキャラクターへの並々ならぬ拘りは、この監督の特性だったのですね。最後、それぞれの能力を駆使したヒトデ怪獣との闘いは最高にテンション上がっちゃいました。むちゃくちゃやっているように見えて、実は細部まで緻密に計算された演出も素晴らしいとしか言いようがない。うん、もう一度言いますが、サイコーに面白かったです。ホント、あのポンコツな前作はなんだったんだ(笑)。[DVD(字幕)] 9点(2022-08-01 07:44:53)(良:2票)

167.  レミニセンス 《ネタバレ》 地球温暖化の影響により、陸地の大半が水没してしまった未来社会。繁華街に事務所を構えるニックは、人の記憶を再現できるという特殊な機材を駆使し、様々な依頼をこなす記憶潜入のプロフェッショナルだ。今回彼が引き受けたのは、場末の酒場で歌手として働く謎めいた女性メイから失くした鍵を捜してほしいというもの。簡単に終わるようなありふれた依頼。だが、彼女の謎めいた魅力にすっかり魅せられたニックは、依頼が解決した後もメイが働く酒場へと足を運んでしまう。次第に惹かれ合い、やがて一線を越えてしまう2人。ニックは、彼女とともに生きていこうと決意するのだった――。そんなある日、検察から瀕死の重傷を負った麻薬組織の幹部の記憶に潜入して欲しいという依頼が舞い込む。そして、その記憶の中でニックはメイがその幹部と深い関りがあることを知ってしまうのだった。その日を境にメイは彼の前から姿を消してしまう。果たして彼女は何者なのか?人の記憶に潜入することが出来る記憶探偵が失われた女性を巡り、深い陰謀に巻き込まれてゆく姿を濃厚に描いたSFサスペンス。制作に名を連ねているのが名匠クリストファー・ノーランの弟、ジョナサン・ノーランということもあり、同ジャンルの名作『インセプション』を髣髴とさせる内容なのかなと今回鑑賞してみました。うん、天才の弟ってだけで才能が必ずしも同等というわけじゃない典型的な例でしたね、これ。正直、さっぱり面白くありません。細部の詰めが甘いせいで全く頭に入ってこないストーリー、水没都市や記憶潜入という魅力的なアイテムを一切活かしきれていない設定、後味が悪いだけで驚きも感動も何もないオチ……。面白くない映画の要素がことごとく揃ってます。まあダークな世界観はそこそこ作り込まれていたし、映像もそれなりにキレイだったですけど、それだけです。率直に言って、『インセプション』から面白い部分を全て抜き取った、搾りかすのような映画でありました。[DVD(字幕)] 4点(2022-08-01 06:20:18)

168.  プラットフォーム 《ネタバレ》 ここは何処までも限りなくそそり立つビルの48階層。何処にも出口のないその小さな部屋の中央には、食卓がすっぽり入りそうな大きな穴があいている。その穴から上を見上げれば、ここと同じような部屋が何処までも続き、下を見れば同じような部屋が何処までも続いている。そして各階層には、男女も年齢もバラバラな二人の人間。彼らは皆、その“とき”を心待ちにしていた。一日に一度、豪華な食事が並んだ食卓が上の階層から順に下へ下へと降りてくるのだ。当然、下の階層になればなるほど、食卓は食べ残しばかりとなり、100層を越えた辺りになればそこに食事が残っていることはほとんどなかった――。48階層で目覚めたゴレンは、同居人のトリマガシと名乗る怪しい中年男とともにここで暮らし始める。一か月ごとにそれぞれ住む階層が変わるというこの施設。上の階層の食べ残しをいただきながら、ゴレンはやがてここへ来て一か月が過ぎようとしていることを知るのだった。そしてある日、彼とトリマガシは違和感を抱きながら目を覚ます。気が付くと、彼らはなんと171階層に移動させられていたのだ。もはやここまで来ると食べ残しはほとんど残っていない。飢えと不安感から二人はやがて、底知れぬ狂気へと囚われ始めるのだった……。理屈では到底説明できない不条理な事態に陥ってしまった人々の極限状況を禍々しく描き出すシチュエーション・スリラー。まあ同分野の名作『キューブ』がヒットして以来、散々作られてきたアイデア一発勝負の低予算スリラーなんですけど、目の付け所が良かったのか、けっこう面白かったですね、これ。上の階層からの食べ残しをひたすら待ち続けるというこの設定だけで90分持たせたのは凄い。最初は豪華で美味しそうだったであろう食事が、どの階層でも全く美味しそうに見えない、そればかりかほぼ残飯と変わらないと言う描写が悪趣味すぎて大変グッド(笑)。下の階層の人々が極限の飢餓状態からカニバリズムに走るというのもベタながらアリ。また、死んだ同居人たちが主人公の幻覚として現れるシーンもけっこうセンスを感じました。ただ、本作の惜しい点は、肝心のメタファーが分かりやすすぎるところ。先進国と発展途上国、そして最貧国のそれぞれの経済格差からくる搾取構造を描いてるんでしょうけど、それが単純すぎて自分は物足りないものを感じてしまいました。いつだって犠牲になるのは弱い立場にいる子供たちだ、先進国はこの現実から目を逸らすなという最後のメッセージは、余りに説教臭くて好きじゃないです。とは言え、映像的には抜群にセンスが良く、アイデア一発勝負ながらストーリーの見せ方も巧く、映画としての完成度は普通に高い。この監督の次作に期待![DVD(字幕)] 7点(2022-07-30 03:31:10)(良:2票)

