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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1921.  追想(1975) 舞台は第2次大戦、占領下のフランス。フィリップ・ノワレ演じる医者は、占領国になびく訳でもなく、さりとて過激なレジスタンス活動をする訳でもなく、あくまで医者という立場でヒューマニズムを貫いている。街にはドイツ兵が溢れ、不穏な空気が漂っており、医者という立場上、日々、人々の死を前にしているものの、家に帰れば妻子が待つ優しい父親でもある。しかしその彼にも、容赦なく戦争の牙が襲いかかる。疎開させた妻子に会いに向った彼は、惨殺された村人たち、そして彼の妻子の遺体をそこに見出すことになる。彼は散弾銃を手にし、妻子を殺害したドイツ兵たちへの復讐を開始する――という、なかなかに刺激的なオハナシ。妻子の遺体を目撃し、嗚咽をかみ殺すシーン、そして殺戮を前にしていながら助けの手を差し伸べようとしなかった神に決別しキリスト像を破壊するシーン。これらにおいて感情を発露させた後は、映画は主人公の感情を押し殺し、ただ淡々とゲリラ活動に打ち込む姿を描く。後半は、そのたった一人の戦いと、ふとした時によぎる過去の記憶が、交互に、容赦なくぶつかりあうように描かれていく。過去に向けられた血のにじむ傷口をさらしながら、今を生きるしかない。主人公の感情を殊更に描かなくとも、何もかもが過去へと繋がり、苦しみへと繋がる今、ひたすらに描かれる主人公の復讐する姿、そのディテールの描写が、胸に突き刺さる。―――ところで、ここで突然、どうでもいい話ですが、①上記の主人公嗚咽のシーン、「司令部に連絡しろ」と言われたドイツ兵が、日本語で「スミマセン!」と叫んだように聞こえたのですが、空耳ですかね? ②ラスト近く、水責めにあうドイツ兵が、日本語で「タスケテ!」と叫んだような気がしたのですが、やっぱり空耳ですかね?[DVD(字幕)] 10点(2013-03-24 00:55:25)

1922.  追想(1956) 《ネタバレ》 アナスタシア生存伝説に基づくオハナシ。アナスタシアとしてデッチ上げられる女性をイングリッド・バーグマンが演じ、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。彼女はデッチ上げられたニセモノに過ぎないのか、それとも嘘から出た誠、本物のアナスタシアが発見されたのか。そして彼女を利用しただけの筈なのに心が揺れ動くユル・ブリンナー。ロマンスあり、サスペンスありで、楽しめる作品なのです。クライマックスとも言うべき、皇太后との謁見の場面。皇太后は彼女がアナスタシアであることを信じず、「演技」だと罵るのですが……そりゃそうでしょう、何しろ、「映画」ですから、もちろん演技です。もちろん彼女はアナスタシアでは無く、イングリッド・バーグマンですから。はい、これは、とんでもなく時代を先取りしたかも知れない、とってもメタなシーンですよ。「あなた、それ、演技でしょ」なんて、一種の禁句。かつて元横綱・双羽黒の北尾光司がプロレスのリングで相手に「この八百長野郎!」と叫んで追放された、アレと同じくらいの禁句です。それに対し、バーグマンは「これは演技ではない」という演技をしなければならない訳ですが……実は我々の方こそが、「演技」というものをどう捉えるか、を問われているのやも知れないのです。ラストの顛末が、主演2人の「演技」によってではなく、彼らがそっと退場することによって示されるのもまた、シャレていると同時に、賢明で無難な選択と言えるのかも。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-23 23:37:46)

1923.  悪名無敵 《ネタバレ》 街で見かけた家出娘を案ずる朝吉と清次が、例によって例のごとくズブズブと首を突っ込んで、ついには売春組織へ戦いを挑む、というオハナシなのですが、奥が浅いのやら深いのやら、どうもつかみどころがないのです。何だか妙なオハナシ。朝吉が二人の女性を組織から逃がす一方で、清次は組織に捕まってしまい、リンチを受ける。ってか、普通なら清次は助からないところ。簀巻きに重しつけられて大阪湾に沈められるところでしょう。ところがその頃、朝吉親分は暢気に温泉につかってたりする。映画は清次の安否などそっちのけで進みますが、それもそのはず、清次は殺されるどころか、組織の一員にちゃっかり収まってたりする。だもんで、ついに朝吉と清次が再会を果たしても、「お互い、よくぞ生きていた」みたいな感動も一切無いんですね。これじゃ何のために清次のリンチシーンを描いたのやら、さっぱりわからない。売春組織に関わる女親分役の藤村志保、朝吉に微妙な感情を示す場面はあるものの、まったくデリカシーの無い朝吉は、大暴れに暴れて組織に制裁を加え、女親分にも制裁を加え、物語を単なる勧善懲悪へと変えてしまいます。これじゃ一体、何のために女親分を「ちょっと訳ありキャラ」に描いて見せたのやら。朝吉の驚くべき単細胞ぶりが、あらゆる物語の伏線を破壊しつくす、身もフタもない変テコな作品でした。うん、確かにコレ、“無敵”には違いない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-03-21 23:26:12)

1924.  カッコーの巣の上で 冒頭の音楽からして、ノコギリと思しき楽器が奏でるメロディの背景にグラスハープと思しき音色が走り、ユーモラスながら不安も誘う、ヒト癖ある幕開けではありますが。映画自体はむしろ、やや単純な図式が目立ってしまっていて、拍子抜け。「抑圧」「反発」「自由」「挫折」という、アリガチなキーワードが配置された骨組、そのまんま、という感じ。精神病院の実態を克明に描こうとかいう作品でもなく(大熊一夫の「ルポ・精神病棟」でも読んだ方が、とりあえず衝撃は味わえます)、この映画で描いている“精神病院”は、社会の縮図、象徴としての場。そこに、あの「多数決」のくだりのような見え透いたエピソードが挿入されると、ちょっと辟易してしまいます。この映画のジャック・ニコルソンに感動するとしたら、それは、映画が描く「管理」だけではなく、この映画自体が「管理的」な図式に則ってエピソードを組み込んでくる中において、「自由」と言うものをオレが体現してやろうとばかりに、ひたすらハメを外し映画の枠を壊そうとし続けるところ、にあるのではないでしょうか。であるならば(多分違うけど)、こんなラストは願い下げ。スタインベックの「二十日鼠と人間」のパロディのような、いかにも仕組まれたラストは願い下げ。ここで流れる、「はいここは感動する場面ですよ」と言わんばかりのヌルい音楽も鼻につきます。せっかく、この特殊な舞台の中で登場人物たちをこれだけ活き活きと描き、よっていくつかのエピソードもまた活き活きと描かれていたのに、映画全体に関して言うと、どうにも計算高さのようなものに伴う「手加減」を感じてしまうのですが……。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 16:37:53)

1925.  戦闘機対戦車<TVM> 関西地区ではかつてサンテレビで繰り返し放送してたよ。でもあんまりにもあんまりな邦題に自分でも萎えていたのやら、なぜかいつも前半を見逃して、後半ばかり何度も観てたよ。だから今回初めて最初から観たので、ようやく、戦闘機と戦車が何故戦っているのかわかったよ(というか、特に理由は無かったんだね)。でもこの作品、やっぱり最初から通して観るべき、観てよかった。何もない砂漠をひたすら逃げる、飛べなくなった戦闘機と、それを追う戦車。単純かつ異彩を放つ構図の中で、逃げる戦闘機の側でも二人のパイロットのやりとりがあれば、一方これを追う側の戦車を指揮する将軍の狂気に対比してドイツ兵が人間味をもって描かれて、ドラマを膨らませてみたり(ただし将軍以外の兵士はどう見てもアメリカ人にしか見えないのですが)。――ちょっと『激突!』の二番煎じみたいなところもある作品ですが、『激突!』よりドラマに厚みを持たせたのは、追跡劇にスピード感が無いからですかね(笑)――。逃げ続けた戦闘機が、クライマックスでついに戦車へ戦いを挑む訳ですが、それまではまさに一方向へ逃げ続けた戦闘機が、クルリと向きを変えて戦車へと向っていく、その“クルリ”がどれほどカッチョよいことか。単純なのに、いや単純ゆえにシビれるのです。[DVD(字幕)] 8点(2013-03-17 08:51:45)

