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タイトル名 |
ポセイドン・アドベンチャー(1972) |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2012-03-14 10:15:46 |
変更日時 |
2012-03-14 10:15:46 |
レビュー内容 |
ひっくり返るシーンは、当時はとてもドキドキさせられた。「普段でないものを見せる」というエンタテイメント映画の基本を確認させてくれた。今見ても「天井」のテーブルにぶら下がる人たち、ってのはインパクトある。でも脱出行になると、あんまり「さかさま」が生きてこないんだ。いちおう非常灯が脱出行の床(つまりかつての天井)で照ってるんだけど、この時代のフィルムの感度ではその光だけをくっきりとは印象づけられなかったのか、あるいは当時の映画作法として画面を暗めにするのは客に対し礼儀に欠けるということだったのか、全体がぼんやりと明るくなってて、光源による「さかさま」感は出せていない。ま、そんなことはともかく、一番懐かしかったのは牧師の感じ悪さ。もしかするとこの映画を観たおかげで、私の「信念の人嫌い」が決定的になったのかも知れない。根拠のあまりはっきりしない自信満々で次々行動を決定していく。いや、一応言ってるんだ、「海水が流れ込んでくる」とか。でも「という考えもあるなあ」じゃなくて、確信になってる。ほとんど信念。ベトナム戦争で自信喪失してたアメリカにとって、こうパッパ決断していく強いリーダー願望みたいなものが、下地としてあったんでしょうな。アメリカ精神の基本を「感じ悪さ」とともに納得させられたという点で、私にとって名作でした。救助隊の人に「船首に逃げた人は助からなかった」ってまでわざわざ言わせて牧師の行動を補強するシナリオにしてんなら、ついでのもひとつ「皆さんがここまで来て船底をドンドン叩いてくれなかったら帰っちゃうとこでした」ぐらい言ってもらいたい。あそこまで行ったことに意義がなくちゃ、刑事の妻リンダのどたんばでの死があまりにも不憫じゃないか。 |
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