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タイトル名 |
楢山節考(1983) |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-06-28 12:33:34 |
変更日時 |
2012-06-28 12:33:34 |
レビュー内容 |
「万世一系」のとうとうたる流れがまず本流としてある。それは死に臨んで聖化され、生まれ変わることの出来る者たち。この今村版でいいのは、それに「東北の神武たち」のエピソードを対比させているところ。子孫を残せず、生まれ変わりの夢も持てない者たちの存在。虫や獣でさえ持っている「血の流れ」を断たれてしまっている者たち。彼らはこの共同体の否定者となる資格があるのに、対立していなく、ただただ地を這うように生活している。そして村の掟を破った者たちの「血を絶やす」リンチに加わっていく。ここらへんの無惨でありながら生命力だけは感じさせるところが今村の世界。この監督は理性では共同体を否定しようと思いつつ、そのメカニズムに魅了されてしまっているようなところがあり、その屈折が魅力になっている。嫌悪と讃仰が入り混じっている。そして多くの近代日本人にとって、そのテーマがずっと「問題」として頭上にあり続けていたのだな。いくつかの怪異が印象に残る。二度噂に現われる父の亡霊。銃を撃つと木精が揺れ騒ぐところ。そして楢山まいりの途中でおりんが一度ふっと消えるところ。山を登るにつれて次第に神聖さが増していくところが見事。 |
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