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たとえ世界が終わっても - アンドレ・タカシさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 たとえ世界が終わっても
レビュワー アンドレ・タカシさん
点数 6点
投稿日時 2009-12-02 22:01:11
変更日時 2010-02-13 18:30:40
レビュー内容
出来すぎのお話だと思うので手放しで褒めるのもなんですが、いい映画でした。死に囚われている心は何によって解放されるのか。その答えは死にたい深度によって様々だ。ラーメンを食ってボーリングをするだけで思い留まる人もいた。ちょっと安直に映ったが、実際にはそんなものじゃないか、とも思う。主人公の芦名星はもっと重症だった。彼女に対しては、今作のように誰かと一緒に生きて行くというのが手っ取り早くて分かりやすい模範回答でしょう。でもその論法だけなら、一緒にいる人が失われた時点で振り出しに戻る。今作で芦名星が自殺を止めたのは、安田顕に魅かれたからだけど、彼が失われても死のうとしなかったのは、彼女の中に生への動機が芽生えたからだ。他者の動機に便乗するのでは無く、自分の中に動機を持っている人は死にたいと思いません。この映画は丁寧にそこまで導いてくれる。その案内役が大森南朋が演じる妙田。「妙(な奴)だ」って意味だと思いますが、ホントにミョーダった。心地よい映画だったので、彼の正体はこの際どうでもよいでしょう。芦名星は「シルク」のミステリアスな少女役以降、注目している女優です。こういう暗い芝居で存在感を失わないところが彼女の良さでしょう。今後に期待大です。
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