みんなのシネマレビュー
nakashiさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 128
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1

1.  オッペンハイマー 《ネタバレ》 原子爆弾の父こと、理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落を描いた伝記ドラマ。クリストファー・ノーラン監督らしく、複数の時間軸を錯綜させたノンリニアなストーリーテリングが特徴で、膨大な登場人物を使い倒し、猛烈なスピードで、天才物理学者の矛盾に満ちた生涯を描いている。脚本で参考にしたのは4作品。伝記映画としての大枠は『アラビアのロレンス』から。脚本での参考は『羅生門』、『JFK』から。人物造形、ことオッペンハイマーの宿敵ストローズの造形は、『アマデウス』におけるサリエリを参照したのだろう。 本作を理解する上で決定的に重要なのは、(1)時間軸を理解すること、(2)カラーとモノクロパートの違いを理解することである。特にカラーとモノクロパートの違いは、本作の基本設定、世界観の根幹に関わっており、ここを理解することは本作への理解度、解像度を上げるためには重要である。 映画で語られる時間軸は主に3つ。 1、1926年から1947年にかけてのオッペンハイマーの生涯 2、1954年の聴聞会(オッペンハイマーが厳しい追及を受ける) 3、1959年の公聴会(宿敵ストローズが追及を受ける) カラーとモノクロの違いは、カラーは、オッペンハイマーの主観で描かれる世界であり、モノクロは、オッペンハイマー以外の第三者(主に宿敵ストローズ)から見た世界である。 たとえばカラーパートにおいては、オッペンハイマーが実際に目にして、体験したこと以外は描かれない。広島、長崎への原爆投下の描写がないのは、オッペンハイマーが実際に見ていないからだ。ただし、彼の脳内イメージとして、原爆の被害を幻視し、煩悶する姿は描かれる。 かたや、モノクロパートでは、第三者の目から見たオッペンハイマーの姿が描かれ、ここではカラーパートとは異なる、オッペンハイマーの人となりが描写される。また、カラーパートで頻出するオッペンハイマーの脳内イメージは、このパートでは一切出てこない。 このように本作では、カラー、モノクロパートの使い分けが脚本上でも徹底されており、それはもはや2つの異なる世界観が存在しているといっても過言ではない。 つまり本作は、3つの時間軸と、2つの世界観がハイスピードで交錯し、それぞれが影響しあいながら、クライマックスへ突き進むという構成になっているのだ。このような構成を持つ伝記映画というのは、他に例を見ない。ノーラン監督の作劇術の円熟を示すものであり、それが監督の持ち味である豪快な映像技術と合わさって、第一級の伝記スリラーとなっている。 原爆投下の直接的描写がないことから、批判的な意見もある本作だが、そうした意見というのは、個人的には、先に述べた本作の基本設定、基本ルールをよく理解しないで述べられた感想に過ぎないという印象だ。 本作を観るにあたっては、被爆国として、日本国民として、といったバイアスを外し、なんの偏見もなく素直に鑑賞するのが良いと思う。むしろそうしたバイアスを抱いたまま本作を観ると、当時の米国の政治状況や、物理学者たちの人間模様が矢継ぎ早に描かれる展開に置いてきぼりにされるだろう。なお、先述の基本設定を理解した上で本作を観ると、本作への解像度と、本作の本質と問題提起をより掴みやすくなるだろう。 原爆投下の描写がなくとも、いやむしろ、それが直接描かれないがゆえの恐怖がよく描かれていたと私は思った。政治や軍事の指導者たちが平然と原爆投下や核兵器の増強を決定する場面それ自体が、政治状況次第で倫理観をかなぐり捨てる国家指導者たちの冷酷さ、無責任さをよく表現していたように思う。原爆の被害という現実が、国家指導者たちには数字上のできごととなり、原爆開発者たちには、自分たちの手を離れた、どこか遠い異国でのできごとに変貌する。それをどのように考えるべきなのか、映画は観客に突きつけてくる。感想は人それぞれだが、私には、原爆被害でさえ相対化と正当化をしかねない国家への恐怖と、オッペンハイマーが扉を開けてしまった核の脅威がいまだ現代でも引き続いていることへの憂いを強く感じた。[映画館(字幕)] 9点(2024-04-10 11:44:00)(良:3票) 《改行有》