1926.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 その昔、あまりの長さに辟易して、映画がようやく終わった時にはこの上ない安堵感に浸った(笑)記憶だけがあったのですが、これはこらえ性の無い自分が悪いんだろう、次に観たら楽しめるんじゃないか、と思っていた訳です。そう思いながらも敬遠し続けてきた訳です。で、久しぶりというよりは初心のつもりで今回観たのですが……初心どころか、ちょっと「昔の自分」に同情してしまいました、ハイ。いや、人物描写といい、壮大なスケール感といい、前半は間違い無く楽しめますよ。後半に入って物語の色合いが変わっても、しばらくは違和感が無い、のだけど……最後の1時間くらい、どうしてこうも投げやりなんですかねえ。とにかくギクシャクしていて、歯切れが悪い。レットと娘のロンドン行きのエピソードなんて、たったこれだけしか描写しないんなら、いっそ無い方がマシでしょう。娘の死に続くメラニーの死、ここも異様な程にメリハリが無く、一体どっちの死を悲しんでるシーンやら、と観てて苦笑すらしてしまいます。とにかく奇妙なまでに断片的で、ラストに至る肝心の場面で、スカーレットもレットも、その人物像が消し飛んでしまうのは、残念としか言いようがありません。結局、やたら長い映画のようでいて、実はこれでも尺が足りなかった、ということですかね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 08:15:11)

1927.  この愛のために撃て 《ネタバレ》 巻き込まれ型サスペンス。主人公はどっちかというと冴えない感じのオッチャン看護師、ひょんなことから、臨月の妻を誘拐され、犯罪に巻き込まれていくのですが、緩急織り交ぜつつ短い尺の中で畳み掛けていくのが、なかなかのもの。アドレナリン注射イッパツで、こん睡状態の患者も一気に蘇り、映画全体にもアドレナリンが充満してフル回転。特に中盤の地下鉄構内での追跡劇が素晴らしく、そこでのオッチャン看護師の奮闘ぶりには、否が応でも引き込まれます。最後の付け足しのような後日談、一見蛇足のようですが、ラストの「もう自分たちには関係ない」と言わんばかりの主人公の笑顔が印象的で、蛇足どころか、やっぱりいいシーンなんですね、これが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-15 19:34:07)(良:1票)

1928.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 大人から子供まで安心して楽しめるド変態映画。ってのはそうザラにはありませんよね。貴重です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-15 00:42:25)

1929.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 友人からの2万5千ドル(だっけ?)の融資の知らせ(セリフ)よりも、目の前に積まれた小銭の山(映像)の方が感動的、という、判り易い例ですね。しかしまた、天使からの「翼をありがとう」という“言葉”もまた、強い感動を呼ぶ訳で、今まで人々を当たり前のように助けてきた主人公が、人々に助けられ、天使に助けられ、その天使もまた「主人公がこの世に生を受け、いま、活きていることにより」、翼を手に入れることができました、今この瞬間にも助け合い、報い報われ合いが行われているのです、という、実に気の利いたオチ。天使が手助けしたのは、人生の価値を気付かせることだけであり、それで充分であった、というのミソ。ただ、握手した手を、まるで汚いものを触ってしまったかのように主人公に拭われるバイキン扱いのポッター氏、哀れ。このヒトだけは、「主人公のいない世界」では相当潤っていたようですね。主人公がこの世に復活(?)して残念でしたね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-10 09:30:10)(良:1票)

1930.  ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場 《ネタバレ》 邦題はスペクタクル作品を装ったようなサブタイトルがつけられており、そういう期待をもって観ると肩透かしですが、でもまあ、嘘でも無いかな(と配給会社の片棒を担ぐ)。歴戦を戦い抜き生き延びた猛者たる主人公も、今では、出世しそびれヤサグレてしまった老下士官。勲章は山ほどもらってるけれど、戦っているうちに軍の価値観が変わっちゃったんだから、しょうがない。当時の日本で言うところの、新人類。こんなヤツらには負けておれぬ、と軍のなかでは一本筋を通し続け、初老の割に強過ぎちゃうキャラなのが、観てて痛快に思える人もいれば、「クリント氏、何だかカワイくないぞ」と思える人もいるかも知れない。でも軍を離れれば何かと弱いところがあるのが、やっぱりこの主人公の愛すべきところ。自分の居場所は自分で何とか切り開く。お国のために戦うんじゃない、自分のために戦う。自分のために戦おうと思えば、周りに働きかけていくしかない訳で、ポンコツどもに囲まれていても、ポンコツ集団なりに何とか形になっていくもの。クライマックスでは突如、グレナダ侵攻という実戦に立ち向かうことになるのだけれど、あくまで皆、精鋭集団としてではなく、必死なポンコツ集団として戦いに臨み、小粒といえど勝利をおさめれば、ひと仕事終えた充実感がそこにはある。自分の居場所に対する実感がある。という、戦争スペクタクルなんぞではなくてこれはあくまで人間臭いドラマ。ただ、部下に戦死者が出てしまったことについて、もう少し丁寧な描き方が無かったものか、とは思うのですが…。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-10 08:49:14)(良:2票)

