|
タイトル名 |
野火(2014) |
レビュワー |
風小僧さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2020-03-08 18:52:48 |
変更日時 |
2020-03-14 19:08:38 |
レビュー内容 |
太平洋戦争末期のレイテ島を舞台に、日本兵の悲惨な実態・戦闘の激しさを通じて戦場の狂気を浮き彫りにした作品。ドキュメンタリー映像では迫り切れない戦争の実相に、文字通り肉迫。戦争映画で肉体の損壊をモロに見せる演出には懐疑的な考えで、奇しくもこの映画公開年に他作品のレビューで否定的な意見を記述した。だが、題材によってはそれもありかなと思うようになった。本作の場合、全体の流れからみるとグロテスクな映像という印象があまりなく、肯定的に受け止めた。 時折映る山々や雲の流れ・海流等、自然の息遣いが一層悲惨な状況を引き立たせる。暗闇の中で一転、サーチライトから始まる戦闘シーンは凄惨極まりない。戦争とはこういうものだと思う。ケイトウの花と人肉の対比は残酷な現実を映す。 惜しいかなリリー・フランキー以外の俳優陣は素人っぽさが目立つ。小声での会話は、極限状態における飢えや栄養不足、士気低下を背景にした表現だと思うが、リアルさにこだわり過ぎの印象で、あまり効果的な演出とは思わない。 何年か前に親類の年寄りから聞いた逸話を思い出す。戦争当時、関東地方のある都市でアメリカ軍の空襲に遭い、そばにいた人の上半身が吹っ飛んだという話だった。 |
|
風小僧 さんの 最近のクチコミ・感想
野火(2014)のレビュー一覧を見る
|