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至福のとき - クロエさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 至福のとき
レビュワー クロエさん
点数 7点
投稿日時 2009-05-27 08:36:42
変更日時 2009-05-29 04:46:27
レビュー内容
 冒頭から、金も仕事もないのに結婚願望だけは強い中年オヤジを、どうしても理解できなかった。
 主人公の少女は誰が見ても可愛いだけに、そこにワイセツな行為に及ぼうとする人間が全く現れないのも、違和感を感じさせる。
 監督が、少女を下着姿で歩かせたのは、観客の反応を伺うために意図したことは絶対である。ホント、この監督はエロいと思う。
 以前、日本でも新札紙幣が出回ったとき、盲人のマッサージ師が騙された事件があった。その女性は真っ白な紙きれを撫でながら「酷いことをする人がいるんですね…」と哀しげな表情で俯いていたが、私は、たとえ、この少女が紙キレであることを最初から知っていたとしても、それを善意と謳ってマッサージをさせている、この連中を許すことができない。
 この少女が残した「至福のとき」という言葉は、彼女自身が過去の人生経験と比べた上で感じたのであって、私たち観客が、失業者達の善意(偽善行為)と繋げてしまうのは安直な考えだと断言したい。
 少女と中年オヤジの、それぞれの不幸と感謝の気持ちが、お互い伝わらないというエンディングは、私個人の考え方にとてもマッチしていた。
 少女と中年オヤジの関係がウソの会話のみで繋がっている…これだけが、この映画を評価する唯一の点である。
 ホント、ここまで自然体でウソばかり並べる映画って、意外と少ないんだよなあ…… 悪いことばかり書いてしまったようだけど、テンポやユーモアも悪くないし、いろいろなことを考えさせてくれる映画ですよ。
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