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ジェイソン・ボーン - サムサッカー・サムさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ジェイソン・ボーン
レビュワー サムサッカー・サムさん
点数 7点
投稿日時 2016-10-09 02:41:22
変更日時 2016-10-09 02:48:16
レビュー内容
これは難しい。そもそもこの映画の立ち位置が難関なのである。
前ボーンのいい所は、そのシンプルさにあった。無駄をそぎ落とした脚本の中に、極限の諜報世界が息づいていた。

しかしリニューアルを図った「レガシー」が頓挫してしまった以上、やはり集客力のあるマット・デイモンのボーンを作らなければならず、さらに過去の焼き直しにならぬように、大幅なアップデートも必要になるのだ。

いやいやこれは難しい。シリーズの良さと、製作側の希望が最初から全くかみ合っていない。それでもこの難題に対してグリーングラスは善戦したと思う。高難易度の撮影や編集テクニックが伺える他、アクションも派手な見せ場が並ぶ凄い映画になっている。
というかスターと巨匠の黄金コンビに巨額の予算を投じることで、高水準な作品を作ったというのが正解か。
それなりにいい映画になっているのが個人的にはある種、タチの悪さを感じるところ。「これ、凄いけどボーンの必要あるのかな」というのが正直な感想である。

ボーンが戦う理由から弱い。まだまだ出生の秘密あるよと言われて、自分探しの旅へ出発である。物語的にボーンの動く理由としては良いのかもしれないが、観客としてはこの付け足し設定には雑さを払拭できない。終盤には復讐にシフトしていき、彼の人間的な感情を際立たせるのかと思いきや、敵もがっつり復讐で動くヤツが用意されおり、この路線変更もやはり空回り気味か。

そもそも私怨で動くようなヤツもこの作品には向かないのではないだろうか。この手の映画ではたまに「Not personal.(これはビジネスだ)」という台詞を耳にするが、ボーンの世界観はまさにそんな感じだ。指令を受けた工作員が問答無用で標的を殺す、または殺されるか。それだけの世界だ。
トミー・リー・ジョーンズが復讐心を操っていたにしろ、結果的に2人の工作員が復讐合戦でカジノに突っ込むとは何事か。

また、昨今のCIA絡みのインシデントを扱っているのも、食い合わせが悪かったか。バックドアに端を発するアップル対CIAを模した陰謀から始まり、スノーデンやらSNSやらを通じて、アメリカの抱えるプライバシーや監視への問題提起が展開する。グリーングラスにとってはこの手の話は得意分野であり、故に新要素として時事ネタを取り込んだのだろうが、途中からこの問題にシフトしていくようなプロットでは駄目だろう。
こんなのはマクガフィンでいい。ボーンとCIAが最後に出会うためのお膳立てであり、ただの記号で良い。
この問題を扱いたいなら、これを軸とした脚本にボーンを絡ませていかないと問題提起にもならないだろう。

もちろんいい所もいっぱいある。一貫した激しいカット割りの連続も相変わらず臨場感がある。世界規模のロケーションも007のそれとはまったく異なる趣があっていい。他のスパイ映画ならパルテノン神殿をフィーチャーしそうな所、それを空撮にとどめて国会前のシンタグマからオモニアまでの範囲でアクションを撮っちゃう所なんて渋いなぁと思う。
マット・デイモンとグリーングラスのタッグは、やはり素晴らしいシーンを生み出しているのだ。

しかしながら物語は詰め込みすぎ、アクションはラストのカーチェイスで一気に娯楽寄りになってしまい、映画内でのバランスはかなり悪い。このコンビでこの脚本なら、「グリーン・ゾーン」のような選択肢を提示した方が良かったのではないか。
本当に良くできたスパイアクションだが、「ボーン」のアイデンティティはあまり感じられないといったところか。
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