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タイトル名 |
舞妓はレディ |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2023-11-15 23:42:14 |
変更日時 |
2023-11-15 23:42:14 |
レビュー内容 |
舞台となる下八軒は京都五花街の一つである上七軒のもじりですね。つまり架空の花街なんですが、ファンタジーを基調としたミュージカルですからセットで撮影されるミュージカルとしては完全に人工的な夢世界の設定でもあるわけです。周防正行の今までの作品には、劇中でのバック・ミュージックの使い方のセンスにはミュージカル風味が感じられていたので、ついにミュージカル映画を手掛けたということには驚きはあまりなかったが、タイトルが『マイ・フェア・レデイ』のダジャレとはびっくり。内容もまさにイライザとヒギンズ教授のストーリーを京都の花街の舞妓に兌換するというアイデアはなかなか奇抜ですな。「京都の雨はたいがい盆地に降る」なんて『マイ・フェア・レデイ』の“スペインの雨”をパロったような歌もありましたが、だんだんと独自の世界線が展開されていたと思います。やはりこの映画は800人の中からオーデイションを突破した上白石萌音の存在無くして成立しないでしょう。その後に紅白歌合戦にも出場したぐらい歌手としても活躍していますけど、その歌唱力は半端ありません。あのテーマソングは、初めて聞いた時から頭から離れない中毒性があります。長谷川博己を始め他の出演者の皆さんもほんとお上手、もっとも高嶋政宏だけはほとんど怪演でしたけどね(笑)。まだ芸能界デビューして間がない頃の上白石は仕込み時代の春子の野暮ったさが似合っていたけど、舞妓になってからの可憐さは思わず瞠目してしまいました、まさしくアイドル誕生です。こういう観る者を愉しませてくれるミュージカル映画がもっと日本映画には必要なんじゃないでしょうか。 YouTubeにアップされている京都花街の動画を観ると、「ここは本当に日本なのか?」と絶句するぐらい外国人観光客であふれかえっています。みんな舞妓や芸妓が現れると群がって写真を撮りまくり、でも彼女らは誰も視界に入っていないかの様に凛とした歩みでお茶屋に入ってゆきます。今や彼女らはファッションモデルで、京都の小路はランナウェイなんだなと感じた次第です。 |
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