みんなのシネマレビュー
ペンギン・ハイウェイ - 鉄腕麗人さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 ペンギン・ハイウェイ
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 6点
投稿日時 2020-05-06 00:21:09
変更日時 2020-05-07 11:59:20
レビュー内容
想像以上に荒唐無稽で摩訶不思議な物語が、少年の初恋と成長を紡ぐ。
その儚さと、脆さと、幼さ、そしてそれらと同時に内在する果てしなさ。そういう普遍的なジュブナイル性が、瑞々しく綴られた美しいアニメーションだった……とは思う。

謎のペンギンが大量に出現し、利発で好奇心旺盛な小学4年生の主人公を、ファンタジックなアドベンチャーに引き込んでいくというストーリーテリングは、アニメーション表現に相応しい題材だった。
そして、地方都市の小さな町を舞台にしつつも、縦横無尽に無限大の広がりをみせる物語構成は、まさしく森見登美彦の世界観らしいものだったと思う。

アニメーション映画としてのクオリティは高いと思えたし、群雄割拠の日本のアニメ界において、この作品のクリエイター及びスタジオは、また新たな才能として台頭しているなとは思った。

けれど、この摩訶不思議な物語をビジュアルとして紡ぎだし、幅広い観客に“許容”させるには、アニメーション表現としての独創性がやや足りていないように感じた。
それは即ち、クリエイターとしての“エゴイズム”の物足りなさと言い換えてもいい。

森見登美彦の原作は未読だが、他の作品と同様に、良い意味で主観的で、キャラクターのインサイド(精神世界)へとどんどん世界観を広げていくような物語であろうことは、想像に難くない。
ならば、アニメーション表現としても、もっと“独善的”で、ある意味“変態的”な世界観が必要だったのではないかと思うのだ。
アニメ映画として魅力的に捉えられた反面、全編通して引き込まれず、「こんなことあり得ない」と一歩引いた目線でストーリーを追ってしまった要因がそこにあるように思える。

例えば、全盛期の宮崎駿であれば、原作者や原作ファンなど完全無視の独善性で、全く別物の世界観を構築していただろう。
また、同じく森見登美彦原作の「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」のアニメーション化に成功してみせた湯浅政明であれば、もっと変態的で、もっともっと果てしない“マイ・ワールド”を展開してみせたと思うのだ。

そういう意味で、この若いアニメ制作スタジオ(スタジオコロリド)の若いクリエイターたちによる初の長編作品は、ただ綺麗にまとまり過ぎているようだ。
クライマックスにおける主人公少年の感情表現等はもっと直情的で無様で良かっただろうし、現実と幻想が入り混じったような街並みはもっと混沌とイカれてほしかった。

“少年”のキャラクター性が憑依してしまったかのように、「大人ぶってしまっている」部分が、アニメ映画として稚拙に見えた最たる原因かもしれない。
ぜひとも、少年同様に研究と成長に邁進してもらいたいものです。
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-28劇場版 からかい上手の高木さん55.00点
ドミノ(2023)76.87点
2024-04-14名探偵コナン 紺青の拳34.54点
2024-04-09デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章87.00点
2024-03-31オッペンハイマー96.51点
2024-03-24DUNE デューン/砂の惑星 PART276.81点
2024-03-10アルキメデスの大戦86.60点
2024-03-02アラジン(2019)77.24点
2024-02-24マーベルズ64.87点
2024-02-23別れる決心98.66点
ペンギン・ハイウェイのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS