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タイトル名 |
冬の小鳥 |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-10-19 20:56:59 |
変更日時 |
2010-10-19 21:05:50 |
レビュー内容 |
『警察日記』の二木てるみ、『ポネット』のヴィクトワール・ティヴィソルにも比肩する子役キム・セロンの圧倒的存在感。 賢しらな芝居を越えた眼差し、表情、佇まいそのものから目が離せない。食器を手で払いのける瞬発的アクションの見事さ。医師との対話シーンでは繊細な長台詞をこなし、情感に富み透き通った歌声を聞かせ、絶妙な表情で喜び・悲しみ・孤独・絶望の諸々を振り幅広く演じきる。 ラストで空港のゲート出口へ向う彼女の、言葉では形容不可能な表情と歩みはとりわけ絶品といえる。
監督をはじめとするスタッフはどのようなアプローチでこれらを引き出すのか、非常に興味深い。優れた助演者たちの功労も大きいだろう。
劇中は子供たちの歌唱以外、音楽を廃した抑制的な語り。エンディングにのみ流れる静かな旋律がまた余韻を残す。
ただ、埋葬シーンの観念性などにはどこかキム・ギドク的な危うさも感じさせる。
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