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フューリー(2014) - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 フューリー(2014)
レビュワー 鱗歌さん
点数 6点
投稿日時 2015-09-05 10:21:30
変更日時 2015-09-05 10:21:30
レビュー内容
ブラピ演じる軍曹は、「何か心に傷を負った人」なのか、それとも「単に無口な人」なのか。冒頭の方でタバコを吸いながら人知れず頭を抱えるような仕草をしているのを見ると、きっと前者なのだろうと思うのですが、さらに見ていくと、両方のような気がしてきて、クライマックスあたりにくると、もう後者のように思えてくる。どっちかというと、逆の流れの方がまだしも、と思うわけですが。彼の人物像を投影するようなエピソードが、中盤にもう少しうまく組み込まれていればなあ、と思います(せいぜい、「背中の傷」ぐらいだもんね)。そんでもって、本作の主人公というか、「目撃者」の役である新米兵士の方ですが、こちらはいやでも『プライベート・ライアン』のアパムを思い起こさせる存在で、やはりアパムほどの印象を残せていないのがこれまた残念。アパムが傍観者の立場を貫くことで存在感を示したのに比べると、彼は(途中、頑張って“抵抗”したのに)「戦闘シーンへ貢献するための兵士の一人」へと突然に変化して、映画に飲み込まれてしまったようにも感じてしまいます。
という訳で、登場人物の描き方の弱さがいささか物語を平板な印象としている点、残念なのですが、まあ結局は、戦場の恐ろしさを残酷描写によって伝えつつ(確かにさまざまなアイデアが凝らされています)、手に汗握る戦闘シーンで盛り上がる映画、ということになりましょうか。確かになかなかこれだけの戦車戦は、観られません。
ところでラスト、戦場となった十字路を上から撮影しているのは、これを十字架にでもなぞらえようとしたんですかね? と言っても正直あまり十字架っぽく見えないので、そんな意図はないのかも知れないし、それはそれで別に結構なんですけれども・・・。
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