みんなのシネマレビュー |
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161. オーケストラ! 《ネタバレ》 くそ!不意に泣かされた(笑)。ラスト15分にやられた。 映画としては決しておすすめできるものだとは感じなかった。テーマが分かりにくい。旧ソ連のお国事情なのか、ユダヤ人弾圧なのか、マエストロの主人公の人生奪還なのか、はたまた訳あって呼ばれたバイオリンソリストの出生の秘密なのか、オーケストラとはなんなのかなのか…。コメディと呼ぶには笑えない部分も多く、特に邦題がちょっと。ごく少数の本気の人間がいる中、オーケストラ団員のプライドの無さが延々続く内容でこの邦題は…。もともとの「コンサート」って題名の方がよっぽどよかったのでは。さて、もっとけなしてやる。30年の月日を経て一度もリハもしないで、演奏できるわけないだろ。なによりもマエストロのカリスマ性の無さ。というか病んでる。そんな人間にこの集団を本気でまとめ上げる力があるのだろうか。 さて、ほめます(笑)。そのマエストロ、アレクセイグシュコブがいい(笑)。強くものが言えないが、チャイコフスキーへの愛情を語る場面がいい。メラニーロランとのステージ上での2ショットがいい。何よりもラストシーンが120点なのがいい(笑)[DVD(吹替)] 7点(2015-06-03 13:26:38)《改行有》 162. アフタースクール 気分爽快、快眠保証のスカッと騙されムービー。サスペンス要素たっぷり。みんなで楽しんでほしい映画ランキングかなり上位じゃないのかな。あとラストが衝撃的な邦画ランキングでも上位に入ってくるのでは。 境雅人と佐々木蔵乃介、そして大泉洋のトリプル主演のような映画に謎の女性たちがからみます。 まー、騙されます。私1度目の鑑賞はテレビだったんですがこんな映画とは思わずに完全にしてやられました。つい前日2度目の鑑賞。今度は伏線探ししました(笑)。でも面白い。神野先生、どこからが騙しなんだよー!お前が探偵だ(笑) 。そういえば大泉、教員免許持ってたな。 内田けんじ監督グッド。 この映画観てから鍵泥棒のメソッドを観るのもよし。逆もまたよし! 我が北海道代表の大泉がこんなに尺をもらった映画を観たのが初めてで感動。なんだか二枚目要素も多くて^^。あのサイコロの旅を夢中になって観ていた頃の大泉の印象と違いすぎて、それも良くて…^^。音尾も出てる! エンディングの後も観てね! コメンタリーもおもしろすぎる![ビデオ(邦画)] 8点(2015-06-01 11:28:59)《改行有》 163. リプリー 《ネタバレ》 地下室の中、警察の車に青く照らされたトムの顔が印象的だった。 「太陽がいっぱい」と同じ原作ということだが、映画として「違いがいっぱい」(笑)私何うまいこと言おうとしているんだろう。 アランドロンの野性的成り上がり的サインをマネしまくり映画から、マットデイモンの見事な演技による〇〇セクシャル的犯罪映画に。原作もこんな感じだったんだろうなあ(笑) マットデイモンがまだマッチョマッチョする前なので幼く美しい。シュードロウもまだハゲの進行が進んでいなくめちゃかっこいい。グゥウィネスの美しさは言うまでもなく。そんな中フィリップシーモアホフマンのフレディが良かった。粗野で遊び人で無礼な感じが素晴らしい。顔つきも違う! もう一人。ジェームズレブホーン。「ゲーム」の仕掛け人だった方。厳格な父親役なんかもやるんだなーと!映画中それ結構考えてました(笑) 繊細でなめらかな犯罪を堪能していただければ。[DVD(吹替)] 6点(2015-06-01 09:46:52)《改行有》 164. サプライズ(2011) 《ネタバレ》 思ったより相当いいじゃん。スプラッターな殺し方以外は普通にサスペンスだよ。 まずまず良い理由を。 1、ストーリーがしっかりある。(不条理が少ない) 2、拳銃などのガン類が使用されない(ラストのあのシーンは別) 3、何度もかかるあの曲は恐怖効果あり 4、スプラッターに徹している 5、不必要なお色気カット 6、事件は不意にやってくる ま、お面はどうでもいいし、強すぎるヒロインにはめをつむって、真相のありきたり感を鑑みても… 思ったより相当いいじゃん![DVD(吹替)] 5点(2015-06-01 09:33:30)《改行有》 165. バニシング・ポイント(1971) 《ネタバレ》 もうとんでもない作品で。車が爆走するとんでもない映画で。あー、だからアメリカンニューシネマって侮れない。