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タイトル名 |
ふがいない僕は空を見た |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2013-12-09 03:40:44 |
変更日時 |
2013-12-09 03:42:50 |
レビュー内容 |
原作と同様に整理しにくい作品でした。その意味で「映画化」のレベルは悪くないと思いました。 助産婦の助手(元レディース姉ちゃん)が良かったです。態度がハッキリしているからです。乱暴に吐き出す正論が分かり易く心地良い。でも、本作のテーマは分かりにくさにあると思います。登場人物たちの不遇を連ねて世の中の生きにくい側面をあぶり出しますが、スッキリとした解決を与えません。まことに映画らしくないんだけど、現実の世の中ってこんなものだと思います。助手の姉ちゃんのような人は少数派なのです。ただ無為に時間を重ねて痛みの風化を待つこともあれば、身近にいる人の存在が助けになることもある。それらは能動的にアクションしても解決できない問題に対して示される仄かな希望の芽です。マジに辛い時は藁にも縋る想いでそんなきっかけを捜すのだと思いますが、それが本当に希望になるかどうかは本人次第です。地味でデリケートなヒントを与えてくれるような作品という印象でした。 ちなみに、原作のアンズは子なしの有閑主婦・おデブ・やや知能未発達・コスプレ狂いと云う設定で、高校生のタクミ君がヤッちゃったのは純粋に「下半身の動機」だけでした。そのアンズに田畑智子をキャスティグした時点で「おデブ」が無くなり、脚本段階で「知能未発達」も消えたようです。おかげで、後に本当にアンズが好きになるタクミ君の変移の意味性が希薄になったように感じられました。タクミ君がアンズに魅かれた理由が興味深かったもので、原作を読んだ者の愚痴として記しておきます。 もうひとつ。この監督にはオリジナル脚本で映画を創って欲しいです。 |
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