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タイトル名 |
アデュー・フィリピーヌ |
レビュワー |
R&Aさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-08-02 16:23:14 |
変更日時 |
2010-08-02 16:23:14 |
レビュー内容 |
始まってしばらくは男がメインで映されている。時はアルジェリア戦争6年目。兵役につくまでの限られた時間といっても若者のすることはいつでもどこでもどこか無駄で怠惰に過ぎ去ってゆくものだ。共同購入した自動車を走らせ女の子を口説き。この口説かれた女の子二人組みが徐々に画面を支配してゆくと映画はどんどん面白くなってゆく。ベッドの上で戯れる二人の女の子はまるで『男の子の名前はみんなパトリックっていうの』(監督ゴダール、脚本ロメール)の女の子。一人の青年をめぐって何かを企み何かを企まれる。が、秘かであるはずの企みはあっけらかんと陽の下にさらけ出され、譲ったり譲られたりのロマンスという名のお遊びが展開する。男はたまったものじゃない。若いってことはもうそれだけで罪。映画はその罪の瞬間をしっかりと映しきる。やがて眩しい一瞬を切り取ったバカンスが終わる。成年が乗る船がゆく。ふたりが手を振り走り出す。その手の振り方が、走る速度が大きくなる。散々弄んでってこともないが、楽しんでおきながらなぜそこで必死ともいえる動きをするのか。唐突に思いだす。青年は兵役につくのだと。それとも単なる眩しい一瞬が過ぎ去ろうとすることへの購いなのだろうか。 |
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