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ラスト サムライ - ポール婆宝勉(わいけー)さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ラスト サムライ
レビュワー ポール婆宝勉(わいけー)さん
点数 10点
投稿日時 2004-06-08 22:55:33
変更日時 2004-06-09 22:47:32
レビュー内容
俺は時代劇が好きじゃない。家族は時代劇が好きみたいで(特に祖父母)NHKの大河ドラマをほぼ毎年見ているのだが、側で見ていても死ぬほど退屈だし、話をまともに知ろうという気にもなれない。そんないわゆる”アンチ時代劇”な俺が、トム・クルーズの主演作だから、そしてハリウッド映画初出演にしていきなりアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ話題となった渡辺謙の演技を見てみたかったから、さらに評判も良かったから見た。すると見た後、時代劇は合わないという固定観念は嘘だったかのように心底感動、その完成度の高さにひたすら圧倒された。ストーリー、序盤の壮絶な戦闘シーン、オールグレン(トム)と勝元(渡辺)の絆、忍者侵入のシーンから始まるチャンバラ、サムライ・スピリット、渡辺謙の演技とその存在感、エドワード・ズウィック監督の巧みな演出、興奮や感動をさらに引き立ててくれる音楽。全てが美しすぎる。チャンバラはしょせん日本の時代劇と感じさせる所が若干あったものの、斬る!斬る!斬る!の連続ばっかりで刀と刀のぶつかり合いに飢えていた俺をたっぷりと満足させてくれた。しかし・・・。それ以上に俺を感動させてくれたのは、映画全体からにじみ出る男たちのパワーだ。クライマックス、軍隊との戦争で、オールグレンや勝元を始めとする男たちは死ぬとわかっていても、自ら足を踏み出し、決して死を恐れる事を無く闘った。こんなにも儚く美しいヒーローたちがかつていただろうか?国に全てを捧げ、自分たちの運命を受け入れ、自ら”死”に突き進んでいった彼らを俺は深く深く尊敬したい。俺はこれから、いろいろな事に悩み、苦しみ、悲しむ事だろう。時には挫折しそうになったり、自暴自棄になったりする事もあるかもしれない。しかしそんな時には、この映画で描かれた男たちの力強いパワーが、俺を悲しみから救ってくれる事だろう。うぬぼれでは無く、俺はこの映画さえあれば何でも出来る!!この映画を”好きだ”と言える自分である事を、俺は心から誇りに思う。
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