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タイトル名 |
ローラーとバイオリン |
レビュワー |
ミスター・グレイさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-10-24 18:22:50 |
変更日時 |
2006-12-29 17:16:11 |
レビュー内容 |
ローラー車の運転手セルゲイとバイオリン弾きサーシャの互いの胸に抱く別世界への憧憬が詩情豊かに描かれています。サーシャがローラー車の運転に夢中になるシーンやセルゲイがバイオリンの音に恍惚とするシーンに、労働者階級と資本家階級、別世界の住人同士の親交の新鮮さが感じられます。全く別次元の代物なのにローラーもバイオリンも棒を引いて扱うという共通項があると思うのは考え過ぎでしょうか。サーシャが子どもだからという理由でローラー車に憧れているのではないことは、音楽家と言ってバカにする他の子たち(彼らもおそらく労働者階級となる)がバイオリンに憧れていることで証明されています。しかし憧れを抱いても両者とも自らの境遇に不満があるようには描かれていません。セルゲイにバイオリンを弾いて見せるサーシャは誇らしげであり、セルゲイの働く姿は勇ましく写っているのです。ただ両方を手に入れるのは土台無理な話で結局、人生は無いものねだりなのでしょう。そんな交われぬ異世界の一時的交流が温かい目線で描かれています。 |
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