1931.  ウルトラマン怪獣大決戦 「TVの映画化」というより「TVを映画化」。テレビ放送を5本ほどかき集めて並べただけ、に限り無く近く、楽しめはしますが、昔すでにテレビ放送で楽しんだ人にとっては「懐かしい」以上のものではありません。ただ、まあ、バルタン2本立てにレッドキング2本立て、ある意味、豪華ですが(笑)。さて、この作品中に限らずテレビ放送でも時々あったことだけど(そして最近の映画作品では頻繁にあることなんだけど)、“ウルトラマンが喋るシーン”ってのがあって、どうもこれには違和感を感じて仕方が無い。ウルトラマンは知性を感じさせちゃいけないのです。人間たちが最新科学に基づく兵器によって怪獣と戦おうとするのに対し、ウルトラマンは進歩無く愚直に、いつもいつも徒手空拳。そもそも服すら着てないらしいし。ウリャッとかシュワッとかいう意味不明の奇声を発しつつ、くんずほぐれつの死闘をムダに展開した後で、いきなり光線を発して怪獣を仕留めるのは、一体何のタイミングに基づくものなのか。これはもう、昆虫が突然に予想できない動きをするのと同レベルですな。ウルトラマンはそこが良い。光の国から来た野生生物。だから、あんまり、喋って欲しくないのです。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-03-06 05:13:55)

1932.  ラバー 「映画において“意味が無いのは良いことだ」という“意味”を映画で語ってしまう愚。単なるタイヤが殺人鬼と化す。しかし殺人鬼らしい神出鬼没さは全くなく、むしろタイヤを一人称で語ってしまうのがツマラナイ。理由が無いどころか、むしろ本来無いはずの動機をわざわざ浮かび上がらせようとしているかのような。メタな構成も説明的で、完全に逆行している。13金のジェイソンの方が、このタイヤよりもよほど中身が無くて、志が高かったと思う。それに、タイヤの本分は、転がること、踏みつぶすこと、でしょうが。念力なんか使っても、まったく盛り上がらない。この映画、「意味が無いこと」と「バカバカしいこと」との区別が、ついてないんじゃないでしょうか。フォーカスを妙なところに合わせる映像なんぞ、まるで興ざめ。およそ、タイヤをひっぱるヒモが写らないようにボカしてるんだろ、と邪推してしまうだけ。[DVD(字幕)] 1点(2013-03-06 04:36:58)(良:1票)

1933.  悪名一番 感動的な作品ですよ、これは。今回、朝吉親分と清次のコンビが向うのは、大都会・東京。八尾ではそれなりに知られた存在の朝吉親分も、ここでは完全に田舎者扱い。いや、田舎者以前に、見た目といい、言動といい、時代錯誤も甚だしく、チャラチャラした清次の方がよほど進歩的。都度、朝吉親分にたしなめられる清次、しかし靖国神社でついに二人は決裂。とってつけたように靖国神社の英霊の前で号泣する朝吉親分には、清次ならずともア然とするところ、しかし朝吉はそれが気に食わず、大ゲンカになってしまう。まあ要するに、朝吉親分、都会からも、時代からも、ちょっと“浮いた”存在な訳ですね。それでも自らに忠実に、愚直に突き進む朝吉親分、その一方で清次は清次なりに活動を開始する。清次の活躍が見どころです。で、クライマックス。敵の事務所に監禁された清次の救出のため、殴り込みをかける朝吉とニセ朝吉ニセ清次。すさまじいばかりの格闘シーンが続きます。そして、リンチでズタボロになった顔の清次が、朝吉と言葉を交わす時。どうしてこんなにダサいシーンなのに、感動しちゃうんですかねえ。スバラシイです。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-03-05 20:48:02)

1934.  ホステージ 要塞と化した邸宅への立て篭もり。ダクトの中を逃げる少年。襲いかかる紅蓮の炎。と言う訳で、何となくダイハードの小型版、さしずめ、“小ハード”と呼びたくなるのですが、この作品、なかなかの面白さ。人質をとって立て篭もるチンピラ、しかし人質家族のオヤジはちょっと訳アリで、謎の組織がさらに事件に絡んでくる。主人公も否応なく事件に巻き込まれ、展開される三つ巴の戦い。いやそれどころか、主人公、謎の組織、3人のチンピラ、3人の人質、そして警察が、それぞれの思惑で動きだし、収拾不能な展開。この修羅場を、そのまんま修羅場として描いてゆけば、映画はちゃんと面白くなる、ということですかね。快作です。[CS・衛星(吹替)] 8点(2013-03-02 10:23:14)(良:1票)