2.  キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 《ネタバレ》 ディカプリオとデニーロ共演の超大作という触れれて鑑賞。『アイリッシュマン』を上回る上映時間にはなったが、同作で不満だった部分をおおかた改善した快作であった。 3時間半という長尺だが、要所要所で飽きのこない展開を盛り込んでおり、淡々と乾いた暴力描写に終始しがちなスコセッシ監督にしては珍しく、派手な爆発シーン、エピローグではラジオドラマ風の演出を入れ込んで捻りを効かせるなど、観客の注意を惹きつける工夫が全編に渡ってなされていたと言える。結果的には、『アイリッシュマン』で感じた、あまりにも淡々とした物語展開よりもずっと劇的な展開となっていた。これが本作に8点をつけた理由である。 とはいえ残念な部分がないわけではなく、映画の予告であったようなオセージコミュニティ内で起きた連続殺人の謎を追うマーダーミステリの要素は薄く、むしろその連続殺人事件の犯人側、しかも従犯側の視点で物語が進むので、次々と謎を解き明かしていくという快感は得られない。普通のミステリならば、どういう経緯で犯人たちが犯罪に突き進んだのかを解き明かしていくのだろうが、本作ではその点は最初から明示されている。その理由は金のため。犯人たちはあまりにも俗物的な理由で犯罪に手を染めていたのである。1920年代という時代のせいもあるだろうが、あまりにも行き当たりばったりな理由や手段で犯人たちは犯罪を行うため、現代の犯罪ドラマに慣れた観客からすると、犯人たちの犯行理由は浅はかである一方、警察側の捜査の描写も、かなり手ぬるく見えてしまう。 つまるところ、本作は実話に忠実であるがゆえに、かつ、本作では視点を常に事件における従犯的存在に過ぎない主人公にフォーカスした結果、ミステリとしては快感が少ない仕上がりになってしまっているのだ。この点は本作の構造的な弱点であるかもしれない。ディカプリオ、デニーロ、そしてヒロインのグラッドストーンの演技合戦が素晴らしかっただけに、この点は惜しいといわざるをえない。[映画館(字幕)] 8点(2023-11-05 20:43:46)《改行有》

3.  アネット 《ネタバレ》 レオス・カラックス初の英語作品、かつミュージカル映画。 ダークなおとぎ話×ロックミュージカルという異色の切り口に惹かれて鑑賞。 スパークスの楽曲が本作のストーリー・世界観の基になっているが、大胆なジャンル設定の試みは成功しており、 まさに唯一無二、独自性溢れるカラックス映画に仕上がっている。 物語で描かれるテーマも興味深い。 子どもを食い物にする父親、ドメスティックヴァイオレンス、常に女性が悲劇を辿るオペラ、暴力性と悪意が籠ったスタンダップコメディ。深読みをすることが可能な作品でもある。 惜しむべくは、映画の骨格は素晴らしいが、ストーリーテリングに伏線や意外性がないので、 映画としては単調になっている点だろうか。 それにしても、マリオン・コティヤールはいつ見ても美人。 歌もできるし演技も上手いし(ゆえに本作で起用されたとのこと)、中盤で退場させずに もう少し見せ場を用意すれば、賞レースにもっと食い込めたのではなかろうか。[映画館(字幕)] 7点(2022-05-18 08:25:14)《改行有》

4.  アンモナイトの目覚め 《ネタバレ》 実在の考古学者、メアリー・アニングを主役としたロマンス文芸映画。相手役となるシャーロットも実在の人物だが、史実ではメアリーよりも10歳以上年上の人物である。また、メアリーは生涯独身だったものの、同性愛者であったかは不明。つまり本作は史実を緩やかに利用した、恋愛ドラマであるといえる。 作中で描かれた、メアリーの人柄が、非常に魅力的だった。寡黙で孤独、仕事に対して強い誇りと愛着を心の内に持つ、不器用なパーソナリティにシャーロット同様に惹かれていった。好き嫌いがはっきり分かれるタイプの映画で、メアリーの複雑というよりは不器用な性格や人となりに、理解や親近感を持てるかどうかが、この映画の好き嫌いを分けるポイントであろう。 静的な造りの映画で、セリフは抑え気味、カメラはあまり動かず、荒々しい海の波音、衣擦れの音、鈴の音が際立ち、BGMそれ自体は極力抑えているのが特徴的。印象に残るショットは多く、海に入って抱き合うメアリーとシャーロットや、絵画の枠に収まるメアリーの姿などは、絵画的な美しさがある。一方で、冒頭の男性が脱ぐシーンも含めて、ヌードシーンやラブシーンは直截的で、肉感的、動物的でさえある。かなりのパンチ力があるため、それ以外の静的なシーンとのコントラストが鮮烈である。動物的なまでのラブシーンを通じて、寡黙な人物が胸に秘める、切実な渇望や心情を表現しているのかもしれない。ラブシーン以外にも、さまざまなカットやショットに監督の意図が込められていることは間違いなく、まさに台詞で語らず、構図で魅せる映画となっている。 物語は二人がこの先どうなるのかを明示しないまま終わってしまう。史実に基づけば、この先数年もしないでメアリーは病で世を去るが、この映画は史実を緩やかに使ったフィクションである。この先の想像は、観客に任せられている。[DVD(字幕)] 8点(2021-10-13 09:49:19)(良:1票) 《改行有》

