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タイトル名 |
サイドカーに犬 |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-12-15 23:23:05 |
変更日時 |
2009-01-20 17:24:52 |
レビュー内容 |
人は環境が変わることで、成長することがある。慣れてしまった日常と違った世界観や価値観に接する機会が人を成長させる。実は堕落する場合もあるんだけど、それは本人次第。それを旅行しながら見せるのがロードムービーってやつですが、10歳の夏にご飯を作りに来たヨーコさんとの出会いは薫ちゃんにとって、さながら家に居ながらのロードムービーの始まりだった。両親との暮らしの中で見て来た家庭の習慣が、唯一の正解ではないことに気付かされる。カレー用の皿に麦チョコを入れても怒る人はいないし、コーラを飲んでも歯は溶けないのである。あの年齢の子供にとって、これは実は大事件だと思う。ヨーコさんは決して道徳的な人じゃないけど、自分に正直に、ある意味自由に、そして誠実に生きている。それを感じることは、100の道徳を諭されるより意味がある。薫ちゃんはヨーコさんとのコンタクトにそんな意義を本能的に感じとっていたのだと思う。目の当たりにした母とヨーコさんの肉弾戦は、良くも悪くも大人の女の世界を垣間見させ、ヨーコさんはいなくなった。自転車に乗れるようになった10歳の夏。それは爽やかな風のように通り過ぎ、ヨーコさんは薫ちゃんにとって特別な存在になった。最小限の表情変化で微妙な心情を表現していた松本花奈と、形容が難しい微妙な大人の女を演じきった竹内結子に拍手。 |
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