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シャイニング(1980) - Yuki2Invyさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 シャイニング(1980)
レビュワー Yuki2Invyさん
点数 9点
投稿日時 2019-11-21 00:41:28
変更日時 2019-12-14 04:51:51
レビュー内容
ホラーと言うよりビックリ箱な驚かし系や、ただただ大袈裟に禍々しいだけのモンスター系な恐怖描写が蔓延る昨今のホラー映画を観飽きてくると、本作のホラーとしての素晴らしさが良く理解できるというものである。幻覚・幻聴と現実が綯交ぜになった映像空間(敢えて双方の質感を全く同じにすることで、その混ぜこぜ感をより増している)を用いて、何が起こっているのか、何が真実なのかが分からないというシンプルで基本的ながら非常に強力な不安・恐怖を巧みに醸し出すとともに、狂気に陥るジャック・ニコルソンをしてこれも何を考えているのか、何を仕出かすのか分からないという「危険と謎」の恐怖が見事に演出されている。

特にニコルソンの「腹に一物有る」感じ(それは狂気から来る憎悪・殺意その他ではあるが)、そして腹に一物が有りつつも最後の一葉でそれを封じ込めている感(この感じが正に導火線に火の付いた爆弾の如き危険人物感を醸している)と、終盤、終に爆発する狂気の演技は一世一代の名演と言える。加えて、実はシェリー・デュヴァルの怖がる方の演技(それは機嫌の悪い夫を恐れるシーンでも、殺人鬼と化した夫に慄くシーンでも、果ては完全にパラノーマルな現象を目の当たりにしたシーンでも)はこれまた出色な出来。更に言えば、バーテンダーとグレイディの抑制しつつもやっぱりどこか超越的な(人外の)演技も非常に味わい深い。この演技の質の高さに加え、映像美・画的な部分のクオリティも一部芸術的とも言えるレベルに達していると言う完成度の高さ。ホラーとしては文句無しにオススメできる作品。
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