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キューポラのある街 - かっぱ堰さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 キューポラのある街
レビュワー かっぱ堰さん
点数 6点
投稿日時 2019-11-30 14:29:11
変更日時 2019-11-30 14:29:11
レビュー内容
少し前に埼玉県関係の映画を見たのでついでに見た。現在の川口市に、埼玉県が開設した映像産業の拠点「SKIPシティ」があるのはこの映画にちなんでのことと思われる(知らないが多分そうではないか)。駅前などは当時の現地の風景らしい。
冒頭のナレーションでは川一つ隔てて東京と違うと言っていたが、主人公の家族などはまるきり江戸っ子のようで、また気のいい不良少女が赤羽に遊びに行ったなど、現地感覚としても近所なのは間違いない。頻繁に映る橋や鉄道は、東京との境界が存在することと同時に、電車で東京に直結する場所であることの両面を表現しているように見えた。

物語としてはそれほど共感できるところはないが、主人公姉弟とその友人の関係性は見どころかと思った。
また序盤では、主人公の父親の境遇が「太陽のない街」(1954)の主人公の父親に似ている気がしたが、最初が似ていただけで結末は全く違っており、これが時代の違いの表現だったようでもある。劇中労働者が、今どき組合をアカ呼ばわりなど世間の物笑いだ、と言っていたのは意味不明で笑ったが、そもそも最初から革命志向などはなかったようで、戦後になって労働法制も整備され、古い体質の町工場と職人が近代的な企業と労働者になれば、労働条件も所得も向上してみんな幸せになるというつもりだったらしい(ちょっと微妙だが)。
主人公の周囲にはまだまだ貧困もあり、貧しい者が貧しい者から奪う姿のようなものも見えた。しかし一方、主人公にショートケーキを出した友人などは少し上の方としても、修学旅行の小遣いの話からすれば既に中流が大多数のようでもある。この社会を根底から変えるためにはトリと卵のどちらが先かなどと考えるのでなく、とりあえず一人ひとりがそれぞれの力でいい方へ向かっていこう、というのが最後の結論だったとすれば、それは現実の日本がたどった道筋ともいえる。結果的にはやはり先の明るい高度経済成長期の話に見えた。
なおこの頃は朝鮮特需が記憶に新しかったらしく、そのことについての後ろめたさもあったのか、在日の帰還事業を肯定的に扱っていたのが今となってはちょっと困った感じになっている。日本人妻は幸い逃れていたが、温和な顔の少女などはその後どうなったのかと案じてしまう。日本で生まれ育ったからこそこれだけ賢明で心優しい人物でいられたのだろうが。

キャストに関しては、このすぐ前に「獄門島」(1977)を見たばかりだったので、この映画で加藤武氏が少し男前の役だったのは新鮮に見えた。また吉行和子という人も20代で可愛く見えるところがある。主演女優には個人的に何の思い入れもないが、この映画では若くて生き生きして庶民的なところも見せたりして、もとはこういう人だったとわかったのが少し感動的だった。
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