ロードムービーとしても、イージーライダーやテルマ&ルイーズなんかよりも説明不足だから全くの予想せずの脳天直撃ラストだからもうなんというか…。 1970型ダッジチャレンジャー。一生忘れない車になった。もう本当によくわからんすげーパワーの一作。[DVD(吹替)] 7点(2015-06-01 09:27:12)《改行有》 166. カエル少年失踪殺人事件 《ネタバレ》 まず二つ。 一つ目に、この映画はとても誠実に作られた見応えのある韓国サスペンスドラマである。 二つ目に、実際にあった未解決事件を元に非常によく料理してある映画である。 1991年3月。5人の少年が、カエルをとりにいくと言い残し自宅近くの山で失踪する。のべ30万人もの警察官が動員されたにもかかわらず少年たちの行方は不明。 ここに絡む男が3人。一人は捏造をいとも思わぬ野心家のTVディレクター。一人は地位も信頼もある大学教授。一人は粗野ながらも筋の通していく警察官。 そして絡まれるのは。被害少年の家族たちと、追うべき追いこむべき謎の犯人像。 未解決事件を扱った映画にはディスアドバンテージがある。犯人逮捕という手品でいうところの種明かしができないという点だ。これらの映画はそれぞれに工夫して映画として成立させるためのオチや見どころを作る。たとえばゾディアックや殺人の追憶など。 本映画もドラマ性やサスペンス性にあふれ、登場人物の心情を描き切る。ドキドキすらする。 韓国未解決事件三大映画の一つ。他の作品に劣らないパンチのきいた快作。[DVD(字幕)] 8点(2015-06-01 09:20:34)《改行有》 167. パッセンジャーズ 《ネタバレ》 死んでも恋ができるなんて、最高にすばらしいことではないか![DVD(吹替)] 5点(2015-06-01 09:09:13) 168. カラスの親指 《ネタバレ》 キャスティングに疑問。石原さとみの使い捨て具合がちょっと。村上ショージよりもずっと気になった。 冗長。ここまで尺はいらない。 謎解き伏線張りまくりの要素は嫌いではないが、その種明かしがすべてラストに「語り」で明かされるのはキツイ。もう少し回想シーンなんかをわかりやすくいれてくれても。まったくのノーマークでだらだら観ていたら、最初ラストの展開についていけなかった。金のことも大ガラスのことも。2度観できてよかった。これが映画館なら完全に消化不良を起こすところだった。DVDで良かった。 ハートウォーミングな素敵な物語であることは間違いないので、もっとテンポよくカッコよく私たちを騙してほしかった。もちろん、詐欺のシーンはあんな感じのつたないものでベリーグッド。それ以外の部分の精査よろしくです。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-01 09:03:04)(良:1票) 《改行有》 169. 桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 食い殺せ!かぁ。シミタヨ胸に(笑)。 さまざまな生徒の目を通して描きだされるのは「桐島」ではなく、あくまでそれぞれの生徒の視点からの格差あふれる高校生活や恋や部活動への熱い思い。やはり青春群像映画だなと。だからあのラストも違和感なく入ってきました。バンテージポイント的な断片をつむいで一つの事実を割り出す要素、たとえば桐島の人間を探るなんて要素はほぼ少ないのです。原作を元に曜日でそろえて高校生たちのそれぞれの青春を描くという方法は面白いと感じました。学校にものいくつもの階層があって、それぞれの階層の代表者が決して勝ち組負け組というものではなく、葛藤などを滲ませるのはいいなと。各エピソードは決してリンクしているものばかりでもなく、たとえるなら「呪怨」のような作りだなと。エピソードのバラバラ感が嫌いな人や構造が好きな人には物足りなく感じるのもうなずけるなと。でも悪い映画じゃない。十分に高校生活を思い出させてくれましたよ(笑)[DVD(邦画)] 8点(2015-06-01 08:53:11)《改行有》 170. コドモ警察 コドモがかわいかった![DVD(邦画)] 3点(2015-06-01 08:21:40) 171. 松ヶ根乱射事件 《ネタバレ》 田舎町での日常が少しずつずれていく。主人公も少しずつずれていく。で、町は全てをただただ受け入れていく。受け入れていくからまたずれる。 観客の読みも少しずつずれていく。そのずれをイヤガオウニモ受け入れざるを得ない。 私も受け入れざるを得なかった。やられたー。 絶妙の間の取り方。ずらしの天才だ。全場面が必要なんだな。