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タイトル名 |
地獄(1960) |
レビュワー |
なにわ君さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2008-10-20 17:01:05 |
変更日時 |
2008-10-20 17:01:05 |
レビュー内容 |
暗闇に棺桶がポツン。そして焼却炉、オープニングタイトル、昔のポルノ映画みたいなキャストロール。包帯に包まれた死体が二つ、風呂場みたいなとこにういている。それに伴い始まる地獄の解説ナレーション、三途の川でたたずむ主人公、炎に包まれ目覚めると、大学の授業中、主人公の前にバラが落ち、風の音ともに、悪友田村が、幽鬼のごとく突然現れる。この冒頭の一連のシークエンスにまず、いっきょに映画の世界に吸い込まれた。なんだろ、このただならぬ怪しい雰囲気は。これから地獄の描写がはじまるとゆう期待度を高めてくる異様な、まともじゃない匂いが、冒頭部分にかなり出てる。そんな始まりだ。映画に狂気が宿ってる感じすらする。この後、現世での荒唐無稽な主役の受難劇が展開される。で、これがギャグにすら思えるありえない酷い話で、共感とかはまったくないんだけど、怪奇的な青い照明や、悪友田村の悪魔的な存在やなんかで、これまたすごくいかがわしい。で後半は、地獄世界の描写。チープなんだけど、日本の地獄を視覚化すると多分こんな感じかもって思えてしまう独特の雰囲気はある。前衛的な芝居の舞台にも見える。生前知ってるもの達がその中で右往左往するさまは、ちょっとしたパニック映画っぽくも見える。終わりの無理やり感とか、結局、何も伝わってこないんだけど、ちゃんと閻魔様がいるオトギ世界の地獄そのものを、いかがわしさも含め全体的にうまく表現されていると思えました。 |
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