1935.  発情アニマル 主演のオネエチャンは、バスター・キートンの孫でしたっけか。映画のために体を張る、というDNAは健在。「健全」ではありませんけどね。レイプされた女性の復讐譚、という以下のものではあっても決して以上のものではない作品です。4人の男たちに順番に襲われる場面と、順番に復讐する場面が、段階を追って順序良く続くので、正直100分ほどの映画でも少々長いなあ、と感じてしまう部分はあります。チ○コ切られても気付かないなんてユルミ過ぎやろ、と思っちゃうのですが、映画そのものがユルんでますから。でもそこが魅力だったりもします。題材の凄惨さとはうらはらに、静かな川面の光景、虫の声、鳥の声、ノンビリした雰囲気。この気の抜けた弛緩ぶりは、絶妙です。珍味です。そして野獣と化した男たちの、四人四様の襲い方も、ユーモラスというかマヌケというか(特に2人目のヤツが…あはは…スゴかった)。主演のオネーチャン、前半は汚れ役に徹しているものの、後半の復讐の段になると、悟ったような無表情になるのが、ドロドロし過ぎず良。作品にアクセントをつけており良。感情と感傷だけで突っ走るのが映画ではないのだ、と非常に勉強になりますね、ハイ。映画に全編を通じてしつこく登場する、オトコの裸、オンナの裸。その数々のハダカのシーンが、映画前半から後半への大きな転調によって、全く違う印象となるのが、こういうヘンテコ作品ならではの面白いところ。これも勉強になります、ハイ。そしてクライマックスの、「斧ふりかざしてモーターボート」のこれまた何とカッチョよいこと。あれ、しまった、なぜ自分はこの作品をホメているのだろうか。[DVD(字幕)] 6点(2013-03-02 09:47:03)(良:1票)

1936.  決断の3時10分 おお、これぞ西部劇界の“ハムレット”、生か死かそれが問題だ、とばかりに、悪党の親分のネチネチとした心理戦(暑さの描写、屋外の葬列が、焦燥感に輪をかける)に心が揺らぐ主人公。短い映画の割に、問題の「3時10分」まではエラく時間があったりして「えっ?」と思わんでもないけれど、それでもいずれ、3時10分は迫ってくる、10分前には無情にも時計の鐘が鳴り響く。悩んだ主人公がついに「決断」した時はもう運命の歯車は回り出しており、“ハムレット”よろしく、ある意味手遅れな訳だけれど、しかし大きな違いは、運命に打ち倒されないところ、運命に決然と立ち向かうところ、ですな。悪党という割には悪党顔をしていないスマートな悪党に対し、むしろ主人公の方が野暮ったく見劣りしているのですけれども、その“タダのオヤジ”たる主人公が、“タダのオヤジの意地”を貫く時、そりゃ絵ヅラ的にはイカツいですけど、それでもそこには「美しい」と感じさせるものがあります。だから意表をつくラストにも、納得してしまう。ちょっと似たところのある(でも全然違う)『真昼の決闘』も好きな映画ですが、やっぱりコチラに軍配を上げてしまうなあ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2013-02-26 22:21:16)

