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どん底(1936) - にじばぶさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 どん底(1936)
レビュワー にじばぶさん
点数 7点
投稿日時 2008-05-14 22:39:22
変更日時 2008-09-16 20:19:27
レビュー内容
本作で根底に流れているテーマは「愛の力」。
愛さえあれば、人はどんな“どん底”からでも這い上がれる。
そんな前向きで楽観的なメッセージが伝わってくる作品です。
その反面、アル中である人間が更生を夢みて前に進もうとするが、ちょっとした一言でその夢は儚くもくずれ、その後首をつってしまうという、「人生、一寸先は闇」といったシリアスな面も描いています。
また、「友情」「仲間意識」「嫉妬」「愛と金と権力」など、様々な人生に関するテーマがてんこ盛りで、人生勉強すらできてしまうという内容。
ジャン・ルノワールに対し、私はブルジョアというイメージを持っていました。
しかし、そんなルノワールが、こういった社会の底辺にいる様な市井の人々の暮らしや気持ちを、ここまで詳細に描けるなんて、とても驚きました。
ルノワールという監督は、何て幅が広いんでしょうか。
本当に驚きです。
この人間的な幅の広さこそが、ルノワールをして、巨匠と呼ばれている所以なんじゃないでしょうか。
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