5.  すばらしき世界 《ネタバレ》 ラストシーン、画面に広がる晴天と、そこに映し出された『すばらしき世界』というタイトル。 呆気ないほどに、しかしほぼ必然的に、三上は逝ってしまった。若い津乃田を除いて、残された人々は呆然としてこの状況を受け入れるしかない。これのどこが「すばらしき世界」なのだろう、と考えてしまう。これは皮肉なのだろうか。 しかし、冷静に映画を振り返ってみると、三上は幸運な人間だったとわかる。世間の風はいまだ冷たいが、それでも真心から彼に親身に接する人々がいた。三上にとってどこまで本意であったかはともかく、彼は職を得て、居場所を作ることもできた。世間は世知辛いが、人との暖かな繋がりや絆が途絶えるわけではない。その意味で、確かにこの世界はすばらしいのかもしれない。 一方で、三上について、見落としてはならない視点がある。彼は純粋であったかもしれないが、決して潔白であったわけではないということだ。劇中での明確な描写はないが、彼が犯した殺人について、同情の余地はあっても、とても正当防衛で済まされる状況ではなかったことが示唆されている。前後の場面から推察するに、三上は暴力衝動を抑え切れず、相手に対し過剰に反応した可能性が高い。そして劇中を通して、事情はどうあれ一人の人間の命を奪ったことに対して、真摯に反省している様子もない。 映画が三上に同情的に寄り添いながら、最後の最後で突き放す展開になったのも、自分の生き方や気質、過去の罪を真摯に反省しないといけないぞ、という意図が込められているのかもしれない。 三上に感情移入をさせつつ、彼を突き放すときは容赦なく突き放す脚本の展開、緩急の付け方が、緻密な映画であった。バッドエンドにもハッピーエンドのようにも見える、エンディングの余韻も素晴らしい。惜しい部分としては、ダレる場面がやや多い、一部の展開が非現実的、わりかし適当なロケハン。この三点である。ダレ場が多いのは、名のある俳優にわざわざ見せ場を用意するから(白竜、山田未歩、キムラ緑子、安田成美)。スーパーの店長と親しくなるくだりは、さすがに非現実的。あとけっこう気になったのが、ロケハン。舞台が足立区の設定なのに、台東墨田の風景がやたら映ったりするのはいかがなものか(スカイツリーを綺麗に映したいのはわかるけど)。あと足立は平坦な土地だから、そもそも坂は映り込まないぞ笑。 大枠としての物語が緻密な作風なのに、細部が適当だと、点数を下げざるを得ないという映画でもあった。[DVD(邦画)] 7点(2021-10-13 08:54:35)《改行有》

6.  もう終わりにしよう。 映画のテーマや内容はわりかし好きなのだが、無駄に退屈な映画だった。さすがに説明を端折り過ぎだと思う。孤独な用務員のエピソードと、女性のエピソードの連関性をもっと明確に提示しないと、観客もなにがなんだかさっぱりとわからなくなる。クライマックスのダンスシーンや舞台のシーンも、どういう意図でそれをやっているのかが明確に提示されないため、やはり意味不明なシーンにしか見えない。 女性主人公が実は妄想の産物で、実際は存在していない…。題材はなかなか面白いのに、本作は物語の語り口や演出を原作通りに行い過ぎて、かえって面白くなくなったケースといえるだろう。[インターネット(字幕)] 4点(2020-11-15 21:31:05)《改行有》

7.  TENET テネット 《ネタバレ》 ノーラン監督のスパイ映画愛に溢れた、それでいて実に珍妙で難解な作品だった。初見では、ハイウェイでのカーチェイス以降の展開に、頭がついていくのに必死だった。クライマックスの戦争シーンでは、何がどうなっているのかさっぱりわかっていなかった。それでも本作をもう一度観てみたくなったし、他人に本作について語りたくなるという、不思議な仕上がりの映画だった。逆行世界の珍妙な光景や、変テコなルール設定、妙に癖のある不思議な登場人物たち。鑑賞した後で、とにかくいろいろと議論したくなる映画であるのは間違いない。 映画的に質が高いかというと、難点が多いのは否めないだろう。個人的には、逆行が本格化する後半から急激に難解になるため、伏線回収の快感やタイムサスペンスのスリリングさ、そして感動的な人間ドラマが、その難解さのせいで伝わり辛くなっている気がした。正直に言うと、クライマックスシーンでは、逆行と順行の展開を考えるので頭がいっぱいになり、ニールの自己犠牲の尊さや、セイターとキャットのやり取りなどは、すぐに腹に落ちてこなかった。つまるところアクション描写が難解過ぎるせいで、本来映画が企図していたスリルや感動が低減しているのだ。ここはこの作品の最大の難点だと私は思う。 登場人物も癖はあるが、優れた人物造形かというと、そういうわけでもない。セイターには破局を望む理由をもう少し具体的に語らせてもよかったと思うし、キャットとの夫婦関係はちょっと無理くりな感じが否めない。キャスティングも今回はミスがあったのではないだろうか。ニールとキャットは、キャラクター設定と演者の年齢がフィットしていない気がする。一方で、主人公の造形はなかなか好みだった。任務遂行に命をかけるが、一般人の犠牲を良しとしないその性格。スパイのくせにスパイらしくないお人よしな性格は、観ていて好印象だった。特に冒頭のオペラハウスで、一般人を巻き込む爆弾が仕掛けられているとわかった瞬間、躊躇なく走り出した姿には痺れた。彼が自分自身のテネット(信条)を語る場面は少ないが、彼の行動パターンから、彼のテネット(信条)はしっかりと伝わった。[映画館(字幕)] 7点(2020-11-15 21:19:49)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS