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ディストラクション・ベイビーズ - ちゃじじさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ディストラクション・ベイビーズ
レビュワー ちゃじじさん
点数 8点
投稿日時 2016-07-01 19:59:03
変更日時 2016-07-04 01:45:40
レビュー内容
柳楽優弥が街にでて始めて獲物を探す場面。背中越しに構えられたカメラ、長く持続するカット、途中で止まる音楽。そして、振り向いた柳楽優弥の笑った顔が映され、獲物へと向かう。
息をもつかせぬ緊張感、全てが異様でしかない空気をセリフなしで捉える。
そして、暴力を通してしか他者とコミュニケーションをとれない男を、皮膚感覚も含めて提示する。
それからは、ひたすら暴力が続く。暴力の描写も鋭い。ロングショットの長いワンカットで捉えられるその様子は、鈍重さ、暴力の美しくない姿をしっかりと映す。
柳楽は相手を選ぶ事なく、ただ楽しさを求めて、喧嘩を繰り返す。そして戦い毎、成長する姿は悟空に近いものすら感じる。
彼にとって生きる事は、喧嘩をする事なのだろう。暴力を通して痛みを感じる事でしか、生を実感できないのだろう。ミュージシャンにリベンジを果たした後の、生に満ち溢れた眩しい太陽がそれを物語っている。
暴力の連鎖の果てで長身の男を倒し、一つの絶頂を迎える。
絶頂の後、菅田将暉と行動を共にするようになった物語中盤から一気に暴力の質が変わっていく。
秩序から無秩序へ、純から不純へ。
そしてその変化と反比例するように、柳楽の存在は小さくなり、菅田や小松菜奈の物語における存在が大きくなっていく。
菅田は自分より強い相手に喧嘩を挑まないだろう。自分より有利な状況の相手とは戦わないだろう。
小松は自己防衛の為なら何でもするだろう。そしてその二人が限りなく一般人に近い存在なのだろう。
エスカレートする暴力の中で人が死に、事故が起きる。警察に嘘をつく小松。弟に対するいじめ。柳楽よりは自分に近いであろう、普通の人々が映るたびに、柳楽の存在が恋しくなっている自分がいる事に気付く。
長い不在の後、満を持して故郷に凱旋する柳楽。
闇夜に照らされたその姿は、崇高ですらある。
負の側面だけには収まりきらない、暴力の魅惑を強烈に突きつける怪物がそこにはいた。
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