みんなのシネマレビュー
ブンミおじさんの森 - なんのかんのさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 ブンミおじさんの森
レビュワー なんのかんのさん
点数 6点
投稿日時 2012-05-26 10:23:21
変更日時 2012-05-26 10:23:21
レビュー内容
夏の夜の感じ。背後では虫の声が続き、夕涼みをしている部屋でぼそぼそと語り合う親族一同。そこにふんわりともう一人、すでに亡くなった親族が現われてきてもおかしくないような夜。一年中こういう夏の夜の感じが続いているのなら、さらに毛むくじゃらの猿の精霊となったせがれも、階段をゆっくり上がって来ることがあるかも知れない。ちょっとは驚くが、あとはすんなり状況を受け入れて会話は続いていく。「ずいぶん毛が伸びたのね」。すると次に美貌を失った王女さま(?)と輿かつぎの若者の悲恋っぽい話になり、それを見守るナマズが慰めたりする鏡花にでもありそうな世界に唐突に切り替わる。バックの滝が美しいが、こちら観客はその展開にただ呆然とする。するとさきのブンミさんの話に戻って幽霊との洞窟探検になり、分かりやすく判断すれば亡妻に死の国へ導かれたような図だが、そういうおどろおどろしさはない。いたって淡々とブンミさん死んで、淡々と葬儀に移り、画面では香典の金勘定をやってる。王女さまのおとぎ話の対極のような世界。お寺が怖くて睡眠不足だった坊さんはシャワーを浴びTシャツに着替え(坊さんがシャワー使ってる光景なんてたぶん人生でこれ一回見るきりだろうが、だからってなぜこう丹念に見せられるのか)、さて飯でも食うか、と出かけるところで最後のサプライズが来、観てるものの呆然を残して映画は終わる。ついついこちらは「アジア映画」というものを「素朴な良さがある」「癒しの」世界という心構えで観てしまっていた。題名もなんかそれっぽいし。ところが前衛映画ってやつだった。エピソードのひとつひとつは奇譚として面白いんだけど、それがどう関係しているのかが分からない(前世ってこと?)。もうちょっとヒントくれてたら心穏やかに観られたのに。アジアの映画も、そう「癒し」ばかりじゃなく、むかし見たバングラデシュの『車輪』っていうのは、行き倒れの死体を遺族の村に運ぶように頼まれた男の話で、なかなか目的地の村にたどり着けず(村の名前を間違えていたり、結婚式をやっていて不吉だと追い返されたり)、しだいに死体には蝿もたかり、死者の幽霊が「俺の村を見つけられるかな」とからかってきたりと、なんかブニュエルを思わせるような傑作だった。アジア映画が、「癒し」「素朴」の方向で享受される時代はとっくに終わっていたことを悟らされるこの『ブンミおじさん』ではあった。
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2014-03-15エデンの東(1955)87.25点
2014-03-14アゲイン/明日への誓い65.22点
2014-03-13オリバー!76.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ65.27点
2014-03-11真珠の耳飾りの少女66.33点
2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻77.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)66.00点
2014-03-08稲村ジェーン42.43点
2014-03-07つぐみ54.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン65.25点
ブンミおじさんの森のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS