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どん底(1957) - なんのかんのさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 どん底(1957)
レビュワー なんのかんのさん
点数 8点
投稿日時 2009-11-29 12:12:57
変更日時 2009-11-29 12:12:57
レビュー内容
音楽はアタマに鐘、ラストにピーッと能管、あとは中のバカバヤシ。『隠し砦』の踊りや、『夢』の葬列もあるが、けっこうミュージカル的な様式を感じさせる作品だ。冒頭はやはり門、黒澤映画で門は繰り返されるモチーフだが、ただ門の内と外のドラマではなくて、これは門の下の人々なの。門の内と外での争いからも脱落し、赤ひげのような“父”的人物もいない世界。これに近いのは『どですかでん』だろうが(どちらにも珍しく志村喬が出ない)、あちらは底に肯定の気分が感じられるのに、こちらにはない。みな嘘の自伝や夢に飲み込まれてやっと生きている。俺は職人なんだと最後まで世間の基準にすがっていた東野英治郎も、ラストではバカバヤシに加わる。その中で不意に現実の寒気を感じてしまった役者が首をくくり、三井弘次のアップ「踊り(夢)を邪魔された」で幕となるわけだ。陽だまり→風→雨と天気の移ろいも的確。職人の鍋をカリカリ引っ掻く音がいらいらを表現する。構図としては直線が直角に交わらない世界、平行四辺形が、圧力下にある世界を感じさせる(美術は先日亡くなられた村木与四郎、あなたの仕事は永遠に残ります)。暗い話を、どうだ暗いだろう、とじめじめ溺れずシャープに描いていて、このあたりの黒澤作品はとりわけ映画としての純度が高い。それにしても左卜全は貴重な役者だった、同じヒョウヒョウでも笠智衆だとマジメ一方だが、こちらはしたたかなずるさも含んでいる。あと個人的なことを言わせてもらうと、これと『蜘蛛巣城』の二本立てが、私が初めて東京池袋の文芸地下という名画座で観た映画でした。その後かなりお世話になって私の映画好きの下地はだいたいここで形成されたもの、その意味でも忘れられない作品なんです、これ。
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