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追憶の森 - かたゆきさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 追憶の森
レビュワー かたゆきさん
点数 6点
投稿日時 2017-02-03 00:25:27
変更日時 2017-02-12 21:03:20
レビュー内容
ここはただの森じゃない。この場所は、君たちのいう〝煉獄〟だ――。ほとんど荷物も持たず、着の身着のままで日本へとやってきたアメリカ人科学者、アーサー。目的は、観光でも仕事でもない。その真の目的とは、世界有数の自殺の名所である青木ヶ原樹海へと趣き、自らの人生に終止符を打つこと。コートのポケットに睡眠薬を忍ばせ、タクシーで目的地へと辿り着いたアーサーは立ち入り禁止の看板を無視して森へと足を踏み入れる。携帯もコンパスも役に立たない深い森の中でたった一人、彼は死に場所を求めて彷徨い続けるのだった。だが、アーサーはそこで偶然通りかかった一人の日本人男性と出会う。全身泥だらけ、生気のない顔で森を歩く彼の両手には何本ものためらい傷が走っていた。そう、タクミと名乗る彼もまた死の誘惑に囚われた一人だったのだ。死にきれずもう一度家族の元へと帰りたいと願うタクミと、妻との満たされない夫婦生活に深く心を傷つけられたアーサー。生への微かな希望を捨てきれず後戻りしようともがく2人だったが、〝森〟はそんな彼らを容易に解放しようとはしなかった…。鬱蒼と茂る富士の樹海を舞台に、マシュー・マコノヒーと渡辺謙という二大演技派俳優がほぼ二人芝居で挑んだのは、そんな哀切な空気漂うヒューマン・ドラマだ。監督は、優秀なドラマを幾つもものにしてきた一方、時にびっくりするようなつまらない作品を撮ることでも有名なガス・ヴァン・サント。二人の男がただ森を彷徨い続ける映画と聞いて、僕の脳裏に真っ先に浮かんだのは知る人ぞ知る伝説的クソ映画として名高い同監督作品『ジェリー』。あちらは主演のマッド・デイモンがただひたすら砂漠を彷徨い歩くだけの映像を延々見せ続けるという苦痛以外の何物でもない作品であったが、こちらは最後までちゃんとしたドラマとして作られておりひとまず安心した。と、そういう前提で観始めたのが功を奏したのか、そんなに悪くないというのが僕の率直な感想だ。確かに脚本がいまいち練られていないという欠点が大きく目立つ作品ではあるのだが(自殺の動機となった妻とのエピソードが類型的、黄色と冬の伏線が効果的に使われていない、最後の10分に漂うあからさまな蛇足感等々)、見どころは富士の樹海が放つその冷酷なまでの神秘性だろう。死や自殺を必ずしも否定せず、むしろ自然の摂理の一部として慈悲をもって見つめている。一神教にはない、日本的アミニズムの神々しさが――完全ではないにせよ――画面の中に捉えられていた。その点は評価されてしかるべきだろう。主演俳優2人の存在感も際立っていた。
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