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性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ショック療法 本作公開時中学生だった私は4つ上の姉が持っていた映画雑誌を密かにズリネタとしていた。当時の映画雑誌は扇情的なカットを掲載して部数を稼いでいたのだ。いつものように無断借用した雑誌のページを繰っていて驚いた。そこにはアラン・ドロンがスッパで楽しそうに浜辺を走っている写真が載っていた。当時二枚目の代名詞だったドロン。テレビの洋画放送で「太陽がいっぱい」「冒険者たち」を観て以来憧れの存在だった。そんな彼が股間丸出し!「そりゃすげー」「いったいどういう話?」と好奇心を掻き立てられたが地方の中学生にロードショウを観る習慣は無いし、そもそも近隣で上映されたのかも分からない。それから半世紀弱、すっかり忘れていた本作がアマゾンプライムに登録されているのを発見し、めでたくドロンの露出っぷりを確かめることができた。肝心のそのシーンはクライマックスを待たずに前半さらりと登場する。彼の股間は特に勿体付ける訳でももちろんズームされる訳でもなく、10人ほどの全裸の男女と一緒に明るい日差しの中で爽やかに披露されるのでエロっぽさは皆無だ。例によって「我が国特有の不思議な力」によってその部分はぼやけて良く見えないので気になる大きさとかはよくわからない。ドロンだけピンコ立ちだったりすると面白いのだが、そんなことも無いようで半ば予想していたこととはいえ、若干肩すかしをくらった印象。作品自体は頓珍漢系の鈍い演出のミステリーで、盛り上がりに欠け面白くない。背景には移民問題という社会派的側面もあるようだが、基本ドロンのおにんにん一発で客を呼ぼうという浅ましい魂胆だろうと思われ、どこまで真面目に考えているのか疑わしい。長年の謎が解けたのはとても嬉しい。しかし彼はこんなしょうもない映画で裸になったのだなあ… という感慨ばかりが残る結果となった。[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-27 17:45:36)

2.  忍ぶ川 《ネタバレ》 これは珍品。単純な恋愛物、それもハッピーエンドのラブストーリーなのだが、作品全体を覆い尽くす不穏なムードはレベッカあたりの心理サスペンスのようだ。精神的に壊れた小姑のいる旧家に嫁ぐ栗原。普通ならどえらい事が起きるはずのプロットなのに、小姑はよくいるアスペというくらいのもので結局何も起こらない。では見所はどこか。まず画面構成が素晴らしい。日常風景の中の幾何学的オブジェ(階段や橋のトラスや障子の桟など)を上手く画面に活かすその美意識に感服した。そしてそれらの素晴らしい背景画にはめ込まれ、テクスチャマッピングみたいな異様な顔の加藤剛と、これまた人間離れしたハイパーブリッ子演技の栗原小巻。このプラスチッキーな二人のラブラブな様を見ているだけで、人様の悪夢の中に迷い込んだような居心地の悪さと不条理感を味わえる。主役なので当たり前とはいえ、両人ともこの世のものとは思えない浮きっぷりで、画面からせり出すような顔の圧迫感が凄い。物語はそんなカップルがラストは初夜の貫通式を無事迎えられてめでたしめでたしという脳天気な話で、恐ろしげなムードは一体何だったの?と肩すかしを食らわせられる。これが却って意外性があって良いのだから映画って不思議だ。但し残念なことにクライマックスの濡れ場があまりいただけない。栗原が浴衣を脱ぐプロセスで、裸のバックショットを狙える場面があるのに手慣れたストリッパーのようにサッと隠してしまい、尻とか一切見えない。乳首がチラチラ見えるのは結構なのだが、終始布団に入っていて体全体のボリューム(特に下半身)が分かるカットがひとつも無い。愛撫に対する反応もごく控えめでまるで不感症のように見える。ウブな女ということを表現したのだと思われる硬い演技の結果、全く欲情をそそられない。これでは加藤剛も内心あてがはずれたのではないか。清楚系女子は性行為中狂気を感じるくらい豹変してこそ、その清純さが価値を持つのだ![地上波(邦画)] 7点(2017-11-23 15:49:17)