1937.  東京物語 この映画がもてはやされるのに、どこか引っ掛かってました。終盤の「母の死」という事件が、映画の中であまりに大きな転機になっていて、これは通俗性の表れだろう、と思ってました。だから世界中で受け入れられたんだろうと。しかし本当にこの作品が小津作品の真骨頂みたいな扱いで、良いのか、と。……しかし、自分にも子供が出来て、子供の事を「何か頼りないなあ」とか「でもまあ頑張ってるよなあ」とか言う立場になってから、改めて観た時、本作はどうにもタマラン映画なのでした。背中を丸めた年老いた親、その親を邪険にする子供たち。いや別に邪険にしている訳ではなくて、いわば空気のようなアタリマエの存在だからこそ、なのかも知れないけれど、血の繋がらない人たち(原節子とか中村伸郎とか。それこそ東野英治郎とか)の方が余程フレンドリーな描かれ方をすることで、子供たちのよそよそしさが目立つことに。しかし、親としては、子供たちが順調に育ってくれて(当時は「戦死」で息子に先立たれるなどという理不尽もあった訳で)、家庭を持ち「自分たちの世界」を持ってくれれば、それで良いのだな、と。孫より子供の方が可愛い、という、無限の愛情、それが一方的なものとなってしまうのは、やはり必然なのか。医者になった息子に最期を看取ってもらえる、というのが、幸せであり、また幸せの限界でもあるのか。妻の死を目前に静かな表情で「そうか、いけんのか」「そうか、おしまいかのう」とつぶやく笠智衆。感情を露わにしてくれた方が観てるこちらにも救いがあるのに、「どうしてそういう言い方するのよ」と悲しくて仕方がない。まあ、脚本に書いてたとか監督に指示されたとかいうのがその理由なんでしょうが(そう思わなきゃ、やってられませんわ。笑)。この静かな表情からは、「自分たちは役割を終えた」という諦念がにじみ出て、映画を通じて登場する背中を丸めた座り姿とともに、忘れられないものとなりました。しかし彼にはまだ、最後の「役割」が残っている、それは、自分の子供たちだけではなく、すべての子供たちにかける言葉。未来があり、自由があり、しかしそれを行使し切れずにいる、原節子への言葉。やがては子供たちの世代もいずれは孫を持つ世代となり、すべてが繰り返されていく訳で、永遠のテーマですなあ。そしてこれも変わらぬ、尾道・浄土寺。[CS・衛星(邦画)] 10点(2013-02-22 04:12:38)(良:1票)

1938.  丹下左膳(1958) 痛快娯楽時代劇とはまさにコレ。って実に月並みな形容ですが、でも痛快、楽しい楽しい娯楽作品。互いに「バケモノ」だとか「コジキ」だとか呼び合ってる不適切表現オンパレードなところは目をつぶるとして(でもこれも痛快だったりする)、コケ猿の壺をめぐる騒動を、魑魅魍魎のごときキャラクターたちが百鬼夜行よろしくドタバタ暴れ合わって、豪快に描いております(もう正直言って、百万両の行方などどうでもよくなってきちゃう)。美空ひばりに襲いかかる山形勲の、のしかかってくるような背後の影! 宵闇の街をひた走る大友丹下左膳!! 危うし、大川橋蔵!!! って、美空ひばりの役ドコロはメチャメチャ強い女剣士だったハズですが、どうしてこの場面だけヒヨワな乙女になってしまうのでしょうか。いいんです、面白いんだから!!!! 怒涛のクライマックスに、乞うご期待。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-02-18 20:35:17)

1939.  96時間 疎遠になろうと父親は父親、旅先で出会ったチャラ男なんぞよりよっぽど信用できる、という映画。実にスバラシイ。さらに、中盤のカーチェイスあたりで嬉しくなってくるのは、このデタラメさ、強引さ。カーチェイスなり銃撃戦なりを盛り込むことが第一優先で、物語の自然さなど二の次になってるのは、これ、まさに木曜洋画劇場テイストで、今となっては懐かしさすら感じさせます。惜しむらくは、アクションシーンが何やってるのやらバラバラでわかりにくいこと。あとリーアム・ニーソンみたいなイカツいオッサンが走るシーン、というと個人的にはワクワクする、はずのシーンなんけど、イマイチ盛り上がらなかったこと(もっとなりふり構わないド迫力の走りを期待しちゃうのです)。[地上波(吹替)] 7点(2013-02-17 09:14:37)

1940.  妖星ゴラス これぞ“センス・オブ・ワンダー(笑)”。この映画をどうにかして褒めようというヒトのために存在してくれているような言葉ですね、これは。まさに、なんでもアリアリ、まるで、企画段階で行ったブレイン・ストーミングのメモをそのまんま映画にしちゃったかのような、闇鍋ワールド。あの「隼号」って、宇宙船じゃなくてどう見ても潜水艦ですね。宇宙飛行士っていうより、兵隊さんですね。そういう要素も入れたかったんですね。怪獣も一匹お願いします。大災害もちょっぴりお願いします。等々等々。気合いの入ったセットに気合いの入った特撮、その割に、何だか底が思いっきり抜けてしまっているような作品です。ちょいと残念なのは……「盛り込み過ぎ」の自覚があるのか、映画を何とか段取り良く進めようとして、その結果、せっかくのハチャメチャな内容の割には意外に整然とした、理屈っぽい印象を受けてしまうところなんですけれども……。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-17 08:34:19)

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