169.  インヘリタンス 《ネタバレ》 長女は将来有望な地方検事として頭角を現し、長男は新進気鋭の政治家として世間の注目を集め、そして自身は政財界に多大な影響力を持つ銀行家として名声を欲しいままにした資産家アーチャー・モンロー。彼がある日突然、心臓発作で死亡する。葬儀や遺産相続、マスコミへの対応に追われる長女ローレンは、長年父の元で働いていた弁護士からとある秘密の遺産を受け取ることに。それは、「真実は掘り起こすな」というメッセージとともに遺された一本の鍵。広大な屋敷の裏庭にある誰もその存在を知らない地下室の鍵だと知ったローレンは、不安を感じながらもその地下室へと足を踏み入れる。そこにいたのは、鎖に繋がれた謎の男だった――。「俺はお前の親父に30年もの間、この地下室に閉じ込められていたんだ!」と、にわかには信じがたい話を語り始める男。彼が名乗ったモーガンという名前を頼りに父の過去を調べ始めたローレンはやがて、驚愕の真実を知るのだった……。大富豪の父が遺したそんな負の遺産を巡り、窮地へとの追い込まれるエリート女性を描いたサスペンス・スリラー。個性派俳優サイモン・ペッグと人気若手女優リリー・コリンズ共演ということで今回鑑賞。まあ荒唐無稽で突っ込みどころ満載の設定なのですが、不穏で重苦しいこの雰囲気は嫌いじゃなく、自分はそこそこ楽しんで観ることが出来ました。何より怪演と言ってもいいサイモン・ペッグの存在感!この人の尋常ならざる佇まいがこの荒唐無稽なお話をピリリと引き締めている。誰も知らない古い地下室の中で繰り広げられるこの二人の不穏な会話劇は見応え充分でした。まあ同分野の名作『羊たちの沈黙』にだいぶ引っ張られている感は否めないですけど。それまでの薄汚れた身なりから男が小ぎれいになってゆくにつれ、次第に二人の立場が逆転してゆくというのもベタながらアリ。ただ、最後に明かされる事の真相はかなり無理やりですんごく強引。「いやいや普通に殺しときゃ良かったやん」とか「30年も生きたまま監禁し続けるってコスパ悪すぎ」とか「しかもそれを何で娘に託すねん!」という数々の疑問を最後に吹っ飛ばすオチが、実は男は主人公の〇〇でしたというのは……。うん、さすがに突っ込みどころが満載過ぎます(笑)。まあそこらへんを大らかな目で見てあげれば、この重苦しい雰囲気や最後の二転三転するストーリーなどはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-13 06:00:34)