3.  サスペリアPART2 ダリオ・アルジェントは頓珍漢だ。イタ公らしく美的なセンスには見るべきものがあるが、話を論理的に語る能力はなくコメディセンスも変。見てるとこっちのアタマもおかしくなってくるような意識の混濁感がある。映画鑑賞は非日常感を味わうのが目的なのでそれこそが本作の最大の魅力だろう。しかしラストまで観ると細部はともかく大筋は意外にしっかり構築された物語だったりして却って驚かされたりする。伏線の貼り方も頓珍漢ならではの大胆さが小気味いい。但しゴブリンの音楽はあまりにチューブラーベルズのチープなまねっこにすぎてちょい情けない。………にしても怪奇大作戦「青い血の女」に影響されたような(まさかね)あの人形、なんで頭にあんなでかいゼンマイが入ってるのよ![DVD(字幕)] 6点(2016-08-21 17:01:27)

4.  叫びとささやき これはきついよベルイマンさん。暗さ・重苦しさが度を超している。人間への深い洞察もあなたの苦痛も分かるが映画は娯楽でしょ。心の闇を掘り下げる作品は好きでも苦痛を共有したいわけじゃない。映画内人物の苦悩を考察することの何分の一でいいから、これを観る観客の気持ちも考えて欲しかった![DVD(字幕)] 3点(2016-02-29 09:58:16)

5.  こわれゆく女 《ネタバレ》 雰囲気のある個性的な作品ということは認める。しかしあまり面白くないのはなぜだろうか。ドラマの本質は「葛藤」にある、という説を聞いたことがあるが、その論に沿って考えるとこの作品に於いては「いかれた奥さんがいました〜どうしましょう」が葛藤の全てだ。彼女の壊れっぷりは全体を通じて大きな変化がなく、事態の進展や起承転結が感じられない。そのあまりの動きの無さが物足りなさの原因と思われる。同趣向であるキューブリックの「シャイニング」もジャック・ニコルソンが始めから狂っているように見えるという同じ弱点を抱えているが、あっちは最後に彼が大暴れするのでそれなりのカタルシスがあった。本作もグダグダのパーティの件で彼女がぶち切れてなにもかも破壊してくれればスッキリしたのではないか。とはいえ女優の体当たりの演技のみが見所というワンテーマ推しという、ある意味潔い作品とは言えるかもしれない。ちなみに共演のピーター・フォークはどうかといえば、何をどう頑張っても彼はコロンボにしか見えないので熱演されても違和感が増すばかり。レナード・ニモイのスポックといい、優れた役者がひとつの役柄にイメージが固定されるのを警戒するわけだ。これは受け手の勝手な事情であり誰の責任でもないが。[DVD(字幕)] 5点(2015-12-25 17:55:15)

6.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 フィクションとは思えないくらいはまったキャスティングと悪魔的に良く練られた人物配置。暴力が徐々にエスカレートしていく過程を驚くほどのリアリティをもって描き出す。無軌道な若者に説教できそうな唯一の人物、脚の不自由な村の指導的立場にある人格者を誤って撃ってしまった時から破滅に至る道は後戻り出来なくなった。上手い!!この作品の中で女はトラブルを拡大させるための道具として利用されているに過ぎないので、この出来にして女性陣の評判はすこぶる悪い。小さい時から暴力を己の感性に刻み込んできた男連中でなくてはこの作品に深く移入することは出来ないのだろうか。[地上波(字幕)] 10点(2011-09-26 13:33:09)

7.  八点鐘が鳴るとき 本作は007シリーズのヒットに当て込んで企画されたらしい。公開年は「ダイヤモンドは永遠に」と同じ年なので、後追いとしては遅い方だと言えましょう。で、あのサイコ役者っぽいアンソニー・ホプキンスがスーパースパイとして成立するのだろうか、との興味で見てみたが結果は悪夢。まるで「サンダーボール作戦ブリキの太鼓版」。驚くほど頭が大きくて手足の短いホプキンスがボンドのまねごとをしてもまったくさまにならなっていない。運動神経もイマイチのようで特にアクションシーンのダサさは悪い冗談のよう。更に致命的なのは音楽が凡庸きわまりないことだ。インスピレーションのかけらもないなんともありきたりな楽曲ばかり。007シリーズのスコアを多数作曲したジョン・バリーがいかに作品の質を高めたかという点については常々感じていたことだが、その圧倒的な偉大さを再認識した。この作品は007シリーズというはっきりとした比較対象と比べてみて初めて楽しめる。特にアクションと音楽が素晴らしい「女王陛下の007」と比較すると同工作品の最高と最低が味わえる。他にも、カーアクションの代わりにヘリの飛翔するさまが実に活き活きと撮られていて、監督のメカ愛を感じる。女には興味ないようだ。これがMか、これがフェリックスか、とパラレルワールドのような感覚を味わうのは面白い。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-27 16:47:51)

