みんなのシネマレビュー
ジュリア - dreamerさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 ジュリア
レビュワー dreamerさん
点数 9点
投稿日時 2021-06-06 08:45:41
変更日時 2021-06-06 08:47:35
レビュー内容
フレッド・ジンネマン監督の「ジュリア」は、知的に美しく、見事な深度と品格を持つ、映画史に残る秀作です。

アメリカの代表的な女流劇作家リリアン・ヘルマンは、"女流"という特別扱いを拒否し、また、かつて悪名高い"赤狩り"の時代における、勇気ある行動でも知られる、いわば最高のインテリ女性だが、その彼女の自伝的回想の物語だ。

一人の優れた、魅力的な女性リリアン(ジェーン・フォンダ)の、生き方に、人格に、精神形成に、少女時代から関わった、女友達ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)と、結婚の形をとらずに、三十余年の生活を共にした、愛人の探偵作家ダシェル・ハメット(ジェーソン・ロバーズ)の二人。

良き友情と、良き愛情に恵まれたヒロインの、いま老いて孤高の、だが寂寥の姿に、人生の重みが切々と迫って、深い感動に、目頭が熱くなってきます。

ユダヤ系の名門の大富豪の孫娘に生まれて、優雅と気品と理知と、勇気と感性で、幼い頃から、リリアンを心酔させた、親友のジュリアは、やがて、イギリスを経て、留学地のウィーンから姿を消す。

追われる反ナチ運動の闘士となったジュリアの、その潜伏先ベルリンに、今や売り出し中の劇作家リリアンが、命懸けで、反ナチ運動の資金五万ドルを運ぶことに--------。

全編のハイライトである、このヨーロッパ大陸横断列車の旅は、フレッド・ジンネマン監督の、ヒリヒリするような、息詰まるサスペンス醸成の演出が、実に見事だ。

この後、やつれ果てた、無惨な義足のジュリアとの再会のシーンは、ヴァネッサ・レッドグレーヴの名演技が、ある種の凄味さえ帯びて、圧倒されます。

そうした"ジュリア"とは、つまりは、リリアンという女性にとっての"幻の鏡"だ。
彼女の理念と情念の象徴なのだ。
そのリリアンが、ハメットの豊かな愛に包まれて見せる、女らしさが、とても愛おしい。

脚本のアルビン・サージェントと老匠フレッド・ジンネマン監督が、ジュリアを"心に抱く"リリアンに、透徹の眼差しを注ぐ、静かに熱い、女性讃歌が、痛いほどに私の胸を打ちました。
dreamer さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-11-16ラスベガスをやっつけろ96.06点
スリーピー・ホロウ106.63点
2023-11-08ハッド86.45点
2023-11-07チャイナ・シンドローム97.42点
2023-11-07コーマ66.36点
2023-10-06レベッカ(1940)87.03点
2023-08-28ブリキの太鼓106.85点
2023-08-28八甲田山96.29点
2023-08-28救命士54.10点
2023-08-28小さな巨人76.88点
ジュリアのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS