|
タイトル名 |
西鶴一代女 |
レビュワー |
kinksさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2015-11-28 03:10:58 |
変更日時 |
2019-09-25 00:19:57 |
レビュー内容 |
これはまたただならぬ映画ですね。
一切の妥協を排してひたすら一人の女の人間性を問い詰めて行く。この執念深さには脱帽としか言いようがない。 日本映画なのにどこか北欧の映画を見ているような、妙に普遍的な感覚を覚える。
ことに人生の重圧に耐えてなお気丈に立ち向かうお春(田中絹代)が、居並ぶ羅漢像の前で過去を振り返り 感極まって気絶する前の、あの突き詰めた表情は、どこか崇高さすら帯びている。 また、夜鷹に落ちぶれたお春が、客の求めに応じて、化け猫のふりをしてお金をもらうところなど実に秀逸。
まさにこれは溝口健二にしか撮れない傑作。 |
|
kinks さんの 最近のクチコミ・感想
西鶴一代女のレビュー一覧を見る
|