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タイトル名 |
おかあさん(1952) |
レビュワー |
青観さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2007-08-26 12:48:00 |
変更日時 |
2007-08-26 12:51:46 |
レビュー内容 |
成瀬巳喜男監督作品の中でも一番、観たかったこの映画のDVDが何と私のよく行く本屋さんでたったの千円で売られているのを見つけて、迷わず買ってきた。他にも小津・溝口といった日本を代表する監督のものもあったので買ってきた。そんな中で、観た。観た。もう、何もかもが懐かしくて、懐かしくてたまらん。懐かしさを描くのに、懐かしいと感じるのには普遍性が必要です。そんな普遍性、どこにでもあるような一般庶民の生活をただただ描いているだけで、こんなにも懐かしく、気持ち良く、すっきりと泣けるなんて、この映画を観て感じたことは、必要以上に語らなくても過剰な音楽などなくても、ただアイスキャンディや公園、遊園地といった描写を映すだけでこんなにも良い映画は撮れるんだというお手本のような作品です。田中絹代の母親、いかにも戦後間もない頃の母親って感じが漂う素晴らしさ、娘役の香川京子もこれまた素晴らしい。病死した父親に代わって母親の仕事を手伝う加東大介演じる木村への「べぇ!」てやる時の表情、障子の隙間に隠れてみたり、そっと顔を出す仕草も二人の子供達と遊ぶ時の姿も何かもが観ていて気持ちが良い。叔父さんの家に行くこととなった妹と母の妹の男の子と遊園地で遊んでるシーン、三人に手を振る母親田中絹代の優しげな顔つき、何もかも見ていて本当に癒される。ラストの方で男の子と相撲をとっている田中絹代の表情、それを障子の隙間からそっと隠れるようにして見ている香川京子、あぁぁぁぁ、何て何てこったあ!もう、完全にやられた。それにしてもこの映画に出てくる二人の子供の健気なこと。それだけでもヤバイぐらいなのに、その他の大人達の人間味溢れる演技の前にこんなにも気持ち良く泣ける作品を描けるこの監督さん、病み付きになりそうです。当然のことながら文句なし満点!満点以外は有り得ん! |
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