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タイトル名 |
ポセイドン(2006) |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
3点 |
投稿日時 |
2006-10-22 13:02:28 |
変更日時 |
2010-09-15 22:36:03 |
レビュー内容 |
ペーターゼンは「パーフェクト・ストーム」にて人間ドラマとスペクタクルのハイブリッドをやろうとして失敗したためか、本作においてはドラマ部分をコンパクトに納め、スペクタクルのみを特化させた形にしています。一方オリジナルは、ドラマとアクションが相互補完的な関係となる構造をとっていました。登場人物に感情移入するからこそアクションが盛り上がり、状況が逼迫するほどにドラマが深まっていく。リメイクにあたっては、そのオリジナルからドラマをスッパリ落としてしまったというわけです。そんな軽い作りでは面白くなるわけがありません。。。本作はドラマが薄いばかりか、理解に苦しむ展開が多々あります。例えば、カート・ラッセル演じるラムジーは、転覆直後において別フロアーにいる娘の様子を見に行きたいと船長に言いますが、船長は「各自が勝手な行動をとると混乱状態となるから、この部屋から動かないでくれ」と言います。ラムジーはこれに反対してサバイバルグループに参加することとなるのですが、物語の進行上、この場面では船長の言うことが間違っていて、ラムジーの願いに観客が賛同するという形にせねばならないはず。しかし、これをどう聞いても船長の言い分が正しく、元消防隊員にしてNY市長まで務めたラムジーはなぜこの理屈を理解できないのか、ワガママなだけじゃないかという印象しか持てません。この後、ラムジーはジョシュ・ルーカス演じるディランの提示するプランに従うことにするのですが、この場合、こいつは信用できる男なのか、船や災害についての知識を持った上で言っているのかを確認しようとするでしょ、普通。しかしラムジーは彼が何者なのかを確認することもなく、生死を分ける決断を実に安易に下してしまいます。また、ラムジーの娘は何らかの理由で父親を敬遠していて、この親子の和解が物語の横軸になるのかと思いきや、父親を敬遠する理由が最後まで説明されないという理解に苦しむ展開まで。謎の構成はまだあります。リチャード・ドレイファス演じるネルソンは、足にしがみついたバレンタインを蹴落として自分の命を守るという苦渋の選択をします。その後、彼が親しくなった女性が実はバレンタインの恋人だったという因果な展開を迎えるのですが、バレンタインの死が二人の関係にまったく影響を与えないという意味不明なことに。この脚本は一体どういうつもりで書かれたのか理解に苦しみます。 |
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