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若き日のリンカン - やましんの巻さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 若き日のリンカン
レビュワー やましんの巻さん
点数 10点
投稿日時 2006-05-26 12:50:07
変更日時 2006-05-30 16:55:39
レビュー内容
思うところあって、ある時から、いわゆる古典的な「名画」とよばれる作品にはなるべくレビューを書かないつもりでした。が、この映画に関しては、最近DVDではじめて見ることができ(売っていたのが某100円ショップで、値段は「315円」…。嬉しいというより、ちょっと悲しかった)、どうしても書いておきたいことがあったので、自戒を解く(?)次第です。

この映画は、題名の通り、後の「黒人奴隷解放の父」リンカーン大統領が、まだ若く、無名で、貧しい弁護士時代に、保安官助手殺しの被告となった兄弟の、弁護を務めることになったエピソードを描くものです。そしてもちろん、窮地におちいった兄弟とその一家を、リンカーンが裁判の場で見事に救うことでめでたしめでたし。ではあるのですが、見終わった時の余韻というか「感動」は、若きリンカーンの聡明さや善良さ、素朴な“田舎者”としての愛すべきヒーローぶりとは別のところにあるように思いました。

映画は、留置場や裁判中のシーンで、被告の兄弟にほとんど言葉をしゃべらせません。町民が私刑(リンチ)で彼らを木に吊そうとしたり、裁判で何を言われようと、とまどいと、少しの怯えを含んだまなざしで、じっと事の推移をうかがっている。そして兄弟の家族たちも、留置場を訪れて、一緒に歌うことしかできない・・・。

その時、彼らは白人たちであるものの、映画は明らかにこの兄弟や一家を「黒人」として描いている。リンカーンの時代から、この映画が制作された1939年当時ですら変わらず差別され迫害されてきた黒人たちの受難を、この映画はまちがいなくこの兄弟とその一家に託して語り、告発しているのだと、ぼくは思います。監督のジョン・フォードは、黒人がひとりも登場しないこのリンカーンの「伝記」映画にあって、ひそかに、しかしはっきりと、虐げられてきた「黒人たち」のための物語を語っているのです。

フォード監督は、晩年近くに、今度は本当に黒人を被告とした裁判劇『バッファロー大隊』を撮ります。あまり評価されない、しかしあの美しい映画が、実はこの『若き日のリンカン』とはるかに“共鳴”するものであったことを、ぼくは今、ある深い感慨とともに確信しています。
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