170.  カムバック・トゥ・ハリウッド!! 《ネタバレ》 低俗で低予算の主にB級ばかりを制作する小さな映画会社、ミラクル映画社を経営するマックス。オスカーに絡むような話題作や全国公開されるような大作映画とは無縁だが、得意のはったりだけを武器にプロデューサーとしてこれまで数々のB級映画を手掛けてきた。そんな彼だったが今、人生最大の危機に直面していた。最新作『尼さんは殺し屋』が、カトリック教会から「神を冒涜している」と猛烈な抗議を受けてしまったのだ。映画は大こけ、しかも製作費を借りた街のギャングからは35万ドルもの返済を迫られていた。窮地に陥ったマックスは思い悩んだ末、とある方法を思いつく。それは、新作映画の撮影中に主演俳優を事故死させ、保険会社から莫大な保険金をせしめようというものだった――。老人ホームを巡り、いつ死んでもおかしくないような落ちぶれた元ハリウッドスター、デュークを担ぎだしたマックスは早速意気揚々と撮影に挑む。作品は、ベタな西部劇。だが、撮影初日に暴れ馬から落ちてデュークに死んでもらおうという彼の計画は、しょっぱなから躓くことに。もはや人生を諦めたはずのデュークが、なんと久しぶりの撮影でその俳優魂に火がついてしまったのだ。その後も彼の計画はことごとく裏目に出て、撮影は順調に進んでしまう。このままでは自分の命が危ない。何とかしてデュークに死んでもらおうと躍起になるマックスだったが……。1970年代のハリウッドを舞台に、主演俳優を死亡させて保険金をせしめようという悪徳プロデューサーの悪戦苦闘をスラップスティックに描いたコメディ。ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、トミー・リー・ジョーンズというもはやハリウッドの生ける伝説が豪華共演ということで今回鑑賞。まあ観る前から八割方内容の予想がつくベッタベタなお話なのですが、この三人のレジェンドが画面にそろうと不思議と観ていられるんですから大したものです。この三人が本当にのびのびと楽しそうに演じているのを見られるだけで、もはや眼福。まあ、内容がかなりゆるゆるでネタのほとんどが余りにもベタすぎてほぼ笑えないというのもそれで許せるかな?とは言え、さすがに最後、ギャングのボスが乗り込んできてからのオチのつけ方は余りにテキトー過ぎてもはや苦笑しちゃいましたけど(笑)。ま、そんな感じです、はい。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-12 05:30:50)

171.  聖なる犯罪者 《ネタバレ》 様々な犯罪に手を染め、少年院へと投獄された青年ダニエル。そこは更生とは名ばかりの理不尽な暴力が支配する無法地帯だった。そんな過酷な獄中生活の中での唯一の慰めは、週に一度やってくる牧師の存在だけ。彼の説教に感銘を受けたダニエルはいつしか神の教えに目覚め、出所後はその道に進みたいと決意するのだった。だが、当然前科のある人間は聖職に就くことは出来ない。煩悶を抱えながらも少年院を出所したダニエル。偶然立ち寄った田舎町で彼は、たまたま視察に来る予定の司祭と勘違いされ、そのまま日曜礼拝に参加することに。そしてアルコール依存症に苦しむ町の司祭に頼まれ、彼はしばらく代理としてミサを執り行うことになってしまう。信者たちを前に神の教えを説くうちにダニエルは高揚し生きる実感を得てゆくのだった――。そんなある日、飲酒運転で町の若者6人を巻き添えに事故死した男がまだ葬儀も埋葬も行われていないと知ったダニエルは、社会の分断を取り除くために奔走する。それぞれの心の葛藤に寄り添った彼の言葉は、喪失感に苦しむ事故の遺族たちからも賛同を得てゆくのだった。そんな折、同じく少年院を出所した彼の過去を知るチンピラが現れ……。実話を元に、身分を偽り聖職者として人々の信頼を勝ち取っていった男の運命を描いたヒューマンドラマ。アカデミー外国語映画賞ノミネートということで今回鑑賞。確かに全編に横溢する異様な熱量には圧倒されるものがあります。神の教えに目覚めた元犯罪者がどんどんと村人たちを魅了し洗脳してゆく過程は、新興宗教誕生の瞬間に立ち会った感さえある。それらしい言葉とカリスマ性のみで、身元不詳の怪しげな男に村人たちがここまで翻弄されてしまうのかと思うと空恐ろしい。宗教とは人を救い社会を安定させる側面を持つ一方、指導者次第では危険な道へと突き進む場合もあることを改めて実感させられました。彼の過去を知る少年院仲間や本物の司祭が現れてからは、この先どうなるのかと目が離せません。ただ残念だったのは、後半息切れしたのか、ラストがかなり尻切れトンボに終わってしまったような印象が拭えない点。これら興味深いテーマが最後まで一つに収斂されることなく、何とも散漫なまま終わってしまいました。事実を元にしたとは言え、もう少し脚本を練るべきだったのでは。題材は良かっただけに、何とも惜しい。[DVD(字幕)] 5点(2022-07-01 08:10:21)

172.  約束の宇宙(そら) 《ネタバレ》 完璧な宇宙飛行士なんて存在しない、完璧な母親が存在しないように――。子供の頃からの夢を叶え憧れの宇宙飛行士となった、シングルマザーのサラ。物理学者の夫とは離婚してしまったものの関係は良好、7歳になったばかりの娘ステラと満たされた日々を過ごしている。そんなある日、彼女は「プロキシマ」という火星着陸を目指す一大ミッションのクルーへと選抜されるのだった。宇宙飛行士としての最高の栄誉に喜びを隠せないサラ。だが、そのためにはステラと長い間離れて暮らさなければならない。当然、前人未到のそんな挑戦が確実に成功する保証もなく、下手をすればもう二度と娘に会うことが出来なくなるかもしれない。そんな様々な葛藤を抱えながらも過酷な訓練に励むサラだったが……。幼い娘を持つ女性宇宙飛行士が憧れの宇宙を目指して努力を重ねる日々を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。そんな男ばかりが幅を利かす職場で、あくまで一人の人間として日々訓練に励む主人公には、ベテラン女優エヴァ・グリーン。最後まで静かに淡々と進むお話なのですが、彼女のナチュラルな演技が素晴らしくなかなか惹き込まれて観ることが出来ました。自らの娘への愛情と宇宙に行く夢という相反する感情に思い悩みながら、それでも黙々と訓練に励む彼女には思わずエールを送りたくなりますね。男社会の無言の圧力に押しつぶされそうになる女性たちというフェミニズムな視点もさりげなくて良い。エンドロールで表示される歴代女性宇宙飛行士たちの写真は、社会的な制約を前にそれでも夢を諦めなかった女性たちへの賛辞が感じられ、心地良い余韻を残してくれます。ただ、最後の展開は賛否が分かれるところ。宇宙へ向かうためにずっと無菌室で過ごしていた彼女が、娘とロケットを見る約束を果たすため施設を抜け出すというのはプロとして失格なのでは?ここまでずっとストイックに頑張って来た彼女の芯がぶれてしまったような感じがして僕はちょっと冷めてしまいました。ここは最後までプロに徹してほしかったし、そんな行動に出てしまった彼女に何らかのペナルティがあっても良かったのでは。と、最後がちょっと残念でしたが、それでも静謐な雰囲気が美しい佳品に仕上がっていたと思います。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-01 07:22:09)

173.  トムとジェリー 《ネタバレ》 トムとジェリーは子供の頃に何度も見てましたが、あれって10分程度の長さだから普通に楽しかったんだろうなと本作を観て思いました。さすがにこの内容で90分超えは厳しい!トムとジェリーのドタバタとさして面白くもないクロエ・グレース・モレッツのドラマパートがひたすら交互に繰り返されるので、全体的になんかちぐはぐな印象。2Dのアニメと実写もそんなにうまく融合しているとも思えず……。率直に言って、さっぱり面白くなかったです。[DVD(字幕)] 4点(2022-06-28 01:39:49)

174.  クワイエット・プレイス 破られた沈黙 《ネタバレ》 音を出したらすぐ即死!!という極限の恐怖を描いたモンスターパニック第二弾。完全なる出オチ映画だった前作は、設定こそ荒唐無稽で突っ込みどころ満載だったけれど、勢いと見せ方でそこそこ面白かった記憶があります。対して続編となる本作はどうなんでしょうね。アクション、映像、脚本、どれもが前作よりパワーダウンしているような印象を拭えませんでした。もっとラスボス的なやつを登場させるとか、人類が反転攻勢に出られる画期的な武器を手に入れるだとか、そういった新しい要素が欲しかったところ。これじゃ前作の二番煎じにすぎませんやん。ま、前作同様、絶対に音を出せない緊張感というのは充分伝わったし、モンスターのCGとかはそこそこ迫力があってそこらへんは良かったと思います。[DVD(字幕)] 5点(2022-06-24 03:45:55)