8.  刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM> 犯人しょぼすぎ!このシリーズに限ったことではないが、敵との対決が定型のドラマは相手が強大で鋭くないといかん。犯行は通常の捜査で充分挙げられるような穴ぼこだらけだし、犯人も終始オドオドしたなんとも小物っぽい雰囲気。なにしろ本職の指揮者としてもあのタクトの振り方はまるで素人じゃないですか。ピーター・フォークの友人だったための抜擢らしいが犯人役のジョン・カサベテスはリズム感ゼロなのではないか。彼に殺される被害者もなんであんなカリスマ性のない指揮者にそんなに執着するのかさっぱり分からない。こんなへボい奴を捕まえるのにあんなまわりくどいやりとりが必要なんて、コロンボもしょうもない人物に見えてしまうよ。少女や奥方の母親等脇を固める人々の人物造形がしっかりしているだけに、かえって肝心の犯人像の説得力の無さがいやでも目立ってしまう残念な一本だ。[地上波(吹替)] 3点(2009-12-20 19:12:47)

9.  刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM> この作品は生涯出会った全ドラマの中でも一二を争う傑作だ。本作の最大の美点は、作り手が視聴者に対し極めてフェアな姿勢で臨んでいるところだ。よほど注意深く見ていればラスト直前にはコロンボのやり口を見抜くことが出来るように作ってある。相当の眼力がなければまず無理だろうが、そのぎりぎりの匙加減が実に絶妙できっちり「やられた!」感を味わうことができる。数ある推理物にはアンフェアな作品や、フェアでも「やられた」感の無い作品も多い。私はできれば上手く引っかけられたいので積極的にネタを突き止めないようにしている(必死こいて考えても結局分からないことがほとんどだが)。しかしこの作品に限っては、見終わってから「ああ、もっと真剣に推理すれば良かった」と心底後悔した。そのような感興をここまで強く感じさせてくれた作品は当のコロンボシリーズに於いても他には無い。事件が解決した瞬間にドラマが終わるのもシリーズ中これが初めてらしいが、呆然とした視聴者を見透かすような鮮やかなエンディングでこれも見事としか言いようがない。[地上波(吹替)] 10点(2009-12-18 18:01:46)(良:1票)

10.  ウィッカーマン(1973) 《ネタバレ》 あなた信じられますか!?島ひとつがまるごとフリーセックスなんだよ。誰にも干渉されずにやりたい人はやり放題なんだよ。じじいがパブでエロソング大合唱なんだよ。よそ者さえすぐに受け入れてくれるんだよ。まさにパラダイスでしょう!?民宿に泊まったら手伝いの宿のおぼこい娘っ子が夜中に「抱いてくれ」ってんで、隣の部屋であばれるんでっせ。「若い娘は白く、そして赤い 私が見せるものをどう思う?」なんてありがたい歌を歌いながら全裸でエロダンスを踊るんでっせ、旦那。ところがところが主役のバカ警官は「結婚するまでは童貞でいるんだ」とか寝ぼけたこと言いながら彼女のお誘いに応えようとしないの。脂汗をたらしながら必死で我慢するのよ。あほらし。それからも仕事のことばっか考えてちっとも島民に心を開こうとしないのよ。あ~信じらんない~。彼は敬虔なクリスチャンちゅうことらしいが、宿の彼女の与えてくれるものこそ無償の愛そのものじゃないの。ばっかみたい。そんなことも分からない堅物のくそたわけはひどい目にあえばいいな、と思っていたら最後に焼き殺されたのでとってもスッキリした。神よ救い給え!とかいいながら焼き豚状態〜ははは。あまりにも爽快で島民と一緒に歓喜の歌を歌いたいくらいだったよ!ドラキュラ役者としか認識していなかったC.リーの溌剌とした演技といいブリティッシュトラッドを基調にしたスコアの美しさといい大変な収穫だった。なにより価値観の逆転を誘うその内容は芸術が果たすべき使命をしっかり全うしていて爽やかなことこのうえなしだ。[DVD(字幕)] 9点(2008-12-02 17:36:56)(良:1票)

