みんなのシネマレビュー
かぐや姫の物語 - 高橋幸二さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 かぐや姫の物語
レビュワー 高橋幸二さん
点数 7点
投稿日時 2015-03-16 07:52:24
変更日時 2015-03-16 07:53:54
レビュー内容
「かぐや姫の物語」は、「ここではないどこか」の人が、自分のいるべき場所を探す物語である。
■都の生活に適応できなかった彼女は、地獄のミサワ天皇に抱きしめられたとき、耐えられなくなり、「自分の元いた場所に帰りたい」と願ったことだろう。だがそれは人として育った里ではなく、本来の世界である月だった。
■月の世界には悲しみはないはずなのに、地球を見て涙を流す人がいた。記憶を消されているはずなのに、なぜか地球が恋しくてたまらないという設定は、「時をかける少女」で主人公が記憶を消されたはずなのに、深町とすれ違ったとき思わず振り返ってしまうというのとよく似ている。
■私は、実在の作家グレイ・アウルの伝記を書いた(http://bluejays.web.fc2.com/grey_owl.htm)。彼もまた育った家に適応できず、虚飾の生活を捨て、自分の本来いるべき場所を探してさまよい、最後に己の全てを捨てて異世界の住人になった。彼は自分らしく生きるため、自分を偽って生きる道を自ら選んだ。それは、自分の意志ではなく運命として、泣きながら自分が生まれた世界に戻って行くかぐや姫の人生とは、似ているようだが正反対であろう。
■捨丸はどこかで再登場するだろうと思っていたら、案の定だった。かぐや姫は月に帰る前に、最後の心残りである里に帰り、捨丸との再会を果たす。どこまでも飛んで行く二人は幻想の世界にいるようで、夢オチのようにも見えるが、私は「時をかける少女」と同様に記憶を操作されたと解したい。つまり、二人は実際に再会したのだと。
■自然の営みに比べたら、人の一生は一睡の夢のようなものかもしれない。かぐや姫は、地球はそんなにいいところなのかと憧れたため、罰として死も悲しみもある地球に送られた。だが彼女は、この世には死も悲しみもあるからこそ、生も喜びも感じることができるのだと知った。我々の心が欠乏を覚えるのは、そのありがたみを知っているからだ。限りある人生だからこそ、かげかえのないものなのだ。
高橋幸二 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-10-10アイ・アム・マザー97.00点
2023-04-08パッセンジャーズ65.93点
2022-09-29容疑者Xの献身96.67点
2021-02-04暗黒女子75.13点
2020-05-11白い肌の異常な夜75.98点
2020-05-04ルドルフとイッパイアッテナ97.00点
2020-02-13星を追う子ども44.48点
2019-11-15三度目の殺人76.29点
2019-03-31リップヴァンウィンクルの花嫁97.07点
2018-03-31追憶(2017)86.69点
かぐや姫の物語のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS