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タイトル名 |
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い |
レビュワー |
ヒナタカさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2012-02-26 11:31:29 |
変更日時 |
2012-02-26 11:32:26 |
レビュー内容 |
奇妙なタイトルの意味とはなんでしょうか。 普通に考えれば「少年オスカーの、家族(母親)に向けてのことば」なのですが、映画を見終わったときは、いまいち「うるさくて」がピンと来ませんでした。 なぜなら彼の父親も、母親もオスカーをうるさく怒るような性格ではないですし、おじいちゃんに至っては全くしゃべることはないからです。 オスカーはアスペルガー症候群の傾向がありました。 彼は感受性に乏しく、必要以上に他人のことばを「ものすごくうるさい」と感じていたのかもしれません。 でもそれだけではないのでは、とも思えました。 何故なら彼は人の痛みを感じると「キスしてもいい?」「ハグしてもいい?」と悲しんでいるときには、ことばで言わずに行動で示そうとしていました。 勝手で独善的な行動が目立つオスカーでしたが、人を思いやる心も持っていました。 オスカーはアスペルガーを持ってはいるけれど、人の心に耳を傾けてる努力をしてきたのです。 そう考えると、この「うるさい」は、真に「うっとおしい」「嫌だ」を示すことばではないのです。 うるさいけど、それゆえに近くて愛おしい、という逆説的な意味が込められているのでしょう。 少年オスカーは調査の旅の中でいろいろな人を見ていきました。 オスカーは自分の父親が死んだことにより苦悩を抱えていました。 そして9・11で家族を失わなかった人も、「なにかを喪失していた」のです。 なかには少年と母親を拒絶した人もいましたが、多くはその行動を受け入れ、時には涙を流し、「奇跡」を説いたり、何度もハグをしていました。 皆、どこかで悲しみを抱えている。 でもその悲しみや気持ちを共有して、喜びを与えてくれる人はきっと多い。 だからでこそ、人はうるさくする、だからでこそ、とても近い。 そういったメッセージを感じるのです。 |
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