11.  レット・イット・ビー レット・イット・ビーはそのタイトルがポールの代表曲のものであることが示すように、彼が主役のドキュメント・フィルムである。「一度原点に帰ってライブバンドとしてのビートルズを世間に知らしめてやろう」。もともとこの企画自体が、かような思いを持ったポールが主導して進められたものらしい。その経緯をそのまま表すように「真面目にやれ」とメンバーに檄を飛ばすポール。確かに作曲家、マルチプレイヤーとしての才能には絶大なものを感じる。素晴らしい喉も披露してくれる。しかしジョンはカメラの前でわざとらしく張り切ってみせる彼に当惑しているように見える。ポール作の「トゥ・オブ・アス」「ロング・アンド・ワインディングロード」「レット・イッ・トビー」等は名曲とはいえ歌詞はオフコースもかくやというほどの通俗。そのうえこのえげつないとも言える張り切り様はヨーコと知り合って浮世離れが加速しつつあった当時のジョンには耐え難いものがあったのではないだろうか。すでに作曲者としてのピークを過ぎてしまったジョンが絶好調のポールになんとかかんとか付き合っている様子が窺えて興味深い。他にも見所はいろいろある。ジョージが自作「アイ・ミー・マイン」をメンバーの前で初披露するのだが、照れてしまいなかなか始めないところをリンゴに強く促されてしまう。ポールとは真逆の奥ゆかしさが可愛い。ジョージのリンゴに対するコード指南のシーンなども二軍同士仲良しっぽくて実にほほえましい。そのジョージにも容赦なくギターの指図をして「はいはい、あなたの仰せの通りに弾きますよ」と言わしめてしまうポール。お山の大将状態が止まらない。スタジオ内では重苦しい空気が漂うシーンが多いせいもあって最後のルーフトップセッションでの開放的な、和気藹々としたプレイに何か救われる思いがしてしまう。ここらへんの構成の妙がこの無計画なドキュメンタリーの救いかな、とも思うがいずれにせよビートルズのファン以外は全く楽しめない作品なのだろう。[映画館(字幕)] 8点(2008-06-17 14:41:12)

12.  夕陽のギャングたち 邦題が気に入らない方いらっしゃいますが同感です。観てもらった友人もタイトルからは全く想像できなかった内容の深さに驚いていた。しかしマーケティングしか考えていない邦題は論外としても伊版タイトルの【伏せろ!】も英版の【掌いっぱいのダイナマイト】もフランス版の【革命】もこの作品の魅力を伝えられているわけではないような。そこで自分なりに新たなタイトルを考えてみたがこれがとても難しい。明るくテンポのいい序盤と叙情と哀愁に満ちた中盤以降というように作品のトーンが変わるので全体を表現しづらいせいと思われる。主人公も性格の全く異なる二人だし。【盗賊と発破屋】【皆殺しの口笛】【ダイナマイト大作戦】【革命でドカン!】と、結局己の知能の低さを思い知る結果に至った。[映画館(字幕)] 10点(2008-06-05 15:47:01)(笑:1票)

13.  ヤコペッティの大残酷 《ネタバレ》 ブルース・リーの映画との併映で観たが、ぶくぶくさんと一緒で私もこちらの作品の方が強く印象に残りました。冒頭、カメラは飛び跳ねながら城に向かう青年の姿を捉える。楽天主義の象徴である永遠の青年カンディド。彼の胸はこれから始まる人生に対しての希望でいっぱいだ。しかし城で出会ったグネゴンダ姫を追って時空を超えた旅をするうちに世界の悲惨さを見る。あこがれのグネゴンダも見た目清純派なのに本質はコケットで何人もの男と放蕩の限りを尽くしていてなかなかつかまらない。皮肉なその内容に反してありえないくらい感動的な音楽と明るい作風が、内包するテーマの辛さを感じさせないところが素晴らしい。ラストでやっと出会えたグネゴンダが老婆になっていることを知り、川向こうを飛び跳ねているかつての自分に向かって「そっちに行くな!ろくなことはないぞ」という彼の叫びを聞いて“人生ってそんなものなのだろうか”と思わないわけにはいかなかった。それにしても20年以上前にテレビで深夜に一度見かけたきり再見出来ないでいるこの作品。DVDは無論、ビデオテープでもリリースされた気配がない。何故?ヤコペッティの評価が地に落ちたのはあくまで似非ドキュメンタリーでの話のはずだ。とまれ、この作品に限らず映画の見易さが必ずしも内容の出来不出来と関係無いというのはまことに不条理なことだ。[映画館(字幕)] 10点(2007-12-06 14:06:24)

14.  夢のチョコレート工場 チョコレート工場へ行くはずが着いた先は泥人形系見世物小屋!どうにもうすぎたない色彩設計。こんなところで作られた食品は絶対に喰いたくないぞ。この手の制作側の思いがまるはずれの異形の作品はちんまりまとまった作品より結果的には面白い場合が多かったりする。しかし本作はミュージカル仕立てでありながら肝心の唄がスコア、歌詞ともにまったくつまらないという致命的な欠陥を持っている。特に歌詞はあまりに説明的に過ぎて想像力のかけらも感じられない。んなばかな。楽曲の良さがあってこそ‘演者がいきなり歌い出す’なんていうおぞましいフォーマットをやっと許容できるというのに。歌パートに入るとそれまでの昂揚感がいちいちしゅるしゅるしぼんでしまうなんていうミュージカルは初めて見た。アリス式の不条理譚に勧善懲悪を持ち込んだ点もいただけない。意味なしはすっぱりきっぱり意味なしでないとイカーン。[DVD(字幕)] 3点(2005-09-10 15:06:31)(良:1票)

15.  ステップフォード・ワイフ(1975) 新作と見比べてみた。おもいっきりばか話なのにダウナー系の変な映画だがキッドマン版よりは制作者がまだ観客の知性を信用していると感じた(新作はBGMが説明的すぎだよ!)。いわゆるアメリカン・ニュー・シネマのノリというだけのことかもしれませんが、その点だけでも救われる思いでした。[DVD(字幕)] 5点(2005-09-02 14:10:50)

16.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 宇津井健ら捜査側からの視点は名作“ジャガー・ノート”高倉健ら犯人側からの視点はセルジオ・レオーネのこれまた超名作“夕日のギャングたち”といった趣の作品ですね。特に回想シーンでの音楽の使い方は“夕日の~”のパクりでしょう。しかし本作全体を覆う‘安~い’感じは当方の我慢の限度を超えていてまるでテレビ版“ワイルド7”でも観ているようだ。豪華キャストがみんなおそろしく大根に見えてしまうのは演出がいいかげんだからなのだろうか。変な客が色々乗り込んでいるのにちっともサスペンスを盛り上げることに貢献していないし、喫茶店が重要アイテムとともにタイミング良く焼けるのはご都合主義と言われても仕方あるまい。そのようなことを許容する世界観ならばそれこそワイルド7なみにぶっとんだクライマックスを期待してしまうじゃないですか。こんなチープなノリで「最後は渋めにまとめてみました」なんて許されると思っているのか!犯人側に移入できるように作ってある等、一部とはいえ政治的に正しいことが救いと言えるでしょうか。[DVD(字幕)] 4点(2005-05-20 14:08:00)(笑:1票)