ラストまでずらすとは。くそ。完全にやられた。誰もまともに演技しなくてもこの監督の元なら演者になれるのではと思うくらいの自然なずらしからのピーキング。瞬く間にエンドへ。 いいなあ、こんな映画でなら脱げるσ(^_^;)。 監督の山下敦弘さんは私にとって全くのノーマークだった。こんなにレンタルDVD屋さんに通ってるのに気づきもしなかった。せいぜいわかるのは、リンダリンダリンダの監督さんかーってくらい。全く知らなかったなんてとても恥ずかしい。これからこの監督の作品を観まくるんだろうなぁ。 誰が乱射するかすら予想できないずらし地獄。こんな映画を撮れる監督が他にいるのだろうか?似てる作品すら思い浮かばない。ファーゴ?ゆれる?アメリカンビューティー?違う![DVD(邦画)] 8点(2015-05-29 17:23:00)(良:1票) 《改行有》 172. 凶悪 《ネタバレ》 見事な演出と編集で凡作にしてしまった作品。 題名も取り扱っている内容も悪くないし、演じている役者さんもとてもよいし、ノンフィクションの部分の正確さも良いのだが。ご丁寧にも「凶悪とは何か」というテーマのために、記者の山田君のご家庭の破たんまでいれてしまうと冷めてしまうというもの。記者は狂言回し的な存在に徹して、それでも記者を通じて「凶悪な人間」や「凶悪に関わるとダメになっていく人間」や「凶悪でひと山当ててやろう」なんて人間を描くことは可能だったはず。わかりやすく記者や記者の奥さんや記者のお母さん(認知症)なんかを入れちゃうからかえって全体のフィクション感やドラマ感が高まっちゃってよくない。どう考えてもノンフィクション感の方が大切だろうと。無理に主題とか入れるから物語になっちゃうんだなと。すると題名からしても善と悪という構図がどうしてもでてきて…みたいな。ギラギラとどこまでもノンフィクションを忠実に描いただけでも十分傑作になるんではないのかな? よくできたNHKのドラマみたいに、オブラートに包まれたような凶悪になんの魅力があるのか。何もかもオール80点の映画。だから8点。 こういう映画は構造なんかで勝負しちゃダメだという見本。ところどころ30点でもいいが、どこかに120点を「ぶっこむ」映画じゃないと。[DVD(邦画)] 8点(2015-05-29 11:24:47)(良:1票) 《改行有》 173. スカーフェイス 《ネタバレ》 私もやっとトニーの人生を丸ごと受け入れることができるようになってきた。あんなに成り上がったことはないけれど。失うもののなかったトニーは無敵だった。しかし一度は手に入れたと思ったものがどんどん無くなっていく。疑心暗鬼にかられ、テレビカメラを何台もつけ、保身に走り、仲間をも撃つ。 私も今ならわかる。人生は恐ろしく長い。トニーはもっと早く殺されるべきだった。長生きしすぎた。いくらかのことを手に入れて喜んでいるうちに死ぬべきだった。おかげで死ぬよりも悲しい思いをする。だからあのラストシーンは…、彼なりの自殺だ。ジャンキーになり下がったトニーの壮絶で凄惨な自殺だ。[DVD(吹替)] 7点(2015-05-29 10:42:17)《改行有》 174. ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 ラストシーンで感傷的になりつつ、だんだん腹が立ってきて。こんな映画作ったやつら許せないという感じになってきて、そんな映画に金払った自分が情けなくなってきて。ポールの死で金儲けしてる奴らが許せなくなってきて。 ラストシーンの感傷は映画のストーリーに全く関係ない。ブライアンはドムと別れる必要がないのにあのラスト。ポールが死んだからこそ付け加えられたシーンに違いない。映画の感動とポールが実生活で死んだことへの感傷は全く関係のないものにしなくちゃ。映画の世界に実生活を持ち込むなんて。ポールへのリスペクトなんだろうけど映画人として許されないことをやっている。ポールもプロなら役になりきって終わりたかったはず。なのにあんなメモリアル的シーンをも羅列するとは。実際詰め込めるだけ詰め込んだとても面白い娯楽映画だが感動する映画じゃない。スカッとする映画だ。なのに人の死を使ってお涙頂戴とは。 DVDに、ポールウォーカー追悼DVDをつけるとかならめちゃ納得なのだが本編でそれをやるとは。 出演者がみんな格闘できるとか伏線回収し過ぎとかは許せるが、ラストはフォーポールだけでいざぎよく終われ![映画館(字幕)] 0点(2015-05-26 15:07:08)《改行有》 175. 太陽を盗んだ男 これと狂い咲きサンダーロードの二本立てかあ。