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タイトル名 |
驟雨 |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-12-02 12:15:47 |
変更日時 |
2008-12-02 12:15:47 |
レビュー内容 |
これ同時代の評価は低く、いや後世でも1979年にフィルムセンターで成瀬巳喜男特集やったときは、『浮雲』の次は『流れる』まで飛ばされてしまった。その後見る機会があって、そしたらこれいいじゃないか、なによりも私には好みの映画だったし、成瀬にしか撮れない種類の傑作だと思う。『めし』の二番煎じみたいってことで損してるのかなあ。倦怠期の夫婦。幻滅にももう慣れてきて、ちょっとスネあっているような夫婦の日常。姪や隣の新婚夫婦(パジャマ着てる新世代)と対比される。亭主にはリストラの可能性があり、不機嫌に不安も加わる。そういった話なら気が滅入るのではないかと言うとそうではなく、自分たちの生活を苦笑を持って眺めることで、おそらく同時代の観客にとってのちゃんとした娯楽になっていたのだろう。こういう作品が娯楽として通用していた邦画黄金時代の我ら日本人の品格の高さは、自慢してもよかろう。またこの人の映画は時代の記録としても優れていて、雨が降ると道がぬかるみ駅まで長靴を持ってお迎えに行かねばならない、なんていう当時の普通の暮らしがしっかり映像にとどめられている。 |
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