17.  未来惑星ザルドス ガキだった公開当時11PM(という深夜番組があったの)で紹介していたのを見て、そのアダルトさにどうにも股間がざわついたのが懐かしい。登場人物が映画の狂言回しを自称したり「これでこの映画も終わりだな」という手塚ギャグのような自己言及があったりするのが面白い。全体を覆う哲学的ムードもわけわからんなりにミョーな説得力がある。“野生人”ショーン・コネリーも“不感症”シャーロット・ランプリングもばっちりはまったみごとなキャスティング【閑話休題:グラマー好きのオレはあんなガリでは到底勃起いたしませんよ!誰にも訊かれていませんがこれだけは断言させていただきます!!まあ、勃つ勃たないは相手の体型や年齢等の外形的条件よりもやる気が最重要でメスが本気で発情していて“お互いの快楽のためにはどんな恥ずかしいことでもします”という心意気さえあれば大抵はなんとかなるものですが。今はバイアグラやレピドラやシアリスなどの素晴らしい勃起改善薬が簡単に手に入る夢のような世の中なので助かります。それにしてもバイアグラが開発されてから認可発売までの素早さといったら!あれはどうも身体には悪そうですぜ。世界中のおっさん方が「死んでも良いからチ○ポを立たせたい」と必死こいてると思うとまだまだ人類も捨てたものじゃないなぁ、としみじみ心が温まる想いです】。ベートーベンの楽曲もザルドスというネーミングの正体も小気味良い。ただ友人3人にむりやり見せたのだがみんながみんな映画が2/3程進んだ時点で寝てしまうのだ。なんでだ?。難解なだけで中身なしというのとは違うと思うんだけどなぁ。たしかに地味ちゃ地味だからなぁ。なんかハリボテっぽいからなぁ。[映画館(字幕)] 8点(2005-02-25 21:55:46)

18.  ハウス/HOUSE(1977) 珍奇で楽しい映画だねー。バカなせりふ回しも背景を背景画として見せちゃうメタなノリもチープな特撮も適度のグロさも活きのいい女優陣も~すべてがうまくかみ合ってる感じ。これほどポップに明るさとグロさが共存している邦画は他に類例をみないのではないか。その後作られた同監督の漂流教室なんかの失敗をみるとこれがいかに奇跡的な作品か良くわかる。ラストに近づくと女の戦い的テーマが思わせぶりぽく立ち現れるが、到底そんなこと本気で描きたかったとは思えないので無視!大林氏はバカになりきることに罪悪感でもあるのかな?いいじゃん変態で![映画館(字幕)] 8点(2005-01-17 17:57:55)(良:1票)

19.  オーソン・ウェルズのフェイク 初公開時、渋谷パルコかどっかの上にあった劇場で観ました。手品が趣味の監督の人となりとタイトルから「これはだましにかかってくるんだろうな」と多少は用心していたのですがみごとにひっかかりました。最近見返してみてネタが割れていても充分楽しめることに驚きを感じました。単なる贋作にまつわるドキュメントでもなく、いわゆるミステリーというくくりにもあてはめられないけれど登場人物も作品のスタイルも内容も、また映画そのものの存在自体もとてもミステリアスというメタな作品。このように他に類例がなく、しかもちゃんと面白い作品を創造するというのは実はとてつもなく偉大なことであって作り手の頭とセンスの良さは尋常ではないと感じました。まるで手品のような作品なので、ミスディレクションに翻弄されることに快感をおぼえる私には最高のご馳走です。手品のタネを知ってくだらないと腹を立てるタイプの人にはまずお勧めできませんが。[映画館(字幕)] 10点(2004-09-26 19:35:29)

20.  スター・トレック(1979) 《ネタバレ》 TV版スタートレックの面白さはオープニングで広げたでかい風呂敷(すごすぎる敵、現象)をどうやって無理矢理畳むかというところにある。ぜんぜん畳めていない駄作も多々あるが、その点この作品は冒頭いきなり広げられた100畳くらいの風呂敷が便所くらいに畳まれて、その落差が心地よいスタトレらしい佳作だと思う。実際封切りで観て「全知全能なのに空虚な存在とは?神オチか?」と圧倒された“ヴィジャー”が“実は知人”だったことに本当に驚いたものでした。これオリジナルシリーズの得意なパターンだよね。安易に善悪を持ち込まず、がちゃがちゃした戦闘シーンも無く、その格調の高さは以降の同シリーズと比べても抜きん出ている。新型エンタープライズを延々となめ回すように撮っている時点で一見さんが眠くなるのはまぁ仕方ないとしても本国のトレッキーの方々にも案外低評価だったようなのは残念無念。英語圏の人にはオチがすぐ分かってしまうのかなぁ。「ノーマッドの謎」の焼き直しに過ぎるという批判もあったようだけど、落語と同じで何度も繰り返し見る価値があるいい話じゃないすか。[映画館(字幕)] 8点(2004-06-24 16:24:22)(良:3票)

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