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西部戦線異状なし(1930) - よしのぶさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 西部戦線異状なし(1930)
レビュワー よしのぶさん
点数 9点
投稿日時 2010-06-25 18:05:20
変更日時 2010-06-25 18:05:20
レビュー内容
◆1914年セルビアの18歳の愛国少年がオーストリア皇太子を暗殺。オーストリアはセルビアを懲らしめるために軍事行動を起こすが、安全保障条約の連鎖的発動により第一次世界大戦勃発。足かけ5年続き、戦死者900万人、非戦闘員死者1,000万人、負傷者2,200万人以上。スペイン風邪の猛威により漸く終結。ロシア革命の契機ともなった。驚くべきバタフライ・エフェクトだ。◆ライフル銃と機関銃の組織的運用で弾幕を避けるため西部戦線は塹壕戦となった。一進一退を繰り返す突撃戦。戦士達は射撃の前に生身の体を曝す。毒ガスも使われた。◆老教師は近代戦を知らない。若者の愛国心を鼓舞し「戦士になれ、英雄になれ」「死人は少し、勝利は今年中」などと煽る。若者の父親世代も無知である。◆「美化された戦争」しか知らない若者が、戦争の悲惨さをこれでもかと体験してゆく。気さくで心優しかった郵便夫が鬼軍曹に変身した。恐怖と食料不足と不潔さと落弾音による睡眠不足の地獄のような塹壕生活。親友が次々と死んでゆく。負傷して足を切断した友人が死に、その靴をもらった友人も死んでゆく。「死を初めて見た。生きているのはいいものだ。不思議なことを考えた。野原で遊んだこと。女の子のこと。地面から電気のようなものが伝わってきた」死に直面して初めて知る刀身のような生の実感。◆初めて人を殺した。夢中で刺したが、我に返ると敵兵は自分と変りのない善良そうな人間。「今は殺せない。さっきは敵だった。怖かったのだ、許してくれ。軍服を脱げば兄弟になれたのに」敵兵は苦しみながら死んでゆく。見守りながら、ただ許してくれと願うしかなかった。◆休暇で故郷に帰っても本当のことは言えない。大人達は戦争の実体を知らず、戦争を美化し、兵士を英雄視する。そこに語られるのは嘘ばかり。本音を語ったばかりに臆病者呼ばわりされる。休暇を切り上げ戦場へ戻る。そこでは少なくとも嘘はないからだ。軍に戻ると少年兵が入隊していた。敗戦が近いことを悟る。戦争で唯一得られたものは古参兵と友情だったが、その古参兵も死んでゆく。◆実家で見た蝶の標本。何も知らず遊びまわっていた子供時代の象徴だ。戦場にも蝶がいた。青年は感傷に浸り思わず手を伸ばす。次の瞬間一発の銃弾により命は潰えた。一個人にとって戦争は苦悩であり、苦痛であり、命がけのものだが、戦争を遂行する国家にとっては一個人の死など蝶の命ほどの軽さでしかない。
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投稿日付邦題コメント平均点
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2015-02-07噂の女77.30点
2015-02-06華麗なる激情76.00点
2015-02-06影の車67.00点
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