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この世界の片隅に(2016) - ザ・チャンバラさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 この世界の片隅に(2016)
レビュワー ザ・チャンバラさん
点数 9点
投稿日時 2018-03-24 03:03:37
変更日時 2018-03-24 03:03:37
レビュー内容
実は私は呉出身なのですが、ここ数年の邦画ではダントツの評価を得た本作が地元の話であったことから過剰に身構えてしまい、鑑賞時期を逃しているうちに結局Netflixの配信で見てしまうという、何だかよく分からん状態での鑑賞になってしまいました。
まず驚いたのがネイティブかと思うほどうまい広島弁と、地元出身者ならおおよそどの地区のことなのかの察しがついてしまうレベルで呉市街地や山あいの集落が表現されていることです。さらには、一瞬映る盆灯篭など、広島県民ならピンとくるが他の地域の人には分からないような風習までが表現されているのですが、これ見よがしではなく本当に些細な描写でこれらを見せてくるため、物凄く気が利いているように感じました。
また地域性の再現度だけでなく、時代性の再現度も非常に高いレベルであることが本作の特色となっています。例えば、しばしば本作の類似作として挙げられる『火垂るの墓』などは顕著なのですが、主人公・清太は完全に戦後の価値観で動いているわけです。私のような細かい人間はそうした部分にウソ臭さを感じてしまうわけですが、本作については登場人物全員が当時の価値観で動いており、後知恵で善悪等を判断していないことが、他に類を見ないリアリティに繋がっています。配給が減って生活が苦しくなっても国や政府に対して不満を口にする者はいないし、隣組や軍事教練といった戦後社会においては異様とされてきた戦時体制についても、みんな当然のこととして受け入れています。これらのことが良いか悪いかという判断は置いといて、当時の人がどう生活していたのかという点にこだわり色を付けない描写とした辺りに、作り手側の善意を感じました。
玉音放送の受け止め方も、ユニークだが真を突いていると思いました。放送が終わると「あ~、長かったねぇ」なんて言ってみんな平静を装って日常に戻っていくフリをするのですが、各々隠れた場所では感情を爆発させています。しかもそれが怒りとか悲しみとかというありきたりなものではなく、今までさんざんガマンして苦労して、多大な犠牲を払ってまで戦争という国家事業に参加してきたのに、「負けました」では気持ちの整理がつかない、やるせないという感情なのです。この切り口には驚かされると同時に、ある種の説得力も感じました。
その他、軍艦や戦闘機といった兵器のかっこいい描写があったり、美しさを伴った破壊があったりと、ただただ悲惨にというベクトルで戦争映画が作られることの多い日本映画界では例外的に、ミニタリー要素も充実しています。とにかくさじ加減がうまいのです。
海外では「戦争をテーマにした日本のアニメにはずれなし」との定説もあるようなのですが、本作はその頂点に君臨しうる重要作だと思います。
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。55.60点
2018-07-17オールウェイズ46.46点
2018-07-09黒い家(1999)74.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー47.43点
2018-07-04復讐するは我にあり76.67点
2018-06-26愛と死の間で34.85点
2018-06-26スイッチバック46.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻87.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ266.23点
2018-06-18危険な情事76.47点
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