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遊星からの物体X - なんのかんのさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 遊星からの物体X
レビュワー なんのかんのさん
点数 7点
投稿日時 2010-12-14 10:13:42
変更日時 2010-12-14 10:13:42
レビュー内容
真っ白な世界を犬が走っていく。どういう行きがかりでそうなっているのか説明はまだないけど、いたいけな小動物がヘリコプターという近代兵器によって迫害されてる、という印象を与えられ、つい、逃げよタロ! 力一杯走るのだっ! と見てしまう。そう観客に刷り込んでおいてから、引っ繰り返していく仕掛けがニクい。その犬が基地内を歩き回っている。変に擬人化されてなくて、まさにペットのように、しかしそう思って見ると観察して回っている不気味さ。観客が思わず目を凝らしたくなるところで、目をふさがれるようにフェイドアウトになる。このじらされるリズムに乗って、だんだん不安感が募っていく。この序幕の入りがまず楽しい。正体を現わしてからは、疑心暗鬼の人々ってのがポイントになって、血液検査のあたりがヤマか。ただメンバーの個性がもうちょっと出ていたほうが、そういう場面では楽しめただろう。外はバイキンも生きていけないという南極の清潔な白、その死の清潔に封鎖された中でグチャグチャした赤黒いものがヌメヌメチュルチュルしている対照の妙。ノルウェー基地が焼き捨てようとしたものを、わざわざ運び込むなよ、とか思いはするけど、あのテラテラした赤黒さを放置しておくには忍びないまでに、南極の清潔な白色は暴力的に圧迫してくるんだろう。
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投稿日付邦題コメント平均点
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