175.  ANNA/アナ(2019) 《ネタバレ》 常に死と隣り合わせの危険な任務を颯爽とこなす凄腕女スパイの活躍を、スピード感あふれる展開で見せるエンタメ・アクション。監督は、この手のジャンルを得意とするリュック・ベッソン。まあ面白いっちゃ面白いですけど、良くも悪くも薄味作品でしたね、これ。時間軸を行ったり来たりする脚本も手堅く纏められていて、終始キレのいいアクションシーンも見応えありますし、主役をはじめとする役者陣もみな華があって、最後までそこそこ楽しんで観ることは出来ました。でも……、心に残るものはほぼありません(笑)。そういうもんだと割り切って観るのが正解なんでしょうけど、自分はもう少し内容のある方が好みかも。暇つぶしで観る分には全然オッケーなんですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2022-06-24 03:32:42)

176.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 彼の名は、Mr.ノーバディ(誰でもない男)。毎日同じ時間に起きて同じ時間にゴミを出し、同じ時間にバスに乗って会社に行き、そして仕事を終えると同じ時間に帰宅してご飯を食べ、同じ時間にベッドに入る。そんな単調で平凡な毎日を過ごす、何処にでもいるような普通の男だ。妻との関係もマンネリ気味で長いこと夜の営みもなく、高校生の一人息子からも疎んじられている。そんな鬱屈した毎日を過ごしていたある日、彼の家に強盗が入る。ゴルフクラブで犯人を倒す機会があったのに、彼は反撃を恐れその場で立ち尽くすのみだった。さすがに息子からも失望のまなざしを向けられる彼。だが、そのことが彼の中に眠っていた過去を目覚めさせるのだった――。そう、彼はアメリカ諜報機関の元凄腕工作員だったのだ!!すぐに強盗の住処を割り出した彼はすぐさま反撃に向かう。そればかりか、彼は偶然バスに乗り合わせたロシアンマフィアのボスの息子を半殺しの目に遭わせるのだった。当然、そのことを知ったマフィアのボスが黙っていない。ぶちギレした平凡な親父と凶悪なマフィアとの血で血を洗う抗争の火蓋が今、切って落とされる……。ごく普通の平凡な中年男のそんな怒りの暴走を終始ハイテンションで描いたエンタメ・アクション。と、もう潔いくらいベッタベタな内容なのですが、その分安定して観てられますね。家族から舐められまくりのお父さんも実はキレたら怖いんだぞ!という世の中年オヤジの皆様の願望をものの見事に叶えてくれる内容でございました。本作のちょっと新しい点は、そんな覚醒したぶちギレ親父が完全無双ってわけではなく、マフィアからけっこう反撃を喰らうところ。バスの中のアクションシーンなんかだいぶボコボコにされた後に、ぎりぎりで勝利するとか今までにない感じでした。クライマックスの畳み掛けるようなアクションシーンもけっこうキレがあって大変グッド。ただ、それに対して脚本がイマイチ。ちょっとこの主人公が行き当たりばったり過ぎて僕はそこまで嵌まれませんでした。肝心のロシアンマフィアとのいざこざに巻き込まれるきっかけが、偶然乗り合わせたボスの息子とトラブったからというのは弱い。やぱ過去の因縁やら現役時代のアレコレが絡んできた方が絶対盛り上がると思うんですけどね。ここらへん、もっと頑張ってほしかったです。あと、冒頭の取り調べのシーンで出てきた猫も何処で登場するんだろうと思ったら、まさかの一番最後にちょこっと出てくるだけって、「ここまで引っ張っといてそれかよ!」と思わずずっこけそうになっちゃいました。うーん、アクションシーンとかは普通に良かっただけに、ストーリーの方でももっとカタルシスが欲しかったです。惜しい![DVD(字幕)] 5点(2022-06-22 08:48:29)

177.  ダニエル 《ネタバレ》 精神的に不安定で何かというとヒステリーを繰り返す母親に育てられた少年、ルーク。両親の離婚をきっかけに彼は、「ダニエル」という名の想像上の友達を作り出す。閉塞感に満ちた現実から逃れるかのように、ルークはダニエルとの2人切りの世界へのめり込むのだった。そんなある日、ルークはダニエルに言われるまま母親に危険な薬を飲ませてしまう。激しい腹痛を味わった母親により、彼は「ダニエル」をドールハウスの中へと閉じ込め二度と会わないように誓わされるのだった――。時は流れ、ルークは無事に大学生へと成長していた。だが、母親の情緒不安定はますます悪化し、次第に自傷行為を繰り返すようになっていた。度重なるストレスに耐えられなくなったルークは、実家の自分の部屋から懐かしいものを引っ張り出してくる。それは、かつて想像上の友達を閉じ込めたドールハウスの鍵。激しい孤独感から、彼は思わずその鍵を使ってしまう。すると、自分と同じく成長しもはや青年となった「ダニエル」が久しぶりにその姿を現すのだった。子供の頃と変わらない彼の魅力あふれる言動にルークの心は次第に癒されてゆく。そればかりか何もかもを見透かしたようなダニエルの助言によって、彼の生活はどんどんと好転してゆくことに。だが、ルークはまだ知らない。ダニエルが子供の頃と変わらず危険な存在であることを……。想像上の友達である青年によって人生を翻弄されるある大学生を幻想的に描いたサイコ・サスペンス。ティム・ロビンスとアーノルド・シュワルツェネッガーというハリウッドの2大スターの〝息子たち〟が初共演という、完全にミーハーな宣伝文句に乗っかって今回鑑賞。確かに二人の息子くんたちは、親御さんによく似てらっしゃいます。特にアーノルドさんの息子は斜に構えた顔がそっくり!まあ演技が徹頭徹尾ダイコンなトコもおんなじでしたけど(笑)。ティムさんの二世君はなかなか頑張ってましたけどね。肝心の内容の方ですが、率直に言ってビックリするくらい凡庸。だらだらだらだらキレの悪い演出にセンスの欠片もない映像、容易に先の読める脚本に到底納得できないオカルト全振りのオチ…。つまんない映画の全ての要素が詰まっております。主人公の顔がぐちゃぐちゃになるシーンなんて、粘土で作ったようなチープさで思わず失笑しちゃいました。まあ、そんな感じです、はい。[DVD(字幕)] 4点(2022-06-20 23:30:19)

178.  ジェントルメン(2019) 《ネタバレ》 引退を決意した麻薬王の資産を狙って、それぞれに蠢き始めた暗黒街の〝紳士たち〟を終始軽快に描いたクライム・サスペンス。マシュー・マコノヒーやコリン・ファレル、それに懐かしのヒュー・グラントなど豪華な面々がそんな個性豊かなワルたちをのびのびと演じております。監督は、この手のジャンルを得意とするガイ・リッチー。と言う訳で今回期待して鑑賞してみました。うーん、期待が高すぎたのか、なんかイマイチな出来でしたね、これ。とにかくテンポが悪い!探偵と麻薬組織の幹部がボスの秘密をめぐってひたすら駆け引きを繰り返す会話劇が物語の縦軸となり、そこから過去の話が回想形式で再現されるという本作の構造。これがうまく機能してないんじゃないかな。この先面白くなりそう!ってところでいちいち現在のシーンに戻るので、なんか集中力が途切れちゃうんですよね。演技派でならしたマシュー・マコノヒーだけにタメの演技を多用しているのもテンポの悪さに拍車をかけているような?お話自体はそこそこ面白かっただけに、もう少し見せ方を頑張ってほしかったです。うーん、次作に期待![DVD(字幕)] 5点(2022-06-17 02:48:01)

179.  アリス&ピーター・パン はじまりの物語 《ネタバレ》 誰もが知る児童文学の名作『不思議の国のアリス』と『ピーターパン』がもし兄妹だったら?という驚きの発想でもって描かれたファンタジー・アドベンチャー。率直に言ってさっぱり面白くなかったんですけど、それ以上に観終わった後、心にモヤモヤとしたものが残る何ともすっきりしない作品でしたね、これ。例えば、これまで白人の子供が演じるのが普通だったアリスとピーターパンを今作では黒人の子供たちが演じております。それはそれで別に何の問題もないし黒人の子供たちがアリスとピーターパンを演じても全然オッケーだと思うんですけど、そこには一言なにがしかの説明がないと物語にうまく入り込めませんって!あと、子供たちの母親役を白人であるアンジェリーナ・ジョリーが演じてるんですけど、これも凄く違和感ありあり。父親は普通に黒人で子供たちも見た目はハーフっぽくないし、彼女は義理の母という設定なんですかね?ここら辺も全く説明がされてないので、すんごく気持ち悪い。何か一言「これはこういう理由なんですよ」というセリフがあるだけで普通に受け入れられるのに、それも敢えてのスルーなんですかね。あらゆる人種への配慮を重視した結果、こんな感じになりましたみたいな、行き過ぎたポリコレの末路のようなものを感じて僕はどうにも受け入れられませんでした。間違ってたらごめんなさい![DVD(字幕)] 3点(2022-06-14 02:09:09)

180.  パーム・スプリングス 《ネタバレ》 よくある話だろ、同じ日が永遠にループするって――。砂漠に囲まれたリゾート地パーム・スプリングスでひらかれる友人の結婚式。彼女とともに招待を受けたナイルズは、当日の朝、高級ホテルの一室で目を覚ます。ホテルの窓から見渡せる美しい風景や美味しいお酒を心ゆくまで堪能し、彼はひと時の非日常を楽しむのだった。披露宴ではただいま倦怠期真っただ中の彼女をほったらかし、偶然知り合った花嫁の姉サラと意気投合。そのままサラと会場を抜け出すと、誰もいない砂漠で良い感じになる。すると突然、ナイルズは謎の老人に襲われ、弓で肩を撃ち抜かれるのだった。だが、「あーあ、今度は弓か…」とさも当然のように矢を引き抜くと、ナイルズは近くにある洞窟で赤い光を放つ謎の石へと滑り落ちてゆく――。次の瞬間、何故かナイルズはまた結婚式当日の朝に目を覚ます。いつものように彼女と交わす会話、ホテルのプールでのんびりと飲むお酒、そして昨日と同じく始まる披露宴……。そう、彼は同じ日が何度もループするという謎の現象に見舞われ、もう何万回も同じ日を繰り返しているのだ。だが、今回のループはいつもと違う。急に怒り狂ったサラが彼に詰め寄って来たのだ。なんとサラも赤い光へと飛び込み、同じように無限ループの中へと囚われてしまったらしい。果たして二人の運命は?同じ日が永遠に繰り返されるという不条理な事態に囚われた男女を終始軽快に描いたタイムループ・ラブストーリー。何も期待せず、ただゴールデングローブ賞ノミネートということで今回鑑賞。これが意外や意外、監督のセンスが随所に光る小気味の良いエンタメに仕上がっていて、すんごく面白かったです。何よりストーリーの見せ方が抜群に巧い!このタイムループの複雑なルール設定を冒頭10分で自然に分かりやすく伝える監督の手際の良さには素直に脱帽。凡百の同ジャンルの作品がこのルール設定の詰めが甘いせいで後半グダグダになることが多い中、本作はここら辺がしっかりしているので最後まで飽きさせません。なかなか考え抜かれた良い脚本じゃないですかね、これ。それに主人公が嵌まり込む無限ループに他のキャラが途中参加してくるというのもけっこう斬新。ループに巻き込まれたことを恨んで何度も復讐に来る老人に殺されるシーンとか、その手法がどれもバラエティに富んでいるのも大変グッド。ここら辺、ループ物のツボをしっかり押さえていて、観ていて楽しい。そして最後、刺激はないけど安定した毎日か、何が起こるか分からないけれどそれでも未来に向けて進むのかという選択を迫られる主人公。何処か安部公房をも髣髴させる哲学的なテーマをさりげなく提示するその手腕の鮮やかさも見事。いや、この監督、もしかしたら将来大化けするかもです。[DVD(字幕)] 8点(2022-06-12 04:09:27)

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