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タイトル名 |
ミスティック・リバー |
レビュワー |
エージェント スミスさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-07-22 20:43:27 |
変更日時 |
2004-07-23 13:29:20 |
レビュー内容 |
少しラストに言及します。ラストのパレードでベーコン演じるショーンが家族と居るのを見たとき、これがあの3人の本来の在るべき姿じゃないかと思いました。ロビンス演じるデイブも妻や息子は居るけど過去の暴行を受けた事件がトラウマになり、決して幸せな感じとは言えない。ペン演じるジミーも今回の事件で娘を失った。過去の事件と現代の事件で複雑になり、互いの心身のすれ違いで起きてしまったラストの悲劇。彼らの運命が少しでも変わっていたら、ラストに勘違いでジミーがデイブを殺すというこの悲劇にはならなかったかもしれないし、ジミーが(名前忘れたが)あの少年の親父を殺しておけば、この娘の殺人事件自体起こらなかったかも知れなかった。それらを全て集約して考えると「運命」というのはやはり残酷で、複雑な物だと感じさせてくれる。映画自体も過度な演出は少なく、比較的静かな雰囲気で物語が進み登場人物の心情に焦点を置いたカメラワークに音楽。それぞれの俳優の個性を引き出す演出も多く、イーストウッドならではの手法が全編に渡って冴え渡っていたと思います。最近何かと悪役が多かったベーコンも本作でまた新たな一面を見せてくれたような気がするし、オスカー受賞のペンもロビンスも観る側に感情移入しやすい迫真の演技で終始感嘆するばかりでした。最近娯楽映画ばかり観てきた俺にとってはこういう社会派ドラマは、あらゆる意味で深く考えさせてくれる物になったと思います。 |
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