たまんないなあ(ウィキで調べたばっかりの知識…笑)。北海道にそんな粋な映画館はなかったなあ。スターウォーズ三本立ては狸小路1丁目でやってたけど(笑) 突っ込み所にツッコむなんて野暮なことはやめましょうや。映画と同化して限界の向こう側に行くのが最高でしょ![DVD(邦画)] 8点(2015-05-21 09:58:21)(良:1票) 《改行有》 176. ブルーバレンタイン 《ネタバレ》 これを恋愛映画というカテゴリーに入れていいのか。人生丸ごと考えさせられる。 デレク・シアンフランス監督は完全に私のお気に入りになってしまった。プレイス・ビヨンド・ザ・バインズがあまりにもよかったので鑑賞。もしよければ私に騙されてこの映画を観る人が増えることを希望。 主人公がウクレレを弾きながら彼女が踊ったり、列車(バス?)の最後尾で彼女を丸抱えする場面などは、ストーリーにかかわらずそこだけでも独立して魅せるショットとなっている。美しい。しかし内容はあまりにもきつい。主人公の人生や家族の崩壊を、時系列を壊し、見事な編集で対比的に観せる。そして崩壊の過程にうならされる(私も実生活で崩壊を経験しているので、もうどうしようもない感が半端なくて…)。 嫌いな人やタイミングの悪い人にとっては爆弾映画。どうしようもなくダメになる愛を、どうしてここまでつたない人生経験のキャラクターだけで表現できるのか。いや、人生につたない人間たちだからこその当然の結果なのか。 主人公は去る。娘は走り寄る。娘を妻に。誰の胸中も計り知れない。選択を求められているのは妻なのだろうか、主人公なのだろうか。 愛の形はいろいろ。[DVD(字幕)] 8点(2015-05-21 09:50:08)《改行有》 177. シャイン なんでポスターがあの場面なのかわかった。音符まみれのプールかどっちかだよな![DVD(吹替)] 7点(2015-04-23 19:51:33) 178. ワイルドシングス 軽いなー軽い(笑)ティーンズホラー観てるみたい。制作サイドはこんな映画にしようと思って作ったんだろうけど。アッと驚くというか、ちょっと驚くどんでん返しが続きます。多分どんでん返しのために作られたので、ディティールとかどうでもいいんでしょうね。「ゲーム」と違ってさほどテーマもないですし。でもね、けっこう楽しいの(笑)。よくエロチックコーナーに置いてあるけど全然エロくないし。サスペンスとしては可もなく不可もなく楽しくないこともなくといった感じ。でもある程度しっかり観てないとおいていかれるかも(笑)[DVD(吹替)] 4点(2015-04-23 17:52:18) 179. ミッドナイト・エクスプレス(1978) 《ネタバレ》 当時のトルコの街並みがきれいに描写される所から話は始まる。自らの罪で収監された主人公がミッドナイトエクスプレス(隠語で脱獄)に乗るまでの話。アランパーカーの才能が爆裂している、でなければオリバーストーンの才能が。どこまでも絶望に向かっていく無気力か無知な囚人たちと主人公。未来に希望を持てないとここまで人間は雑になるのか。他の脱獄ものは気骨ある囚人が活躍したりするのだが、本映画では皆無。かすかな気骨は内側の人間関係に向けられる。仲間への信頼。はめられた仲間への復讐。ホモ的な関係をやさしく断ったり…。冤罪ものじゃなくて救われる。自業自得感があるからここまでの悲惨な展開がうなずける。これで冤罪ものなら悲しくて観てられない。獄中の悲惨さは、よくある映画のハードな描写や「告発」のケヴィンベーコンのようなものではない。拷問シーンはあるがあと53日だった刑期が急に30年になったり他の囚人とのトラブルだったりじわじわくるもので描かれる。猫のシーンは参った。ジョンハート最高。私は勧善懲悪ものには感じなかったし、アメリカがトルコをばかにしているとも思わなかった。間違いなく名作。[DVD(字幕)] 9点(2015-04-23 16:34:21) 180. プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 《ネタバレ》 デインデハーンのための映画。主人公が変わるように思えるが、デインデハーンで収束する。誰も悪人は出てこないが、悪いことはする。みんな必死に生きている中親の因果が子に報い。子どもたちの報いが救いのような形で終わったことに感謝。5000ドルでバイク買って私もどこかにいきたい。[DVD(吹替)] 7点(2015-04-22 18:15:18)
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